決戦! オーサカ料理コンテスト!
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■プロローグ■
――オーサカ料理コンテスト。
その会場となっているスタジアムは、もうもうと立ち込めた黒雲、カミナリ飴雲に覆われていた。
閉じ込められた観客はざわつきながらも、しかし席を立ってパニックになることはない。
今まさに、料理人たちは鍋を振るい、包丁を振るって珠玉の一品を仕上げている真っ最中なのだ。
そして、壁になっているカミナリ飴雲の攻略もいよいよ始まろうとしている。
そんな様子に、観客たちは目を離せようはずもない。
……かたや、審査員側では。
「さてもう一品。麻辣小龍蝦……ザリガニの四川風ですわ。
中華料理のポピュラーな品目ですわ」
「うむう……テーマに沿ってはいないがうまい……」
(フェスタのアイドルが来る前に、彼らの味覚を破壊しておきませんと……)
こっそり天歌院 玲花はカミナリ飴雲に抜け道を作らせて、ノイズ料理を審査員たちに食べさせていた。
さらに目を濁らせ、意識をもうろうとさせながら、べらぼうに辛いザリガニをもしゃもしゃ食べる審査員たち。
彼女は料理が決して下手ということはないが、しかし手を抜くような真似はしない。
「さて、そろそろ来る頃ですけれど――お手並み拝見と参りましょう」
そして、高笑いとともにカミナリ飴雲の抜け道を通り、玲花はキッチンステージへと歩いていくのであった。
■目次■
1ページ 目次・プロローグ
2ページ 【1-1】
3ページ 【1-2】
4ページ 【2-1】
5ページ 【2-2】
6ページ 【2-2-2】
7ページ 【2-3】
8ページ 【2-3-2】
9ページ 【2-3-3】
10ページ 【2-4】
11ページ 【2-4-2】
12ページ 【2-4-3】
13ページ 【2-5】
14ページ 【2-6】
15ページ 【2-6-2】
16ページ エピローグ