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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

天に抗う人々の為のスケルツォ

リアクション公開中!
天に抗う人々の為のスケルツォ

リアクション

――2――

 ノーラに続いてステージへ上がるのは、空莉・ヴィルトールだ。
 空莉は生命の尊さ、美しさを強く認識させられるようなライブを目指し、まずはメロウ・ショコラで辺りにチョコレートの香りを漂わせ、ムード作りを行う。
 この香りによって、空莉がステージ上で作り出そうとしている世界へと誘っているのだ。
 チェシャ猫の見た夢でステージ上から溢れそうなくらいの木々や花を芽吹かせ、空莉が口ずさむメロディと合わせて植物達も大合唱を始める。
 空莉や植物達の歌声は、まるで生きることを謳歌しているようで、実に楽しげだ。
 さらに空莉が望郷の啼杖を振ると、空莉の故郷であるフランスでよく見られるアトリのさえずりが聞こえてくる。
 誰もが常に、様々な生命の輝きに囲まれて生きていることを思い出させるようなパフォーマンスになっていた。
 終盤にさしかかると、高揚する一番星で生み出した光球は生命の光を連想させる。
 これを生贄の女性のところまで優しくふわふわと漂わせた。
 彼女の頭上で儚く消えていく光の球は、生命の美しさと儚さを感じさせる。
 この光の演出で、生贄の女性がいつの間にか移動してフェスタ生の中に紛れていることにクレセントハート達も気付くが、生贄として再び連れ出そうとする者はいないようだ。
 空莉がステージ上に創り出した幻想的な世界も、歌が終わると共に消えてしまう。
 それでも、観客達の心には確実に何かを残せているだろう。

 空莉と交代するようにステージへ上がったのは淳とかたりだ。
 まずは自分達のパフォーマンスに合うような雰囲気を作り観客の気を引くため、淳が聖浄なるナイトヒムで聖歌を高らかに歌い≪聖具≫預言者の光輪で場の空気を変える。
 かたりは淳が歌うところを見るのは初めてで、興味深く見ながらも高揚する一番星で光球のミラーボールを作り出す。
 光球があるうちに、淳が猫パンデミックによってたくさんの猫の装飾、映像、演出などでステージを彩る。
 
 かたりは更にチェシャ猫の見た夢で、ステージ上に森を創り出す。
 光球が消えていく中、猫が鳴いたり跳ねたり、互いにじゃれ合ったりしている。
 それを見ている観客達は、どんどん淳達の世界へ引き込まれていく。
 かたりが曲に合わせて楽宴のコンタクトを振ると、猫や森の花、木々が楽しげに一緒に踊りだした。
「ふにゅ、にゃーさんたち、とってもかわいいなの……」
 猫好きなかたりは猫に見とれてか、チェシャ猫の見た夢による負担が大きかったのか、ぼーっとしている。
 それを見た淳は、かたりが疲れてきたのかもしれないと案じるが、もう少しだけ頑張って欲しいと桜のかけらをかたりに向かって投げてやった。
 淳の投げた桜のかけらが額に当たると、かたりはすぐに我に返り桜花招来でステージ上に桜の花びらを舞い散らせる。
 淳が自分の飼っているうさぎ、あかりの代わりに連れてきたうさチョコ(AI搭載)をステージ上に放ち、かたりのポケットからハムチョコもステージ上へと飛び出して楽しそうに跳ね回り始めた。
 淳の歌が終わると森は消えてしまったが、楽しいパフォーマンスの余韻はまだ残っている。
 淳はかたりを撫でてやり、一緒にステージから降りる。
 かたりは元いた場所へ戻る途中、生贄の女性に花の香りで安心できれば、と花束を渡してあげた。

 続いてアニー・ミルミーンが子羊のオルガンを押してステージへ上がる。
 オルガンで「Together」を弾き語りするのが、今日のアニーのライブパフォーマンスだ。
 目覚めのクロスコードをまとって力強い印象を与えつつ、教会聖歌の美しい歌声で観客へアピールする。
「喪失の悲しみに 貴方の心は癒しを求めた
 でも悲しみを癒すため 人を悲しみに落としてはいけない
 救いを求めて 貴方は希望へと手を伸ばした
 でも幸せを掴むため 人の幸せを奪ってはいけない」
 アニーはいつも人々に自由を歌っている。
 しかし、今回の儀式のような他人に犠牲を強いることは自由ではないのだ。
「貴方はひとりじゃない 気にかけてくれる人が居る
 貴方は幸せになれる 共に歩いてゆく人が居る」
 必ず近くに誰か見守ってくれている人がいるはず。
 そんな想いを歌に乗せ、クレセントハート達へと届けていく。
 歌は早くも終わりにさしかかっている。
「ラララララ…」
 最後に、ハーモナイズコーラスでクレセントハート達にも一緒に歌うよう呼びかける。
 最初は誰も歌わないが、彼らを信じて歌い続けるアニーの姿に何かを感じたのか、少しずつ一緒に歌い始めるクレセントハート達。
 最終的には、会場となったその場所にいる者達全体が1つになるような大合唱となり、ノイズはまだ残っているとは言え、かなりその影響を薄められたと感じるパフォーマンスとなっていた。

 ノイズを払うところまで、あとひと押し。
 クレセントハート達の様子を見ていると、そんな風に思える。
 実際、生贄の女性がフェスタ生と共にいるのを見ても、もう誰も気に留めていないようにも見える。
 恐ろしいまでの怒りを感じていたクレセントハート達の雰囲気も、今ではかなり穏やかなものへと変化してきた。
 ただ、ノイズを完全に払ってしまうには、まだ少し足りない。
 そんな印象だ。
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