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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

【初夏の大祭典!】フェス×フェス2029

リアクション公開中!
【初夏の大祭典!】フェス×フェス2029
  • 【初夏の大祭典!】フェス×フェス2029

リアクション

■冷めて見えても、心には情熱を。クール部門【1】

「へへっ。これまでどちらか片方が揃うことはあったけどさ。
 こうして『ウルレイ』と『プレスマ』が全員揃ってライブってのは、なかったんじゃねぇか?」
「こんな楽しい企画ができるのも、撫子ちゃんとウィンダムちゃんが頑張ってくれたからだね!
 二人とも、ほんとにありがとね!」
「あたしこそ、泰河君と光凛ちゃんに感謝だよ♪ 二人があたしの話を聞いてくれて、リーダーとしてメンバーをまとめてくれたから、みんなこの場に集まることができたんだもん。やっぱり泰河君はウルレイの、光凛ちゃんはプレスマのリーダーだねっ♪」
 桐山 撫子の言葉に、『Ultra Ray』のメンバーである橘 駿早見 迅神谷 春人、『PRESENT SMILE』のメンバーである村雲 いろは西宮 彩奥 莉緒が一様に肯定の頷きを返した。
「特別企画のユニット名は、『Ultra SMILE』ウル・スマ! 安直だけどわかりやすいのが一番!
 ……おっと、そろそろ時間だね。ウィンダム、司会進行がんばってね♪」
「ええ。今日限りの司会進行、無茶振り全開でやっちゃうから覚悟してね」
「望むところだぜ!」
「どこに行ったって、私たちは私たちだもん!」
 ウィンダム・プロミスリングを先頭にして、『ウルレイ』と『プレスマ』メンバーが控室を後にする。
「どこに行っても私は私……か。いいねその言葉。もらっていこうかな」
 ぽつりと呟いて、撫子はステージを見届ける場所に移動する――。

「はぁ~い。皆様、こんにちは。
 フェス×フェスの舞台、楽しんで頂けているかしら?」
 ステージに登場したウィンダムと、『Ultra Ray』『PRESENT SMILE』フルメンバーに観客は大きな声援を送り、これからどんなステージが行われるのか期待の眼差しを向けた。
「手に汗握るライブにアツイ皆様へ、一息つける? いえ、さらにアツくなれる特別企画をご用意致しました!
 『Ultra Ray』『PRESENT SMILE』の両ユニット合同によるステージです!」
 泰河と光凛が観客に手を振って応えれば、震えが来るほどの歓声が生じた。
「曲は今日のために書き下ろした『Dream』! 新しい世界への旅立ちを『Ultra Ray』の魅せるコーラス、『PRESENT SMILE』の愛らしい歌声が彩るわ。
 それでは……『Ultra SMILE』の皆様、どうぞ!」
 進行を見事に務めたウィンダムがステージを退き、代わりに『Ultra Ray』『PRESENT SMILE』の八名が前に進む。
「それじゃ、みんな、盛り上がっていこー!」
「フェス×フェスもまだまだ続くぞ、息切れすんなよ!」

 贈りたい 確かな夢を 此処から始まる

 想い重ね繋ぎゆけば 君も飛べるよ 響きあうMelody
 諦めないで 胸の扉 開く鍵は 暗闇の底 眠る

 憧れた 心のままに
 呼び覚ませ 閃く 輝き
 僕ら今 旅立つ世界
 まだ 祈り 無限へ 目覚め導く

 奏でてる音 何時でも覚えているから 無邪気な笑顔 咲いた

 憧れた 心のままに
 今 君が 泪に 濡れても
 迎えゆく 夢を信じて
 偽りは 幻 解かして
 僕ら まだ 未来 見える
 羽ばたいて 翼は 誰も秘めてる



 特別企画を挟み、『フェス×フェス2029』は次の部門、クール部門へと進んでいく――。


「ねぇ、今からでもユニット名『✝cat’s★tail✝』にしない?」
「却下で」
「そんなぁ~!」
 藤崎 圭にあっさりと提案を断られ、白波 桃葉が地団駄を踏む。
「あれ……どうした、水原? 緊張してるのかな?」
 声をかけられ、水原 真凛が苦笑いを浮かべつつ口を開いた。
「ボク、ライブって一度しかしてないし、他の人と一緒にするのは初めてなんだ。桃葉さんたちは結構ステージに立ってるみたいだし、足を引っ張らないようにしなくちゃって」
 話を聞いた圭が大丈夫、と励ますように口を開く。
「うち、リーダーがあんな感じだから、評価とか考えてやった事ないし」
 あんな感じってどんな感じよ、と言いたげな桃葉のトゲトゲしい視線を受け止めつつ、圭が言葉を続ける。
「意識してるのは、自分たちが楽しめないライブは観客も楽しくないって事だけ。だから水原は、ライブを楽しむ事だけ考えればいいよ。フォローできる仲間も居るんだし、失敗するとか気にしなくていいよ」
「……ありがと、そう言ってもらえると気がラクになるよ。
 うん、自分が楽しくなかったら、観客の人達も楽しくなくなっちゃうもんね。ボクも終わった後に、皆と一緒にライブが出来て楽しかった、って言えるように頑張るね!」
「うん、頑張ろう! ……ってあれ、桃葉と陸斗が居ないね」
 真凛に微笑んだ圭が、桃葉と陸斗・ハーヴェルの姿が無いのに気づく。
「ただいま~! ユニット名『✝cat’s★tail✝』に変えてきたわよ」
「半数以上の同意が必要だって言うから、付き添い頼まれちまった。ま、面白そうだからいいかなって」
「もう……今日だけだからね。それじゃ出番みたいだし、行こうか」
 圭の声に桃葉、陸斗、真凛が頷いた――。

 ステージにひんやりとした空気が漂い、毒々しく映える霧がミステリアスでダークな雰囲気を作り出す。観客の抱く不安や恐怖によってそれらはさらに増大され、その中を符によって喚び出した舞芸者の演奏に乗って、桃葉が歌い始める。

 心は無いと分かっていても その身を寄せたかった
 欲望の波に流され イク所までイキたい

 温もり探しては繰り返す寂しさ
 残るのは自分ひとりで 後悔は胸の中


 大人っぽく、セクシーな雰囲気にアレンジした衣装を纏い、桃葉が禍々しい漆黒の大鎌がついたマイクを振るって観客に妖しさアピールを行う。夜空に浮かぶ赤い月と相まって蠱惑的に見え、観客は興奮を高めていった。

 赤い月が照らす夜 震える指にかすれる声
 押し潰されそうな不安 孤独の海に溺れて
 このまま何処へ行くの


 曲が間奏に入ったところで、桃葉の背中に黒い翼が生まれ、ぶわり、と羽ばたく。観客は黒い羽が無数に突き刺さったような感覚を得、ステージに救いを求めるように視線を集中させた。しかしそのステージでも、桃葉が圭――猫耳をつけていた――と星獣に今にも攻撃をせんと羽を広げ、羽ばたこうとしていた。圭と雫は少しずつ追い詰められ、しかも反対側には小さな羽をつけて鳥側に立つ真凛が控えており、絶体絶命の危機であった。

「なんだぁ? 縄張り争いでもしてんのか? へっ、空から一方的に攻撃たぁ、ずる賢いねぇ。
 オレはこっちに味方するぜ!」

 そこに陸斗が現れ、まるで黒豹のような動作でもって桃葉演じる烏と対峙する。その気迫に押されたのか、桃葉がくるりと背を向けて逃げ出し、真凛も引き下がった。

 諦めては求めて繰り返す寂しさ
 傷つくと分かっていたのに 後悔しても遅く


 そのまま曲は二番へと進むのだが、ステージには先程までの救いのない雰囲気から、そんな中でも生きて自分なりの幸せを掴もうとする雰囲気に塗り替えられていった。
「食べる事は生きる事。生きる為にはまず喰え! 喰えるだけ喰って力を付けろ!」
 陸斗が景気よく肉を焼くための竿が渡された火鉢で肉を焼きながら、竿の部分を叩いて音楽を奏でる。そして力を付けた演出として真凛が、ギターの演奏の代わりにそのギターをまるでブーメランのように力強く観客席へ向かって投擲する。
「そうだ力だ! 生き抜く為に力を付けろ!」
 合わせて陸斗がドラム缶や木箱を投げ上げるパフォーマンスで力強さをアピールし、観客の興奮を引き出す。戻ってきたギターをキャッチして刺激的な演奏を披露した真凛が中に銀テープの詰まった小さな爆弾を観客席へばら撒いて締める。

 赤い月は見ている
 歌え歌え 永遠に
 踊れ踊れ 快楽のまま
 狂え狂え 永遠に
 叫べ叫べ 命尽きるまで
 赤い月と今宵も


 曲の終わりには桃葉と圭が、漫画のワンシーンにあるような二人向かい合って対峙して今にも戦いを始めそうな位置で、カッコよくポーズを決めて幕を閉じた。
「ふふん、ワイルドな力強さ、いいじゃない。認めてあげるわ」
 声援を浴びるステージに向かって、アンラが彼女なりに評価した様子で拍手を送った。
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