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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

天に抗う人々の為のスケルツォ

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天に抗う人々の為のスケルツォ

リアクション

 1.怪鳥のための諧謔曲 2

「おっと……これ、もしかしてそろそろヤバイ感じかな? はいはい、良い子だから言う事聞きな」
 レキ・ガルハーツディムックになりかけた街の住民を見つけて近づいた。
 黒い月喰いに襲撃されムックとなり、混乱の中で発見が遅れていたようだ。
「はい、これ見て落ち着いて? モジャモジャの落ち着かない怪物になりたくないでしょ? まぁ、ちょっと見てみたくなくもないけどね」
 ホワイトクロースの袖から差し出されるレキの手と、ムックの虚ろな視線の先で揺れるオーバーチャーム。
 真夜中のトロイメライを口ずさみ、レキは自分の周囲を幻想空間で演出した。
 チェシャ猫の見た夢がムックとなった住民を植物たちが歌う楽しげな森のなかに包み込む。
 望郷の啼杖が静かな梟の声を響かせると、彼は大きく息を吐き、その場に座り込んだ。
 気分が落ち着いてきたようだった。
「まだ反乱起こす気ある?」
 レキは周囲を警戒しながら住民に尋ねた。
 黒い月喰いはアイドルたちの攻撃に遭い、数を減らしているようだ。
 ムックになりかけた住民は首を振り、「もうゴメンだ」と口にした。
「助けてくれたんだな……ありがとう。何がなにやら記憶も曖昧だが、何か食って寝たい気分だよ」
「そうだね。あ、ついでにオレにも飯ごちそうしてくれていいんだよ?」
 レキはそう言って笑うと、他にもムックがいないかを探すために街の奥へ向かった。
「向こうから3体来る……大丈夫か、レイニィ?」
 青井 星一郎が声を掛けると、レイニィ・イザヨイは大きく頷いた。
 気丈に振る舞っているレイニィだが、その顔にはやや疲れが見られた。
「これくらい……何てことないわ。まだまだ……戦えるんだから」
「そういや、面白いことをすれば、黒い月喰いは俺達に注目みたいだな、レイニィ?」
 死 雲人はそう言うと、サンクチュアリ・ウィングの大きな翼を広げてみせた。
「レイニィ。どうだ! 黒い月喰いの翼より俺の翼の方が立派だろう!? まるで天使みたいだろう?!」
 クロスソードを手に、雲人は笑う。
 黒い月喰いは翼に煽られ、大きくバランスを崩した。
 レイニィは光の翼の加護に包まれながら、「まぁ……悪くないんじゃない?」と呟いた。
「……天使かは分からないけど。気分はいいわ……」
 雲人の翼の下から飛び出したレイニィが黒い月喰いに向かっていく。
 そこへ、星一郎が援護とばかりにスキルを発動させた。
「あんなのに好き勝手をさせるわけにはいかないよな、レイニィ!」
 星一郎の影が黒い月喰いに向かって伸び、無数の手の形に変え、その黒い身体に纏わり付かせながら引き寄せる。
 一体の黒い月喰いが地上へと落下し、星一郎が「今だ!」と声を上げた。
 レイニィの攻撃が見事決まり、まず1体の黒い月喰いが光となって消えた。
「さぁ、闘いはここらからだ! 盛り上げていくぜ! 颯爽登場! 蒼星美少年!」
 高揚する一番星を打ち上げ、星一郎はラウドボイスで声高らかに名乗りを上げる。
 共闘するレイニィの【第29使徒ビフエル】の名も手伝ったのだろうか。
 黒い月喰いの視線がエスクワイアステップで飛び出していく星一郎へと集まる。
 そこへ、すかさず雲人が攻撃を加えた。
「この翼はレイニィのために……! 俺はできる事をやるだけだ! レイニィもそうだろう?!」
 12本の光の剣が現れ、黒い月喰いへと突き刺さっていく。
 さらに、雲人はその一本を手に、最後の一撃を加えた。
「さぁ、ロイヤルキャスターっていうからには、最後までそれにふさわしい姿を見せてやるさ! 見てろよ、レイニィ!」
 星一郎は赤魔女の大鎌を振りかざし、黒い月喰いの杖をブロッキングすると、灼熱ショコラでその視界を塞いだ。
 腰に付けた青薔薇の籠が揺れる。
「これでもあちこちの世界で戦いをかいくぐっているんだからな!」
 大鎌を構え直し、黒い月喰いの翼へと振り下ろす星一郎。
 さらにそこへ、雲人が狙いを定めた。
「トドメを刺すぞ、レイニィ!」
「ええ!」
 白煉のジャッジメントの輝きが翼を有した雲人を天使のように映し出す。
 雲人の繰り出した純白の光の十字架が、レイニィの攻撃とシンクロするように黒い月喰いの身体を貫いた。
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