熱戦! 火焔ヒツジ!
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【2-4】
最後に火焔ヒツジの胃袋を満たすもの。
それは、カレーだ。
「んー、見ててね羊さん…!! あなたの好きそうな辛いの、あげる!!」
本郷 聡美はカレーを提供するため、
「『四つ星かるてっつ☆』りーだーの名に懸けて!!! 腕をふるっちゃうからねーっ、じゃあさっそく~♪ 大なべあっためて───って……んんん!?」
火焔ヒツジの胃袋サイズに合わせた鍋は、聡美だけではとても持ちきれない。
「よもぎちゃんごめん!! ちょっと手伝ってえええええ!!! お鍋おっきくて一人じゃ完成すら無理!! 助けてえええええ!!!」
火焔ヒツジの近くで料理ライブを見ていた大葉よもぎは、快くその申し出を受けた。
「何とか持ち直せた……ありがとね、よもぎちゃん! 後でよもぎちゃんもカレー食べてね?」
よもぎは聡美に手を振って応えたのだった。
「鶏肉と…ジャガイモ! なんと、シンジャガを使いまーす!! とろとろになるまで煮込んじゃって…!!」
聡美の料理ライブは和やかで、見ている者たちを思わず笑顔にする不思議なパワーが秘められているらしい。
「玉ねぎと…カレールーに、じゃーん、本郷家特製スパイス! 激辛党のパパが少しで満足するくらいだから……パパ+あるふぁでいこう! えっと後は──お野菜刻んで~、えーい、どっさり使っちゃえ!!」
てんこ盛りになった野菜を、細かく丁寧に刻んでゆく。
「ここにちょっぴり辛さを和らげるための……サラダ! できた!!」
出来上がったカレーを前に、聡美はガッツポーズを決める。
「名付けて! 『羊さん専用!激!辛めカレー!!~ちょびサラダ添え~』!!」
サラダを添えることで、辛さがちょうどいい具合に抑えられている。
火焔ヒツジは何杯もおかわりを欲しがり、鍋は瞬く間に空っぽになった。
「カレー祭りはまだまだ終わりじゃないよー♪」
シャーロット・フルールと虹村 歌音もカレー作りを始めていた。
ウィリアム・ヘルツハフトがひたすら玉ねぎをスライスしている。
「ボクとかのんちゃんの特製カレー、ウマカラで火炎ヒツジちゃんをノックアウトだっ♪」
シャーロットは【火焔鉄鍋】に油をひいて、香辛料を炒めながにカレーソースに取り掛かる。
鍋から立ち昇るドラゴンを模した業火と香ばしい香りが食欲を引き立てた。
その隣で、虹村 歌音が香りづけのスパイスを炒めて油に香りを移し、ウィリアムが薄くスライスした大量の玉ねぎを加える。
軽く塩コショウを振り、飴色になるまで炒めていった。
「こんな感じかなー?」
「あまり強火で炒めると風味が飛ぶぞ」
ウィリアムに調節してもらい、歌音は時間をかけて丁寧に炒める。
いい焼き色がついたら、すりおろしたニンニクとショウガを入れ、よく混ぜ合わせて更に香りが立つまで炒め続けた。
それからトマトピューレを投入し、水分が飛ぶまでまたじっくりと炒め合わせていく。
「いよいよスパイスの登場だよ~!! 火焔ヒツジさんは辛い物が大好きみたいだから……っと」
辛味付けのチリペッパーをメインに使った、真っ赤な激辛カレーに仕立てようというのが【リトルフルール】の魂胆だ。
「んー、いいにおーい」
カレーは、作る工程もそれぞれ楽しいのだろう。
生き生きとした様子で作業を進めていくシャーロット。
歌音たちの様子に自分も鼓舞されたのか、ウィリアムは肉の下処理に取り掛かった。
ここは、しっかりと【スジ斬り】をすることが決め手となる。
旨味を損なうことなく食べやすい大きさに切り、表面にしっかりと焼き色を付ける。
「お肉だけ食べてもおいしそうだよね~」
ウィリアムが焼いているのを覗き込んだ歌音。
油がはねないように、反射的に身を呈してウィリアムは歌音を守っていた。
「うっかりつまみ食いしないようにな」
「ええ? ウィルさんはわたしがそーゆーことする人だって思ってたの?」
苦笑しながらも、歌音はウィリアムとの何気ないやりとりが楽しいのだろう。
ウィリアムは野菜を切ってから炒め、具を全てまとめて歌音に渡した。
「俺の仕事はここまでだ。他に何かやってほしいことがあれば言ってくれ」
「んー、えっとねぇ……」
その間に、アレクス・エメロードが【妖包丁・國雨】で曲芸の如く、【スパイスターキー】を含む食材を次々と捌いていく。
シャーロットから放り投げられたジャガイモ、ニンジン、ニンニク、玉ねぎを空中で瞬時に捌いていく様は、それだけでもショーとして成立しそうだった。
アレクスは具材がカレーに負けないよう、食べ応えがあるようサイズを目指す。
食べた時に筋や繊維質が歯に当たらないよう、野菜は丁寧にカットされていった。
「シャロに貰ったこの包丁、すげぇ切れ味だ……」
ふと呟いた言葉は、シャーロットには聞こえていなかったらしい。
多少なりともシャーロットの真似事ができるのは、彼女のおかげでもあるだろう。
……女主人が俺より凄げぇってんのも、道具としちゃ複雑だぜ──そんなことを思いつつ、アレクスは黙々と作業を進める。
「おら、斬れたぜシャロ。あとは任せた」
アレクスから下処理が済んだ肉と野菜を受け取ったシャーロットは、全て鍋の中へと豪快に投入した。
【酒鬼乱舞】で舞い踊り、鍋を振る。
「おいしくなーれ。もーっとおいしくなーーーれ♪」
焔を散らし、楽しそうにカレーを仕上げていった。
「ちょっと味見してみよっか」
歌音は小さな皿を用意すると、
「あ、実はわたし辛いの苦手だから、味見はウィルさんにお願いしてもいいかな?」
「何? 俺に味見をしろ? おい歌音、自分で味見も出来ないのは流石に拙いだろう」
「いいからいいから。はい、あ~ん♪」
すでにスプーンに乗せられた熱々のカレーが、ウィリアムの口元へと運ばれる。
「まぁ、辛いのが苦手な歌音より、俺が味見をした方が火焔ヒツジ好みの味にはなるか……」
ぶつぶつと言いつつも、ウィリアムは口を開けてカレーを一口。
もぐもぐと咀嚼して飲み込むまでの間、歌音だけでなくシャーロットとアレクスまでもが見守っていた。
「な、なんだ……? 大袈裟だな」
「ウィルさん、辛くないの?」
「ん、いや……辛いのは辛いが……」
「ヤセ我慢だな」
アレクスに言われて、ウィリアムは思わず眉根を寄せている。
図星だったのだろうか?
「ウィルさんが何ともないなら、ちょうどいい辛さってことなのかな」
と言って鍋の火加減を見つつ、きちんとアクを取ることも忘れない歌音。
水溶き片栗粉でとろみを調整しながら、肉が柔らかくなるまでしっかりと煮込んでいった。
アレクスは【お米マスタリー】を使い、上質のコンブ出汁の中で米を洗ってから竈へ軟水と一緒に入れた。
それを【オープングリル】で火にかける。
「はじめチョロチョロ中パッパ、シャロが泣いてもふた取るなってな♪ へっ」
アレクスがパチンと指を鳴らす。
炊きあがった米に、【インビジブルスチーマー】でCMのような効果を狙った演出を凝らす。
「シャロご用命の銀シャリの完成だ。こいつに見合わねぇカレーだったら容赦しねぇぞ、カノン」
歌音は、アレクスから皿に盛られたご飯をしっかと受け取り、出来上がったカレーをゆっくり回しかける。
「名付けて「灼熱のマグマカレー」! どろっとした真っ赤なルーが灼熱のマグマを思い起こさせる、超激辛な一皿だよ!」
スプーンは必要かどうか分からなかったが、SNS映えのためにも一応添えておく。
「えーと、ここからが肝心で……」
シャーロットは顔を引き締めると、鍋を返して派手にカレーを宙に打ち上げ、ほんのわずかな一瞬のうちにパイ生地を下に敷いた。
生地の上にうまくカレーが落ちて来たところへ、ガーリックチーズ、そして生地の順に被せてカレーをくるりと包み込む。
「このパイ料理は、ママが作ってくれた思い出の味……」
穏やかな表情になり、【オフクロテイスト】で何かを思い出すかのように優しくパイを焼き上げるシャーロット。
「あ。よもぎちゃーーん、オモイデ草ちょーだい!」
「はい、どうぞ」
貴重なオモイデ草を、少しも惜しむことなくシャーロットに渡してくれるよもぎだった。
「味のアクセントと……ボクの思い出を、伝えるのにほんの少し欲しくて……ありがとう」
「どういたしまして」
「ボナペティっ♪」
【スターリーフライヤー】で見た目を煌めかせると、火焔ヒツジの胃袋をゆっくりと満たにふさわしい、オモイデと思い出が詰まった一品となる。
ハンマーターキーのカレーチキンパイ~オモイデ草を添えて~。
「カレーはただ辛いだけじゃない。みんなのこだわりがしっかり詰まってる。シャロちゃんのカレーチキンパイと一緒に、フルールカレーをボナペティ♪」
歌音がポーズを決めると、周囲からは拍手が起こったのだった。
意外な反応に、歌音は少しだけ照れてぺろっと舌を出した。
アレクスが【妖包丁・國雨】で刻んだ野菜は非常にまろやかな風味を生み出し、オモイデ草と合わさることで究極の味とも言うべきカレーがここに誕生したのだった。
実際、その辛さがどのくらいのレベルだったかというと──火焔ヒツジが一筋の涙を流すほどだったそうである。(超激辛説)
最後に火焔ヒツジの胃袋を満たすもの。
それは、カレーだ。
「んー、見ててね羊さん…!! あなたの好きそうな辛いの、あげる!!」
本郷 聡美はカレーを提供するため、
「『四つ星かるてっつ☆』りーだーの名に懸けて!!! 腕をふるっちゃうからねーっ、じゃあさっそく~♪ 大なべあっためて───って……んんん!?」
火焔ヒツジの胃袋サイズに合わせた鍋は、聡美だけではとても持ちきれない。
「よもぎちゃんごめん!! ちょっと手伝ってえええええ!!! お鍋おっきくて一人じゃ完成すら無理!! 助けてえええええ!!!」
火焔ヒツジの近くで料理ライブを見ていた大葉よもぎは、快くその申し出を受けた。
「何とか持ち直せた……ありがとね、よもぎちゃん! 後でよもぎちゃんもカレー食べてね?」
よもぎは聡美に手を振って応えたのだった。
「鶏肉と…ジャガイモ! なんと、シンジャガを使いまーす!! とろとろになるまで煮込んじゃって…!!」
聡美の料理ライブは和やかで、見ている者たちを思わず笑顔にする不思議なパワーが秘められているらしい。
「玉ねぎと…カレールーに、じゃーん、本郷家特製スパイス! 激辛党のパパが少しで満足するくらいだから……パパ+あるふぁでいこう! えっと後は──お野菜刻んで~、えーい、どっさり使っちゃえ!!」
てんこ盛りになった野菜を、細かく丁寧に刻んでゆく。
「ここにちょっぴり辛さを和らげるための……サラダ! できた!!」
出来上がったカレーを前に、聡美はガッツポーズを決める。
「名付けて! 『羊さん専用!激!辛めカレー!!~ちょびサラダ添え~』!!」
サラダを添えることで、辛さがちょうどいい具合に抑えられている。
火焔ヒツジは何杯もおかわりを欲しがり、鍋は瞬く間に空っぽになった。
「カレー祭りはまだまだ終わりじゃないよー♪」
シャーロット・フルールと虹村 歌音もカレー作りを始めていた。
ウィリアム・ヘルツハフトがひたすら玉ねぎをスライスしている。
「ボクとかのんちゃんの特製カレー、ウマカラで火炎ヒツジちゃんをノックアウトだっ♪」
シャーロットは【火焔鉄鍋】に油をひいて、香辛料を炒めながにカレーソースに取り掛かる。
鍋から立ち昇るドラゴンを模した業火と香ばしい香りが食欲を引き立てた。
その隣で、虹村 歌音が香りづけのスパイスを炒めて油に香りを移し、ウィリアムが薄くスライスした大量の玉ねぎを加える。
軽く塩コショウを振り、飴色になるまで炒めていった。
「こんな感じかなー?」
「あまり強火で炒めると風味が飛ぶぞ」
ウィリアムに調節してもらい、歌音は時間をかけて丁寧に炒める。
いい焼き色がついたら、すりおろしたニンニクとショウガを入れ、よく混ぜ合わせて更に香りが立つまで炒め続けた。
それからトマトピューレを投入し、水分が飛ぶまでまたじっくりと炒め合わせていく。
「いよいよスパイスの登場だよ~!! 火焔ヒツジさんは辛い物が大好きみたいだから……っと」
辛味付けのチリペッパーをメインに使った、真っ赤な激辛カレーに仕立てようというのが【リトルフルール】の魂胆だ。
「んー、いいにおーい」
カレーは、作る工程もそれぞれ楽しいのだろう。
生き生きとした様子で作業を進めていくシャーロット。
歌音たちの様子に自分も鼓舞されたのか、ウィリアムは肉の下処理に取り掛かった。
ここは、しっかりと【スジ斬り】をすることが決め手となる。
旨味を損なうことなく食べやすい大きさに切り、表面にしっかりと焼き色を付ける。
「お肉だけ食べてもおいしそうだよね~」
ウィリアムが焼いているのを覗き込んだ歌音。
油がはねないように、反射的に身を呈してウィリアムは歌音を守っていた。
「うっかりつまみ食いしないようにな」
「ええ? ウィルさんはわたしがそーゆーことする人だって思ってたの?」
苦笑しながらも、歌音はウィリアムとの何気ないやりとりが楽しいのだろう。
ウィリアムは野菜を切ってから炒め、具を全てまとめて歌音に渡した。
「俺の仕事はここまでだ。他に何かやってほしいことがあれば言ってくれ」
「んー、えっとねぇ……」
その間に、アレクス・エメロードが【妖包丁・國雨】で曲芸の如く、【スパイスターキー】を含む食材を次々と捌いていく。
シャーロットから放り投げられたジャガイモ、ニンジン、ニンニク、玉ねぎを空中で瞬時に捌いていく様は、それだけでもショーとして成立しそうだった。
アレクスは具材がカレーに負けないよう、食べ応えがあるようサイズを目指す。
食べた時に筋や繊維質が歯に当たらないよう、野菜は丁寧にカットされていった。
「シャロに貰ったこの包丁、すげぇ切れ味だ……」
ふと呟いた言葉は、シャーロットには聞こえていなかったらしい。
多少なりともシャーロットの真似事ができるのは、彼女のおかげでもあるだろう。
……女主人が俺より凄げぇってんのも、道具としちゃ複雑だぜ──そんなことを思いつつ、アレクスは黙々と作業を進める。
「おら、斬れたぜシャロ。あとは任せた」
アレクスから下処理が済んだ肉と野菜を受け取ったシャーロットは、全て鍋の中へと豪快に投入した。
【酒鬼乱舞】で舞い踊り、鍋を振る。
「おいしくなーれ。もーっとおいしくなーーーれ♪」
焔を散らし、楽しそうにカレーを仕上げていった。
「ちょっと味見してみよっか」
歌音は小さな皿を用意すると、
「あ、実はわたし辛いの苦手だから、味見はウィルさんにお願いしてもいいかな?」
「何? 俺に味見をしろ? おい歌音、自分で味見も出来ないのは流石に拙いだろう」
「いいからいいから。はい、あ~ん♪」
すでにスプーンに乗せられた熱々のカレーが、ウィリアムの口元へと運ばれる。
「まぁ、辛いのが苦手な歌音より、俺が味見をした方が火焔ヒツジ好みの味にはなるか……」
ぶつぶつと言いつつも、ウィリアムは口を開けてカレーを一口。
もぐもぐと咀嚼して飲み込むまでの間、歌音だけでなくシャーロットとアレクスまでもが見守っていた。
「な、なんだ……? 大袈裟だな」
「ウィルさん、辛くないの?」
「ん、いや……辛いのは辛いが……」
「ヤセ我慢だな」
アレクスに言われて、ウィリアムは思わず眉根を寄せている。
図星だったのだろうか?
「ウィルさんが何ともないなら、ちょうどいい辛さってことなのかな」
と言って鍋の火加減を見つつ、きちんとアクを取ることも忘れない歌音。
水溶き片栗粉でとろみを調整しながら、肉が柔らかくなるまでしっかりと煮込んでいった。
アレクスは【お米マスタリー】を使い、上質のコンブ出汁の中で米を洗ってから竈へ軟水と一緒に入れた。
それを【オープングリル】で火にかける。
「はじめチョロチョロ中パッパ、シャロが泣いてもふた取るなってな♪ へっ」
アレクスがパチンと指を鳴らす。
炊きあがった米に、【インビジブルスチーマー】でCMのような効果を狙った演出を凝らす。
「シャロご用命の銀シャリの完成だ。こいつに見合わねぇカレーだったら容赦しねぇぞ、カノン」
歌音は、アレクスから皿に盛られたご飯をしっかと受け取り、出来上がったカレーをゆっくり回しかける。
「名付けて「灼熱のマグマカレー」! どろっとした真っ赤なルーが灼熱のマグマを思い起こさせる、超激辛な一皿だよ!」
スプーンは必要かどうか分からなかったが、SNS映えのためにも一応添えておく。
「えーと、ここからが肝心で……」
シャーロットは顔を引き締めると、鍋を返して派手にカレーを宙に打ち上げ、ほんのわずかな一瞬のうちにパイ生地を下に敷いた。
生地の上にうまくカレーが落ちて来たところへ、ガーリックチーズ、そして生地の順に被せてカレーをくるりと包み込む。
「このパイ料理は、ママが作ってくれた思い出の味……」
穏やかな表情になり、【オフクロテイスト】で何かを思い出すかのように優しくパイを焼き上げるシャーロット。
「あ。よもぎちゃーーん、オモイデ草ちょーだい!」
「はい、どうぞ」
貴重なオモイデ草を、少しも惜しむことなくシャーロットに渡してくれるよもぎだった。
「味のアクセントと……ボクの思い出を、伝えるのにほんの少し欲しくて……ありがとう」
「どういたしまして」
「ボナペティっ♪」
【スターリーフライヤー】で見た目を煌めかせると、火焔ヒツジの胃袋をゆっくりと満たにふさわしい、オモイデと思い出が詰まった一品となる。
ハンマーターキーのカレーチキンパイ~オモイデ草を添えて~。
「カレーはただ辛いだけじゃない。みんなのこだわりがしっかり詰まってる。シャロちゃんのカレーチキンパイと一緒に、フルールカレーをボナペティ♪」
歌音がポーズを決めると、周囲からは拍手が起こったのだった。
意外な反応に、歌音は少しだけ照れてぺろっと舌を出した。
アレクスが【妖包丁・國雨】で刻んだ野菜は非常にまろやかな風味を生み出し、オモイデ草と合わさることで究極の味とも言うべきカレーがここに誕生したのだった。
実際、その辛さがどのくらいのレベルだったかというと──火焔ヒツジが一筋の涙を流すほどだったそうである。(超激辛説)