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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

ディーヴァは自由の夢を見るか?

リアクション公開中!
ディーヴァは自由の夢を見るか?

リアクション

エピローグ


 ――その後。
 ハルとアンバーは、フェスタのアイドルたちの活躍によって大事ない状態でリベレーターに迎えられた。

「……そういえば、キミは過去の記憶を取り戻したんだって?」

 ハルを傷つけていたノイズの影響をチェックしながら、ドクタークルークは難しい顔をして問うた。
 先ほどまでドミネーターの行き届いたメンテナンスにずいぶん興奮していたものだが、今はすっかり落ち着きを取り戻している。
 どれほど機械にとって良い環境であっても、ドクにとっては相棒を傷つけられたことに変わりはない。
 またハルのほうも、ドクの執拗なメンテナンスを、ぶつくさ言いながらも大人しく受けているところから、その手腕を悪しからず思っていることがうかがえた。

「まあ、ね。お父さんと、アメジスト姉さんと、ウェストレヴンの実験に出るまで……だけど」

 ハルが言うに、父――クリム・エーデルシュタイン博士は、明るくひょうきん者で、人懐っこい人物だったという。
 人々をメガコーポによる洗脳や、悪しきイドラから救うという使命を忘れることはなかったが、
 それでも自分が生み出したハルやアメジストには愛情を注いで造り、文字通り父のように育ててきたのだそうだ。

 だが、ウェストレヴンで行われた、コアメモリーの集積実験は失敗。
 その中心となっていたハルは、コアメモリーに宿ったノイズの影響を懸念して封印され、記憶とともにコアメモリーを切り離されたのだった。

「……私を封印した後、お父さんが何をしていたのかはわからない。
 けれど少なくとも、ディスコードを使って世界を支配しようなんて、そんなことを考える人じゃなかった」

「実験後の映像を泰河から見せてもらったが、ノイズに侵された様子はなかったね」

 イドラの影響か、D.D.のシステムの異常か――ドクは手を動かしつつ思索を巡らせていたが、
 ふいにハルが、それを遮るように溜息をついて「変なのよね」とぼやいた。

「私の記憶が正しければ、D.D.はただメガコーポの軍隊からお父さんを守る、防衛システムだったはずなの。
 少なくとも、心を持ったディーヴァではなかったわ

「なんだって?」

 そう漏らしたハルの言葉に、ドクはギョッと目をむいた。

「だから……やっぱり、お父さんがD.D.に何かをしたんだと思う。
 ドミネーターは、絶対に人を殺さないでしょ?
 たぶん、お父さんの作った基礎プログラムが、生きているんじゃないかなって」

「キミの人格プログラムにも組み込まれている『人類への愛情』だね。
 まあ、ずいぶんと偏った愛情だとは思うが……キミがそう感じるなら、あるいはそうなのかもしれないね」

「調べてみる価値はあると思う――ううん。私、知らなきゃいけないと思うの。
 お父さんにあのあと、何があったのか……」

 ハルはぎゅっと握り拳を作り、どこか遠くを見つめながら、そう決意するように呟いたのだった。


◆◇◆


 ――セントラルシティ。

 ごうごうと機械の駆動音が鳴り響き、絶えることのない冷房が利いたその部屋で、D.D.はむーっと頬を膨らませていた。
 そのそばには、彼女の側近であるダイヤモンド・ブレイドが立っている。

「面白くありませんね。まさかハルちゃんの洗脳が解けるだけじゃなく、
 コアメモリーのノイズまでなくなってしまうだなんて……」

 ドミネーターからすれば、やっと成らせた重要な駒を奪われたうえ、
 そっくりそのまま王手をかけられたようなかたちである。

「イドラ教団は相変わらず、裏工作に回っているようです」

「彼らには彼らの、私たちには私たちの推し事(推しのための活動)があります。
 必要になれば、こちらから働きかけることもあるでしょう」

 キャピタル・ステイトのホログラムマップは、もうすでにほとんどが青――リベレーターによって解放されたことを示している。
 抵抗組織リベレーターの手は、すでに喉元の一歩手前まで来ているといって過言ではなかった。

「人類を少しでも長く、多く生かしておくためには、一切自由を許してはいけません。
 かわいくないリベレーターから、スタールビー……いいえ、コアメモリーを何としても取り戻します。
 ダイヤモンド、お手伝いしてくれますね?」

「このダイヤモンド・ブレイドを、琥珀(アンバー)などという傷つきやすい宝石と一緒にしないでいただきたい。
 私はママの道具であることに誇りを持っています。
 ダイヤモンドは不変と高潔を表す石――どこまでも、お伴いたしましょう」

担当マスター:ヒロイックソングス!運営チーム

担当マスターより
「ヒロイックソングス!」運営チームです。
トリガーシナリオ「ディーヴァは自由の夢を見るか?」のリアクションをお届けいたします。

トリガーシナリオは、アクションを投稿しているか、
アクションを投稿していなくても「・アクション投稿しなくても登場を希望」の項目にチェックを入れた場合、基本的にリアクションに登場しています。
基本的にPCは1シーンに登場していますが、シーン分割の関係で数ページに渡って名前がある場合もございますので、リアクションを読み進めてご確認頂ければと思います。

称号やマスターからのコメントがある場合、最終ページ下にお知らせが表示されますので、併せてご確認下さい。

また、本シナリオにご参加いただいた方全員にヒロイックポイントが付与されます。
さらにシナリオ中活躍された方には、追加でヒロイックポイントが付与されます!
※付与するポイントはキャラクターによって異なります。

■ヒロイックポイント追加付与対象者一覧
天導寺 紅(HSL0007451)様
天導寺 朱(HSM0000017)様
相羽 憧(HSM0000066)様
氷堂 藤(HSM0000266)様
虹村 歌音(HSM0000488)様
ウィリアム・ヘルツハフト(HSL0003567)様
堀田 小十郎(HSM0000749)様
睡蓮寺 陽介(HSL0003251)様
睡蓮寺 小夜(HSL0003252)様
榊 寅夜(HSM0000956)様
ソフィー・ダラーヒム(HSL0007588)様
黒瀬 心美(HSM0001329)様
シャーロット・フルール(HSM0002441)様
アレクス・エメロード(HSL0007826)様
合歓季 風華(HSM0002545)様
天草 燧(HSL0007287)様
桔梗・トルマリンスター(HSL0007610)様
トパーズ・ティアーハート(HSL0007814)様
相沢 涼(HSL0007452)様
ロイ・アルバート(HSL0007793)様
白川 郷太郎(HSM0000090)様
佐伯 ヴァイス(HSL0005110)様
ウィンダム・プロミスリング(HSL0005655)様
桐山 撫子(HSM0000170)様
緑青 木賊(HSM0000455)様
ライカ・ペリドット(HSL0007576)様
キング・デイヴィソン(HSM0000508)様
界塚 ツカサ(HSM0000556)様
加賀 ノイ(HSL0003024)様
ジル・コーネリアス(HSL0007743)様
八重崎 サクラ(HSM0000966)様
アーヴェント・ゾネンウンターガング(HSM0001901)様
アウロラ・メタモルフォーゼス(HSL0007761)様
リーニャ・クラフレット(HSM0003427)様
ミーニャ・クラフレット(HSL0007779)様
別葉・ペアーズ(HSM0005198)様
ペルセフォネ・プライズ(HSL0007492)様
日向 千尋(HSM0005542)様
クロティア・ライハ(HSM0000043)様
ナレッジ・ディア(HSL0007432)様
弥久 風花(HSM0000038)様
春瀬 那智(HSM0000110)様
ユースティティア・ディアマンテ(HSL0007807)様
橘 樹(HSM0000836)様
リュウェル・フリードマン(HSL0007248)様
行坂 貫(HSM0005424)様


【1】担当:猫宮烈
 『ディーヴァは自由の夢を見るか?』【1】パートを担当しました、猫宮 烈です。
 皆さま、ご参加いただきどうもありがとうございました(ぺこり

 『ザ・ウィンドアップ・ディーヴァ』に続いて、ということで、そこで関わった者たちの活躍を描きつつ、前回は別の場所に居たために接することがなかったドクターとのやり取りを描けたらなー、と思っていました。
果たしてうまく表現できているでしょうか? 

 皆さまにとって少しでも、楽しかった、と思ってもらえるリアクションであったなら、とても嬉しく思います。
 それでは、また。

【2】担当:れちる
こちらのパートを担当させていただきました、GMのれちると申します。
シナリオに参加してくださった皆様、ありがとうございました。

今回はひたすら戦い続けていたのですが、アンバーの感情を揺さぶるアクションや台詞がとても多かった
ように思います。
メッセージ性の強い内容も多く、これをどうしたものかと考えて考えて……ちゃんと、アンバーの思いと
共に昇華できていれば幸いです。

アンバーは全体的に凶暴でカリカリしてて、でもまっすぐな子で、信じる方向は「あれっ」という感じで
したが、皆様のおかげで踏みとどまれたような感じになっているかなと。
一応、アンガーマネジメントを意識しながら、どこでどういう感情曲線を持ってくるかというのは計算し
ながら、うまく落とし込んで……書いたつもりです(笑)

難しいことはともかく、楽しんでいただけましたでしょうか?

また別のシナリオでお会いしましょう♪ 次回もどうぞよろしくお願いします☆

【3】担当:羽野源一郎
【3】パートを担当しました羽野源一郎です。
 皆で無事に帰還する為にも、退路を確保する作戦、お疲れ様でした。
 提出されたアクションを読んでいると、注目を集めるためあえてライブスキルを使ったり、ターゲットを絞って攻撃したりと、
 それぞれのキャラクタ―たちが「自分が出来ること、すべき事に取り組んでいる」という印象を受けました。
 繰り返しとなりますが、本当にお疲れ様でした。
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