V.S.グランスタ! 前編
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■プロローグ■
緊張が走る広場に控えるグランスタ部隊。
その中でグラン・レジスタンスの一員である司馬 八咫子と芹沢 ナズナは自分たちのすべきことをアイコンタクトで確認しあっていた。
グランスタの反乱分子であることは隠しつつ、この場をフェスタ有利に進めてビブリオ・チャンネルを守る――
正直八咫子自身も不安があるうえ、天然なところのあるナズナにこの状況が対処できるか内心焦りも感じていたが。
「大丈夫だ。問題はない」
ナズナは大きな胸をどーんと叩いた。なぜか自信満々らしい。
あまりに自然体で、確かにあまり疑われることも無いかもしれない。
「しかし左脳さんには参る。レジスタンスに誘っても誘わなくても面倒臭い男だ」
「渋蔵もだな。まさかああも拗ねるとは。腹が減っているだけかも知れないが……」
「……アルカも、私に怒っているだろうか」
相方の成功を願うからこそ、純粋に活躍を続けてほしいからこそ芸能界すら追われるかもしれない危険な作戦には誘えなかった。
八咫子と共にレジスタンスを立ち上げた夕崎ゲーテも同じ気持ちだと言っていたが、
結局こうしてすれ違いを生んでしまっている。
ナズナも彼女の気持ちが分からなくはないようで、ぽんと八咫子の肩に手を置いた。
「八咫子は悪いことはしていない。アルカもきっとそれを分かっている。
少なくとも、うちの男たちのようにひねくれてはいないだろう」
「ああ……あの横暴な吸血鬼男は悩みの種ではあるな……」
「ところであの穢ノ神は何で誘わなかったんだ?」
「え?」
……単に忘れていた。
そんな言葉は飲み込み、あとでしれっとナオヤは誘っておこうかと思う八咫子だった。
■目次■
1ページ プロローグ・目次
2ページ 【1】ただ守るために
3ページ 【1】犠牲の果ては
4ページ 【2】智者に安らぎを
5ページ 【2】明日のための狂騒曲
6ページ 【2】苦しむよりも
7ページ エピローグ