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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

決戦! オーサカ料理コンテスト!

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決戦! オーサカ料理コンテスト!
  • 決戦! オーサカ料理コンテスト!

リアクション

【1-1】

 キッチンステージと審査員席をまるで別世界のように分断しているカミナリ飴雲は、バチバチと帯電させて辺りを浮遊している。
 このカミナリ飴雲からどのくらいの量の綿菓子ができるのか人知れず想像していた村雲いろはは、アフロのカツラがずれないようにヘアピンをもう一度強く押し込んだ。
 誰よりも真っ先にカミナリ飴雲へと近づいていったのは弥久 風花だった。
 風花は【食神降臨】を使って体が巨大化しているため、審査員席までの距離も容易に目測できることから
口を窄めて【悪意の北風】を吹きつつゆっくり前進する。
 その後方では、クロティア・ライハが雷を少しでも見切れるようにと【ドーピングドリンク】を飲んでいた。
 村雲いろはと芹沢ナズナにも一本渡して、それぞれ準備は万端だ。
 全員でタイミングを見計らっていたのか、続いてリリィ・エーベルヴァインがカミナリ飴雲に向かって一気に近づく。

「皆が作った料理は、絶対冷めさせないから……!」

 【メッツァルーナ・グランデ】を操り、風花はカミナリ飴雲に向かって【入刀賛賀】を突き立てようとした。
 同時にリリィもすかさず【抜刀一閃】を繰り出したが、

「二人とも待って……そのまま攻撃しても、まともに電気を食らってしまうだけよ」

 いろはに引き止められる。
 風花は「うーん」と考え込む様子を見せてから、ふと【塩スイカ】を持ってきたことを思い出した。
 それをおもむろにカミナリ飴雲へと放り投げる。
 バチバチッと放電したカミナリ飴雲が【塩スイカ】をからめ取ろうと雲を集め始めた。
 一瞬、そこに隙ができたのを見逃さなかった風花は、より強い電撃の方を探る。

「ありがとう風花さん!!」

「――【忍び二刀流】!!」

 【鋳造刀】と【智者のサーベル】を抜き、リリィが連続で攻撃を仕掛けて更に雲を散らす。
  
「あっ、ゴメン、間違えた」

 慌てて武器を引っ込めたリリィは、間一髪、アフロを飛ばしてしまうところだったのである。

「いろはさん……あの、それ、カツラ、紛らわしい……」

 カミナリ飴雲の気持ちになるためにアフロのカツラを乗せたいろはは、くしゃくしゃとカールを丸めて見せる。
 どうやら脱ぐつもりはないようだ。

「……見えた……あそこ!」

 クロティアは【氷雪の武威】を使って雲を弾き飛ばすと、上空に向かって【手裏剣】を投げた。
 そこは特に強力な雷が集まっている場所だった。

「避雷針代わりの手裏剣か……考えたね、クロティアさん」

「それよりもいろはさん、確かアフロて静電気をためやすいから、この場で被るのはやめた方がいいのでは? さっきも危なかったし」

「……この場だからこそ、かぶる意味があるの」

 そう言われて苦笑いしたクロティアがいろはの攻撃に合わせて、剣で音ゲーコンボを叩き込む。
 強力な雷撃が飛んできた方角に、核が潜んでいる可能性が高い。

「アフロでも何でもいいから、とっととぶっ倒してよもぎのとこに急ぐぞ」

「ナズナらしい言い方」

 いろはは背筋を伸ばして、かすかに笑った。
 一方、ナレッジ・ディア はクロティアが飛ばしたカミナリ飴雲をわたあめにするための準備を着々と進めていた。
 【フィバナタックル】で作った熱によってドロドロに溶かした飴雲を、【ノイジーサイクロン】の風と遠心力で糸状にする。
 パチパチと弾ける雷も、この程度の量なら【ME.マキシマムヴォルテージ】で帯電させればそれなりにダメージは軽減できるだろう。

「砂糖を足した方がよさそうですね。持ってきておいてよかった」

 出来上がったわたあめを木の棒で巻き取り、まずは自分で試食してみる。

「……おいし……!」

 甘さの調節は目分量だったが、どうやらうまくいったようだ。

「とうとう雷が撃てなくなったみたいね……」

 【手裏剣】を投げた辺りに核があるなら、きっと物理攻撃が通用するはずだ。
 そう信じたクロティアが剣で雲を削り続けると、ついに核がその姿を現す。
 【影縫い】を使って針を飛ばし、リリィが流れる雲の動きを止めた。

「邪魔をする者、排除」

 周囲の雲を滅多切りにすると、核はむき出しになる。
 ちょうどいいタイミングで出来上がったわたあめを、ナレッジが皆に手渡していった。

 雲とのスイートな戦い方にいろはとナズナが感心している。
 そして風花がスイカごと核をつまみ上げ、お菓子のように口の中に入れようとする。
 核はそれを全力で拒否しようとしたが、今度は千夏 水希にあっさりと捕らえられてしまった。

「 プリンカツ……【闇に打ち克つ太陽丼】、食べるか?」

 核はぶるぶると震え続けていた。
 水希は炊き立ての太陽コメを器に盛り、その上に火焔マトンのカツを乗せる。
 カツは【星獣:ベレスフィーア】の炎で火を通しており、サイズは普通だが細かく切れ目を入れて噛みやすくしてある。
 その上に乗せたとろとろの夢見プリンは、瘴気の力を加えるために【冒涜の呪儀】を使って作ったものだ。
 闇に負けない力を与えるため、オモイデ草がミントのように添えられている。

「知ってるか? プリンは卵と牛乳でできてる、実はこれがすごく肉に合う。通の中には牛丼とかに乗せる人もいるらしい」

 夢見プリンが核を縛る洗脳の闇と戦う際の道標となったのだろうかーー深い闇の中でも仄かな光を見つけることができれば、また立ち上がることができる。
 そんな光が存在し続けるために必要なのが、太陽コメだ。
 たくさんの希望が詰まった器をお供えのように置いておくだけで、核の様子は少しずつ穏やかなものへと変化していった。

「どきやがれカミナリ飴雲──!!」

 ナズナの声が響き渡る。
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