大規模オーバーラップ“ラ・フォレ・リヴァイブ”
リアクション公開中!

リアクション
■魔王第三形態:嘘
「感じるのよ……私の中の魔王の血が、最終回の緊迫感と期待感を感じとっているのよ」
ダークキュートな魔王の衣装はそのままだったが、嘘の手には慣れ親しんだ自分の痛キャリーバッグ。
もう周りには、配下の美少女エルフの姿もない。
♪♪♪
たった一人になっても嘘は意欲的に呪いの歌を舞い踊っている。
【でゅある剣】を構えた合歓季 風華が、蛇の星獣【≪星獣≫アルナさん】と共に嘘の前に立ち、【《慰霊》星葬】を発動。
小さな星を散りばめた黒い霧が、会場全体を覆っていく。
宇宙空間のようにも感じられるその暗闇の中、風華は静かに語った。
「夢幻の語り部・合歓季風華。これより紡ぐは一つの夢……」
今日のアニー・ミルミーンは、人型のDマテリアル【ヒューマンボーン】にダイブして来ている。
アニーは風華の声を合図に【楽譜作成】で音符を描き、ピアノの音色で前奏を奏でた。
ノーラ・レツェルは【おしゃべりパペット】を1体、手にしている。
【おしゃべりパペット】は声色を変えられるのだが、その声はフェスタのミュージシャン講師 兼 教師の北村ななのそれだった。 ノーラは、自分にとって大切な思い出のあるその「声」で前奏に加わる。
「多く長く願われた夢。心ある者が手を取り合う、そんな夢」
風華の語りを聞きながら、城内を【大空讃頌】で飛んでいた天草 燧が、ゆっくりと下降して来た。
【《慰霊》星葬】の星のいくつかが、眩く光りながら弾け、欠片となって降り注ぐ。
燧はその光を【マイディアガーデン】で受け、弾けた光の欠片をその手に取った。
【マイディアガーデン】は美しいステンドグラスのような舞台衣装。
風華が徹底監修したもので、燧と風華のこれまでとこれからが凝縮されている、大変意味のある一着だ。
「幾度踏まれようと潰えぬ夢。今はしばし、私達のこの夢を」
風華が言い終えると、仮想体【天のきざはし】の姿となった燧は【ゴッズ・マスターピース】で最高のアピールをしながら、アニーの【楽譜作成】に合わせ優しくハミングを始める。
クリエイション効果によってさらにアピール力は強まり、外見的要素のみならず、その歌声は神がかって美しく感じられやすくなった。
*
【Windysplash】は、いま流行りの、異世界来訪系を題材にした『現代に転生した仮の魔王の一年』を、オルトアース……さらに言うならナゴヤならではの、想像を超える魅せ方で繰り広げていく。
*
風華が【アニメ化決定!】にて夏・秋・冬・春の4コマを作り出す。
燧は【岩窟王のブリザードマイク】を手に【大空讃頌】で飛びながら【四季四葉】を歌う。
♪♪♪
スキャットの前奏から始まる燧の【四季四葉】は、ノーラ、アニー、そして風華のそれぞれのパフォーマンスを、1つの作品にまとめ上げる「ネックレスの糸」のような役割だ。
■1コマ目:季節は夏:目を開けると、猛暑に見舞われている■
この【アニメ化決定!】の4つのコマはすべて風景映像のような雰囲気で、『仮の魔王』の一人称視点を表現している。
コマのそばには風華の【≪星獣≫アルナさん】が、鍵盤ハーモニカで陽気に“ウタ”を奏でている。
それに重ねてノーラが【美しきひととせ】で夏を表現。
温風至(あつかぜいたる)夏の日に
薫風起こりて、思ひ出す
燧はノーラの作品を、ポップな曲調にして歌う。
【美しきひととせ】の効果で、辺りには≪望郷、祈り≫といった花言葉を持つサンダーソニアの花が降る。
ノーラは、これまでこっそり隠し持っていた、魔王っぽい格好の【おしゃべりパペット】を動かした。
【ヒューマンボーン】にダイブしているアニーはちょうどこのパペットと同じくらいの大きさとなっているため、パペットやアニメのコマに調和しながら、【ダンスマニューバ】で踊る。
■2コマ目:そして秋:お月見に色づく木の葉■
コマのそばには、燧が呼び出した【二次元キャラ:森を往く勇者】と、ノーラの【≪星獣≫オカリナネズミ】。
元来臆病な【≪星獣≫オカリナネズミ】だが、素朴で人のよさそうな勇者が気に入ったのか、はたまた事前にノーラがこの勇者に「怖がりだから優しく接してねぇ?」とお願いしていたからだろうか、自ら彼の肩に乗り、ともにオカリナの音色を響かせている。
「すごく素敵なの。この調子でいいのよ!」
踊りながら、嘘が感激の声を上げる。 苦しそうなのに、嬉しそうだ
「でも、ダメージが出ちゃうんだよねぇ? ……そんな酷いことは出来ない……」
出来るだけ嘘を傷つけないうにと気を付けながら、ノーラは【美しいひととせ】で秋を表現する。
楓蔦黄(もみじつたきばむ)秋の日に
星月夜瞬き、思いにふける
燧はノーラの作品を、風情ある歌にして歌う。
1コマ目と同じ旋律なのにその印象は全然違う。演奏や雰囲気を、季節ごとに変えていくのだ。
【美しきひととせ】の効果で、辺りには≪変化、もの思い≫といった花言葉を持つワレモコウの花が降る。
ノーラはアニーの踊りに合わせて【おもちゃの舞踏会】。
ふわふわの【すたぐるみ】達をノーラと共に踊らせる。
姿、人種、スタイル貴賎なく楽しんでいる雰囲気が伝わってくる。
■3コマ目:冬の到来:舞う雪と、ライトアップ■
コマのそばには師走の人の波を表す【創作物:行進する人々】。
そしてノーラが、【美しきひととせ】で冬を表現する。
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)冬の日に
霜の衣全てを隠し、悲しみに暮れる
燧はそれを、寂寥感のある歌にして歌った。
人々の喧騒と、しんしん降る雪の対比が趣深い中、
【美しきひととせ】の効果で、辺りには≪孤独、寂しさ≫といった花言葉を持つエリカの花が降る。
「嘘さん。本当にフェスタには、来ないのですか?」
【ヒューマンボーン】のアニーが、嘘に近づき、そっとたずねる。
嘘は先ほどのライブで、自分の痛キャリーバッグに転写されたフェスタの校章を一瞬見下ろし。
きっぱりと、静かに首を振る。
「だって私には、魔王の使命があるのよ」
「でも。異世界の魔王様が日本に転生してきて日常を過ごすというのも、マンガやアニメによくあるネタですよね」
アニーの言葉に、嘘が一瞬、ぱっと目を輝かせた。異世界・魔王、転生……どれも大好物なのだろう。
しかしすぐに、元の魔王モードに戻ってしまった。
■4コマ目:翌春:麗らかな日差しの中お昼寝■
コマの外そばには風華の【≪星獣≫アルナさん】。すべてを優しく見守っている。
ノーラは【美しきひととせ】で春を表現。
虹始見(にじはじめてあらわる)春の日に
朧月見守り、再会を希う
燧はそれを、子守唄のようにゆっくりゆっくりと歌った。
【美しきひととせ】の効果で、辺りには≪門出、別離≫の花言葉に持つスイートピーの花が降る。
そしてこのコマの主観である『仮の魔王』はねむねむになっていき、
視界は狭まり暗くなり……眠りに落ちる。
(完)「感じるのよ……私の中の魔王の血が、最終回の緊迫感と期待感を感じとっているのよ」
ダークキュートな魔王の衣装はそのままだったが、嘘の手には慣れ親しんだ自分の痛キャリーバッグ。
もう周りには、配下の美少女エルフの姿もない。
♪♪♪
たった一人になっても嘘は意欲的に呪いの歌を舞い踊っている。
【でゅある剣】を構えた合歓季 風華が、蛇の星獣【≪星獣≫アルナさん】と共に嘘の前に立ち、【《慰霊》星葬】を発動。
小さな星を散りばめた黒い霧が、会場全体を覆っていく。
宇宙空間のようにも感じられるその暗闇の中、風華は静かに語った。
「夢幻の語り部・合歓季風華。これより紡ぐは一つの夢……」
今日のアニー・ミルミーンは、人型のDマテリアル【ヒューマンボーン】にダイブして来ている。
アニーは風華の声を合図に【楽譜作成】で音符を描き、ピアノの音色で前奏を奏でた。
ノーラ・レツェルは【おしゃべりパペット】を1体、手にしている。
【おしゃべりパペット】は声色を変えられるのだが、その声はフェスタのミュージシャン講師 兼 教師の北村ななのそれだった。 ノーラは、自分にとって大切な思い出のあるその「声」で前奏に加わる。
「多く長く願われた夢。心ある者が手を取り合う、そんな夢」
風華の語りを聞きながら、城内を【大空讃頌】で飛んでいた天草 燧が、ゆっくりと下降して来た。
【《慰霊》星葬】の星のいくつかが、眩く光りながら弾け、欠片となって降り注ぐ。
燧はその光を【マイディアガーデン】で受け、弾けた光の欠片をその手に取った。
【マイディアガーデン】は美しいステンドグラスのような舞台衣装。
風華が徹底監修したもので、燧と風華のこれまでとこれからが凝縮されている、大変意味のある一着だ。
「幾度踏まれようと潰えぬ夢。今はしばし、私達のこの夢を」
風華が言い終えると、仮想体【天のきざはし】の姿となった燧は【ゴッズ・マスターピース】で最高のアピールをしながら、アニーの【楽譜作成】に合わせ優しくハミングを始める。
クリエイション効果によってさらにアピール力は強まり、外見的要素のみならず、その歌声は神がかって美しく感じられやすくなった。
*
【Windysplash】は、いま流行りの、異世界来訪系を題材にした『現代に転生した仮の魔王の一年』を、オルトアース……さらに言うならナゴヤならではの、想像を超える魅せ方で繰り広げていく。
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風華が【アニメ化決定!】にて夏・秋・冬・春の4コマを作り出す。
燧は【岩窟王のブリザードマイク】を手に【大空讃頌】で飛びながら【四季四葉】を歌う。
♪♪♪
スキャットの前奏から始まる燧の【四季四葉】は、ノーラ、アニー、そして風華のそれぞれのパフォーマンスを、1つの作品にまとめ上げる「ネックレスの糸」のような役割だ。
■1コマ目:季節は夏:目を開けると、猛暑に見舞われている■
この【アニメ化決定!】の4つのコマはすべて風景映像のような雰囲気で、『仮の魔王』の一人称視点を表現している。
コマのそばには風華の【≪星獣≫アルナさん】が、鍵盤ハーモニカで陽気に“ウタ”を奏でている。
それに重ねてノーラが【美しきひととせ】で夏を表現。
温風至(あつかぜいたる)夏の日に
薫風起こりて、思ひ出す
燧はノーラの作品を、ポップな曲調にして歌う。
【美しきひととせ】の効果で、辺りには≪望郷、祈り≫といった花言葉を持つサンダーソニアの花が降る。
ノーラは、これまでこっそり隠し持っていた、魔王っぽい格好の【おしゃべりパペット】を動かした。
【ヒューマンボーン】にダイブしているアニーはちょうどこのパペットと同じくらいの大きさとなっているため、パペットやアニメのコマに調和しながら、【ダンスマニューバ】で踊る。
■2コマ目:そして秋:お月見に色づく木の葉■
コマのそばには、燧が呼び出した【二次元キャラ:森を往く勇者】と、ノーラの【≪星獣≫オカリナネズミ】。
元来臆病な【≪星獣≫オカリナネズミ】だが、素朴で人のよさそうな勇者が気に入ったのか、はたまた事前にノーラがこの勇者に「怖がりだから優しく接してねぇ?」とお願いしていたからだろうか、自ら彼の肩に乗り、ともにオカリナの音色を響かせている。
「すごく素敵なの。この調子でいいのよ!」
踊りながら、嘘が感激の声を上げる。 苦しそうなのに、嬉しそうだ
「でも、ダメージが出ちゃうんだよねぇ? ……そんな酷いことは出来ない……」
出来るだけ嘘を傷つけないうにと気を付けながら、ノーラは【美しいひととせ】で秋を表現する。
楓蔦黄(もみじつたきばむ)秋の日に
星月夜瞬き、思いにふける
燧はノーラの作品を、風情ある歌にして歌う。
1コマ目と同じ旋律なのにその印象は全然違う。演奏や雰囲気を、季節ごとに変えていくのだ。
【美しきひととせ】の効果で、辺りには≪変化、もの思い≫といった花言葉を持つワレモコウの花が降る。
ノーラはアニーの踊りに合わせて【おもちゃの舞踏会】。
ふわふわの【すたぐるみ】達をノーラと共に踊らせる。
姿、人種、スタイル貴賎なく楽しんでいる雰囲気が伝わってくる。
■3コマ目:冬の到来:舞う雪と、ライトアップ■
コマのそばには師走の人の波を表す【創作物:行進する人々】。
そしてノーラが、【美しきひととせ】で冬を表現する。
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)冬の日に
霜の衣全てを隠し、悲しみに暮れる
燧はそれを、寂寥感のある歌にして歌った。
人々の喧騒と、しんしん降る雪の対比が趣深い中、
【美しきひととせ】の効果で、辺りには≪孤独、寂しさ≫といった花言葉を持つエリカの花が降る。
「嘘さん。本当にフェスタには、来ないのですか?」
【ヒューマンボーン】のアニーが、嘘に近づき、そっとたずねる。
嘘は先ほどのライブで、自分の痛キャリーバッグに転写されたフェスタの校章を一瞬見下ろし。
きっぱりと、静かに首を振る。
「だって私には、魔王の使命があるのよ」
「でも。異世界の魔王様が日本に転生してきて日常を過ごすというのも、マンガやアニメによくあるネタですよね」
アニーの言葉に、嘘が一瞬、ぱっと目を輝かせた。異世界・魔王、転生……どれも大好物なのだろう。
しかしすぐに、元の魔王モードに戻ってしまった。
■4コマ目:翌春:麗らかな日差しの中お昼寝■
コマの外そばには風華の【≪星獣≫アルナさん】。すべてを優しく見守っている。
ノーラは【美しきひととせ】で春を表現。
虹始見(にじはじめてあらわる)春の日に
朧月見守り、再会を希う
燧はそれを、子守唄のようにゆっくりゆっくりと歌った。
【美しきひととせ】の効果で、辺りには≪門出、別離≫の花言葉に持つスイートピーの花が降る。
そしてこのコマの主観である『仮の魔王』はねむねむになっていき、
視界は狭まり暗くなり……眠りに落ちる。
ノーラは最後に【“w”の芽吹き】を空に描く。
ステージ上に一時的に草が生え、緑が溢れる癒しの空間を演出する。
(これで嘘ちゃんを癒せるといいのだけれど……)
*
「こんなに綺麗なライブ、初めて見たのよ。なのに、なぜ私は倒れないのよ。魔王ってそんなにチート設定なの?」
しかし嘘は自分が倒れない本当の理由が判っていた。
心のどこかで魔王の力を加減している自分を感じている。
どうしても、最後の残りの1%を開放できずにいる。
この残りの1%を引き留めているのは間違いなく「戦戯 嘘」だった。
「私はもう「戦戯 嘘」を捨ていいのよ! ラ・フォレの魔王に、私はなる! のよ!」
♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪
嘘が、ラスボス戦のような、真っ赤にして真っ黒な呪いの歌を歌い舞い始めた。
「ほかの可能性を、さがさないのですか?」
風華の声はかき消され、
ドオオッツ!!!
すさまじい衝撃が【Windysplash】を襲う。
とっさに燧が【謎光乱舞】の光でかく乱を図り、直撃は逃れた。
しかし、風華は危うくバランスを崩していた。
「大丈夫か?」
倒れそうになった風華を支えたのは、【勇者パーティー!】のアーヴェント・ゾネンウンターガングだった。
「あとは自分たちに繋いでくれ」
アーヴェントの声に【Windysplash】のメンバーは、顔を見合わせうなずき合った。
そして全ての人に向けて丁寧に頭を下げると、その場を【勇者パーティー!】に繋いだ。
*
「わたしは【勇者パーティ】の、そして≪賢者≫のめじろ! 魔王様のお相手として、十分に分相応でしょ?」
【アニソン:スーパーノヴァ】をバックに、狛込 めじろが嘘の前に出た。
めじろは【キャプテンの今日の格言】に収められた名言を胸に、やる気をアップ。
――はい。わたしにも、最強で最高の仲間がいます。
「だから、負けません!」
めじろはこれまでの【勇者パーティー!】の道程を【アニメ化決定!】で簡易的に表現した。
海を越え、山を越え、東奔西走
悲しい別れもありました
その中で出会った人々から託された想いが、わたし達を強くしたのです……
*
♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪
嘘は懸命に呪いの歌と踊りを貫いている。
♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪
自分を倒してくれる勇者を待って、
♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪
たった一人で。
アーヴェントは、嘘をまっすぐ見つめた。
「魔王、いや、戦戯」
二人の視線が交差する。
嘘が力強くうなずいた。
アーヴェントもうなずき返し、そして改めて言った。
「魔王、これが最後の戦いだ!」
勇者そのものの声で、勢いよく【ノヴァとエルデの剣】(舞台用の儀礼剣)を抜く。
アーヴェントが念じたので、【ノヴァとエルデの剣】は効力を発揮。
幻影の雑魚敵が現れ派手な立ち回りで、切られ役を演じ始めた。
彼の意向を汲んだ嘘は、マントを翻し、雑魚敵たちをたきつけるような身振りをした。
アーヴェントただ一人が、魔王と雑魚敵と戦っているような雰囲気が作られた。
♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪
嘘は本気だった。
もう何も語らず、そしてもう、何も迷っていない。
さっきまで大事に持っていた痛キャリーバッグは、魔王城の片隅に置き去りにされている。
雑魚敵を殲滅したアーヴェントは、いったん魔王から距離を置いた。
♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪
そんなことしても無駄なのよという顔で、嘘は踊りと舞いを続ける。
「負けません!」
ダメージを相殺しつつ、めじろは宙にピリオドを打った。
・
【閑話休題。】の暗転。
その暗転の中にクリエイション効果のスポットライトが灯り、【勇者パーティー!】の3人を照らす。。
*
「いよいよ、くるのよ!」
リーニャ・クラフレットが目を輝かせた。
【アニソン:スーパーノヴァ】のサビが盛り上がる。
魔王になり切って歌い踊っている嘘が、かわいくマントをはためかせた。
魔王城内にゴゴゴゴゴ……と壮大な風が吹き荒れた。
「っくうう! 【オルトノーム】さん、【オルトシルフィード】さん、召喚っっっっ!」
風に負けず、リーニャが精霊を召喚。
リーニャに続き、アーヴェントも【オルトサラマンダー】【オルトウンディーネ】を召喚した。
魔王城には、地・風・火・水の4精霊が集結した。
そしてリーニャが【枠破りのバーンユニバース】を発動。
その場を、自分よりさらに真っ白い白紙空間へと変える。
クリエイション効果で、リーニャが白紙の世界に背景を描いていく。
それは、夜と朝の間の時間。
空には星が輝き、でも少しずつ、確実に朝が近づいているような、そんな時間。
キラキラ綺麗なお星様に、かっこいい剣。
世界のあちこちには、ひらひらと、白い羽が降っている。
リーニャが描いた世界に、めじろが【あなたに贈る白昼夢】と【創作物:進む人々】で、さらに情景を描きこんでいく。
白昼夢に集められた【創作物:進む人々】は、みな【勇者パーティー!】がここに来るまで、出会った人々。
それは1人の冒険者。
未知を開拓し、探求する者。
それは1人の魔術師。
全てを知ろうと、驕る者。
それは1人の村人。
いつもと同じに、暮らす者。
【勇者パーティー!】の3人は振り返り、感慨深げに一人ひとりを見つめていく。
思い出すのは、そう、ここに至るまでの長い道程。
}
海を越え、山を越え、東奔西走。悲しい別れもあった。
その中で出会った人々から託された想いが【勇者パーティー!】の3人を強くした……。
}
剣を掲げてアーヴェントは言う。
「なあ、この3人だから此処に自分は立っているんだ」
2人が深くうなずいた。
「だからこれが、自分達の」
「わたし達だけの」
「私たちの特別な」
「「「解放の……スピリッツノヴァ!」」」
クライマックスが訪れ、4精霊が魔王を囲んだ。
*
*
*
リーニャのような真っ白い羽が舞い降りるまばゆい光の中。
嘘は声を聞いた。
「封印されても、オーバーラップが解けて元の世界に戻っても、嘘ちゃんとお別れなんてありえません。
ここは二次元都市ナゴヤ。誰の理想も実現する街。
ストーリーテラーとしてわたしがスピンオフでもなんでも紡いであげますから」
「君の本当に望むものを選ぶんだ。
そうすれば今のような方法を取らなくとも『君が望むこと』、それだけで全てを叶えられる筈だから」
たった今自分を倒した【勇者パーティー!】のめじろと、アーヴェントの声だった。
―― 嘘! そんなのは絶対無理なのよ!
嘘は頭の中で全力否定する。
「嘘だと思うか? 此処はナゴヤ、本当に、全部叶うんだ」
アーヴェントの声と共に、嘘はパチリと目を開ける。
「はふ……ここはナゴヤ。嘘みたいな、素敵な街」
目の前には【勇者パーティー!】のほか、今対決してきたフェスタのアイドル達。
『不死のラ・フォレ』の景色がゆっくりと消え始める中、嘘の姿だけは消える気配がまるで無かった。
変化といえば、魔王のコスチュームからいつものワンピースに戻ったくらいだった。



