大晦日だよ! 紅白アイドル合戦!
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リアクション
■プロローグ■
2028年12月31日。
紅白アイドル合戦の今年だけの特別な企画に胸を躍らせた人々は
テレビに向かい始める時間を見ながら年を越す準備を始める。
この番組でオープニングを飾っているのは――
「2028年、今年もいろいろなことがあったみたいでした。
最後の大舞台の司会を務めさせていただく、パンダマスターズです」
「ビーストラリアはわりと平和だったねー」
「そだねぇ~……」
相槌を打ちながら眠そうにうとうとするパンダに、観客席から黄色い声が飛ぶ。
そこにいるだけで圧倒的可愛さを放つパンダとレッサーパンダのびーすとの二人は、
オルトアース現象時に野生都市トーキョーで圧倒的人気を得て芸能人になっていたのだ。
「なんか、今年はノイズとかいう病気が流行ってて、この紅白も欠席者が多いみたいだねぇ」
「ノイズ……? びーすとだからよくわかんない……」
「そだねぇ」
心の綺麗なびーすとが多いビーストラリアには、心を渡っていく悪しきイドラもうまく蔓延できなかったようだ。
そんな和やかな進行で、観客には分からない異世界の話も交えながら火花を散らす各組を紹介していくパンダマスターズ。
しかし観客も視聴者も、フェスタ、グランスタ、バビロン芸能事務所の面々を笑顔で見守っている。
「紅白なのに……白黒だ……!」
観客席でミルク蕎麦を食べていたリュンは、思わず納得したように呟いたのだった。
■目次■
1ページ プロローグ・目次
2ページ 【1】堕落を塗り替えろ 1
3ページ 【1】堕落を塗り替えろ 2
4ページ 【1】堕落を塗り替えろ 3
5ページ 【2】想いを乗せて 1
6ページ 【2】想いを乗せて 2
7ページ 【2】想いを乗せて 3
8ページ 【3】大御所、胸をお借りします!
9ページ エピローグ