決戦! オーサカ料理コンテスト!
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【2-6-2】
萌夏と入れ替わるようにして、今度は緑青 木賊が【御饌御膳】の準備を着々と進めていた。
「お料理のいめーじは、捧げ物の御饌で作る、婚礼の儀の後の日常的な神様夫婦のお食事、なるもの。自分のすたいるは御饌司であるし、神様のお食事を作ることも許されるっすよね?」
料理を盛り付ける器にもこだわって、一品一品がきちんと盛り付けられるものを用意する。
まず、炊き上がった太陽コメにちりめんじゃこを混ぜ込んだ混ぜご飯を茶碗に盛った。
そして、内臓を抜き一度焼き上げてから一口大に切った鰯を大根おろしと共に添えて、松茸とオモイデ草を蒸し、すだちを加えた土瓶蒸しを並べる。
「秋の味覚がてんこもり♪」
鶏肉と煮込んで旨味を加えたデスマロンと【ジュエルベジ】のさつまいも煮。
肉質を柔らかくするため、たっぷりと塩麹に漬け込んだ火焔マトンは、デスマロンのトゲスパイスを少し混ぜた味噌だれで煮込む。
【歴年の土鍋】を用いることで、旨味も倍増しているだろう。
しっとりした仕上がりに、味見をした木賊の舌も思わず震える。
オモイデ草と柔らかく固めた甘酒の寒天には、蜂蜜でほんのりと甘味をつけてある。
最後に仕上げに【スターリーフライヤー】を使い、【食神の言祝ぎ】も忘れないようにしておく。
【盛り付けテクニック】で、御饌の盆のように盛り付ければ、見事な【御饌御膳】が完成した。
どの食材も御饌としては代表的なものだ。
我ながら、食材の味を引き出した完璧な調理ができたはずだ。
「婚礼の後も、毎日豪華絢爛なお食事をされることではないっすよね、神様夫婦も。まぁとっておきってことで」
そしてジューシーな火焔マトンの肉を選別していた行坂 貫は、ミディアムレアでも美味しく食べることができそうな部位を見つけて、思わず小さくガッツポーズを決める。
「胃袋を掴むことはできても、料理は決して人を洗脳する為の道具じゃない──」
ひそかな怒りを拳にこめ、自分の怒りを認めてくれた火焔ヒツジに対して【熱情のクロスコード】を纏い、敬意と激情を込める。
「目にも止まらぬ速さ、しかと見届けろ」
【スープストック】を使った高速クッキングショーの幕開けだ。
【飾り包丁・天網斬】で冷やし化けキノコとオモイデ草をそれぞれ火の通りが均一になるよう同じ大きさに切り揃えていく。
それから【歴戦の古土鍋】に太陽コメと火焔マトンで取った出汁、刻んだオモイデ草と冷やし化けキノコを入れて炊き込みご飯を作た。
火焔マトンはミディアムレアで焼いて、熱々の鉄板プレートに乗せる。
細かく刻んですりおろした禁断のパプリカに、醤油と火焔マトンの出汁を合わせてソースを作り、それを肉の上からかけてやった。 じゅわっという肉と音の饗宴が食欲を掻き立てる。
ステーキの一部は、薄切りにして薔薇の花の様に盛ってみせた。
あらかじめ殻だけにしておいた大量のイセエビを前に苦戦していたジル・コーネリアス。
大きな網の上にイセエビを纏めて乗せ、【オーブングリル】で一気に焼き上げる。
イセエビの殻は用意しておいた鍋に分けて投入し、トゲスパイスを入れながら鍋の中で砕いていった。
一つ目の鍋に水を入れ、出汁を取る為にそのまま炊き上げる。
その間に冷やし化けキノコを薄くスライスしていった。
食感が楽しめる様に、目安は5mm程度にして繊維を断ち切らない方向に薄く切りわける。
片面だけに出汁を絡みやすくするため隠し包丁を入れ、その後、包丁を入れた面を下にしてアイスボウルに並べていった。
出汁が出た頃合を見計らって鍋の火を止めると、先に用意しておいた殻とスパイス入りの二つ目の鍋へと漉す。
だし汁をしゃぶしゃぶ用の鍋に移して、キノコスライス入りのアイスボウルと共に審査員に供した。
「お待たせしました、『化け茸の冷製しゃぶしゃぶ』。熱々の出汁にさっと通してお召し上がりください!」
三人の料理が審査員たちの前に並べられる。
審査員たちのみならず、全員で堪能できるくらいの量を準備して、今にも宴会を始めることができそうだ。
小さいが最高の味を提供してくれるレストランにいるような気分になってしまうほどの出来栄えに、審査員たちは洗脳されていたことをすっかり忘れてしまっている。
やがて、コンテスト会場はパーティー会場となり、皆で作ったそれぞれの料理を心行くまで楽しんだのである。
そこにはもう、敵も味方もなかった。
萌夏と入れ替わるようにして、今度は緑青 木賊が【御饌御膳】の準備を着々と進めていた。
「お料理のいめーじは、捧げ物の御饌で作る、婚礼の儀の後の日常的な神様夫婦のお食事、なるもの。自分のすたいるは御饌司であるし、神様のお食事を作ることも許されるっすよね?」
料理を盛り付ける器にもこだわって、一品一品がきちんと盛り付けられるものを用意する。
まず、炊き上がった太陽コメにちりめんじゃこを混ぜ込んだ混ぜご飯を茶碗に盛った。
そして、内臓を抜き一度焼き上げてから一口大に切った鰯を大根おろしと共に添えて、松茸とオモイデ草を蒸し、すだちを加えた土瓶蒸しを並べる。
「秋の味覚がてんこもり♪」
鶏肉と煮込んで旨味を加えたデスマロンと【ジュエルベジ】のさつまいも煮。
肉質を柔らかくするため、たっぷりと塩麹に漬け込んだ火焔マトンは、デスマロンのトゲスパイスを少し混ぜた味噌だれで煮込む。
【歴年の土鍋】を用いることで、旨味も倍増しているだろう。
しっとりした仕上がりに、味見をした木賊の舌も思わず震える。
オモイデ草と柔らかく固めた甘酒の寒天には、蜂蜜でほんのりと甘味をつけてある。
最後に仕上げに【スターリーフライヤー】を使い、【食神の言祝ぎ】も忘れないようにしておく。
【盛り付けテクニック】で、御饌の盆のように盛り付ければ、見事な【御饌御膳】が完成した。
どの食材も御饌としては代表的なものだ。
我ながら、食材の味を引き出した完璧な調理ができたはずだ。
「婚礼の後も、毎日豪華絢爛なお食事をされることではないっすよね、神様夫婦も。まぁとっておきってことで」
そしてジューシーな火焔マトンの肉を選別していた行坂 貫は、ミディアムレアでも美味しく食べることができそうな部位を見つけて、思わず小さくガッツポーズを決める。
「胃袋を掴むことはできても、料理は決して人を洗脳する為の道具じゃない──」
ひそかな怒りを拳にこめ、自分の怒りを認めてくれた火焔ヒツジに対して【熱情のクロスコード】を纏い、敬意と激情を込める。
「目にも止まらぬ速さ、しかと見届けろ」
【スープストック】を使った高速クッキングショーの幕開けだ。
【飾り包丁・天網斬】で冷やし化けキノコとオモイデ草をそれぞれ火の通りが均一になるよう同じ大きさに切り揃えていく。
それから【歴戦の古土鍋】に太陽コメと火焔マトンで取った出汁、刻んだオモイデ草と冷やし化けキノコを入れて炊き込みご飯を作た。
火焔マトンはミディアムレアで焼いて、熱々の鉄板プレートに乗せる。
細かく刻んですりおろした禁断のパプリカに、醤油と火焔マトンの出汁を合わせてソースを作り、それを肉の上からかけてやった。 じゅわっという肉と音の饗宴が食欲を掻き立てる。
ステーキの一部は、薄切りにして薔薇の花の様に盛ってみせた。
あらかじめ殻だけにしておいた大量のイセエビを前に苦戦していたジル・コーネリアス。
大きな網の上にイセエビを纏めて乗せ、【オーブングリル】で一気に焼き上げる。
イセエビの殻は用意しておいた鍋に分けて投入し、トゲスパイスを入れながら鍋の中で砕いていった。
一つ目の鍋に水を入れ、出汁を取る為にそのまま炊き上げる。
その間に冷やし化けキノコを薄くスライスしていった。
食感が楽しめる様に、目安は5mm程度にして繊維を断ち切らない方向に薄く切りわける。
片面だけに出汁を絡みやすくするため隠し包丁を入れ、その後、包丁を入れた面を下にしてアイスボウルに並べていった。
出汁が出た頃合を見計らって鍋の火を止めると、先に用意しておいた殻とスパイス入りの二つ目の鍋へと漉す。
だし汁をしゃぶしゃぶ用の鍋に移して、キノコスライス入りのアイスボウルと共に審査員に供した。
「お待たせしました、『化け茸の冷製しゃぶしゃぶ』。熱々の出汁にさっと通してお召し上がりください!」
三人の料理が審査員たちの前に並べられる。
審査員たちのみならず、全員で堪能できるくらいの量を準備して、今にも宴会を始めることができそうだ。
小さいが最高の味を提供してくれるレストランにいるような気分になってしまうほどの出来栄えに、審査員たちは洗脳されていたことをすっかり忘れてしまっている。
やがて、コンテスト会場はパーティー会場となり、皆で作ったそれぞれの料理を心行くまで楽しんだのである。
そこにはもう、敵も味方もなかった。