みんなでレッツ犯罪!? バビフェス開催!
リアクション公開中!

リアクション
1.天降る黒きNOISE、かき消すはCOOL SOUNDS
次々と打ち上げられ、明るい空に真っ黒なノイズを撒き散らす禍々しい花火――。
爆発音が人々の聴覚・そして心を蝕んでいく。
そして、バビロン芸能事務所の真っ黒なステージではセンターの石川五右衛門が声を張り上げ、荒々しいドラムの音とともにライブが始まった。
『みんなーっ! 盛り上がって行こうねぇ! まずは手始めに、五右衛門様の実演ライブだ!!』
五右衛門はマイクを放り捨てると、キーンという音に思わず耳をふさぐライブ仲間を背に、観客の中に飛び込んでいった。
その周囲から響く悲鳴。
どうやら、手始めに「スリの実演」と洒落込もうというつもりらしい。
「早速始めたか、石川五右衛門……! そうはさせないぜ!」
ステージに立った凍鶴 緋桜は木漏れ日ギターを構えると、軽快な音を響かせ、沸き起こったノイズに対抗し始めた。
その周囲には光が溢れ、五右衛門や彼女に気を取られていた人々の視線を緋桜へと集める。
(見てろよ、五右衛門! 悪いことを楽しんだって、本当の意味では楽しめないって事を教えてやるぜ!)
誰かの泣き顔なんかより
誰かの嘆きの声なんかより
心温まり楽しくなれるのは
向けられる喜びの笑顔
歌い始めた緋桜の周囲にはにゃあにゃあと大合唱する猫たちが現れ、観客からは歓声が上がった。
猫たちは緋桜のライブに合わせ、ステージを下りて飛び出していく。
会場があっという間に猫だらけになる中、緋桜はその中にクラリネットネコの「サリエル」を紛れ込ませていた。
(頼んだぞ、サリエル)
サリエルは緋桜から預かった「ジュエル・ドロップス」をぽろぽろと観客の中に振りまきながら会場を歩き回る。
その様子を見ながら、緋桜はライブを続ける。
(気付かれないように、こっそりな)
…でも頑張りすぎるのはよくないから
疲れたら肩の力抜いて
猫のようにひなたぼっこでもしよう
サリエルは役目を果たすと、ぴょんとステージへ飛び乗り、緋桜のもとへ戻った。
緋桜は「届いたか?」とおどけてジュエル・ドロップスを観客に見せながら最後まで歌を歌いきった。
ちょっとしたことでも誰かを喜ばせられる
例えば小さなサプライズ
美味しい幸せのお裾分け
きみが浮かべた笑顔が誰かを笑顔にする
そんな素敵な輪を途切れさせないで
繋いでいこう小さな幸せの輪を
バビプロの行動を前に、怒りに震えているアイドルがいた。
白川 郷太郎である。
(犯罪ブームを世間に広める…だと!? さては…! そうやってやりたい放題やっておいて、最後にはその罪をイドラ教団に向けさせて、自分たちは責任逃れするつもりでござろう!)
木漏れ日ギターを握りしめ、郷太郎はステージに上がった。
「我がイドラ教団はあいつらみたいな卑劣な犯罪は起こさん! リア充には容赦しないでござるが、度が違うでござるよ!」
観客は始まったばかりのこちらのライブに注目しつつあるが、まだ混乱の中にいる。
ステージに立った郷太郎は、彼らに向かってこう宣言した。
「イドラ教団員猫武士の郷太郎参上! くだらぬ悪を成敗するでござるよ!」
運命の鍵盤をかき鳴らし、さらに郷太郎が繰り出したのは「バステトの癒やし」による猫の群れだった。
(そう…拙者のする「害にならない犯罪」は、たくさんの猫達による通行妨害でござる! 犬好きの者たちに、猫の押し付けをするというのは犯罪かもしれない! でござるが…まぁ、害にはならんはずだ! 猫たちよ、観客の足を止めるでござる!)
郷太郎は足元に光のステージを出現させ、ゆっくり宙へと浮かび上がる。
そして観客の頭上でライブを行いながら、その足元ににゃーにゃーいいながら走り回る猫たちの幻影を投影し続けた。
「わぁ、緋桜さんも郷太郎さんも猫さんいっぱいのライブでたのしいねぇ…わたしも猫さんと一緒にみんなをもりあげたいな」
フェスタフォーマルで装った氷華 愛唯はスタンドマイクをステージに立てると、周囲に現れたたくさんの猫たちと一緒に歌い始める。
その周囲には星屑のような光がキラキラと散った。
お願い CLOVER
希望を胸に
わたしはいつでもここにいる
愛唯の歌声とともに、会場には雪が降り積もっていく。
透き通った歌声に観客は聞き入った。
(私の世界はいつだって、あたたかな氷の世界なの。この心がもし、あなた達に降り注いでいくのなら。この愛がもし、あなた達に降り積もっていくのなら。わたしはあなた達とともに、あるいていけるの)
どんな絶望の世界だって ここはわたしとあなたの世界
ずっとずっと一緒にいると 伝えたいよ
どんな曖昧な世界だって いつもあなたはわたしの中に
それは明瞭な真実だから 信じてよ
わたしが大切な人から贈られたメッセージを、ここにいる人たちにも受け取って欲しい。
のんびりしているわたしが、混乱している人たちの心がのんびりのんびりになるように、素直にアピールして、歌を届けたい――。
その思いを胸に、愛唯は猫たちと共にステージに立ち続けた。
『私達のライブを始める前に、良いかしら石川五右衛門様?』
ウィンダム・プロミスリングはマイクを手に、バビプロのアイドルたちを見据えた。
『皆様、余り…悪事を武勇伝で語るのは…慎んだ方が良いと思うわ。そうね…“ガチでやらかした”話は如何?』
「ガチで…やらかした?」
『例えば、先のスカイタワーでの一件! 私達は、言語の翻訳を勘違いしていたわ! 正解は…トゥルースが、真理を意味するわね!』
「えっと…何のこと??」
唐突に語り始めたウィンダムを前に、五右衛門を始めとするバビプロのアイドルたちはぽかんとしていた。
だがウィンダムは構わずに語り続ける。
『アートの神髄は、“真理”が正しい解釈になるわ。状況が混乱された様でしたら、大変申し訳ございませんでした! 誤認に関しては、諸般の事情によるものです』
会場が何だ、何の話だとざわざわしている。
だがこれは、五右衛門を「解放する」ライブを行うためのウィンダムの作戦だった。
『プロヴィデンスは、摂理を意味しますが…。神意や真理とも訳されて…曖昧な記憶からの間違いです。この場をお借りして、訂正いたします。重ねて…誠に、申し訳ございませんでした! それでは! 歌います☆桐山撫子を! よろしくお願い致します♪』
どうやらこれは、曲紹介の「前フリ」だったようだ。
桐山 撫子がステージに立ち、マイクを手にする。
『諸般の事情…表に出す話じゃないよ、ウィン姉。それから…五右衛門様…犯罪関係の出来事を歌うアーティストは昔からいるの…あたしも分かるよ。だけど…あなたとあたしの間には、何かしらの壁を感じるんだ…だから、あなたの犯罪ライブを「懺悔会」に…塗り替えてあげる』
そう言って撫子は五右衛門の顔をじっと見つめた。
このライブ対決で、あなたを解放する、と。
『世界をもっともっと面白く…でも、本質的に面白い事は…ごめん、ウィン姉が十分話したから、あたしはライブを始めなきゃね。これ以上は理屈抜きに…曲は『Phoenix』だよ♪』
撫子は観客を見て、宣言する。
『I am music fighter on stage!』
夢 映り込んだ 現実の影
炙りだした 欲望さえ
無情に 堕ちて行く 砂時計
求めた 罪を背負い
燃え尽きる
でも君は 朽ちてくの?
歌声を響かせる撫子。
ウィンダムはその間、五右衛門達の動きに目を光らせる。
だがバビプロのアイドルたちは黙って撫子の歌を聞いていた。
祈りは 不死鳥の灯
灰になり 静寂
諦めない 閃き叶えるため
譲れない想い
約束…信じてたいんだ
みんなで「ヒロイック・ソングス!」を創ろう。
そして、あたし自身が、アートを牽引できる立場を目指したい。
その思いを込めて、撫子は最後まで曲を歌いきったのだった。
次々と打ち上げられ、明るい空に真っ黒なノイズを撒き散らす禍々しい花火――。
爆発音が人々の聴覚・そして心を蝕んでいく。
そして、バビロン芸能事務所の真っ黒なステージではセンターの石川五右衛門が声を張り上げ、荒々しいドラムの音とともにライブが始まった。
『みんなーっ! 盛り上がって行こうねぇ! まずは手始めに、五右衛門様の実演ライブだ!!』
五右衛門はマイクを放り捨てると、キーンという音に思わず耳をふさぐライブ仲間を背に、観客の中に飛び込んでいった。
その周囲から響く悲鳴。
どうやら、手始めに「スリの実演」と洒落込もうというつもりらしい。
「早速始めたか、石川五右衛門……! そうはさせないぜ!」
ステージに立った凍鶴 緋桜は木漏れ日ギターを構えると、軽快な音を響かせ、沸き起こったノイズに対抗し始めた。
その周囲には光が溢れ、五右衛門や彼女に気を取られていた人々の視線を緋桜へと集める。
(見てろよ、五右衛門! 悪いことを楽しんだって、本当の意味では楽しめないって事を教えてやるぜ!)
誰かの泣き顔なんかより
誰かの嘆きの声なんかより
心温まり楽しくなれるのは
向けられる喜びの笑顔
歌い始めた緋桜の周囲にはにゃあにゃあと大合唱する猫たちが現れ、観客からは歓声が上がった。
猫たちは緋桜のライブに合わせ、ステージを下りて飛び出していく。
会場があっという間に猫だらけになる中、緋桜はその中にクラリネットネコの「サリエル」を紛れ込ませていた。
(頼んだぞ、サリエル)
サリエルは緋桜から預かった「ジュエル・ドロップス」をぽろぽろと観客の中に振りまきながら会場を歩き回る。
その様子を見ながら、緋桜はライブを続ける。
(気付かれないように、こっそりな)
…でも頑張りすぎるのはよくないから
疲れたら肩の力抜いて
猫のようにひなたぼっこでもしよう
サリエルは役目を果たすと、ぴょんとステージへ飛び乗り、緋桜のもとへ戻った。
緋桜は「届いたか?」とおどけてジュエル・ドロップスを観客に見せながら最後まで歌を歌いきった。
ちょっとしたことでも誰かを喜ばせられる
例えば小さなサプライズ
美味しい幸せのお裾分け
きみが浮かべた笑顔が誰かを笑顔にする
そんな素敵な輪を途切れさせないで
繋いでいこう小さな幸せの輪を
バビプロの行動を前に、怒りに震えているアイドルがいた。
白川 郷太郎である。
(犯罪ブームを世間に広める…だと!? さては…! そうやってやりたい放題やっておいて、最後にはその罪をイドラ教団に向けさせて、自分たちは責任逃れするつもりでござろう!)
木漏れ日ギターを握りしめ、郷太郎はステージに上がった。
「我がイドラ教団はあいつらみたいな卑劣な犯罪は起こさん! リア充には容赦しないでござるが、度が違うでござるよ!」
観客は始まったばかりのこちらのライブに注目しつつあるが、まだ混乱の中にいる。
ステージに立った郷太郎は、彼らに向かってこう宣言した。
「イドラ教団員猫武士の郷太郎参上! くだらぬ悪を成敗するでござるよ!」
運命の鍵盤をかき鳴らし、さらに郷太郎が繰り出したのは「バステトの癒やし」による猫の群れだった。
(そう…拙者のする「害にならない犯罪」は、たくさんの猫達による通行妨害でござる! 犬好きの者たちに、猫の押し付けをするというのは犯罪かもしれない! でござるが…まぁ、害にはならんはずだ! 猫たちよ、観客の足を止めるでござる!)
郷太郎は足元に光のステージを出現させ、ゆっくり宙へと浮かび上がる。
そして観客の頭上でライブを行いながら、その足元ににゃーにゃーいいながら走り回る猫たちの幻影を投影し続けた。
「わぁ、緋桜さんも郷太郎さんも猫さんいっぱいのライブでたのしいねぇ…わたしも猫さんと一緒にみんなをもりあげたいな」
フェスタフォーマルで装った氷華 愛唯はスタンドマイクをステージに立てると、周囲に現れたたくさんの猫たちと一緒に歌い始める。
その周囲には星屑のような光がキラキラと散った。
お願い CLOVER
希望を胸に
わたしはいつでもここにいる
愛唯の歌声とともに、会場には雪が降り積もっていく。
透き通った歌声に観客は聞き入った。
(私の世界はいつだって、あたたかな氷の世界なの。この心がもし、あなた達に降り注いでいくのなら。この愛がもし、あなた達に降り積もっていくのなら。わたしはあなた達とともに、あるいていけるの)
どんな絶望の世界だって ここはわたしとあなたの世界
ずっとずっと一緒にいると 伝えたいよ
どんな曖昧な世界だって いつもあなたはわたしの中に
それは明瞭な真実だから 信じてよ
わたしが大切な人から贈られたメッセージを、ここにいる人たちにも受け取って欲しい。
のんびりしているわたしが、混乱している人たちの心がのんびりのんびりになるように、素直にアピールして、歌を届けたい――。
その思いを胸に、愛唯は猫たちと共にステージに立ち続けた。
『私達のライブを始める前に、良いかしら石川五右衛門様?』
ウィンダム・プロミスリングはマイクを手に、バビプロのアイドルたちを見据えた。
『皆様、余り…悪事を武勇伝で語るのは…慎んだ方が良いと思うわ。そうね…“ガチでやらかした”話は如何?』
「ガチで…やらかした?」
『例えば、先のスカイタワーでの一件! 私達は、言語の翻訳を勘違いしていたわ! 正解は…トゥルースが、真理を意味するわね!』
「えっと…何のこと??」
唐突に語り始めたウィンダムを前に、五右衛門を始めとするバビプロのアイドルたちはぽかんとしていた。
だがウィンダムは構わずに語り続ける。
『アートの神髄は、“真理”が正しい解釈になるわ。状況が混乱された様でしたら、大変申し訳ございませんでした! 誤認に関しては、諸般の事情によるものです』
会場が何だ、何の話だとざわざわしている。
だがこれは、五右衛門を「解放する」ライブを行うためのウィンダムの作戦だった。
『プロヴィデンスは、摂理を意味しますが…。神意や真理とも訳されて…曖昧な記憶からの間違いです。この場をお借りして、訂正いたします。重ねて…誠に、申し訳ございませんでした! それでは! 歌います☆桐山撫子を! よろしくお願い致します♪』
どうやらこれは、曲紹介の「前フリ」だったようだ。
桐山 撫子がステージに立ち、マイクを手にする。
『諸般の事情…表に出す話じゃないよ、ウィン姉。それから…五右衛門様…犯罪関係の出来事を歌うアーティストは昔からいるの…あたしも分かるよ。だけど…あなたとあたしの間には、何かしらの壁を感じるんだ…だから、あなたの犯罪ライブを「懺悔会」に…塗り替えてあげる』
そう言って撫子は五右衛門の顔をじっと見つめた。
このライブ対決で、あなたを解放する、と。
『世界をもっともっと面白く…でも、本質的に面白い事は…ごめん、ウィン姉が十分話したから、あたしはライブを始めなきゃね。これ以上は理屈抜きに…曲は『Phoenix』だよ♪』
撫子は観客を見て、宣言する。
『I am music fighter on stage!』
夢 映り込んだ 現実の影
炙りだした 欲望さえ
無情に 堕ちて行く 砂時計
求めた 罪を背負い
燃え尽きる
でも君は 朽ちてくの?
歌声を響かせる撫子。
ウィンダムはその間、五右衛門達の動きに目を光らせる。
だがバビプロのアイドルたちは黙って撫子の歌を聞いていた。
祈りは 不死鳥の灯
灰になり 静寂
諦めない 閃き叶えるため
譲れない想い
約束…信じてたいんだ
みんなで「ヒロイック・ソングス!」を創ろう。
そして、あたし自身が、アートを牽引できる立場を目指したい。
その思いを込めて、撫子は最後まで曲を歌いきったのだった。