フェイトスター☆ファイトクラブ ファイナルマッチ
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リアクション
【1】エキシビジョンマッチ 5
「どこぞの熱血脳筋め。彩への熱意を試すだと?」
死 雲人は対戦相手に指名した北郷先生を前に、西宮彩を背に庇うようにして立った。
「はっはっは! 誠意を示す。大いに結構!
では行くぞ! スペースカバディィイ!!」
北郷先生は素早く雲人との距離をつめると、鋭い拳と足技で仕掛けて来る。
雲人は【ルチフェルの香炉】で防御を固め、只管に攻撃に耐える。
「雲人君、私も手伝うよ!」
レア・アルゲアスが、【スピード線ブースト】で雲人のスピードをあげると、雲人は片手をあげてレアの行動を制した。
「彩。レア。手出しするな。これは俺の意地があるからだ」
「雲人君……!そこまで、彩ちゃんの事……!」
一発一発が、決して軽くはない北郷先生の攻撃を耐え続ける雲人の姿に、レアは息を飲んで動きを止めた。
彼を助けたいのは素直な気持ちだが、彼の熱意を無駄にしたくないのも本当だ。
レアが見守る中、雲人は【賢者の石】の風格で、誇り高くそこに立っている。
彩もイドラの女王も纏めて愛すれば、二人の居場所がある。
だから彩もイドラの女王も両方に最高の愛を注ぐと決めた。
それが雲人がハーレムを目指す理由だ。
「俺は絶対に自分の女達を裏切らず愛し、守る」
「ほう、なかなか耐えるな。いい覚悟だ!」
雲人の健闘を讃えはするが、北郷先生は攻撃の手を緩めない。
(彩……。俺の守るべきもののための……熱意がこれだ。
依存したい訳でもない。俺は彩が好きだから命をかけてもこうしたい)
体力が尽き欠け、意識が朦朧とする中で、雲人は心中で彩に訴えかける。
それを見て、レアは彩に問いかけた。
「彩ちゃんは、雲人君は望んでないけど……助けたい?」
「逆に聞きますけど、あなたはあの人を放っておきたいんですか?」
「え?」
返って来た彩の答えは、レアにとって予想外のものだった。
「私……私は、自分がすべき事をしたい」
レアは雲人の言いつけを破って、【応急手当】をする。
この程度では回復が追い付かないのは分かっている。それでも。
「ただ依存してるだけや後ろを見てるだけじゃない。私だって前に出たい!」
レアの言葉を聞いて、彩もイドラの女王と共にレアと並んで進み出た。
「彩ちゃん。協力してくれるなら何するの? ふふっ……胸を強調したセクシーポーズとか?」
「いえ。私も私に出来ることを……恋する女の子の背中を押すのも、アイドルの仕事ですから♪」
彩はレアに向かって、意味深な笑顔を浮かべる。
「レアも彩も勝手な事を……だがお前等がその行動で元気が出た。助かったぞ」
雲人は【マジンズ・ラストダンス】で傷を全快し、第二形態に伴う爆風で北郷先生を弾き飛ばす。
それと同時に【岩戸隠しのサプライズ】で北郷先生を牽制するが、北郷先生は怯まない。
「おお! 凄いな!」
完全復活した雲人に、北郷先生は目を輝かせる。
一方で観客は、雲人の復活と突如演出された死のイメージに不安を感じ、どよめきが広がる。
雲人は最高の飛翔速度で、【神威・輝の魔剣】で北郷先生に斬りかかった。
「ぐあっ……」
黒い炎は北郷先生に燃え移り、北郷先生の顔に苦痛が滲む。
「くっ……参った。降参だ」
雲人の魔力も尽きる寸前というところでの、勝利であった。
(彩……。俺なりのアピールで俺の気持ちを出す事しかできないが、喜んで欲しい……。
俺は彩のヒーローでいたい)
その想いが伝わっていてくれればいい――そう願いながら、雲人が振り返った視線の先には、レアと手を取り合って微笑む彩の姿があった。
「どこぞの熱血脳筋め。彩への熱意を試すだと?」
死 雲人は対戦相手に指名した北郷先生を前に、西宮彩を背に庇うようにして立った。
「はっはっは! 誠意を示す。大いに結構!
では行くぞ! スペースカバディィイ!!」
北郷先生は素早く雲人との距離をつめると、鋭い拳と足技で仕掛けて来る。
雲人は【ルチフェルの香炉】で防御を固め、只管に攻撃に耐える。
「雲人君、私も手伝うよ!」
レア・アルゲアスが、【スピード線ブースト】で雲人のスピードをあげると、雲人は片手をあげてレアの行動を制した。
「彩。レア。手出しするな。これは俺の意地があるからだ」
「雲人君……!そこまで、彩ちゃんの事……!」
一発一発が、決して軽くはない北郷先生の攻撃を耐え続ける雲人の姿に、レアは息を飲んで動きを止めた。
彼を助けたいのは素直な気持ちだが、彼の熱意を無駄にしたくないのも本当だ。
レアが見守る中、雲人は【賢者の石】の風格で、誇り高くそこに立っている。
彩もイドラの女王も纏めて愛すれば、二人の居場所がある。
だから彩もイドラの女王も両方に最高の愛を注ぐと決めた。
それが雲人がハーレムを目指す理由だ。
「俺は絶対に自分の女達を裏切らず愛し、守る」
「ほう、なかなか耐えるな。いい覚悟だ!」
雲人の健闘を讃えはするが、北郷先生は攻撃の手を緩めない。
(彩……。俺の守るべきもののための……熱意がこれだ。
依存したい訳でもない。俺は彩が好きだから命をかけてもこうしたい)
体力が尽き欠け、意識が朦朧とする中で、雲人は心中で彩に訴えかける。
それを見て、レアは彩に問いかけた。
「彩ちゃんは、雲人君は望んでないけど……助けたい?」
「逆に聞きますけど、あなたはあの人を放っておきたいんですか?」
「え?」
返って来た彩の答えは、レアにとって予想外のものだった。
「私……私は、自分がすべき事をしたい」
レアは雲人の言いつけを破って、【応急手当】をする。
この程度では回復が追い付かないのは分かっている。それでも。
「ただ依存してるだけや後ろを見てるだけじゃない。私だって前に出たい!」
レアの言葉を聞いて、彩もイドラの女王と共にレアと並んで進み出た。
「彩ちゃん。協力してくれるなら何するの? ふふっ……胸を強調したセクシーポーズとか?」
「いえ。私も私に出来ることを……恋する女の子の背中を押すのも、アイドルの仕事ですから♪」
彩はレアに向かって、意味深な笑顔を浮かべる。
「レアも彩も勝手な事を……だがお前等がその行動で元気が出た。助かったぞ」
雲人は【マジンズ・ラストダンス】で傷を全快し、第二形態に伴う爆風で北郷先生を弾き飛ばす。
それと同時に【岩戸隠しのサプライズ】で北郷先生を牽制するが、北郷先生は怯まない。
「おお! 凄いな!」
完全復活した雲人に、北郷先生は目を輝かせる。
一方で観客は、雲人の復活と突如演出された死のイメージに不安を感じ、どよめきが広がる。
雲人は最高の飛翔速度で、【神威・輝の魔剣】で北郷先生に斬りかかった。
「ぐあっ……」
黒い炎は北郷先生に燃え移り、北郷先生の顔に苦痛が滲む。
「くっ……参った。降参だ」
雲人の魔力も尽きる寸前というところでの、勝利であった。
(彩……。俺なりのアピールで俺の気持ちを出す事しかできないが、喜んで欲しい……。
俺は彩のヒーローでいたい)
その想いが伝わっていてくれればいい――そう願いながら、雲人が振り返った視線の先には、レアと手を取り合って微笑む彩の姿があった。