みんなでレッツ犯罪!? バビフェス開催!
リアクション公開中!

リアクション
2.NO MORE犯罪、罪深き存在
(大丈夫……まだ気づかれてないのぜ)
歓声が響くライブ会場の中、天導寺 朱はヴァリアブルボードに乗ってステージへと近づいた。
そして、頃合いを見計らい、カーニバルクラウンロッドを振りかざし、王冠を空へと打ち上げた。
突然炸裂した巨大な花火と轟音に、観客やバビプロのアイドルたちが驚く。
その逆光に隠れ、朱はライブの開始を声高らかに宣言した。
『石川五右衛門! 君を超える不法侵入の達人として、今なお世界で活躍し続ける男の生き様を描いたライブで勝負なのぜ!』
サンタ服を着た朱は、「ホッホッホ」という声を立てながら観客の頭上を飛ぶ。
その周囲には、ジングルシャイニーの光の粒がこぼれ落ち、鈴の音を響かせる。
「朱先輩……あれは」
「あっしも知ってるでゲス! サンタさんでゲスな!」
木 花子と鼠小僧がはしゃいだ声を上げる。
それに気づいた朱は笑顔で手を振り返した。
『まだ少し早いが……メリークリスマスじゃよなのぜー☆』
サンタ、サンタだ! と声を上げる観客の上を飛び回りながら、朱はアンチテーゼ・ノイズに乗せてクリスマスソングを歌った。
確かに、現役の不法侵入の達人であり、なおかつ愛されている男はサンタクロースをおいて他にはいないだろう。
これには石川 五右衛門や他のバビプロのアイドルたちも何の文句もないようだった。
『さぁ、いい子でライブを聴いてくれたみんなにはプレゼントなのぜ!』
朱は曲の最後に、観客に向けてプレゼントのお菓子を振り撒いた。
プレゼントに喜ぶ皆の姿を見て、義賊として活躍していた頃の喜びを五右衛門に思い出して欲しい。
そんな思いを込めての行為であった。
「さぁ、私達も行くわよ花子さん。日向ぼっこを広めたいというあなたの思いと私のゲームへの思いを合わせる時が来たわ」
クロティア・ライハが朱のライブに魅入っていた花子に声をかける。
花子は「はい、クロティア先輩」と頷き一緒にステージに立った。
(色々な犯罪やマナー違反…そういうのを『娯楽』にするなんてね…ゲームという『娯楽の力』を纏う身としては許せないわ…)
ステージ上に、クロティアはアポロンズフィールドを展開し、光のステージの上に自分と花子、そしてナレッジ・ディアを浮かび上がらせる。
ナレッジは花子の手を取り、「さぁ、踊りましょ!」と言った。
「花子さんの日向ぼっこのゆったりまったりなダンスです。お客さんたちと一緒に、楽しみましょ!」
「は、はいナレッジ先輩!」
花子がナレッジの手に触れると、優しい音が響いた。
ナレッジの体につけたリズムタッチパッチが反応したのだ。
そしてその頭上にはドローンの群れ――ラインリズムが静寂で平穏なあたたかな森をイメージさせるようなゆったりとしたゲーム音楽を奏でた。
(こういう時こそ…まっとうな娯楽、私のゲームや花子の日向ぼっこの力で立ち向かうべきなのよ)
クロティアはゲーム機から曲を響かせながら、クラッピングベルを鳴らしてゆったりと踊る。
その向こうでは、ナレッジと花子も歌って踊りながらライブを楽しんでいる。
(激しく踊っちゃダメよ、2人とも? 「日向ぼっこしながらゆったりダンスゲーム」っていうのが今日のテーマなんだから〉
楽しそうな2人を見ながらクロティアがくすっと笑う。
(そういうのって、なかなかよさげな娯楽じゃない? 悪の娯楽より絶対楽しいわよ!)
ゆったりとした曲調で観客の心を惹きつけながら、曲はいよいよサビに差しかかる。
すると、ナレッジがさらなるアピールを仕掛けた。
(お願い、グリッターバルーン! 太陽のように光をあたりに満たして!)
ナレッジがグリッターバルーンを弾けさせるのに合わせ、クロティアもエタニティサンシャインを展開する。
クラッピングベルの音が会場に響き渡り、観客の頭上には光の花が弾ける。
(響き渡れ光の音…! ノイズを払って、みんなが日向ぼっことゲームに興味を抱いてくれますように……!)
そう願いを込めるクロティアの横で、花子も微笑んで頷いてみせた。
クロティアが弾ける光の中に何を込めたのかが分かったようだ。
(ゲームして、みんなでのんびり日向ぼっこ……そんな事ができたら、きっと楽しいですね、クロティア先輩)
続いてステージに現れた相羽 憧はとても強気だった。
『はっはっはー! とうとう来たわね、アタシの時代がっ!! カリスマと言えばアタシっ!! アタシと言えばカリスマっ!! カリスマの体現者とは。そう! このアタシ相羽 憧よっ☆』
ハンドマイクに向かってそうアピールをする憧を見て、バビプロのアイドルたちが「何だあの自信満々なアイドルは」とざわついている。
さらに憧は五右衛門に向かって、「ダメね、全くダメダメだわ!」と声を上げた。
『犯罪ライブねぇ? ダメね、全くダメダメだわ! いい? アイドルっていうのは観客を幸せにしなきゃいけないのよ? それなのに犯罪で不幸を助長しちゃうなんて……カリスマとかの前に、アイドル失格よ!』
「なっ…! この五右衛門様に向かってずいぶんなことを言ってくれるねぇ!」
『見てなさい五右衛門! これからあたしがアイドル的に、カリスマっぽく『強盗』の手本を魅せてあげるわ!』
自分を中心にスポットライトのような光を集めながら、憧はそう宣言した。
『アタシが強奪するのは観客の心! さぁこれが本当の罪、アタシの「犯罪的カリスマライブ」で皆の心を盗んじゃうから! みーんなアタシの虜にしてあげる! アタシの存在がもうカリスマで罪なんだからね☆』
憧はシャイニーオーディエンスの光の輪を観客の指に出現させる。
そうしてカラフルな光の指輪が観客一人一人の指に輝く中、歌うのはもちろん「 Runway 」である。
(観客とアタシが一体となってこそ、カリスマ的ライブの完成よ…!)
歌う憧の頭上には、エタニティシャインの光が弾ける。
そして憧が人差し指を天に向け、観客にも同じポーズをするようにアピールした。
(皆の個性の色、アタシに見せて!)
観客が一斉に天に指を向け、指輪が放つサイリウムのような色鮮やかな光の中に憧の姿が浮かび上がる。
曲の終わり、弾ける光の中で憧と観客の心は1つになった。
(犯罪を広めるって? 荒々しい連中を見ると、どうも血が騒いじゃうわよねぇ)
古味 めみこはジョッキーズブースをステージに持ち込み、バビプロのアイドルたち、そしてノイズに侵された者たちを見据えた。
観客はこちらのステージに注目しているようだがまだ五右衛門やバビプロの関係者たちは全く諦めていないのだ。
「ラップバトルよ、バビプロ! 荒っぽく盛り上がろうじゃないの!」
めみこはフレームビートを響かせ、相手を挑発する。
そして、NAOYA’sビートにリリックを乗せ、情熱的なラップを叩きつけた。
犯罪なんてダサいよくないわかんない
そんな正論もちろん受け取らないんでしょ?
ちょっかいをかけるように剣戟の声を含ませて。
観客もバビプロのメンバーがどんな反応を示すのかと期待し、歓声を上げる。
すると、バビプロの1人のアイドルがめみこの挑戦に乗った。
正論、I Know だけどこれ才能
重罪・大罪これ犯す 我がパッション
だったら言葉の刃で大胆にバトルしてみたら?
そしたらきっと気分もアガるし
気分アゲアゲ、だけどお前の負け
我らのパワーはこのフラストレーション
フラストレーションもプラスのテンション
で結果オーライのショータイム完成
ラップを戦わせながら、キマってるじゃない、とめみこが笑う。
どうやら相手もこのラップ対決に巻き込まれ、一時犯罪を犯そうという意識を奪うことに成功したようだ。
(ラップバトル、いいね。じゃああたしとも戦ってくれるよね?)
剣堂 愛菜はロック&ポイントで五右衛門を指差す。
そして、足元のDF.タンブルドールを示した。
(あたしのダンブルドールを奪えるなら奪ってみてよ)
ポンポン、とリフティングしてみせると、五右衛門も意味がわかったようだ。
ニヤリと笑い、愛菜の前に立つ。
「この五右衛門様に『奪えるか?』とはご挨拶だねぇ! いいよ! やってやろうじゃない!」
(ライブ開始! 負けないよ!)
愛菜はハートビート・ダンスとダンスマニューバの動きを組み合わせながら、五右衛門を挑発し、DF.タンブルドールを操る。
一方的にボールを支配しようと愛菜は試みるが、相手は泥棒のプロである。
五右衛門もパフォーマンスを繰り出しながら、華麗に愛菜からDF.タンブルドールを奪った。
「あたしは天下の大泥棒さ! これくらい軽く奪えなくってどうするってんだい!」
(絶対盗られないつもりだったのに……やってくれるね! だけどこれでいいんだ。「ライブとはファンとの一騎打ち」だからね)
楽しそうな五右衛門に対し、愛菜は全力でかかっていく。
(物を奪い合うことについて考えてみてよ、五右衛門。こっちのほうが、強盗殺人より楽しいんじゃない?)
奪い合いを楽しく魅せるよう、愛菜は楽しく元気に振る舞いながら五右衛門との勝負を続ける。
そして、観客が盛り上がってきたのを見てさらに仕掛けた。
(今度はあたしが奪うよ、五右衛門!)
愛菜はヒートインパクトの炎の衝撃波を発生させながら、五右衛門の前に突っ込んでいった。
わっと沸き返った観客達の声が、スタジアムの歓声のように響く。
ひらりとDF.タンブルドールを奪った愛菜の背後にはタピオの獰猛による猛獣の幻影が浮かび上がっていた。
(大丈夫……まだ気づかれてないのぜ)
歓声が響くライブ会場の中、天導寺 朱はヴァリアブルボードに乗ってステージへと近づいた。
そして、頃合いを見計らい、カーニバルクラウンロッドを振りかざし、王冠を空へと打ち上げた。
突然炸裂した巨大な花火と轟音に、観客やバビプロのアイドルたちが驚く。
その逆光に隠れ、朱はライブの開始を声高らかに宣言した。
『石川五右衛門! 君を超える不法侵入の達人として、今なお世界で活躍し続ける男の生き様を描いたライブで勝負なのぜ!』
サンタ服を着た朱は、「ホッホッホ」という声を立てながら観客の頭上を飛ぶ。
その周囲には、ジングルシャイニーの光の粒がこぼれ落ち、鈴の音を響かせる。
「朱先輩……あれは」
「あっしも知ってるでゲス! サンタさんでゲスな!」
木 花子と鼠小僧がはしゃいだ声を上げる。
それに気づいた朱は笑顔で手を振り返した。
『まだ少し早いが……メリークリスマスじゃよなのぜー☆』
サンタ、サンタだ! と声を上げる観客の上を飛び回りながら、朱はアンチテーゼ・ノイズに乗せてクリスマスソングを歌った。
確かに、現役の不法侵入の達人であり、なおかつ愛されている男はサンタクロースをおいて他にはいないだろう。
これには石川 五右衛門や他のバビプロのアイドルたちも何の文句もないようだった。
『さぁ、いい子でライブを聴いてくれたみんなにはプレゼントなのぜ!』
朱は曲の最後に、観客に向けてプレゼントのお菓子を振り撒いた。
プレゼントに喜ぶ皆の姿を見て、義賊として活躍していた頃の喜びを五右衛門に思い出して欲しい。
そんな思いを込めての行為であった。
「さぁ、私達も行くわよ花子さん。日向ぼっこを広めたいというあなたの思いと私のゲームへの思いを合わせる時が来たわ」
クロティア・ライハが朱のライブに魅入っていた花子に声をかける。
花子は「はい、クロティア先輩」と頷き一緒にステージに立った。
(色々な犯罪やマナー違反…そういうのを『娯楽』にするなんてね…ゲームという『娯楽の力』を纏う身としては許せないわ…)
ステージ上に、クロティアはアポロンズフィールドを展開し、光のステージの上に自分と花子、そしてナレッジ・ディアを浮かび上がらせる。
ナレッジは花子の手を取り、「さぁ、踊りましょ!」と言った。
「花子さんの日向ぼっこのゆったりまったりなダンスです。お客さんたちと一緒に、楽しみましょ!」
「は、はいナレッジ先輩!」
花子がナレッジの手に触れると、優しい音が響いた。
ナレッジの体につけたリズムタッチパッチが反応したのだ。
そしてその頭上にはドローンの群れ――ラインリズムが静寂で平穏なあたたかな森をイメージさせるようなゆったりとしたゲーム音楽を奏でた。
(こういう時こそ…まっとうな娯楽、私のゲームや花子の日向ぼっこの力で立ち向かうべきなのよ)
クロティアはゲーム機から曲を響かせながら、クラッピングベルを鳴らしてゆったりと踊る。
その向こうでは、ナレッジと花子も歌って踊りながらライブを楽しんでいる。
(激しく踊っちゃダメよ、2人とも? 「日向ぼっこしながらゆったりダンスゲーム」っていうのが今日のテーマなんだから〉
楽しそうな2人を見ながらクロティアがくすっと笑う。
(そういうのって、なかなかよさげな娯楽じゃない? 悪の娯楽より絶対楽しいわよ!)
ゆったりとした曲調で観客の心を惹きつけながら、曲はいよいよサビに差しかかる。
すると、ナレッジがさらなるアピールを仕掛けた。
(お願い、グリッターバルーン! 太陽のように光をあたりに満たして!)
ナレッジがグリッターバルーンを弾けさせるのに合わせ、クロティアもエタニティサンシャインを展開する。
クラッピングベルの音が会場に響き渡り、観客の頭上には光の花が弾ける。
(響き渡れ光の音…! ノイズを払って、みんなが日向ぼっことゲームに興味を抱いてくれますように……!)
そう願いを込めるクロティアの横で、花子も微笑んで頷いてみせた。
クロティアが弾ける光の中に何を込めたのかが分かったようだ。
(ゲームして、みんなでのんびり日向ぼっこ……そんな事ができたら、きっと楽しいですね、クロティア先輩)
続いてステージに現れた相羽 憧はとても強気だった。
『はっはっはー! とうとう来たわね、アタシの時代がっ!! カリスマと言えばアタシっ!! アタシと言えばカリスマっ!! カリスマの体現者とは。そう! このアタシ相羽 憧よっ☆』
ハンドマイクに向かってそうアピールをする憧を見て、バビプロのアイドルたちが「何だあの自信満々なアイドルは」とざわついている。
さらに憧は五右衛門に向かって、「ダメね、全くダメダメだわ!」と声を上げた。
『犯罪ライブねぇ? ダメね、全くダメダメだわ! いい? アイドルっていうのは観客を幸せにしなきゃいけないのよ? それなのに犯罪で不幸を助長しちゃうなんて……カリスマとかの前に、アイドル失格よ!』
「なっ…! この五右衛門様に向かってずいぶんなことを言ってくれるねぇ!」
『見てなさい五右衛門! これからあたしがアイドル的に、カリスマっぽく『強盗』の手本を魅せてあげるわ!』
自分を中心にスポットライトのような光を集めながら、憧はそう宣言した。
『アタシが強奪するのは観客の心! さぁこれが本当の罪、アタシの「犯罪的カリスマライブ」で皆の心を盗んじゃうから! みーんなアタシの虜にしてあげる! アタシの存在がもうカリスマで罪なんだからね☆』
憧はシャイニーオーディエンスの光の輪を観客の指に出現させる。
そうしてカラフルな光の指輪が観客一人一人の指に輝く中、歌うのはもちろん「 Runway 」である。
(観客とアタシが一体となってこそ、カリスマ的ライブの完成よ…!)
歌う憧の頭上には、エタニティシャインの光が弾ける。
そして憧が人差し指を天に向け、観客にも同じポーズをするようにアピールした。
(皆の個性の色、アタシに見せて!)
観客が一斉に天に指を向け、指輪が放つサイリウムのような色鮮やかな光の中に憧の姿が浮かび上がる。
曲の終わり、弾ける光の中で憧と観客の心は1つになった。
(犯罪を広めるって? 荒々しい連中を見ると、どうも血が騒いじゃうわよねぇ)
古味 めみこはジョッキーズブースをステージに持ち込み、バビプロのアイドルたち、そしてノイズに侵された者たちを見据えた。
観客はこちらのステージに注目しているようだがまだ五右衛門やバビプロの関係者たちは全く諦めていないのだ。
「ラップバトルよ、バビプロ! 荒っぽく盛り上がろうじゃないの!」
めみこはフレームビートを響かせ、相手を挑発する。
そして、NAOYA’sビートにリリックを乗せ、情熱的なラップを叩きつけた。
犯罪なんてダサいよくないわかんない
そんな正論もちろん受け取らないんでしょ?
ちょっかいをかけるように剣戟の声を含ませて。
観客もバビプロのメンバーがどんな反応を示すのかと期待し、歓声を上げる。
すると、バビプロの1人のアイドルがめみこの挑戦に乗った。
正論、I Know だけどこれ才能
重罪・大罪これ犯す 我がパッション
だったら言葉の刃で大胆にバトルしてみたら?
そしたらきっと気分もアガるし
気分アゲアゲ、だけどお前の負け
我らのパワーはこのフラストレーション
フラストレーションもプラスのテンション
で結果オーライのショータイム完成
ラップを戦わせながら、キマってるじゃない、とめみこが笑う。
どうやら相手もこのラップ対決に巻き込まれ、一時犯罪を犯そうという意識を奪うことに成功したようだ。
(ラップバトル、いいね。じゃああたしとも戦ってくれるよね?)
剣堂 愛菜はロック&ポイントで五右衛門を指差す。
そして、足元のDF.タンブルドールを示した。
(あたしのダンブルドールを奪えるなら奪ってみてよ)
ポンポン、とリフティングしてみせると、五右衛門も意味がわかったようだ。
ニヤリと笑い、愛菜の前に立つ。
「この五右衛門様に『奪えるか?』とはご挨拶だねぇ! いいよ! やってやろうじゃない!」
(ライブ開始! 負けないよ!)
愛菜はハートビート・ダンスとダンスマニューバの動きを組み合わせながら、五右衛門を挑発し、DF.タンブルドールを操る。
一方的にボールを支配しようと愛菜は試みるが、相手は泥棒のプロである。
五右衛門もパフォーマンスを繰り出しながら、華麗に愛菜からDF.タンブルドールを奪った。
「あたしは天下の大泥棒さ! これくらい軽く奪えなくってどうするってんだい!」
(絶対盗られないつもりだったのに……やってくれるね! だけどこれでいいんだ。「ライブとはファンとの一騎打ち」だからね)
楽しそうな五右衛門に対し、愛菜は全力でかかっていく。
(物を奪い合うことについて考えてみてよ、五右衛門。こっちのほうが、強盗殺人より楽しいんじゃない?)
奪い合いを楽しく魅せるよう、愛菜は楽しく元気に振る舞いながら五右衛門との勝負を続ける。
そして、観客が盛り上がってきたのを見てさらに仕掛けた。
(今度はあたしが奪うよ、五右衛門!)
愛菜はヒートインパクトの炎の衝撃波を発生させながら、五右衛門の前に突っ込んでいった。
わっと沸き返った観客達の声が、スタジアムの歓声のように響く。
ひらりとDF.タンブルドールを奪った愛菜の背後にはタピオの獰猛による猛獣の幻影が浮かび上がっていた。