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決戦! オーサカ料理コンテスト!

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決戦! オーサカ料理コンテスト!
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【2-4】

 場内に様々な食材が飛び交う中、瀬那覇 智里が【沖縄風おむすび祝御膳】を作ろうとしていた。
 おむすびの具として智里が考えているのは、火焔マトンを使ったソーキ煮とラフテーだ。
 黒糖と泡盛を入れて煮込むだけで、すでに食欲をそそるいい香りが漂う。
 隣で動き回る近衛 詩歌は、クーブイリチー風の炒め物とイナムドゥチ風汁の準備に忙しい。
 智里が持ってきたレシピを読むと、一つ一つの工程を確認していった。

「これと……これ。うん、大丈夫!」

 クーブイリチー風の炒め物は、火焔マトンの肉と人参、油揚げを昆布と鰹出汁を加えてさっと炒める。
 イナムドゥチ風はいわば沖縄の豚汁だ。

「ねぇ詩歌、知ってる? 沖縄って御嶽の神と火の神を中心とした固有信仰があるんだよ」

 智里の博識ぶりを、詩歌は手を動かしつつも真剣な様子で聞き入っていた。
 そして智里が雑音で見えない真実を見えるよう、【熱情のクロスコード】を使う。
 煮込んでいる間も【U.パッションハーモニー】を使ってワクワクするような音を奏でてみせる。
 その音に合わせて香り立つソーキ煮を【オープングリル】で炙るため、炎によるパフォーマンスを披露する智里。

「後はご飯と合わせて握るだけだね……」

 智里はソーキ煮をおにぎりの具のサイズになるよう細かくカットしていく。

「玲花のせいで本来の自分を忘れてるんだから……玲花から開放してあげたい。彼女を追い詰める為にも貴方達の力が必要なんだ」

 おむすびにそんな思いをこめて、丁寧に握る。
 そしてオモイデ草を巻くと、懐かしい味わいが本来の自分を取り戻し、笑ってくれるように見えた。

「審査員と会場と料理のノイズ消せないかなーなんてね……」

 詩歌は彼女なりに、少しの抵抗を見せようとしていた。

「……可笑しいな。 ゴギョウさんに向けて作ってるつもりなのに……なんでだろう、まるで……」

 智里と詩歌が作ったそれぞれの料理を合わせて、琉球硝子食器セットに盛り付ける。

「【スターリーフライヤー】……これで、完成」

「ノイズ料理なんか、かき消せるよね」

 ゴギョウにそう思いは届いたのか、彼はひたすら無言だったが、審査であるにも関わらず米の一粒も残さずに平らげてくれたのだった。
 丁寧に器を置く所作が、正気を取り戻した証拠でもあった。
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