大規模オーバーラップ“ラ・フォレ・リヴァイブ”
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■プロローグ■
「みんなを守るため、みんなのため、世界のため、なのよ……!」
魔王城付近の森の中で自分を奮い立たせる嘘はそう繰り返していた。
しっかり魔王を演じるために良い感じのタイミングで良い感じに魔王城に登場すればいいのだと、
左脳に事前にアドバイスを貰っている。
「はふ。私が何も覚えてないことも、魔王だったから勇者に記憶を消されたとかそういう系のアレなの……?」
嘘が空を見上げると、凶暴そうなドラゴンと目が合った。こちらをぎろりと見下ろしている。
「……。心細いのよ……」
ふと口を突いて出た言葉。今の状況も、これから自分の身に起こることも、実は不安がいっぱいだった。
しかし嘘はハッとしてぷるぷる首を振った。
「ううん、こんなんじゃ魔王らしくないのよ!
“魔王”を倒すことでオーバーラップが解除されるんだから、しゃっきりしなきゃ……
どうせなら、魔王気分をたっぷり味わっちゃうのよ!」
◇◆◇
「お、やっぱりここにもお宝発見」
一方、左脳は呑気に地下洞窟をゆっくり散策していた。
この洞窟は歩くほどに馴染む。違和感が何もないことに違和感を感じる。
遠い日の思い出を思い起こさせるような――
「……ゆう」
両親を亡くし、幼いころに離れ離れになった妹の名前が口を突いて出た。もう何年も会えていなかった。
漫画家として金を稼ぐこと。そしてせめて幸せな物語を届け続けることが、彼女にしてやれる唯一の兄らしいことだった。
「宝探しついでに、もう少し詳しく調べてみるかな」
どことなく楽しげに呟くと、左脳は地下洞窟をさらに探検し始めた。
■目次■
1ページ プロローグ・目次
2ページ 【1】◆序章 いざ、魔王城へ!◆
3ページ 【1】◆第一章 クロウの村◆ 1
4ページ 【1】◆第一章 クロウの村◆ 2
5ページ 【1】◆第二章 左脳という漫画家◆ 1
6ページ 【1】◆第二章 左脳という漫画家◆ 2
7ページ 【1】◆第三章 開かれる扉◆
8ページ 【2】天歌院 玲花(1)
9ページ 【2】魔王第一形態:ダークキュートなアイドル魔王(1)
10ページ 【2】天歌院玲花(2)
11ページ 【2】魔王第一形態:ダークキュートなアイドル魔王(2)
12ページ 【2】天歌院玲花(3)
13ページ 【2】魔王第二形態:ライ(1)
14ページ 【2】天歌院玲花(4)
15ページ 【2】魔王第二形態:ライ(2)
16ページ 【2】魔王第三形態:嘘
17ページ エピローグ



