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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

フェイトスター☆ファイトクラブ ファイナルマッチ

リアクション公開中!
フェイトスター☆ファイトクラブ ファイナルマッチ
  • フェイトスター☆ファイトクラブ ファイナルマッチ

リアクション

【1】エキシビジョンマッチ 4


「さあさあ、前の戦いの時よりさらに洗練された『麻雀バトルライブ』をご照覧あれ!」
 天地 和は、北郷先生を相手取り、【高級麻雀セット】の席に着く。
 戦いは既に、この卓に牌を並べるところから始まっている。
「北郷センセ、勝負!!」
 『明日の空へ』の曲の速いテンポに合わせて牌を並べつつ、和は【グッドスマイル】で余裕を見せる。
 ただのバトルではなく、麻雀勝負を交えた一風変わった趣向だ。
 何が起こるのかと、試合を見守る観客たちも、今から始まる試合に期待を膨らませる。 
「はっはっは!麻雀か。久々だな。俺は強いぞ!」
「望むところよ!」
 対局が始まると、「ポン!」「チー!」の声に合わせて【アタックフレーズ】で北郷先生に攻撃を仕掛ける。
 一方の北郷先生は、その攻撃をかわしつつ、強運によるものなのか、良い手牌をツモで引いてくる。
「中! イーピン! 七萬ドラ切り!!」
 和は捨牌を切る時も声をあげ、北郷先生の集中を散らせるため、積極的に【アタックフレーズ】で軽い攻撃を続ける。
 しかしそれは、イカサマトラップを仕掛ける為の下準備に過ぎないのだ。
「リーチだ!」
 北郷先生が牌を曲げた。おそらくツモ和了りは近い。
 しかしそこで、和は【パーティートラップ】を発動、目にも留まらぬ早業で用意していた二つ目の【高級麻雀セット】で卓上をすり替える。 
「ツモ……ホンイツトイトイ中ドラ3……倍満8000点オール!」
「な、なんだと!?」
 和了り宣言と共に、揃えた手牌をあける。
 大映しになった見事な役牌に、会場は驚きとざわめきに包まれる。
 目の前の北郷先生も一体何が起きたのか分らないと言った様子で面食らっている。
 和はそこに【メレンゲ麻雀牌】を転がし、【トリック・オブ・トリート】で小爆発を起こす。
「うわっ……!!」
 大した威力ではないが、落ち着きを取り戻す前に心を乱されて、流石の北郷先生も狼狽気味だ。
「ここで一気に攻める!!」
 北郷先生が平静を取り戻す前に、次の局を開始する。
 驚きの連続に、観客たちも次は和が何をするつもりなのかと、ハラハラしながら試合を見守る。
 その会場のドキドキ感で、【クラリティクライマックス】を発動させた和は、その幻で観客席を包み込み、手牌を「東東東西西西南南南北北北中中」に作り変える。
「天和……これがわたしの麻雀が作り出す世界! 大四喜+四暗刻+字一色の…クアドラプル役満で64000点オール!!」
 夢のような手牌での和了り。
 それと同時に【きらめきのオーロラボルト】が北郷先生を射抜いた。
「うう……ハコ割れしてしまったな……」
 点棒が空になった北郷先生は麻雀の敗北を告げ、雀卓に突っ伏し、和の勝利に観客席から惜しみない歓声があがった。  



  ***


 ウィリアム・ヘルツハフト虹村 歌音が対戦相手に指名したのは量産型メカ校長先生だ。
 ウィリアムは、己の王国騎士の本懐を見せる為、この戦いへと挑んだ。
「行くぞ」
「はい、ウィルさん!」
 押し寄せるメカ校長たちを前に、ウィリアムは歌音の前に立ちふさがり、【白霓剣エイオース】を用いた【シールドオブフェイス】でカウンターの構えを取る。
 歌音は、ウィリアムの強化に専念し、『白星大声援』、『群雄割拠行進曲』を次々と高らかに歌い上げる。
「虹の歌姫」の名に違わぬ歌声に、観客たちは聞き惚れる。
 それと同時、歌音の盾となり、メカ校長先生たちの攻撃を受けるウィリアムの力を、歌音の歌が底上げする。
「来い!」
 直線的な動きで突撃してくるメカ校長先生の動きを、早々に見切ったウィリアムは、【嵐渦のオーディン】でカウンターを食らわせたメカ校長先生を、次々に倒していく。
 そうして、【シールドオブフェイス】で歌音を守る度、益々ウィリアムの技は冴えて行く。
「まだいくわよ!」
 歌音は【翠風の光雨】を降らせ、ウィリアムに風の加護を授け、体力に陰りが見えれば即座に【陽だまりのサンギータ】で、ウィリアムの戦闘で受けた傷を癒す。
 その癒しの波動は観客席まで届き、咲き誇った小さな草花が、観客たちの心に安心を与える。
「――そろそろ決めさせてもらう!」
 歌音を守り続ける騎士としての姿を、存分に観客たちにアピールしたウィリアムは、【覇王の境地】で身体能力を限界値まで引き上げる。
 メカ校長先生の数は減り、全力の攻撃で一掃出来るとウィリアムは確信する。
 ウィリアムの最後の攻撃に最高の演出を加える為、歌音【リトフルワールド】を発動する。
 観客席に銀テープを舞い散らせ、内装を一気に塗り替える。
「俺が剣で歌音を守り、歌音が歌で俺を支える。
”虹の歌姫(アイリス)”と”虹の守護者(アイギス)”の絆の力、今ここに見せてくれよう」
「”虹の歌姫(アイリス)”と”虹の守護者(アイギス)”が揃えば、どんな敵にも負けはしない!」
 二人の声が重なり、ウィリアムが【輝きの天龍】を召喚する。
 炎の龍が暴れまわるのと共に、ウィリアムがメカ校長先生を次々と打ち倒していく姿に、観客たちは熱狂する。
 ウィリアムが最後のメカ校長を倒すと、観客席からこの試合一番の歓声があがった。
 虹の歌姫と虹の守護者――二人の絆は見るものの心に確かに刻まれたのだった。
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