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リアクション
【1-1】
大勢の人々で賑わうオクトーバーフェスト。
それぞれ工夫を凝らした露店がずらりと並ぶ中でも、特に人気のある区画があった。
『こもれびキッチン』と書かれたファンシーな立て看板の前には、途切れることのない長蛇の列。
目の前ですぐに作ってくれるボリューム満点のハンバーガーを目当てに、多くの人たちが詰めかけている。
「いらっしゃいませー!」
【ロットシュヴァインの霜降り】を【後光スライス】でステーキ状に切り分けて、忙しく動き回りながらも挨拶と笑顔を忘れない矢野 音羽。
「綾乃さん、続きお願いっ!」
「お任せください!」
音羽から霜降り肉を受け取った早乙女 綾乃は、【ワイルド肉焼き鉢】と【オープングリル】を使って焼き上げていく。
「はいどうぞ、アツアツなので気をつけてくださいね」
「おっけー♪」
ハロウィンに合わせてペースト状にしたカボチャを生地に混ぜこんだハンバーガーのバンズの色が、とてもかわいいとすこぶる評判だ。
音羽が焼いた肉と野菜をカボチャバンズに挟んだ後、 魔法の杖に見立てた棒を振って【スターリーフライヤー】をかければ完成だ。
ハンバーガーにはおばけやコウモリなどのピックが刺さっており、食べるのがもったいないくらいの仕上がり。
綾乃が手がけた方は、紅茶の葉とスキムミルク、砂糖を混ぜて少し甘めにしたバンズがアクセントになっている。
イチゴやパイナップルなどのフルーツを挟んだスイーツ風のハンバーガーは軽めで食べやすく、特に女性や子供たちに好まれていた。
「スイーツ風のハンバーガーって想像つかねーなぁ? とりあえず2つちょーだい」
芹沢ナズナがカウンター越しに注文を入れた。
大葉よもぎも一緒に並んで、見本やメニューを楽しそうに眺めている。
「はーい! 紅茶のバンズがフルーツの甘酸っぱさにとっても合いますよ!」
そんな綾乃の笑顔を目当てに、大勢の男性たちも列をなしている。
味のみならず、ちょっとした工夫と手間が『こもれびキッチン』の人気の秘訣だった。
「閉店時間よりも前に売り切れるぞこれは☆ な、げんぺー? ここにはがっつりもあっさりも甘いのもあるからな」
メニューと試食を【お届けミニカー】に積み、開店前から客の呼び込みを続けていた麦倉 淳の髪の間から星獣・マラカスバッタのげんぺーがぴょこんと顔をのぞかせる。
「ん、まだまだお客さんが来そうだって? 食材の在庫を確認しておかないとな☆」
音羽と綾乃が捌ききれない分をすかさず淳がフォローにまわる。
すぐに食べたいという客には、【盛り付けテクニック】の後に【幸せの虹花火】で華やかな演出をしてから手渡していく。
購入してから後で食べたいという客の分は、味が落ちないように【食神の言祝ぎ】で祈りをこめた。
げんぺーも【重奏クリスタルホーン】で精一杯の演出を頑張っている。
「あー腹減った。あるだけ全部くれ。金に糸目はつけねーぜ!」
やっと順番がまわってきた遊び人のシンが放った一言に、綾乃は思わず困惑する。
「シンさん……そんなことしたら、他のお客さんが買えなくなってしまいます」
よもぎから強く言われて、シンはぽりぽりと頭をかいた。
「んーそうか? じゃあ……とりあえず3つずつくれ。このくらいで我慢しとくか」
よもぎの安心した笑顔を見て、シンも苦笑するのだった。
やがて店の周辺が混雑のピークを迎える頃、栗村 かたりが【超・背景描写】で辺りを木漏れ日の森林風に変えてしまった。
「これで落ち着いた雰囲気のこもれびキッチンになったなの♪」
忙しそうにしている3人も、雰囲気が変わったことでほっとした表情を浮かべている。
「ゆうなぎちゃん、そよ風出せる? お客さんに【ふわふわサイクロン】でにおいも運びたいなの」
かたりの肩に乗っていた星獣・オカリナネズミのゆうなぎが期待に応えるように体を震わせた。
「おーい、かたり! バンズの在庫を確認してくれ!」
「分かったなの~」
淳に向かって手を振ると、かたりはみんなが使えるように【杵と臼】で小麦粉を引き始める。
「いい香り~なの♪ わたしもデザート作るなの♪」
小麦粉でまとめた生地をねこの形にしてから【七変化の炎】で焼く。
どろどろに溶けた【灼熱ショコラ】をかけると、にゃープレッツェルが完成した。
並んでいる客たちは作っている工程を見ているだけであっという間に時間が経過し、さほどストレスも感じていない様子。
「大成功なの♪」
『こもれびキッチン』は、瞬く間に全て売れ切れてしまったのだった。
大勢の人々で賑わうオクトーバーフェスト。
それぞれ工夫を凝らした露店がずらりと並ぶ中でも、特に人気のある区画があった。
『こもれびキッチン』と書かれたファンシーな立て看板の前には、途切れることのない長蛇の列。
目の前ですぐに作ってくれるボリューム満点のハンバーガーを目当てに、多くの人たちが詰めかけている。
「いらっしゃいませー!」
【ロットシュヴァインの霜降り】を【後光スライス】でステーキ状に切り分けて、忙しく動き回りながらも挨拶と笑顔を忘れない矢野 音羽。
「綾乃さん、続きお願いっ!」
「お任せください!」
音羽から霜降り肉を受け取った早乙女 綾乃は、【ワイルド肉焼き鉢】と【オープングリル】を使って焼き上げていく。
「はいどうぞ、アツアツなので気をつけてくださいね」
「おっけー♪」
ハロウィンに合わせてペースト状にしたカボチャを生地に混ぜこんだハンバーガーのバンズの色が、とてもかわいいとすこぶる評判だ。
音羽が焼いた肉と野菜をカボチャバンズに挟んだ後、 魔法の杖に見立てた棒を振って【スターリーフライヤー】をかければ完成だ。
ハンバーガーにはおばけやコウモリなどのピックが刺さっており、食べるのがもったいないくらいの仕上がり。
綾乃が手がけた方は、紅茶の葉とスキムミルク、砂糖を混ぜて少し甘めにしたバンズがアクセントになっている。
イチゴやパイナップルなどのフルーツを挟んだスイーツ風のハンバーガーは軽めで食べやすく、特に女性や子供たちに好まれていた。
「スイーツ風のハンバーガーって想像つかねーなぁ? とりあえず2つちょーだい」
芹沢ナズナがカウンター越しに注文を入れた。
大葉よもぎも一緒に並んで、見本やメニューを楽しそうに眺めている。
「はーい! 紅茶のバンズがフルーツの甘酸っぱさにとっても合いますよ!」
そんな綾乃の笑顔を目当てに、大勢の男性たちも列をなしている。
味のみならず、ちょっとした工夫と手間が『こもれびキッチン』の人気の秘訣だった。
「閉店時間よりも前に売り切れるぞこれは☆ な、げんぺー? ここにはがっつりもあっさりも甘いのもあるからな」
メニューと試食を【お届けミニカー】に積み、開店前から客の呼び込みを続けていた麦倉 淳の髪の間から星獣・マラカスバッタのげんぺーがぴょこんと顔をのぞかせる。
「ん、まだまだお客さんが来そうだって? 食材の在庫を確認しておかないとな☆」
音羽と綾乃が捌ききれない分をすかさず淳がフォローにまわる。
すぐに食べたいという客には、【盛り付けテクニック】の後に【幸せの虹花火】で華やかな演出をしてから手渡していく。
購入してから後で食べたいという客の分は、味が落ちないように【食神の言祝ぎ】で祈りをこめた。
げんぺーも【重奏クリスタルホーン】で精一杯の演出を頑張っている。
「あー腹減った。あるだけ全部くれ。金に糸目はつけねーぜ!」
やっと順番がまわってきた遊び人のシンが放った一言に、綾乃は思わず困惑する。
「シンさん……そんなことしたら、他のお客さんが買えなくなってしまいます」
よもぎから強く言われて、シンはぽりぽりと頭をかいた。
「んーそうか? じゃあ……とりあえず3つずつくれ。このくらいで我慢しとくか」
よもぎの安心した笑顔を見て、シンも苦笑するのだった。
やがて店の周辺が混雑のピークを迎える頃、栗村 かたりが【超・背景描写】で辺りを木漏れ日の森林風に変えてしまった。
「これで落ち着いた雰囲気のこもれびキッチンになったなの♪」
忙しそうにしている3人も、雰囲気が変わったことでほっとした表情を浮かべている。
「ゆうなぎちゃん、そよ風出せる? お客さんに【ふわふわサイクロン】でにおいも運びたいなの」
かたりの肩に乗っていた星獣・オカリナネズミのゆうなぎが期待に応えるように体を震わせた。
「おーい、かたり! バンズの在庫を確認してくれ!」
「分かったなの~」
淳に向かって手を振ると、かたりはみんなが使えるように【杵と臼】で小麦粉を引き始める。
「いい香り~なの♪ わたしもデザート作るなの♪」
小麦粉でまとめた生地をねこの形にしてから【七変化の炎】で焼く。
どろどろに溶けた【灼熱ショコラ】をかけると、にゃープレッツェルが完成した。
並んでいる客たちは作っている工程を見ているだけであっという間に時間が経過し、さほどストレスも感じていない様子。
「大成功なの♪」
『こもれびキッチン』は、瞬く間に全て売れ切れてしまったのだった。