【陰陽アイドル大戦】ハレの都にケの巨影
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【2-2】甘くて、ほろ苦いものの正体
心の中に沸き立つ「何か」の正体を知りたい。
いつの間にかそんなことを考え始めていたミヤビは、舞台を後にしてからも後ろ髪を引かれる思いだった。
「いい顔になってきたのぜ、ミヤビっち♪」
呼吸を整えるミヤビに声をかけたのは、天導寺 朱だ。
「さっきの舞、すごく良かったよ」
桐山 撫子も労いの言葉をかけてくれる。
「舞ってる時はもっと大柄なのかと思ったけど、近くで見るとそうでもないのぜ」
「イドラのせいで体の成長は止まっていると、申し上げたはずですが」
「あー、そういえばそんなこと誰かが言ってたのぜ。なるほど、悪しきイドラのせいで成長が……だから胸もそんなに小さかったのかー」
思わず朱を見上げて、みるみる顔が真っ赤になるミヤビ。
「む、胸が小さいのは不可抗力というものです!! 大きければいいというものでもありません!!」
「……ふーん? そういうものなのぜ?」
ミヤビはそれ以上、何も答えたくないのか横を向いてしまう。
「そうそう、ミヤビっちはそうでなくっちゃ! いつもの調子が出てきたのぜ? 自然体が一番なのぜー。緊張したままじゃ、体の動きも鈍るからなー」
むくれるミヤビにこやかな笑顔を向けて、朱は舞台の後方へと歩いて行った。
「ふふふ、天導寺さんなりにミヤビ様のことを心配してるんだよ」
さりげなく朱をフォローしつつ、ミヤビが気負わないように優しい言葉をかける撫子。
「……舞芸者とは、不思議な人たちですね。でも、楽しむことに全力を尽くすという姿勢は、嫌いではありません」
「うん……それが、私たちの使命でもあるから。私たちアイドル……舞芸者は、歌で世界だって変えれるんだよ。ミヤビ様が今、少しでも楽しいと思い始めているなら、それに乗っかって行こう!」
撫子の明るさと強さに思わずほっとしてしまうミヤビ。
「うまく言えないけど、命の重さを共に背負う事は出来ると思うから……あたしも、天照舞を舞う方達と共に! 一緒に舞うよ♪」
「……楽しめるといいですね」
少しだけ口角が上がったのを、撫子は見逃さなかった。
そして、コホンと咳払いをしてから深く息を吸い込み、
「ミヤビ様と草一さんて……実は、婚約していたりするのかな?」
満面の笑みを浮かべて、少し早口で言った。
「え?」
「何となく、そんな気が……って、思った事を口にしただけだから! 答えたくなかったら言わなくていいからね!」
まるで無邪気な少女のような物言いをする撫子に、ミヤビは思わず苦笑した。
ミヤビが休憩をとる間、舞台では白波 桃葉が藤崎 圭、矢野 音羽と共に興奮冷めやらぬ観客たちを盛り上げていた。
特に桃葉が使う【変わり身【桜】】は物珍しく、披露するたびに大歓声が上がる。
華麗な忍術を目の当たりにした子供たちが舞台の先頭でひしめき合い、いつまでも桃葉を見つめていた。
心の中に沸き立つ「何か」の正体を知りたい。
いつの間にかそんなことを考え始めていたミヤビは、舞台を後にしてからも後ろ髪を引かれる思いだった。
「いい顔になってきたのぜ、ミヤビっち♪」
呼吸を整えるミヤビに声をかけたのは、天導寺 朱だ。
「さっきの舞、すごく良かったよ」
桐山 撫子も労いの言葉をかけてくれる。
「舞ってる時はもっと大柄なのかと思ったけど、近くで見るとそうでもないのぜ」
「イドラのせいで体の成長は止まっていると、申し上げたはずですが」
「あー、そういえばそんなこと誰かが言ってたのぜ。なるほど、悪しきイドラのせいで成長が……だから胸もそんなに小さかったのかー」
思わず朱を見上げて、みるみる顔が真っ赤になるミヤビ。
「む、胸が小さいのは不可抗力というものです!! 大きければいいというものでもありません!!」
「……ふーん? そういうものなのぜ?」
ミヤビはそれ以上、何も答えたくないのか横を向いてしまう。
「そうそう、ミヤビっちはそうでなくっちゃ! いつもの調子が出てきたのぜ? 自然体が一番なのぜー。緊張したままじゃ、体の動きも鈍るからなー」
むくれるミヤビにこやかな笑顔を向けて、朱は舞台の後方へと歩いて行った。
「ふふふ、天導寺さんなりにミヤビ様のことを心配してるんだよ」
さりげなく朱をフォローしつつ、ミヤビが気負わないように優しい言葉をかける撫子。
「……舞芸者とは、不思議な人たちですね。でも、楽しむことに全力を尽くすという姿勢は、嫌いではありません」
「うん……それが、私たちの使命でもあるから。私たちアイドル……舞芸者は、歌で世界だって変えれるんだよ。ミヤビ様が今、少しでも楽しいと思い始めているなら、それに乗っかって行こう!」
撫子の明るさと強さに思わずほっとしてしまうミヤビ。
「うまく言えないけど、命の重さを共に背負う事は出来ると思うから……あたしも、天照舞を舞う方達と共に! 一緒に舞うよ♪」
「……楽しめるといいですね」
少しだけ口角が上がったのを、撫子は見逃さなかった。
そして、コホンと咳払いをしてから深く息を吸い込み、
「ミヤビ様と草一さんて……実は、婚約していたりするのかな?」
満面の笑みを浮かべて、少し早口で言った。
「え?」
「何となく、そんな気が……って、思った事を口にしただけだから! 答えたくなかったら言わなくていいからね!」
まるで無邪気な少女のような物言いをする撫子に、ミヤビは思わず苦笑した。
ミヤビが休憩をとる間、舞台では白波 桃葉が藤崎 圭、矢野 音羽と共に興奮冷めやらぬ観客たちを盛り上げていた。
特に桃葉が使う【変わり身【桜】】は物珍しく、披露するたびに大歓声が上がる。
華麗な忍術を目の当たりにした子供たちが舞台の先頭でひしめき合い、いつまでも桃葉を見つめていた。