天に抗う人々の為のスケルツォ
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2.神の居た場所 1
現れた黒い月喰いを止めるため、ウリエルやミカエルも前線へと繰り出していた。
「ねぇ、ウリエルさん。イカロスさんの話って、知ってる?」
リーニャ・クラフレットはウリエルに言った。
「こうやって、太陽を背にしてさ……あのお話は落っこちちゃうんだけど、ウリエルさんならそんな事はないよねっ!」
その背に仮初めの光の翼が生え、リーニャは空高く飛び立つ。
渾身の一撃を食らった月喰いは地面に叩きつけられ、そこへウリエルがトドメの一撃を食らわせた。
「……来る」
ウリエルは杖を持ち直し、リーニャに言った。
リーニャは大きく頷き、新たな相手へと向き直った。
「みんなを守るために倒させて貰うね……! 行くよ!」
闘のクロスの力が開放され、12本の輝く光の剣が現れる。
その一本を手に、リーニャは黒い月喰いへと向かっていった。
(ずっと塔の中に封じられてたんだっけ…寂しかったんだろうな…人が好きって†タナトス†さん言ってたし、寂しかったのもあってスノウホワイトに向かってるのかな?)
そう思うと、黒い月喰いに対して同情心も湧いてくる。
そして、リーニャには他にも気になることがあった。
(†タナトス†さんはクレセントハート増やしたいだけで皆が死んじゃうことは望んでないの…? いつか、分かるときが来るのかな……)
今はただ、守るために戦わなければならない。
攻撃を受けた黒い月喰いは光となって消えていった。
だが、すぐに新たな相手が向かってくる。
「ねぇ、ウリエルさん? †タナトス†さんのモノマネとか……できる?」
「恐れ多くて、できない」
「……だよね。中二病のメモとか持ってたら出来たかなあ……」
リーニャが呼吸を整え、剣を構え直す。
アイドルたちの奮闘により黒い月喰いは大分数を減らしていたが、その勢いは止まっていなかった。
「ミカエルさん、私達も仕掛けますよ!」
そう声を張ったのは八重崎 サクラだった。
「ミカエルさんは飛んで逃げられないように上を、お願いします! 頼りにしていいですよね?!」
「よし……! やるぞ!」
ミカエルが上空へと飛翔し、黒い月喰いの行く手を遮る。
そこへ、サクラが地上から攻撃を仕掛けた。
「まずは初撃! 食らえぇっ!」
ウォータートライアングルの水流が黒い月喰いの後頭部へと直撃する。
黒い月喰いが振り返り、サクラを見た。
そうして相手がサクラに気を取られている間に、ミカエルが上空から杖で後頭部を強かに打った。
「逃がすなよ、サクラ!」
「はい!」
バランスを崩して落ちてきたところを狙い、サクラは氷雪の武威で凍った拳を叩き込む。
冷えて動きが遅くなるのを期待しての攻撃だった。
(月喰いだって”生き物”だ。それなら体が冷えれば動きは鈍る!)
造られた化け物。
だが、それでも相手は――。
(人を殺すためだけに作られた生き物……最初の時は急すぎて、考える間もなかったけれど、その生まれには同情がわかない事もない。だけど食うか食われるかなら、食われてやる気は毛頭ない。私の前でこれ以上、命の炎を消させやしない! 命を奪うその命……全て、根こそぎ、砕いてみせる!)
黒い月喰いは強力な相手であり、サクラの攻撃だけでは身体を凍りつかせるまでには至らなかった。
だが、上空に回ったミカエルとの挟み撃ちで、次第にダメージを与えることは可能だった。
「ジル! お願い!」
「はいっ! サクラさん! 我が眼の先に氷の刃よ……あれ!」
ジル・コーネリアスが射抜くような冷たい視線を氷柱に変え、黒い月喰いへと放つ。
鋭く尖った氷柱は黒い月喰いの翼の付け根に突き刺さった。
「まだ終わりじゃありませんよ……我が吐息よ、凍てつく北風となれ!」
悪意の北風の冷たい突風が黒い月喰いへと浴びせかかる。
ダメージを受けた黒い月喰いはフラフラとバランスを崩す。
そこへ、サクラが十字架の烙印が浮かび上がらせた鉄拳を叩き込む。
「あなた達に罪はないけど……バイバイ」
頭部へと強かに打ち込まれた拳。
続けて、ジルがDF.ユニゾンシェイカーによる攻撃を加える。
「ごめんなさい……せめて綺麗に、安らかに……」
立て続けの攻撃によりダメージを負った黒い月喰いはついに力尽き、光となって消えていった。
その姿を見ながら、ジルが「私と同じ」と呟いた。
「人を殺すためだけに作られた生き物……目的の為に作られた。その命はわたしと……どこが違うのだろう?」
「……ジル?」
「大丈夫です。次、行きましょう」
心配そうな顔をするミカエルに、ジルは笑ってみせた。
その背後から、凍鶴 緋桜が家屋の中に隠れていた住民に向かって呼びかける声が聞こえた。
「まだ残ってたのか……! ここは危ない! 俺達が戦っている今のうちに逃げるんだ! 慌てず落ち着いて、ちゃんと周りを見ろよ! 誰かにぶつかったり転んだりしないようにな!」
住民たちは大きく頷き、街から離れていった。
それを見送ると、緋桜はミカエルを呼んだ。
「ミカエル、力を貸してくれ! 『合体』しよう!」
「……合体?! 何をする気だ緋桜!」
「いいか、合体とは1+1を2では無く、5にも10にもする奇跡の技だ!」
緋桜は大真面目な様子でミカエルに言った。
「住民ももう既に避難しているし、ここで俺達が頑張れば闘いは終わる! 一気にあいつらの注目を集めるんだ!」
「わ、分かった! 貴様に協力しよう!」
残る黒い月喰いは数体であった。
ウリエルが杖を手に、空へと舞い上がる。
するとその足元を、「なんだか面白おかしい」格好になっているミカエルと緋桜が駆け抜けていった。
「……なんだあれは?」
黒い月喰い達がそうであったように、ウリエルもまた一瞬空中で固まった。
ミカエルは緋桜を肩車した状態で、「うぉおおおお」と鬨の声を上げ、黒い月喰い達に向かって突進していったのである。
「ここだ、ミカエル! 投げろーーーー!!」
「喰らえ!! 【第8使徒メサマセル】爆弾投下ぁあああああ!!!」
助走をつけ、思い切り宙に舞い上がったミカエルは、そのまま黒い月喰いの群れに向かって緋桜をぶん投げた。
その瞬間、イカロスの憧憬による光の翼が緋桜の背に生じ……。
「もらったぁあああ!!」
「……?!」
磔のクロスが一体の黒い月喰いの脳天に振り下ろされ、なんとも「痛そうな音」が聞こえた。
それがクリティカルとなり、黒い月喰いは光となって消えていった。
「これで最後だな……! 白煉のジャッジメントを喰らえ!」
緋桜の繰り出した光の十字架が黒い月喰いを貫き、さらにそこへミカエルがとどめを刺す。
気がつけば、辺りは静かになっていた。
「……ここはもうよさそうだ」
ウリエルはそう呟くと、どこかへ飛んでいった。
彼の向かった先には、崩れかけた神塔があった。
現れた黒い月喰いを止めるため、ウリエルやミカエルも前線へと繰り出していた。
「ねぇ、ウリエルさん。イカロスさんの話って、知ってる?」
リーニャ・クラフレットはウリエルに言った。
「こうやって、太陽を背にしてさ……あのお話は落っこちちゃうんだけど、ウリエルさんならそんな事はないよねっ!」
その背に仮初めの光の翼が生え、リーニャは空高く飛び立つ。
渾身の一撃を食らった月喰いは地面に叩きつけられ、そこへウリエルがトドメの一撃を食らわせた。
「……来る」
ウリエルは杖を持ち直し、リーニャに言った。
リーニャは大きく頷き、新たな相手へと向き直った。
「みんなを守るために倒させて貰うね……! 行くよ!」
闘のクロスの力が開放され、12本の輝く光の剣が現れる。
その一本を手に、リーニャは黒い月喰いへと向かっていった。
(ずっと塔の中に封じられてたんだっけ…寂しかったんだろうな…人が好きって†タナトス†さん言ってたし、寂しかったのもあってスノウホワイトに向かってるのかな?)
そう思うと、黒い月喰いに対して同情心も湧いてくる。
そして、リーニャには他にも気になることがあった。
(†タナトス†さんはクレセントハート増やしたいだけで皆が死んじゃうことは望んでないの…? いつか、分かるときが来るのかな……)
今はただ、守るために戦わなければならない。
攻撃を受けた黒い月喰いは光となって消えていった。
だが、すぐに新たな相手が向かってくる。
「ねぇ、ウリエルさん? †タナトス†さんのモノマネとか……できる?」
「恐れ多くて、できない」
「……だよね。中二病のメモとか持ってたら出来たかなあ……」
リーニャが呼吸を整え、剣を構え直す。
アイドルたちの奮闘により黒い月喰いは大分数を減らしていたが、その勢いは止まっていなかった。
「ミカエルさん、私達も仕掛けますよ!」
そう声を張ったのは八重崎 サクラだった。
「ミカエルさんは飛んで逃げられないように上を、お願いします! 頼りにしていいですよね?!」
「よし……! やるぞ!」
ミカエルが上空へと飛翔し、黒い月喰いの行く手を遮る。
そこへ、サクラが地上から攻撃を仕掛けた。
「まずは初撃! 食らえぇっ!」
ウォータートライアングルの水流が黒い月喰いの後頭部へと直撃する。
黒い月喰いが振り返り、サクラを見た。
そうして相手がサクラに気を取られている間に、ミカエルが上空から杖で後頭部を強かに打った。
「逃がすなよ、サクラ!」
「はい!」
バランスを崩して落ちてきたところを狙い、サクラは氷雪の武威で凍った拳を叩き込む。
冷えて動きが遅くなるのを期待しての攻撃だった。
(月喰いだって”生き物”だ。それなら体が冷えれば動きは鈍る!)
造られた化け物。
だが、それでも相手は――。
(人を殺すためだけに作られた生き物……最初の時は急すぎて、考える間もなかったけれど、その生まれには同情がわかない事もない。だけど食うか食われるかなら、食われてやる気は毛頭ない。私の前でこれ以上、命の炎を消させやしない! 命を奪うその命……全て、根こそぎ、砕いてみせる!)
黒い月喰いは強力な相手であり、サクラの攻撃だけでは身体を凍りつかせるまでには至らなかった。
だが、上空に回ったミカエルとの挟み撃ちで、次第にダメージを与えることは可能だった。
「ジル! お願い!」
「はいっ! サクラさん! 我が眼の先に氷の刃よ……あれ!」
ジル・コーネリアスが射抜くような冷たい視線を氷柱に変え、黒い月喰いへと放つ。
鋭く尖った氷柱は黒い月喰いの翼の付け根に突き刺さった。
「まだ終わりじゃありませんよ……我が吐息よ、凍てつく北風となれ!」
悪意の北風の冷たい突風が黒い月喰いへと浴びせかかる。
ダメージを受けた黒い月喰いはフラフラとバランスを崩す。
そこへ、サクラが十字架の烙印が浮かび上がらせた鉄拳を叩き込む。
「あなた達に罪はないけど……バイバイ」
頭部へと強かに打ち込まれた拳。
続けて、ジルがDF.ユニゾンシェイカーによる攻撃を加える。
「ごめんなさい……せめて綺麗に、安らかに……」
立て続けの攻撃によりダメージを負った黒い月喰いはついに力尽き、光となって消えていった。
その姿を見ながら、ジルが「私と同じ」と呟いた。
「人を殺すためだけに作られた生き物……目的の為に作られた。その命はわたしと……どこが違うのだろう?」
「……ジル?」
「大丈夫です。次、行きましょう」
心配そうな顔をするミカエルに、ジルは笑ってみせた。
その背後から、凍鶴 緋桜が家屋の中に隠れていた住民に向かって呼びかける声が聞こえた。
「まだ残ってたのか……! ここは危ない! 俺達が戦っている今のうちに逃げるんだ! 慌てず落ち着いて、ちゃんと周りを見ろよ! 誰かにぶつかったり転んだりしないようにな!」
住民たちは大きく頷き、街から離れていった。
それを見送ると、緋桜はミカエルを呼んだ。
「ミカエル、力を貸してくれ! 『合体』しよう!」
「……合体?! 何をする気だ緋桜!」
「いいか、合体とは1+1を2では無く、5にも10にもする奇跡の技だ!」
緋桜は大真面目な様子でミカエルに言った。
「住民ももう既に避難しているし、ここで俺達が頑張れば闘いは終わる! 一気にあいつらの注目を集めるんだ!」
「わ、分かった! 貴様に協力しよう!」
残る黒い月喰いは数体であった。
ウリエルが杖を手に、空へと舞い上がる。
するとその足元を、「なんだか面白おかしい」格好になっているミカエルと緋桜が駆け抜けていった。
「……なんだあれは?」
黒い月喰い達がそうであったように、ウリエルもまた一瞬空中で固まった。
ミカエルは緋桜を肩車した状態で、「うぉおおおお」と鬨の声を上げ、黒い月喰い達に向かって突進していったのである。
「ここだ、ミカエル! 投げろーーーー!!」
「喰らえ!! 【第8使徒メサマセル】爆弾投下ぁあああああ!!!」
助走をつけ、思い切り宙に舞い上がったミカエルは、そのまま黒い月喰いの群れに向かって緋桜をぶん投げた。
その瞬間、イカロスの憧憬による光の翼が緋桜の背に生じ……。
「もらったぁあああ!!」
「……?!」
磔のクロスが一体の黒い月喰いの脳天に振り下ろされ、なんとも「痛そうな音」が聞こえた。
それがクリティカルとなり、黒い月喰いは光となって消えていった。
「これで最後だな……! 白煉のジャッジメントを喰らえ!」
緋桜の繰り出した光の十字架が黒い月喰いを貫き、さらにそこへミカエルがとどめを刺す。
気がつけば、辺りは静かになっていた。
「……ここはもうよさそうだ」
ウリエルはそう呟くと、どこかへ飛んでいった。
彼の向かった先には、崩れかけた神塔があった。


