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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

エンジョイ! オルトカルテット!

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リアクション

【3-2】

 同人誌の即売会が行われている中央付近では、多くの作品への愛が混ざり合った結果、二次元の扉が開いてしまっていた。
 凶悪なモンスターたちが次々と表れ、人々に襲いかかろうとしている。
 戦戯嘘と共にモンスターと戦うべくして集まった面々が集結し、その中の1人、狛込 めじろは貴重な同人誌を守るためにゴブリンと奮闘中だった。

 【乙女のインク】をたぎらせた【無垢のグラス・ソード】を振るい、パステルピンクに似つかわしくない熱風を
纏う。

「勝者ではなく、勇者になってみせます!! 【ドリーミング・サンクション】!」

 天から巨大な剣を振り下ろすと、それは見事ゴブリンへと命中する。
 宣言どおり勝者となっためじろは、おたく風の男性たちから拍手喝采を浴びた。

「めじろたーーーん!!」

「萌え萌え萌え!! 萌え萌え萌え!!」

 三三七拍子の奇妙な叫びが飛び交う中、倒れたゴブリンに代わって現れたのはオークだ。
 武器を振り回し、オークが大きく息を吸い込んだその時。

「ちょっと待ったぁ!」

 響き渡る三人の声。

 【オルトウィング】で颯爽と向有 ガイアが現れる。

「母なる大地に舞い降りた戦女神、ガイア!」

 【スターダストフィル】の後にポーズを決める。
 続いて、照美 瑠羽が【浮遊身転】で軽やかに着地し、飛炎を躍らせながら名乗りを上げる。

「桜稜に舞い降りた夜天の翼、瑠羽!」

 その後方から【エアロバット】で降り立ったのはテラ・トリリオンだ。
 【ストームダンス】でアピールしながら、

「不夜城に舞い降りた鋼の妖精、テラ!」

 同様に名乗りを上げた。

「交わる世界に夢を紡げ! クロスヴェルト、参上!」

 ようやく揃った三人がポーズを決めると、鳴り止まないクロスヴェルトコール。
 ガイアはすぐさま【ジャンヌの誓い】で攻めと守りを高め、二連のセントブレイクで素早くオークの攻撃をかわし、斬り払う。
 そんなガイアを後方から援護し、瑠羽は立て続けに【紅月焔唄】を放った。

「闇の炎に抱かれて何とやらですよ!」

 更に【鬼火】で狙い撃ちし、火焔ヒツジが唯一炎を纏っていない眼を狙った。
 テラは遊撃で一瞬の隙をも見逃さない攻撃を続けている。
 【ジグ・ランダム】の不規則的な動きで撹乱しては、容赦ない【ビートスマッシュ】を叩き込む。

「トリリオン魂、見せちゃうよ~♪」

 ガイア、瑠羽、テラのトリプル攻撃を一目近くで見ようと、多くのおたく風男子たちが危険を顧みずに詰め寄せる。

「危ないから下がって~!!」

 様子をうかがっていた戦戯嘘が叫ぶ。
 青井 星一郎も飛び出し、暴れ回るオークの突進を食い止めた。

「颯爽登場! 蒼星美少年!」

  あえて自分を美少年と言い切ることで己を追い込み、テンションを上げる。
 レイリ・フレスティーナも仮想体となり、少女型機体「ルリカ・オリハ」の姿となって後に続いた。

「行くぞ、レイ……ルリカ!」

 星一郎が振り返ったのと同時に、

「オーナーからの戦闘許可、確認しました。武装ロックを解除。これより戦闘に入ります」

 レイリもすぐさま戦闘態勢に入る。

「深追いするなよ?」

「了解です。……帰ったら、膝枕しましょうか?」

 くすって笑って、レイリは【不運の鉄骨】をオークの頭上に叩き落した。

「え……あ……う、そ、それも悪くないな」
 
 星一郎のちょっと困った表情を、内心では楽しいと思っているレイリ。
 ≪女児向け補正≫でキラキラになった瞳をぱちくりさせると、火焔ヒツジに向かって【フルムーン・ペナルティ】を思い切り振るった。

「クロスヴェルトの皆さん、走れます?!」

 レイリの掛け声に、ガイアたちはウインクをして応えた。
 まだ照れたままの星一郎は顔を振ってから、【月下香のニブ・ランス】を構える。

「嘘、ファンタジーにSFをぶつける。そういうのもありだろ!?」

「それはあなた次第ね」

「……我が名において命じる! 我に従い、敵を討て!」

 星一郎渾身の創作物「黒翼の反逆皇子」の主人公のセリフを言い放ち、【おもちゃの大進撃】を使用する。
 攻撃を食らったオークは反撃に出るが【ルシフェルの手】であっさりと引き寄せられてしまい、不意打ちすらも【改ページエスケイプ】で防御される始末。

「星一郎さん、キレッキレですね~!」

 オークの後方に回り込んだ嘘が、ガイアに合図を送った。

「いっけぇぇぇぇ!!!」

「これが僕の舞い踊る剣技! 燃え盛れ心! 【ブレイジングハーツ】!」

 ガイアと瑠羽、テラ、そしてレイリが飛び上がり、【エンディングラッシュ】で連続攻撃をオークに叩き込む。
 テラは全力全開の【ME.フラッシュストラグル】を追加で繰り出した。 
 しばしの沈黙の後、どさりとステージに突っ伏す……。

「……戦闘、終了しました」

 おたく風男子たちの異様な歓声が、辺りを包み込む。

「ファンタジーとSFの融合、大成功だったんじゃね? 見ろよ観客のこの反応」

「暑苦しいと言えばそれまでだが……」

「全部、あなたたちにに向けられたものよ」

 そう言ってうーんと伸びをした嘘が、屈託のない笑顔を見せた。
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