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リアクション
【3-1】
ナゴヤで開かれる創作物コンベンション、ナゴヤ・エンタメフェスでも、オーサカやオキナワに勝るとも劣らない観客動員数を誇っていてた。
「やっぱり『四千年のアガサ』と『ヒロインシングス!』は外せないよね」
【キンコンダッシュ】で移動しながら次々とゲーム関係の同人作品を購入するクロティア・ライハ。
購入した同人誌は、神様と左脳が両腕に持った紙袋の中に山ほど詰め込まれている。
「左脳さん、体調大丈夫? たくさん持たせちゃってごめんなさい」
「問題ないよ……こんなことで君の役に立てるなら何よりさ。何ならいっそのこと紙袋の中に君ごと入ってくれてもいい」
「それはまた別の機会があれば」
クロティアのスルースキルもなかなかのものだ。
「そういえば神様、タナトスは来ないの?」
「いや、ここに来てるはずなんだけどね~……」
「こんなに人が多いと、誰がどこにいても分からないかぁ」
クロティアはきょろきょろと辺りを見回す。
山のように同人誌を抱えてナレッジ・ディアが待機していたブースへ戻ると、ナレッジはさきほど召喚したプライと共にオリジナル同人誌の販売を開始していた。
「マスターおかえり! 早速5冊も売れたよー!」
プライはナレッジの隣に立って、客に同人誌を渡すだけの係だったがなかなか活躍しているようだ。
ナレッジが手がけた同人誌はイラストのクオリティが高く、服やキャラクターのポージングがとても個性的だった。
ストーリーテラーとして書き上げた物語も日常物、バトル物、恋愛物が盛り込まれており、一度で二度のみならず三度おいしい。
「マスターが言ってたとおり、好きな物を書いたら欲張りになっちゃった」
「ね……今度は、2人で一緒に考えよう?」
プライからナレッジの同人誌を数冊受け取り、クロティアも売り子に徹するのだった。
「いい──」
クロティアとナレッジのやりとりを隣のブースで見ていた宮古 翡翠は、何かインスピレーションを得たかのようにささっとメモを取り始める。
翡翠も同人サークルとしてこのフェスに参加し、フェスタの冬制服姿で同人誌を販売していた。
制服姿はおたく男子たちにもかなり評判がいい。
予定していた自分なりの販売ノルマも達成して、そろそろ余力が出てきた頃だ。
ちなみに、両隣で販売していた同人誌はすでに制覇済み。
「私は私のために、生きていく本当の意味を見出した──彼女がいる、だからもう私は1人じゃない、そう思えるからこそすべてがいとおしく──」
シナリオの一節を思いついた翡翠はどんどんとメモを取っていく。
「いとしさと同時に、少しずつ芽生えていくのは……殺意」
日常ものにほんの少し推理要素を加えれば、きっと面白いストーリーになる──翡翠はそんなことを考えつつ、エンタメフェスを心ゆくまで楽しんだ。
ナゴヤで開かれる創作物コンベンション、ナゴヤ・エンタメフェスでも、オーサカやオキナワに勝るとも劣らない観客動員数を誇っていてた。
「やっぱり『四千年のアガサ』と『ヒロインシングス!』は外せないよね」
【キンコンダッシュ】で移動しながら次々とゲーム関係の同人作品を購入するクロティア・ライハ。
購入した同人誌は、神様と左脳が両腕に持った紙袋の中に山ほど詰め込まれている。
「左脳さん、体調大丈夫? たくさん持たせちゃってごめんなさい」
「問題ないよ……こんなことで君の役に立てるなら何よりさ。何ならいっそのこと紙袋の中に君ごと入ってくれてもいい」
「それはまた別の機会があれば」
クロティアのスルースキルもなかなかのものだ。
「そういえば神様、タナトスは来ないの?」
「いや、ここに来てるはずなんだけどね~……」
「こんなに人が多いと、誰がどこにいても分からないかぁ」
クロティアはきょろきょろと辺りを見回す。
山のように同人誌を抱えてナレッジ・ディアが待機していたブースへ戻ると、ナレッジはさきほど召喚したプライと共にオリジナル同人誌の販売を開始していた。
「マスターおかえり! 早速5冊も売れたよー!」
プライはナレッジの隣に立って、客に同人誌を渡すだけの係だったがなかなか活躍しているようだ。
ナレッジが手がけた同人誌はイラストのクオリティが高く、服やキャラクターのポージングがとても個性的だった。
ストーリーテラーとして書き上げた物語も日常物、バトル物、恋愛物が盛り込まれており、一度で二度のみならず三度おいしい。
「マスターが言ってたとおり、好きな物を書いたら欲張りになっちゃった」
「ね……今度は、2人で一緒に考えよう?」
プライからナレッジの同人誌を数冊受け取り、クロティアも売り子に徹するのだった。
「いい──」
クロティアとナレッジのやりとりを隣のブースで見ていた宮古 翡翠は、何かインスピレーションを得たかのようにささっとメモを取り始める。
翡翠も同人サークルとしてこのフェスに参加し、フェスタの冬制服姿で同人誌を販売していた。
制服姿はおたく男子たちにもかなり評判がいい。
予定していた自分なりの販売ノルマも達成して、そろそろ余力が出てきた頃だ。
ちなみに、両隣で販売していた同人誌はすでに制覇済み。
「私は私のために、生きていく本当の意味を見出した──彼女がいる、だからもう私は1人じゃない、そう思えるからこそすべてがいとおしく──」
シナリオの一節を思いついた翡翠はどんどんとメモを取っていく。
「いとしさと同時に、少しずつ芽生えていくのは……殺意」
日常ものにほんの少し推理要素を加えれば、きっと面白いストーリーになる──翡翠はそんなことを考えつつ、エンタメフェスを心ゆくまで楽しんだ。