よみがえれ!『花と緑のアイドル祭り!』
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■プロローグ■
「付け焼刃の魅力ではだめよ、後々の集客が出来ないもの」
ときめきフラワー商店街にて、『花と緑のアイドル祭り!』が行われようとしていた前日のこと。
ジェーン・テニエルが行ったのは、商店街の魅力を捜し歩くことだった。
「ありのままの魅力を伝えるべきよ。それこそが、この商店街が持っている本当の「力」なのだもの」
そう言って熱心にそれぞれの店のアピールポイントや、商店街そのものの持っている見所やお得なサービスなど、今回の祭りのためだけではない元あった魅力をつめていきながら、次にジェーンが行ったのは、普段はシャッターを閉めている店の店主を説得することだ。
「商店街を活性化させるチャンスだわ、これを見逃す手は無いと思うの」
どうせ変わりっこない、昔のようにはならない、と諦めてやる気を失っている店主たちを根気強く説得していったジェーンの熱意に動かされて、いくつかの店舗と祭りにあわせての営業を行うという約束を取り付けると、次に必要になるのはそのアピールである。
祭りはただやるだけでは意味がない。どうやれば効果的に商店街のよさを訪れてくれるお客さんに伝えることが出来るか――例えば、看板の位置を変えてみたり、飾り付けを目立つようにしてみたり、ライトで照らしてみたり、と、大きな変更ではなく、ほんの少しの手心を加えると、最後に行ったのは地図の作成だ。
聞いて回っていたアピールポイントを判りやすくまとめ、お祭りの地図へと書き込んでいく。
(ここで商店街の魅力を知ってもらえば、今後もそれを目当てに足を運んでもらえるようになるはず……!)
そんなジェーンの思いを込めた地図は、その狙い通り、祭りに訪れた人たちの興味を引く事に成功していた。
「へえ、この商店街ってこんなのあったんだ」
「このお店、ちょっと面白そうじゃない? 後で寄っていこうよ!」
そんな声が聞こえてくるのを見ながら、感慨深そうにしている渡邊 継美に「吾輩、この近くに良く来ていたんだ」とそっと話しかけたのは色造 空だ。
その顔が意外そうに視線をよこしてくるのに、空は続ける。
「平凡で何もなかったけど、家族と一緒に楽しい毎日だった。
先生にも何か思い出があるみたいだな」
問いかけながらも返答は求めていないのか、空はただ淡々と商店街を眺めるように視線を向けて目を細めると「商店街は無くさせない」と強い言葉で口を開く。
「皆にこの場所の良さを知ってもらう………アイドルは夢と希望を与える者だろう? 商店街に夢と希望を与えるのが吾輩たちの仕事……違うか?」
「ええ。その通りです」
そんな空の言葉とその中に滲んだ強い思いに、継美はにこりと微笑んで頷いた。
「信じていますよ、あなたたちの、力を」
継美の言葉にどこか満足げに頷いた空が「なぁ、せっかく皆が輝いているのに……それを見られない人が居たら可愛そうじゃないか?」と、次に声をかけたのはルミマルたちだ。
そうして、空の声かけに集まったルミマルたちは、双子のゴーレムであるリトルフレンズたちと共に、セブンスフォールのお祭りの定番であるローリービートの音楽を奏でると、商店街の入り口でパフォーマンスを始めた。
気分を高揚させるその音楽を聴いた人々が集まってくると、踊りを披露してされに注目を自分に向けさせながら、興味津々、といった様子の観客たちに空が声をかける。
「この奥にある店は、とても良いところだ! 是非、立ち寄ってみてくれ!!」
「それって何処?」
普段はこの商店街を使わないのだろう、首を傾げる人にはジェーンの配っていた地図を渡し、それでも首を傾げる者には「ルミマル!」と声をかけた。
「案内を頼めるか?」
「もちろんルミ!」
「こっちルミ!」
言われたルミマルたちは嬉しそうにして人たちを案内していく。それを見送りながら、空は人波を読みながら次々と場所を移動していった。その先でも次々とパフォーマンスを行っては、人々の関心をあつめてお祭りへと誘っていく。
その間でより興味を抱いて貰えるようにとシャボン玉を飛ばし、花を舞わせる空のそれは、商店街と言う作品へのアレンジだ。
だんだんと増えていく人たちの姿に、空は笑みと共に声を上げた。
「さあ、何と言っても今日いちばんの見所はステージさ! みんな是非、観に行ってくれ!」
■目次■
1ページ プロローグ・目次
2ページ 花と緑のステージ
3ページ 迷宮にて 1
4ページ 迷宮にて 2
5ページ 迷宮にて 3
6ページ 花と緑のステージ 2
7ページ にぎわいのときめきフラワー商店街
8ページ 迷宮にて 4
9ページ 迷宮にて 5
10ページ 復活の刻
11ページ エピローグ


