大規模オーバーラップ“ラ・フォレ・リヴァイブ”
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◆第一章 クロウの村◆
――1――
樹海を通り、クロウの村へと急ぐアイドル達。
急いでいるとは言え、周囲の警戒も怠らない。
「しかし、何か引っかかるんだよな。クロウ、もう少し詳しく状況を教えてくれないか?」
クロウにそう声をかけたのは、狩屋 海翔だ。
この辺りには弱い魔物しかいないはずなのに、ゴーレムのような比較的強力な魔物が出たことに違和感を覚えているらしい。
「どうしてゴーレムなんかが出たのかは、ボクにもよく分からないんだ。もしかしたら、ボクらが魔王に歯向かおうとしてたのが知られてしまったのかもしれない。
とにかく、魔物達が入って来ないように村を囲っている柵をゴーレムが壊してしまったせいで、近くにいた弱い魔物達まで村へ入って来てしまって……」
クロウは話しながら、その時のことを思い出したのか、唇を噛む。
「もしもの時のために用意していた避難場所へ、すぐに皆を誘導したけど。そんなに長くは隠れていられないと思う。
逃げ遅れた村人もいるだろうし、早く助けてあげなきゃ」
クロウの言葉を聞いた海翔達は、心なしか歩く速度が早まったようにも見えた。
橘 樹と宇津塚 夢佳は、完全に民俗学者になりきっているようで、樹海を進む間も何やらメモを取っている。
そうしながらも、夢佳は白火の毒牙で襲いかかろうとしてくる魔物達を蹴散らしていく。
夢佳の放つ強力な炎と毒にやられ、ゴブリン達は手も足も出ない。
しかも、夢佳は助手として行動している樹に当たらないよう、器用に攻撃しつつ周囲の観察はしっかり行っている。
樹はと言うと、スピード線ブーストを上手く使ってスライムの体当たりやゴブリンからの攻撃を避け、氷丸招来で氷のつぶてを放ち、魔物達を無力化していく。
一方、海翔はサーブレ・オン・コレールを抜いてその刀身を包む炎に怯える魔物達に睨みをきかせ、退散させてしまう。
海翔の相棒であるゲイルワイバーンのシャルルも魔物たちを威嚇し、追い払っていく。
樹海を歩くアイドル達にとっては、この辺りに出るスライムやゴブリンは完全に雑魚だった。
急がば回れの精神で樹海ルートを選んだ界塚 ツカサと加賀 ノイも、歩きながらゴブリン達の相手をしていた。
ツカサは通常攻撃とツインスラッシュを相手の数を見て使い分け、確実に倒していく。
ノイも、人型のゴブリン相手なので弓による攻撃を警戒し、悪意の北風で激しい突風を吹かせ、隠れて矢を射られても命中率が下がるようにしている。
さらに、紅月焔唄で複数でまとまって動いている魔物たちを狙い、無力化する。
先導役を担当するアイドル達と、スライムやゴブリン達との実力差を考えれば、魔王と戦うために体力を温存しているアイドル達が、不意打ちで傷つくこともないだろう。
中継で実況が視聴者に向けてそう伝えた、まさにその時。
ノイが木の根に足を取られて転んでしまった。
樹海を進んでいるのだから、地表に顔を出して縦横無尽に伸びる木の根に足を取られるのは、仕方のないことである。
だが、運の悪いことにノイが転んだ先にはスライムがいた。
今にもノイに飛びかかろうとしていたスライムの体に、ノイが突っ込んだ形になってしまったのだ。
実にお約束な展開に、中継を見守る観客達からは声が上がる。
ノイの上半身にはスライムがまとわりつき、その体液で早くも服に小さな穴が空いている。
これを見たツカサが慌ててウォータートライアングルでスライムを引き剥がす。
すかさずノイも、ツカサにスピード線ブーストをかける。
水圧で無理やり引き剥がされたスライムを、ツカサの装備していたヴァルハラを謳う剣が斬り裂いた。
「助かりました……ありがとうございます」
ツカサに助けられたノイは、うっかり木の根に躓いたことをあえては言わず、助けてもらったお礼だけをツカサに告げている。
そうこうするうち、クロウとアイドル達は村へと近付いていた。
少し離れた位置からでも、村を囲っている柵が破壊され、そこから魔物たちが侵入したであろうことが見て取れる。
木で作られた柵だったが、高さも十分あり、かなりしっかりと作られている。
これならば、この辺りにいるような魔物達では入れなかっただろう。
しかし、今ではゴーレムによって柵に大きな穴が開けられているような状態だ。
ちょうど、その穴からゴブリンが村の中へ入っていくのが見えた。
この様子にクロウやアイドル達だけでなく、中継を見ていた観客達、実況担当までが息を呑んでいた。
クロウとアイドル達は、村へと駆け寄り柵にできた穴から中へと入っていく。
本来なら、柵の中央辺りに門があり、そこから入るようになっているのだが、今はそこまで行く時間も惜しい。
ゴーレムや魔物達が村へ侵入したのと同じルートをたどり、中へと急ぐ。
村の中では、避難場所に入り損ねたらしい村人が子供達を後ろにかばいつつ、スライムやゴブリンに向かって松明の火で脅かしながら逃げ回っていた。
ゴーレムは、村の中心部の広場脇にある大きな石造りの家に体当たりし、壊そうとしている。
「まずい! あそこが避難場所なんだ! このままじゃ、皆やられちゃう!!」
ゴーレムが壊そうとしている家を指差し、クロウが叫ぶ。
アイドル達のいる方向からは見えないが、ゴーレムに壊されそうになっている家の裏口から、何人かの村人が逃げ出していた。
家から出てきた村人達はパニックに陥っているようで、めちゃくちゃに逃げ回っている。
村人全員がつけているうさ耳のせいで、魔物達に追われて切羽詰まった状況のはずが、どことなくほのぼのとした雰囲気を感じられなくもない。
と、ツカサが逃げ惑う村人を引き止めてうさ耳を借り、囮役を買って出た。
「ボクが相手だよ、こっちにおいで!」
今にも家を壊してしまいそうなゴーレムに向かって大声で呼びかけ、家から引き離す。
ノイが再びスピード線ブーストを使い、ツカサがゴーレムに捕まらないように素早さをアップさせる。
その上で、他のアイドル達がゴーレムと戦いやすいように、ツカサが家のすぐ近くにある村の広場へとゴーレムを誘導していく。
ツカサはあえて立ち止まって飛び跳ねてみたり、両手を大きく振ったりして、上手くゴーレムの気を引いているようだ。
海翔は村に入るとすぐにシャルルとカオスメタモルフォーゼによって一体化し、他にもゴーレムが入り込んでいないか探しに行く。
ゲイルワイバーンであるシャルルの翼で高い位置から探し始めると、村の端の方に数体のゴーレムがいるのが見えた。
「こんなとこにもいやがったか、デカブツ! ぶっ壊してやるから覚悟しろ!
何でこの村にいるか知らねーけど、やってることは見逃せないんでな!」
ドラゴンにも負けない力強い声でゴーレムを威嚇すると同時に、村人へ助けが来たことを知らせ、他のアイドル達にゴーレムが広場脇にいた一体だけではないことも伝える。
空を飛べるという利点を最大限に活かし、ゴーレムの攻撃を受けることなく全力で攻めていく。
海翔は、ゴーレムでさえ格下に見えるほどの実力を持っていた。
トドメはサーブレ・オン・コレールの炎の刃によるスマッシュストライクだ。
一太刀で見事にゴーレムを仕留め、クロウに案内させて逃げ遅れた村人を探しつつ、ゴーレムを狩っていく。
海翔がいるのと反対方向では、ムテキ☆ハンマーを握り締めた緑青 木賊が、ゴーレムの足元へ走り寄っていた。
ゴーレムの足を破壊することで、少しでも村の被害を小さくするのが狙いだ。
食べる訳でもないし、彼らにも家族があろうと考えた木賊は、ゴブリンやスライムを攻撃するのには抵抗があり、よほどのことがなければゴーレムだけを狙うことに決めていた。
ゴーレムも木賊が足元をウロウロするので、木賊を掴もうと手を伸ばしてくるが、木賊の動きについていけないのか、不思議なポーズになってしまう。
そうしてゴーレムの動きが止まった隙に、木賊がこれでもかというくらいにゴーレムの足を打ちつける。
思い切りハンマーを打ち付けるとゴーレムの足はボロボロと崩れ始め、それでも手を止めずに叩き続けるとゴーレムの足が壊れてバランスを崩す。
「ごーれむが倒れるっすよ! 皆、避けるっす!」
木賊が周囲にいる者達に警告し、皆が避けた直後にゴーレムがドスンと大きな音を立てて倒れる。
そうして、「ちゃぶ台裏のご神託」【アニソン:注目のポップ】が流れる中、エンディングラッシュでトドメを刺す。
他のアイドルの攻撃とタイミングを合わせることで確実に倒し、すぐに次のゴーレムを探しに行く。
もし、ゴーレムや他の魔物に村人達が襲われて危なそうなら、躊躇うことなくかばいに行くつもりでいたので、村の様子にも気を配っている。
幸いにも、そういった場面には遭遇しなかったので、ひたすらゴーレムを殴り、トドメを刺していく。
一方、空莉・ヴィルトールは、村に着くとすぐに仮想体に変身していた。
「じゃーん♪ あすとらる★ごーすと(姫騎士仕様)だよ!
ブラチラパンチラ気にしないー♪ ドンと来ーい!」
空莉は鎧をどう着たら良いのか分からず、下着の上に直接鎧を着ているため、ゴーレムの攻撃を受けて鎧が破損したら少々まずいことになりかねない。
しかし、だからと言ってうさ耳な村人達を救うことに躊躇はしない、と口に出すことで自らを奮い立たせているのだ。
空莉は、自分がネコミミを付けていることもあり、本能的に村人達への親近感を強く感じていたのもあるだろう。
変身してせっかく巨乳になったのに、鎧のせいで他人にはその変化が分からないのを密かに残念がりながら、ウォータートライアングルで木賊と同様にゴーレムの足を集中的に攻撃する。
そして、得物である≪聖具≫粛清のホーリーランスでゴーレムの攻撃を上手く受け流す。
ゴーレムを引き付け、緩急をつけた動きでゴーレムを翻弄する空莉。
「ウサギさんラブラブスーパー薙ぎ払いアターーーック!!!!」
ゴーレムがバランスを崩した隙をつき、失楽園のパージフォースで一気に仕留めた。
ノーダメージでゴーレムを倒せるか、少し心配していた空莉だが、彼女程の腕があればゴーレムが相手でも遅れは取らない。
その後も、危なげなくゴーレムの相手をしながら、逃げ遅れた村人を探して回り、救い出していく。
村人達を見捨てることなどできない、と樹海ルートを選択した世良 延寿も、村に入るとすぐにイマジネイターの力で剣士に変身した。
その鎧は神々しさを感じさせ、逃げ遅れた村人達が見れば、素性は分からなくても自分達を助けに来てくれたのだ、と一瞬で察することができるに違いないものだ。
逃げ遅れた村人を探して村の中を走る。
スライムやゴブリンのような雑魚モンスターは、ジャスティス・バーストで一掃していく。
と、ある民家の裏から村人の悲鳴が聞こえ、延寿が急いで駆けつける。
ゴブリンの振り回していた棍棒をライアーズツインソードで叩き落とすと、魔物達と村人達の間に割って入った。
「もう大丈夫だよ。みんなのことは、私たちが絶対に守るから!」
嘘吐き補正が働き、怯えきっていた村人達も僅かながら安堵の表情を見せる。
ゴブリンはエネルギー弾で瞬殺したが、ゴーレムがこちらに気付いて向かってきた。
村人達を逃しつつ、延寿はゴーレムへと走る。
延寿が握る双剣の片方は実体がないものだが、スキルで炎をまとわせ激しいラッシュ攻撃を行い、ゴーレムの片足を損傷させ、片膝をつかせる。
それでも延寿が逃した村人達をゴーレムが追おうと立ち上がりかけた時、損傷した片足が折れてゴーレムが倒れた。
これにトドメを刺すと、延寿は再び村人達を救うため、走り出すのだった。
――1――
樹海を通り、クロウの村へと急ぐアイドル達。
急いでいるとは言え、周囲の警戒も怠らない。
「しかし、何か引っかかるんだよな。クロウ、もう少し詳しく状況を教えてくれないか?」
クロウにそう声をかけたのは、狩屋 海翔だ。
この辺りには弱い魔物しかいないはずなのに、ゴーレムのような比較的強力な魔物が出たことに違和感を覚えているらしい。
「どうしてゴーレムなんかが出たのかは、ボクにもよく分からないんだ。もしかしたら、ボクらが魔王に歯向かおうとしてたのが知られてしまったのかもしれない。
とにかく、魔物達が入って来ないように村を囲っている柵をゴーレムが壊してしまったせいで、近くにいた弱い魔物達まで村へ入って来てしまって……」
クロウは話しながら、その時のことを思い出したのか、唇を噛む。
「もしもの時のために用意していた避難場所へ、すぐに皆を誘導したけど。そんなに長くは隠れていられないと思う。
逃げ遅れた村人もいるだろうし、早く助けてあげなきゃ」
クロウの言葉を聞いた海翔達は、心なしか歩く速度が早まったようにも見えた。
橘 樹と宇津塚 夢佳は、完全に民俗学者になりきっているようで、樹海を進む間も何やらメモを取っている。
そうしながらも、夢佳は白火の毒牙で襲いかかろうとしてくる魔物達を蹴散らしていく。
夢佳の放つ強力な炎と毒にやられ、ゴブリン達は手も足も出ない。
しかも、夢佳は助手として行動している樹に当たらないよう、器用に攻撃しつつ周囲の観察はしっかり行っている。
樹はと言うと、スピード線ブーストを上手く使ってスライムの体当たりやゴブリンからの攻撃を避け、氷丸招来で氷のつぶてを放ち、魔物達を無力化していく。
一方、海翔はサーブレ・オン・コレールを抜いてその刀身を包む炎に怯える魔物達に睨みをきかせ、退散させてしまう。
海翔の相棒であるゲイルワイバーンのシャルルも魔物たちを威嚇し、追い払っていく。
樹海を歩くアイドル達にとっては、この辺りに出るスライムやゴブリンは完全に雑魚だった。
急がば回れの精神で樹海ルートを選んだ界塚 ツカサと加賀 ノイも、歩きながらゴブリン達の相手をしていた。
ツカサは通常攻撃とツインスラッシュを相手の数を見て使い分け、確実に倒していく。
ノイも、人型のゴブリン相手なので弓による攻撃を警戒し、悪意の北風で激しい突風を吹かせ、隠れて矢を射られても命中率が下がるようにしている。
さらに、紅月焔唄で複数でまとまって動いている魔物たちを狙い、無力化する。
先導役を担当するアイドル達と、スライムやゴブリン達との実力差を考えれば、魔王と戦うために体力を温存しているアイドル達が、不意打ちで傷つくこともないだろう。
中継で実況が視聴者に向けてそう伝えた、まさにその時。
ノイが木の根に足を取られて転んでしまった。
樹海を進んでいるのだから、地表に顔を出して縦横無尽に伸びる木の根に足を取られるのは、仕方のないことである。
だが、運の悪いことにノイが転んだ先にはスライムがいた。
今にもノイに飛びかかろうとしていたスライムの体に、ノイが突っ込んだ形になってしまったのだ。
実にお約束な展開に、中継を見守る観客達からは声が上がる。
ノイの上半身にはスライムがまとわりつき、その体液で早くも服に小さな穴が空いている。
これを見たツカサが慌ててウォータートライアングルでスライムを引き剥がす。
すかさずノイも、ツカサにスピード線ブーストをかける。
水圧で無理やり引き剥がされたスライムを、ツカサの装備していたヴァルハラを謳う剣が斬り裂いた。
「助かりました……ありがとうございます」
ツカサに助けられたノイは、うっかり木の根に躓いたことをあえては言わず、助けてもらったお礼だけをツカサに告げている。
そうこうするうち、クロウとアイドル達は村へと近付いていた。
少し離れた位置からでも、村を囲っている柵が破壊され、そこから魔物たちが侵入したであろうことが見て取れる。
木で作られた柵だったが、高さも十分あり、かなりしっかりと作られている。
これならば、この辺りにいるような魔物達では入れなかっただろう。
しかし、今ではゴーレムによって柵に大きな穴が開けられているような状態だ。
ちょうど、その穴からゴブリンが村の中へ入っていくのが見えた。
この様子にクロウやアイドル達だけでなく、中継を見ていた観客達、実況担当までが息を呑んでいた。
クロウとアイドル達は、村へと駆け寄り柵にできた穴から中へと入っていく。
本来なら、柵の中央辺りに門があり、そこから入るようになっているのだが、今はそこまで行く時間も惜しい。
ゴーレムや魔物達が村へ侵入したのと同じルートをたどり、中へと急ぐ。
村の中では、避難場所に入り損ねたらしい村人が子供達を後ろにかばいつつ、スライムやゴブリンに向かって松明の火で脅かしながら逃げ回っていた。
ゴーレムは、村の中心部の広場脇にある大きな石造りの家に体当たりし、壊そうとしている。
「まずい! あそこが避難場所なんだ! このままじゃ、皆やられちゃう!!」
ゴーレムが壊そうとしている家を指差し、クロウが叫ぶ。
アイドル達のいる方向からは見えないが、ゴーレムに壊されそうになっている家の裏口から、何人かの村人が逃げ出していた。
家から出てきた村人達はパニックに陥っているようで、めちゃくちゃに逃げ回っている。
村人全員がつけているうさ耳のせいで、魔物達に追われて切羽詰まった状況のはずが、どことなくほのぼのとした雰囲気を感じられなくもない。
と、ツカサが逃げ惑う村人を引き止めてうさ耳を借り、囮役を買って出た。
「ボクが相手だよ、こっちにおいで!」
今にも家を壊してしまいそうなゴーレムに向かって大声で呼びかけ、家から引き離す。
ノイが再びスピード線ブーストを使い、ツカサがゴーレムに捕まらないように素早さをアップさせる。
その上で、他のアイドル達がゴーレムと戦いやすいように、ツカサが家のすぐ近くにある村の広場へとゴーレムを誘導していく。
ツカサはあえて立ち止まって飛び跳ねてみたり、両手を大きく振ったりして、上手くゴーレムの気を引いているようだ。
海翔は村に入るとすぐにシャルルとカオスメタモルフォーゼによって一体化し、他にもゴーレムが入り込んでいないか探しに行く。
ゲイルワイバーンであるシャルルの翼で高い位置から探し始めると、村の端の方に数体のゴーレムがいるのが見えた。
「こんなとこにもいやがったか、デカブツ! ぶっ壊してやるから覚悟しろ!
何でこの村にいるか知らねーけど、やってることは見逃せないんでな!」
ドラゴンにも負けない力強い声でゴーレムを威嚇すると同時に、村人へ助けが来たことを知らせ、他のアイドル達にゴーレムが広場脇にいた一体だけではないことも伝える。
空を飛べるという利点を最大限に活かし、ゴーレムの攻撃を受けることなく全力で攻めていく。
海翔は、ゴーレムでさえ格下に見えるほどの実力を持っていた。
トドメはサーブレ・オン・コレールの炎の刃によるスマッシュストライクだ。
一太刀で見事にゴーレムを仕留め、クロウに案内させて逃げ遅れた村人を探しつつ、ゴーレムを狩っていく。
海翔がいるのと反対方向では、ムテキ☆ハンマーを握り締めた緑青 木賊が、ゴーレムの足元へ走り寄っていた。
ゴーレムの足を破壊することで、少しでも村の被害を小さくするのが狙いだ。
食べる訳でもないし、彼らにも家族があろうと考えた木賊は、ゴブリンやスライムを攻撃するのには抵抗があり、よほどのことがなければゴーレムだけを狙うことに決めていた。
ゴーレムも木賊が足元をウロウロするので、木賊を掴もうと手を伸ばしてくるが、木賊の動きについていけないのか、不思議なポーズになってしまう。
そうしてゴーレムの動きが止まった隙に、木賊がこれでもかというくらいにゴーレムの足を打ちつける。
思い切りハンマーを打ち付けるとゴーレムの足はボロボロと崩れ始め、それでも手を止めずに叩き続けるとゴーレムの足が壊れてバランスを崩す。
「ごーれむが倒れるっすよ! 皆、避けるっす!」
木賊が周囲にいる者達に警告し、皆が避けた直後にゴーレムがドスンと大きな音を立てて倒れる。
そうして、「ちゃぶ台裏のご神託」【アニソン:注目のポップ】が流れる中、エンディングラッシュでトドメを刺す。
他のアイドルの攻撃とタイミングを合わせることで確実に倒し、すぐに次のゴーレムを探しに行く。
もし、ゴーレムや他の魔物に村人達が襲われて危なそうなら、躊躇うことなくかばいに行くつもりでいたので、村の様子にも気を配っている。
幸いにも、そういった場面には遭遇しなかったので、ひたすらゴーレムを殴り、トドメを刺していく。
一方、空莉・ヴィルトールは、村に着くとすぐに仮想体に変身していた。
「じゃーん♪ あすとらる★ごーすと(姫騎士仕様)だよ!
ブラチラパンチラ気にしないー♪ ドンと来ーい!」
空莉は鎧をどう着たら良いのか分からず、下着の上に直接鎧を着ているため、ゴーレムの攻撃を受けて鎧が破損したら少々まずいことになりかねない。
しかし、だからと言ってうさ耳な村人達を救うことに躊躇はしない、と口に出すことで自らを奮い立たせているのだ。
空莉は、自分がネコミミを付けていることもあり、本能的に村人達への親近感を強く感じていたのもあるだろう。
変身してせっかく巨乳になったのに、鎧のせいで他人にはその変化が分からないのを密かに残念がりながら、ウォータートライアングルで木賊と同様にゴーレムの足を集中的に攻撃する。
そして、得物である≪聖具≫粛清のホーリーランスでゴーレムの攻撃を上手く受け流す。
ゴーレムを引き付け、緩急をつけた動きでゴーレムを翻弄する空莉。
「ウサギさんラブラブスーパー薙ぎ払いアターーーック!!!!」
ゴーレムがバランスを崩した隙をつき、失楽園のパージフォースで一気に仕留めた。
ノーダメージでゴーレムを倒せるか、少し心配していた空莉だが、彼女程の腕があればゴーレムが相手でも遅れは取らない。
その後も、危なげなくゴーレムの相手をしながら、逃げ遅れた村人を探して回り、救い出していく。
村人達を見捨てることなどできない、と樹海ルートを選択した世良 延寿も、村に入るとすぐにイマジネイターの力で剣士に変身した。
その鎧は神々しさを感じさせ、逃げ遅れた村人達が見れば、素性は分からなくても自分達を助けに来てくれたのだ、と一瞬で察することができるに違いないものだ。
逃げ遅れた村人を探して村の中を走る。
スライムやゴブリンのような雑魚モンスターは、ジャスティス・バーストで一掃していく。
と、ある民家の裏から村人の悲鳴が聞こえ、延寿が急いで駆けつける。
ゴブリンの振り回していた棍棒をライアーズツインソードで叩き落とすと、魔物達と村人達の間に割って入った。
「もう大丈夫だよ。みんなのことは、私たちが絶対に守るから!」
嘘吐き補正が働き、怯えきっていた村人達も僅かながら安堵の表情を見せる。
ゴブリンはエネルギー弾で瞬殺したが、ゴーレムがこちらに気付いて向かってきた。
村人達を逃しつつ、延寿はゴーレムへと走る。
延寿が握る双剣の片方は実体がないものだが、スキルで炎をまとわせ激しいラッシュ攻撃を行い、ゴーレムの片足を損傷させ、片膝をつかせる。
それでも延寿が逃した村人達をゴーレムが追おうと立ち上がりかけた時、損傷した片足が折れてゴーレムが倒れた。
これにトドメを刺すと、延寿は再び村人達を救うため、走り出すのだった。



