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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

大規模オーバーラップ“ラ・フォレ・リヴァイブ”

リアクション公開中!
大規模オーバーラップ“ラ・フォレ・リヴァイブ”
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リアクション

■天歌院玲花(4)

「おーっほっほっほ!」

 ライブ対決の場に、玲花が戻って来た。
「覇権は誰にも渡さないですわ。さあ、今度こそ決着をつけますわ!」

「だめだ!」
 嘘の元へ進もうとした玲花の進路を邪魔したのは死 雲人だった。
 後ろにはレア・アルゲアスを従えている。
「ふっ、あなた……」
 玲花は胸を強調させるように腕を組み、挑発的な目で雲人に微笑みかけた。
「この局面でわたくしとライブ対決をなさるおつもり? まあ、あなたの実力をとことん拝見するのもまた面白いかもしれませんけれども……」
 雲人はじっと玲花を見つめ、ささやいた。
「対決などいい。俺のハーレムに入れ」
 玲花は涼しい顔で雲人を見つめる。
「……ハーレム?」
 いつもの高笑いで一笑に付すかと思いきや、何があったのか玲花のはうっとりと雲人を見つめた。
「このわたくしに、他の女たちと仲良く並んで、あなたを見つめていろとおっしゃるの?」
 玲花のその目は、いつもよりも熱く切なく潤んでいる。
 雲人は玲花にぐっと近づいた。
 玲花は拒むことなくその状態を受け入れる。
「分からせてやる」
 雲人の周りには、独特な香りが漂っている。
 レアがお膳立てした【月下香のニブ・ランス】と【創作物:いちゃラブ同人誌】の香りとは違う、もっと独特な香り……。
「立場がどちらが上なのかをな」
 それはめまいがするほど蠱惑的な香りの香水【BAD Invitation】だった。
 身体に付けることで自分に少量のノイズを纏わせ、一時的に攻撃力を高め、また自身を魅力的に見せることが出来る。
 しかしこの香水には、唯一にして最大の弱点がある。

「玲花」
(俺に惚れるんだ)
「……ぁ」
 玲花が潤んだ瞳を雲人にむけながら首を振る。
「それ以上は……。今は、大事な時なですのよ? お願い
 お願い」……玲花から発せられたその言葉に雲人はひそかに身構えた。
「くっ……」

 魅惑の香水【BAD Invitation】の弱点――それは自我が揺らいでしまい、嫌でも“天歌院玲花”のお願い」を叶えたい気持ちになってしまうことなのだ。

「あああああああっっ!!!!!」

 雲人は玲花のお願い」を聞き入れ、これ以上のことをするのを止めたくてしょうがなくなってきた。
「雲人君、待ってて」
 苦しむ雲人を見たレアが、【あなたに見せる白昼夢】を描き(書き)始めると、さらに【創作物:行進する人々】を発動。
 魔王城に出現したモブキャラがすべてが美女、という夢のような状況の夢を作り上げた。

「【創作物:行進する人々】の美女達~! 雲人君を誘惑して、声を呼び掛けて!」
 あふれんばかりの数の美女達が、歌い踊りながら、雲人にあの手この手で呼びかけていく……そんな夢が展開していく。
「ぅうう! 俺は……多くの美女や美少女を……ハーレムに……加える」
 雲人がうめく。
「そうだよね、雲人君♪」
 レアは雲人の自我を取り戻そうと、誘惑するようにぎゅっとしがみつき腕を引いた。
「玲花程度に縛られてたまるかあああぁぁ!!」
 雲人が強い意志をもって【BAD Invitation】から逃れ自我を取り戻した。

 自由を取り戻したそして雲人は、【ゴッズ・マスターピース】を使用。
 神作画となって【アニソン:話題沸騰のロック】を歌う。
「レア、続け……玲花をハーレムに加える!」
 レアとクリエイションしているため、雲人の【ゴッド・マスターピース】は外見的要素だけでなく、歌声や演奏も神がかって美しく感じられやすくなる。

「玲花。俺がお前を愛してる! 俺に愛される事はハッピーエンドだ!」
 熱い想いが、雲人のパフォーマンスをさらに神がかったものに昇華させる。
 そして雲人は【枠破りのバーンユニンバース】で、ライブ空間を白紙へと変えた。

「ここは俺の世界だ。俺の自我はハーレムを築く事だ。そんな俺の世界に玲花が恋焦がれる……それがハッピーエンドの世界、俺のハーレムの世界だ!」

「ふっ」
 雲人が作った白紙の空間で、玲花は満足げにうっとりと、口元をつりあげた。
「さすが、わたくしが見込んだ方……」
 その目はもう、先ほどのように無心に潤んではいない。
「ですが、今、この魔王城においては、姫宮ぶるぅべりぃが絶対的に有利ですわ。あなたほどの人であっても……」
 しかし雲人と同じくらい何かを求め、ひたすらに熱い。
「わたくしも、ハッピーエンドが好きですわ?」
 雲人の体に少し近づき、玲花は息を深く吸った。
「【BAD Invitation】……あなたにぴったり。いい香りですわ?」

 美しく笑う玲花は、それ以上を語らない。
 


「さあ、このわたくしと対決したい奇特な方はまだいらっしゃって?」
 小羽根 ふゆが、決意をこめた強い足取りで歩み出た。
「私は“茉莉花さんのフォロワー”」
 ふゆは宣言するようにそう言うと、【からふるくれよん】の赤と黒を取り出した。
「茉莉花? ああ、この前追い出された二流アイドルですわね?」
 玲花が冷たく言い放つ。

 ふゆの眼鏡の奥の瞳は、淋しそうではあるが、使命感を帯びた強い光が宿っている。
(茉莉花さん)
 前回の“Destiny God’s Orbit”の大規模オーバーラップの時、ふゆは咲田茉莉花と勝負していた。
(あの時茉莉花さんは、「どんな手を使っても覇権を取ろうとしている子」の暴走を危惧していた。それは玲花さんのことだよね)
 ふゆは赤と黒の【からふるくれよん】をぎゅっと握る。
(赤と黒は、茉莉花さんの色)
 ふゆはあの時と同じように、空中に絵を描き始めた。
 それは、茉莉花に似せた剣士の子どもの姿だった。
(茉莉花さんには、私たちと一緒にここにいて欲しかった。でもいないなら私が、)

 ♪ ♪

 ふゆが描いた子どもが、かわいく【ラフ・ダンス】を始める。
 ふゆはその子どもをエスコートするように、【赤い靴】で華麗なステップを踏み、踊った。

「なんて下手くそな絵に、下手くそなステップですの!?」
 玲花がふゆを圧倒するステップを踏んだ。
「!!!」
 ふゆは転びそうになるが必死に耐え、自分を勇気づけるように言った。
「玲花さんは勇者として正しくない。あなたのような人ではなく、茉莉花さんのようなアイドルこそが……本当は勇者に相応しい!」
「わたくし、負け犬の遠吠えは言語として理解できませんの」
 冷淡に言い放った玲花が、軽くステップを踏む。するとふゆが描いた茉莉花カラーの子ども剣士はひらりと吹き飛ばされ、形を崩して消えてしまった。
 玲花はさらにふゆを圧倒すべく、ステップを繰り広げる。
「きゃっ!」
 ミスを誘発されて、足がもつれて倒れても、ふゆは立ち上がり踊りをやめない。
 眼鏡をずりあげ、赤と黒の【からふるくれよん】を握る。
「おーっほっほ! 何度描いても、無駄ですわ」
 ふゆは首を横に振る。
「何度消されても、何度転んでも、私はやめない」
(茉莉花さんなら、そうするから!)
「それでは、二度と起き上がれないようにして差し上げますわ?」
 そう宣言した玲香の前に、嘘が立ちふさがった。
「フォロワーさんの愛をそんなに残酷にふみにじるなんて、許せないのよ!」

 嘘はふゆに手を差し伸べる。
「ふゆ、もう一度頑張るのよ。私がここで、ふゆをフォローしてるから」
 驚きならがらもふゆは嘘に従い、渾身の絵……茉莉花カラーをした剣士の子どもを描いた。
「あ……今までで一番うまく描けたかも」
「うん。すごくいいのよ」
 嘘と描かれた剣士の子ども、そしてふゆの3人は、手を取り踊り出した。

 ♪  ♪ 
 同じ赤と黒でも、それは血と闇を感じさせる魔王の踊りではなく、茉莉花へのリスペクトをこめた踊りのように見えた。

「無駄無駄無駄無駄、無駄ですわ!」
 先ほどからチート三昧の玲花は、余裕の高笑いで華麗なステップを決める。
「ふゆ、見せてやるのよ。『茉莉花愛』を!」
 嘘が熱く叫んだ。
「てんかりんめ、思い知るがいいのよ! フォロワーさんの愛の力!」
 嘘の声はどんどん大きくなり、剣士の子どもがそれに合わせてぐんぐん巨大化していった。
 あっというまに天井にも届きそうなほど大きくなった剣士の子どもは、たんぽぽの綿毛でも吹くようにふうっと玲花に息を吹きかけた。
「きゃあっ!!!」
 玲花はあっけなく吹き飛ばされ、
「これで終わりなわけではありませんことよ!」
 捨て台詞を残し、魔王城から姿を消してしまった。
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