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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

世界のどん底で愛をさけぶ神獣

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世界のどん底で愛をさけぶ神獣

リアクション

■纏う鎧を剥がし、今の姿をさらけ出せ!(1)


「我こそは一角獣の騎士、水鏡彰!
 獄炎の騎士サラマンダーよ、いざ勝負!」


 水鏡 彰が名乗りを上げ、剣を掲げて騎士としての礼をサラマンダーに送る。そして先手を取り、懐に入り込んでの一刀両断を狙う。
(性癖に口出しはしない。だが己の行動に疑問は……その様子じゃあ、ある訳ないか)
 クロノスの『啓示』という一面もあるだろうが、サラマンダーは自らの行動に思い悩む性質ではないようだ。
「なら力でもって、わからせる! てめーの大剣、いただいていくぞ!」
 剣の間合いに入るまであと一歩というところで、彰はサラマンダーの行動を察知し攻撃動作を回避動作に切り替える。直後、進もうとしていた空間を燃え滾る炎が掠め、空気ごと焼き払う。
(ふー危ねぇ。ありゃあ大剣っつうか、炎の塊だな)
 サラマンダーの持つ武器は見た目こそ大剣だが、元が炎でできているためか、物理法則を無視した挙動を行えた。
(でもよ、腕の振りの分はどうしたって、手元に隙ができるだろ!)
 鎧を纏って巨体になった分、剣を振れば振った内側には空間ができる。彰はそこを突き、盾の先端で大剣を受けてから一歩踏み込み、自分の剣の間合いに身体を滑り込ませると、大振りの一撃を鎧に叩きつける。接触音が響き、サラマンダーの巨体が僅かに後方へ下がった。
「騎士の戦いは己の名誉と誇り、守るべき人々の為のものだ。
 忘れてるなら思い出させてやるぜ、サラマンダー!」
 体勢を立て直したサラマンダーへ、彰が次の行動に移る――。


(この上にクロノスが居るってわけだな。なんかチラチラと視線を感じっけどまぁ……言いたいことは取っておくぜ。
 まずはコイツを正気に戻してやらねぇとなァ!)
 槍沢 兵一郎が全身を覆い尽くすほどの盾を構え、サラマンダーの攻撃に立ちはだかってガードし、身体を前に進めることで次の行動を阻害する。物理法則を無視しているものの質量は存在しているため、剣を押されることで身体も下がらねばならず、サラマンダーは思うような動きができずにいた。
「オイオイこんなもんかァ!? 最高の一撃を撃ってこいよッ!」
「私を愚弄するか!」
 激昂したサラマンダーが一旦下がり、力を溜めてから踏み込み、一撃を放つ。その攻撃に対し――兵一郎は盾ではなく、背中に背負っていた大剣――それは先の戦いで、ゾロールが持っていたうちの一本だった――を構えた。
「本人には劣るが――コレが俺の『暴剣』だッ!!」
 ゾロールの『暴剣』が属性として『攻撃』ならば、兵一郎の『暴剣』は『防御』の属性。相手を討ち取るのではなく相手の攻撃を受ける。本人の得意とする動作と今回の目的が噛み合った一撃は、燃え滾る大剣を『断ち切る』――触れ合った先で、剣の形をしていた炎がフッ、と消えた――ことに成功した。
「まだだ! 私の炎はこの程度で尽きるものではない!」
 吠えたサラマンダーが剣を再生させる。だが確かに効果的な一撃を与えたのは事実だ。
「へへっ、悪かねぇな!」
 新たな『防御手段』を得た兵一郎の顔に、笑みが浮かんだ――。


(師匠は『マゾ野郎』って言ってたけど、アイツはそうじゃない。ただ単に、自分の望みを歪められているだけ。
 ヤツの望みは、忠義を貫く事。騎士を目指したものなら誰もが胸に抱く挟持)
 黒瀬 心美が両の手に剣を握り、サラマンダーの前に進み出る。
(騎士として高潔であらんとするサラマンダーに対して、アタシがやる事はたったひとつ)

「……アタシは逃げも隠れもしない。勝負だ、サラマンダー!!」

 地面を蹴って、心美が駆け出す。サラマンダーが炎の大剣を振るって炎の濁流を飛ばすのと、心美がドラグトゥースを振るって水の激流を飛ばすのは、ほぼ同時。両者の中心で炎と水がぶつかり合う。
「この勝負には『意味がある』。それは誰かに決められるものじゃない。
 『どうせ意味なんてない』なんてくだらない事、ぬかせない! そこで見ていな、クロノス!!」
 意思の力で炎をかき消し、余波が炎のマントをかざしたサラマンダーごと後方へと吹き飛ばす。間髪入れず、心美が追撃の手を入れる。
「誇り高き戦士、ゾロールの魂宿りし牙よ……アタシに力を貸してくれ……!!」
 心美の声に応え、握った大剣に嵐の力が宿る。剣の間合いまで距離を詰めてから、文字通り『暴剣』に相応しい攻撃を浴びせていく。サラマンダーも臆せず反撃を入れていくが、心美はそれを避けたりせず、自らの剣を叩きつけて相殺していく。
(これは騎士としての戦いだ。一歩だって退いちゃダメだ……!)
 腕力の差を意思の力ではねのけ、サラマンダーがたまらず退いた隙に、二刀による同時攻撃を繰り出す。水と嵐の剣による全力の一撃は防御態勢を取ったサラマンダーの防御を突き崩し、鎧へのダメージと一時的な炎の剣の消滅をもたらした。


『あんまりよく分からないからこの場は朱に任せるけど……自由にやりたいようにやった結果が『守護騎士』なのは、やっぱりどこか守護者としての自覚は残っているのかしらね?』
「おう、任せておくのぜ。なんつーか、もうちっと普段から自由にやれてたら、ここまではっちゃけることなかったのになー。
 『自由』ってのを教えてやるのぜ!」
 天導寺 紅のユニゾンを受け、天導寺 朱が光る刀身をサラマンダーに突きつける。
「さぁ、我が剣を受けてみろ! 獄炎の騎士!」
 剣を振り、斬撃を飛ばしつつも自身は踏み込まず、全力で後退する。斬撃を大剣の一振りでかき消したサラマンダーが距離を詰めようとすると、羽を羽ばたかせ衝撃波を撃ちつつ、距離を空ける。
「貴様の振る舞い、騎士として恥ずかしくないのか!」
「常に心に守りたいものを想い、それを守る為ならば全身全霊で挑む。それが騎士なのぜ!」
『まぁ、そうだけど……っと、任せるって言った手前、余計なツッコミは控えるわね』
 サラマンダーの指摘にも朱は涼しい顔でそんなことを言い、相手の攻撃の間合いに近づかせない。サラマンダーが強引に近付こうとすれば周囲に待機させていた小型ドローン群に迎撃され、ようやく近づけたかと思えば掲げた水晶の盾の強い光に惑わされ、鉄球の制裁を受けるなど、一発一発のダメージは小さいながらも翻弄され続け、ジリジリと体力を減じていった。
「戦うからには勝つ。そのために使えるものはためらわずに使う。それもまた騎士のあり方ってやつだ!」
「ふざけるな! それが騎士であるなどと、私は認めぬ!」
 絶えず生じる小規模な爆発――朱が撒き散らした羽根によるもの――にサラマンダーが動きを止め、羽根に付随されていた『水滴を周囲に飛ばす』効果によって大量の水滴を浴び、それが氷結することによって熱量を奪われながら、それでもなおサラマンダーは諦めずに立ち向かう。
『すっかり悪役って感じね』
「演技の幅は、広ければ広いほどいいのぜ! ……それじゃあ、これで決める!」
 大量の羽根をサラマンダーに浴びせ、爆発で身動きを封じてから、朱は剣を掲げ、羽を広げてふわり、と浮き上がってから、剣に集めた力をサラマンダーに向けて解き放つ。真っ直ぐに放たれる『ウタ』の力はサラマンダーの大剣を消滅させ、鎧の一部を剥ぎ取る結果をもたらした。
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