フェイトスター☆ファイトクラブ ファイナルマッチ
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【4】応援はいたるところで
瑞己との試合を前に、堀田 小十郎は控室で、睡蓮寺 陽介と睡蓮寺 小夜の激励を受けていた。
「夢を見つけた……そういったおめぇがこうやって自分の夢の為に邁進する姿ってのはすげぇ、カッコいいぜ」
陽介は、小十郎との思い出にひたりながら、しみじみと呟く。
昔はどこかつまらなさそうに道場で稽古をしているだけの小十郎に反感を抱いていたものだが、今は違う。
自分の武がどこまで通じるか試したい――そう、自分の想いを遠慮なく告げてくれた小十郎を、心の底から応援している。
本当は、大会に出て自分も小十郎と戦ってみたいという想いもあったが、今は小十郎の意思を尊重してやりたかった。
「陽介、小夜……行ってくる。
二人や応援してくれる麦倉達に恥じぬ戦いをすると誓おう」
そう告げる小十郎に、陽介と小夜も頷く。
「今のおめぇの顔は最高に活かしてるぜ! 行ってこい、おめぇの武ここから魅させてもらうからよ!」
「心を込めて応援します……十くんの戦い、ここで見守ってるね……」
小夜も、小十郎を心配する気持ちは押し殺して、笑顔で小十郎を戦いに送り出した。
戦いのステージへと上がる小十郎の背を見送って、二人は観客席へと移動する。
一方の観客席。
こちらにも、小十郎の応援に勢を出している者がいた。
「なあ、誰応援していいか分からないならこの選手どうかな?」
麦倉 淳が、観客席で選手たちの話題で盛り上がっている若い女性客の三人組に声をかけると、
その横からすかさず栗村 かたりが【特製アイドル名鑑】「まるっと解析☆堀田小十郎」を差し出した。
「ほったせんぱい、ホントにすごくてかっこよくて強いなの♪」
かたりがにっこりと差し出した雑誌を受け取った彼女たちは、ページをめくって口々に感想を言い合う。
「へえ、いいんじゃない?」
「うんうん。渋くていい感じ」
「実は、私も小十郎さんのことは応援してるんだけど、
試合のこととかはよく分からなくて……」
小十郎のファンだと言う彼女には、古十郎の基礎情報を与える必要はない。
「だったら、これ読んでみて」
淳は今回のファイナルマッチのガイド本と言える【週刊ビジョン】「剣と語り、剣で語る」を渡す。
「ありがとう」
雑誌を受け取った彼女は、熱心にページに目を通し始める。
「オレが小十郎の稽古に参加させてもらったときのことなんだけど、
朝から晩まで鍛錬して、終わる頃にはオレはバテバテだったのに、小十郎は息ひとつ切らしてないんだよ」
「えー? 小十郎さんってやっぱりすごいんですね」
実際に一緒に過ごしていないと知らない裏話で興味を引いて、【ダイレクトマーケティング】で確実に小十郎のファンの心を掴んでいく。
「よし、こんなものか」
淳の熱心な勧誘で、ここ一帯の観客席には、小十郎を応援してくれる人たちが大勢集まった。
小十郎の試合が近くなり、淳がそろそろ自分の席に戻ろうかという時、かたりの【たんぽぽハットインカム】に小夜からの連絡が入った。
「さよちゃんたちは、関係者席の最前列に移動したそうなの♪」
「そっか。ならこっちの応援席の様子を教えてやらないとな!」
小十郎の試合が始まると、かたりは【シャイニーオーディエンス】で観客の腕に光る輪を出現させ、光のミサンガとして小十郎を応援する気持ちを共有する。
「せんぱいの活躍は、わたしもとってもうれしいから、
ルミマルちゃんと一緒に虹色に身体を振って、お客さんと一緒に喜びたいなの♪」
小十郎が苦戦すれば【ニヴルヘイムの淡光】で客席の不安を取り除き、小十郎が優勢に立てば、
【ルミレインボー】と【アディショナルルミライト】で全身で喜びを表現する。
そんなかたりと、かたりに誘われるように応援のボルテージを上げている観客席に様子を、淳は【照明係の小人君】を通して、
試合場の近くにいる小夜と陽介に送る。しかし、照明係の小人君の仕事はこれだけではない。
「がんばれ、照明係の小人君!」
淳は会場の様子を伝える代わりに陽介たちから伝えられてくる間近の試合実況に合わせて、小人君を通じて観客それぞれのスマホやタブレットにも
試合のハイライトやリプレイとして一次的に流す。
「かたりちゃん達の応援が聞こえる…
わたしも、想いを込めたウタを十くんに届けよう…」
インカムを通して伝わって来る観客席の盛り上がりに勇気づけられ、小夜も負けじと小十郎の為に、【奏】と一緒に【一番星のセレナーデ】のウタを奏でる。
(十くんは、わたしの歌を「力がでるって」言ってくれたから…)
懸命に歌う小夜と、精一杯戦う小十郎の様子を、陽介は【ムーディ・フレグランス】と【スペルワーディング】で臨場感たっぷりに実況する。
その様子は逐一小夜とかたりのインカムを通した意思疎通によって、お互いに情報としてやり取りされ、客席にリアルタイムで直接働きかける応援は大いに盛り上がった。
瑞己との試合を前に、堀田 小十郎は控室で、睡蓮寺 陽介と睡蓮寺 小夜の激励を受けていた。
「夢を見つけた……そういったおめぇがこうやって自分の夢の為に邁進する姿ってのはすげぇ、カッコいいぜ」
陽介は、小十郎との思い出にひたりながら、しみじみと呟く。
昔はどこかつまらなさそうに道場で稽古をしているだけの小十郎に反感を抱いていたものだが、今は違う。
自分の武がどこまで通じるか試したい――そう、自分の想いを遠慮なく告げてくれた小十郎を、心の底から応援している。
本当は、大会に出て自分も小十郎と戦ってみたいという想いもあったが、今は小十郎の意思を尊重してやりたかった。
「陽介、小夜……行ってくる。
二人や応援してくれる麦倉達に恥じぬ戦いをすると誓おう」
そう告げる小十郎に、陽介と小夜も頷く。
「今のおめぇの顔は最高に活かしてるぜ! 行ってこい、おめぇの武ここから魅させてもらうからよ!」
「心を込めて応援します……十くんの戦い、ここで見守ってるね……」
小夜も、小十郎を心配する気持ちは押し殺して、笑顔で小十郎を戦いに送り出した。
戦いのステージへと上がる小十郎の背を見送って、二人は観客席へと移動する。
一方の観客席。
こちらにも、小十郎の応援に勢を出している者がいた。
「なあ、誰応援していいか分からないならこの選手どうかな?」
麦倉 淳が、観客席で選手たちの話題で盛り上がっている若い女性客の三人組に声をかけると、
その横からすかさず栗村 かたりが【特製アイドル名鑑】「まるっと解析☆堀田小十郎」を差し出した。
「ほったせんぱい、ホントにすごくてかっこよくて強いなの♪」
かたりがにっこりと差し出した雑誌を受け取った彼女たちは、ページをめくって口々に感想を言い合う。
「へえ、いいんじゃない?」
「うんうん。渋くていい感じ」
「実は、私も小十郎さんのことは応援してるんだけど、
試合のこととかはよく分からなくて……」
小十郎のファンだと言う彼女には、古十郎の基礎情報を与える必要はない。
「だったら、これ読んでみて」
淳は今回のファイナルマッチのガイド本と言える【週刊ビジョン】「剣と語り、剣で語る」を渡す。
「ありがとう」
雑誌を受け取った彼女は、熱心にページに目を通し始める。
「オレが小十郎の稽古に参加させてもらったときのことなんだけど、
朝から晩まで鍛錬して、終わる頃にはオレはバテバテだったのに、小十郎は息ひとつ切らしてないんだよ」
「えー? 小十郎さんってやっぱりすごいんですね」
実際に一緒に過ごしていないと知らない裏話で興味を引いて、【ダイレクトマーケティング】で確実に小十郎のファンの心を掴んでいく。
「よし、こんなものか」
淳の熱心な勧誘で、ここ一帯の観客席には、小十郎を応援してくれる人たちが大勢集まった。
小十郎の試合が近くなり、淳がそろそろ自分の席に戻ろうかという時、かたりの【たんぽぽハットインカム】に小夜からの連絡が入った。
「さよちゃんたちは、関係者席の最前列に移動したそうなの♪」
「そっか。ならこっちの応援席の様子を教えてやらないとな!」
小十郎の試合が始まると、かたりは【シャイニーオーディエンス】で観客の腕に光る輪を出現させ、光のミサンガとして小十郎を応援する気持ちを共有する。
「せんぱいの活躍は、わたしもとってもうれしいから、
ルミマルちゃんと一緒に虹色に身体を振って、お客さんと一緒に喜びたいなの♪」
小十郎が苦戦すれば【ニヴルヘイムの淡光】で客席の不安を取り除き、小十郎が優勢に立てば、
【ルミレインボー】と【アディショナルルミライト】で全身で喜びを表現する。
そんなかたりと、かたりに誘われるように応援のボルテージを上げている観客席に様子を、淳は【照明係の小人君】を通して、
試合場の近くにいる小夜と陽介に送る。しかし、照明係の小人君の仕事はこれだけではない。
「がんばれ、照明係の小人君!」
淳は会場の様子を伝える代わりに陽介たちから伝えられてくる間近の試合実況に合わせて、小人君を通じて観客それぞれのスマホやタブレットにも
試合のハイライトやリプレイとして一次的に流す。
「かたりちゃん達の応援が聞こえる…
わたしも、想いを込めたウタを十くんに届けよう…」
インカムを通して伝わって来る観客席の盛り上がりに勇気づけられ、小夜も負けじと小十郎の為に、【奏】と一緒に【一番星のセレナーデ】のウタを奏でる。
(十くんは、わたしの歌を「力がでるって」言ってくれたから…)
懸命に歌う小夜と、精一杯戦う小十郎の様子を、陽介は【ムーディ・フレグランス】と【スペルワーディング】で臨場感たっぷりに実況する。
その様子は逐一小夜とかたりのインカムを通した意思疎通によって、お互いに情報としてやり取りされ、客席にリアルタイムで直接働きかける応援は大いに盛り上がった。