レジェンドハーモニクス!
リアクション公開中!
リアクション
■流石に介入しないとマズイので、本気出します
「あぁもう、ホント、グリム兄弟はお馬鹿ですね!? そういうところが可愛くてドチャクソ萌え――コホン。
とにかく。彼らのことはお任せして、わたしは神様とドラキュラさんの戦いに介入しましょう」
空中実況席のやり取りを垣間見ていた狛込 めじろが思わず取り乱してしまったのを反省して、神様とドラキュラ女伯爵の文字通り、目にも留まらぬ交戦模様を観察する。これはどちらかを倒すのではなく、できるだけ決着を遅らせるための戦い。
「そのためにこちらの、二通りの手段でもって立ち向かいましょう」
片方は、幻影の鳥の群れを呼び出すもの。もう片方は本物の、獰猛な猛禽類の群れを呼び出すもの。この二つを使い分け、二人に余計な行動を取らせれば、決定的な場面を遅らせることができるだろう。
「では――いざ!」
まずは二人の元へ、猛禽類を向かわせる。
「ッ! これはお前の仕業か、答えなさい!」
「僕も襲われてるんだから違うでしょー。あぁほら仲良くね? 僕たちお友達でしょ?」
「ハッハッハ! 思い切り突かれているではないか!」
「そういう君もね。ていうか痛くない? 普通に穴開いてるし」
「この程度でお互い、死ぬようなタマか」
「そうだったね、君は昔からホント、タフだったよ。だから君には死んでほしくなかったんだよね」
身体中をめった刺しにされながら、二人が昔話に花を咲かせる。
「んーと……まぁ、当初の目的は果たせているのでいいのですが、あまりに見た目がアレなので癒しておきましょう」
流石に全身穴だらけのままではよい子のみんなのトラウマになりそうなので、めじろが二人に蘇生すら可能とする癒しの力を施し、少し傷を負った程度まで回復させた。
「おぉ~、やってるやってる♪ こんなすごいバトルなら、いい特訓になりそうだねっ♪」
神様とドラキュラ女伯爵のガチンコバトルを目の当たりにして、シャーロット・フルールがウキウキとした様子で身体をほぐし、バトルの準備を済ませていく。
「……つうわけで、シャロはファイトクラブのリベンジに燃えてるってわけだ。「リーニャちゃんは天使系アイドル、なら神さまに勝てればきっと勝てる」とか言ってよ。てなわけで、そんな想いをさせたお前もシャロの訓練に付き合いな」
「もっちろん! 訓練とか特訓さんはいくらでも付き合うんだよ!!
でもでも! 今年も勝つのは私なの!! あと私の神様は神様じゃなくて神様だから、神様に勝っても私に勝てるとはかぎんないのー!!
……あれ? 神様いっぱいでわかんなくなってきた……」
ひとりでに目を回しているリーニャ・クラフレットをひとしきり嘲笑ってから、アレクス・エメロードが気がかりな視線をシャーロットへ向ける。
「つっても、あんまひでぇ怪我はしてほしくねぇんだよな……。神様とだけならまだなんとかなるかもしれねぇが、気になるのはドラキュラの方か」
神様と本格的に交戦すれば、ドラキュラ女伯爵が背後を襲ってくる可能性は高い。そうさせないためにも守る役が必要だとアレクスは判断し、準備を進める。
「わたしは神様の呪いを解けるライブを届ける役だね! どっちかが本当に死んじゃう前に止められるように、がんばるね!」
「あぁ。だが歌音が狙われてしまっては元も子もない。俺が守りに入るが歌音、危険だと判断したらすぐに逃げるんだぞ」
ライブの準備を進める虹村 歌音へ、ウィリアム・ヘルツハフトが気遣う言葉をかける。これだけ広範囲を巻き込む戦いゆえに、離れた場所に居ても影響を受けないとも限らない。
「うん! シャロちゃんもリーニャちゃんも、アレクスくんも気をつけて、がんばって!」
歌音の声援を受けたシャーロットがぶんぶん、と手を振ってから、偉大な天使を模した翼を広げ空に飛び出す。
「神様、ボクの特訓に付き合ってにゃ~」
「いいけど、僕本気だよ? すっごく強いよ?」
「だいじょぶだいじょぶ♪ ボク頑丈だし、最悪アレクちゃんがなんとかしてくれるから♪」
背後でアレクスが無茶振りすんなとか言っている気がしたが無視して、シャーロットが周囲に十三の光の十字架を展開させる。
「それじゃ……バトル、スタートっ♪」
シャーロットが開始の合図を告げた直後、神様から聖なるびーむが発射される。十の筋がシャーロットに迫るのを、シャーロットは展開させていた十字架のうち十個を砲台にしてビームを撃ち、相殺する。
「びーむにはびーむ、そして剣には剣っ!」
神様もそれで決着がつくとは思っていなかったのだろう、光の剣を出現させて近接戦に突入する。互いの剣と剣がぶつかる度に振動が生まれ、空間を震わせていった。
「お前たち、邪魔するな!」
「へっ、邪魔するなって言ったって聞けないね! どうしても行きたきゃ俺を倒してからにしな!」
神様と戦うシャーロットを襲おうとしたドラキュラ女伯爵が、片手剣と盾を構えたスタイルのアレクスに激しい突風を受けて阻まれる。本人は姫を守る騎士気取りだが、リーニャがクスッ、と笑ってツッコミを入れる。
「ツン髪くんはナイト、っていうよりどっかのイタズラこぞーがお似合いなの! 騎士が似合うのはウィリアムさん!」
「あぁん? 言うじゃねぇか白いの。ま、ウィリアムが騎士なのは否定しねぇけどな。
お兄さんが守ってやろうかオチビちゃん? けけけ♪」
「むかーーーっ!! ツン髪くんうるさい!! ツン髪くんも巻き込んで縮めちゃうんだよ!?」
遠くで剣戟を繰り広げていたシャーロットと神様だが、シャーロットが若干上回り神様をリーニャの効果範囲へと吹き飛ばす。そこへリーニャが球体空間に包み込み、超重力で押し潰そうとする。
「うおっ!? 俺まで巻き込もうとすんじゃねぇぇ!?」
「ツン髪くんがおとーとでしょ!! それにさっきの突風でドラキュラさんの服脱げてたの!! このむっつりスケベ!!」
「どうしてそこで白いのが怒るんだよ、スケベでもねぇし服が脱げるのは不可抗力だ! いい加減にしねぇとてめぇだけ回復してやらねぇぞ!?」
「むー……回復なしはやなの……しょうがないの。ツン髪くん巻き込むのはやめとくの」
渋々といった体で、リーニャが球体の維持に精神を集中させる。それでも神様が「本気だよ」と言ったのは嘘ではなかったようで、瞬く間に球体にヒビが入り、脱出されそうになる。
「させん!」
そこにウィリアムが純白の光の十字架を生み出し、球体ごと神様を地面に突き刺す。そしていち早く駆け寄り、神をも殺すという聖具に怒れる神の代行である雷を纏わせ、上空に戻ろうとしていた神様に斬りかかる。
「ちょっと痛いかもだけど、ごめんなさいっ!」
背後からリーニャが急降下で、巨大な黒い刃を持つ大鎌を神様の羽目掛けて振り下ろす。これで一時的にせよ、神様に自由な飛行をさせなくすることができた。
「そして登場、シャロちゃんクロスカウンター!!」
最後に降りてきたシャーロットが拳に十字架の烙印を浮かばせ、聖なる力でもって殴りつける。だが神様も反応を返し、互いの拳が互いの頬を捉える。
「シャ、シャロ!?」
慌てて駆け寄ったアレクスの目の前で、シャーロットと神様が揃って崩れ落ちた――。
「……う、うーん」
「おい、起きろ! 起きろってば!」
ゆっくりと目を開けたシャーロットの焦点がゆっくりと定まっていき、心配した様子のアレクスを捉える。
「アレクちゃん……? ……あーそっか、ボク、相打ちで――いちち」
最期の時を思い出したシャーロットが、首と頬の辺りを抑えながら苦笑いする。あれだけ追い込まれてもなお、シャーロットを一撃で瀕死まで持っていくだけの威力を出せるのだから、やっぱり本気の神様は強かった。
「神さま強いにゃ~。アレクちゃん、手当ありがと。えへへ……♪」
「まったく、心配させんじゃねぇっつうの」
「むふふ~、心配してくれたんだ、嬉しいな~」
「ばっ! ち、ちげえっての!」
スリスリと近寄ろうとするシャーロットを、アレクスが本気で――いや、本気を出すとまた怪我をさせそうなのでギリギリ本気じゃない力で遠ざけようとする。
「うーん、お腹いっぱい。めでたしめでたし、っと」
「……歌音、わざとやっているのか? 神様の呪いはまだ解けていないぞ」
「あっ! ……だ、大丈夫だよウィルさん、忘れてなんかいないよ?」
ウィリアムからの疑惑の眼差しに冷や汗をかきつつ、歌音がライブを始める。手始めに神様が横たわっている地面にカラフルな木々や花を芽吹かせ、ちょっとした森のような空間を演出する。
「なんか、埋葬してるみてぇだな」
「しっ! そういうこと言っちゃダメなの!」
続けて、かつてネヴァーランドでアイドルたちが活躍した様を民謡にした歌を歌いながら、そこに呪文を混ぜることで飛び出してきた楽器を持った魔物に、一緒に踊ってもらう。
「わ~楽しそう~。ボクも混ざっていい?」
「やめておけ、いま下手に動けば首が落ちるぞ」
辺りは草花の歌声と魔物たちのダンスで満ち溢れ、実にネヴァーランドらしい、賑やかで楽しく、平和な様が作られた。
「ねぇ神様。あなたが頑張って作り上げたこの世界は、とっても平和で楽しい世界だよ。草花たちも、魔物のみんなも、こんなに楽しそうに歌って踊ってる。
神様だって、この世界の皆のこと大好きだよね。だから、変な呪いなんかに負けないで!
神様がどれだけこの世界を愛しているのか、みんなに見せつけてあげようよ!」
「あぁもう、ホント、グリム兄弟はお馬鹿ですね!? そういうところが可愛くてドチャクソ萌え――コホン。
とにかく。彼らのことはお任せして、わたしは神様とドラキュラさんの戦いに介入しましょう」
空中実況席のやり取りを垣間見ていた狛込 めじろが思わず取り乱してしまったのを反省して、神様とドラキュラ女伯爵の文字通り、目にも留まらぬ交戦模様を観察する。これはどちらかを倒すのではなく、できるだけ決着を遅らせるための戦い。
「そのためにこちらの、二通りの手段でもって立ち向かいましょう」
片方は、幻影の鳥の群れを呼び出すもの。もう片方は本物の、獰猛な猛禽類の群れを呼び出すもの。この二つを使い分け、二人に余計な行動を取らせれば、決定的な場面を遅らせることができるだろう。
「では――いざ!」
まずは二人の元へ、猛禽類を向かわせる。
「ッ! これはお前の仕業か、答えなさい!」
「僕も襲われてるんだから違うでしょー。あぁほら仲良くね? 僕たちお友達でしょ?」
「ハッハッハ! 思い切り突かれているではないか!」
「そういう君もね。ていうか痛くない? 普通に穴開いてるし」
「この程度でお互い、死ぬようなタマか」
「そうだったね、君は昔からホント、タフだったよ。だから君には死んでほしくなかったんだよね」
身体中をめった刺しにされながら、二人が昔話に花を咲かせる。
「んーと……まぁ、当初の目的は果たせているのでいいのですが、あまりに見た目がアレなので癒しておきましょう」
流石に全身穴だらけのままではよい子のみんなのトラウマになりそうなので、めじろが二人に蘇生すら可能とする癒しの力を施し、少し傷を負った程度まで回復させた。
「おぉ~、やってるやってる♪ こんなすごいバトルなら、いい特訓になりそうだねっ♪」
神様とドラキュラ女伯爵のガチンコバトルを目の当たりにして、シャーロット・フルールがウキウキとした様子で身体をほぐし、バトルの準備を済ませていく。
「……つうわけで、シャロはファイトクラブのリベンジに燃えてるってわけだ。「リーニャちゃんは天使系アイドル、なら神さまに勝てればきっと勝てる」とか言ってよ。てなわけで、そんな想いをさせたお前もシャロの訓練に付き合いな」
「もっちろん! 訓練とか特訓さんはいくらでも付き合うんだよ!!
でもでも! 今年も勝つのは私なの!! あと私の神様は神様じゃなくて神様だから、神様に勝っても私に勝てるとはかぎんないのー!!
……あれ? 神様いっぱいでわかんなくなってきた……」
ひとりでに目を回しているリーニャ・クラフレットをひとしきり嘲笑ってから、アレクス・エメロードが気がかりな視線をシャーロットへ向ける。
「つっても、あんまひでぇ怪我はしてほしくねぇんだよな……。神様とだけならまだなんとかなるかもしれねぇが、気になるのはドラキュラの方か」
神様と本格的に交戦すれば、ドラキュラ女伯爵が背後を襲ってくる可能性は高い。そうさせないためにも守る役が必要だとアレクスは判断し、準備を進める。
「わたしは神様の呪いを解けるライブを届ける役だね! どっちかが本当に死んじゃう前に止められるように、がんばるね!」
「あぁ。だが歌音が狙われてしまっては元も子もない。俺が守りに入るが歌音、危険だと判断したらすぐに逃げるんだぞ」
ライブの準備を進める虹村 歌音へ、ウィリアム・ヘルツハフトが気遣う言葉をかける。これだけ広範囲を巻き込む戦いゆえに、離れた場所に居ても影響を受けないとも限らない。
「うん! シャロちゃんもリーニャちゃんも、アレクスくんも気をつけて、がんばって!」
歌音の声援を受けたシャーロットがぶんぶん、と手を振ってから、偉大な天使を模した翼を広げ空に飛び出す。
「神様、ボクの特訓に付き合ってにゃ~」
「いいけど、僕本気だよ? すっごく強いよ?」
「だいじょぶだいじょぶ♪ ボク頑丈だし、最悪アレクちゃんがなんとかしてくれるから♪」
背後でアレクスが無茶振りすんなとか言っている気がしたが無視して、シャーロットが周囲に十三の光の十字架を展開させる。
「それじゃ……バトル、スタートっ♪」
シャーロットが開始の合図を告げた直後、神様から聖なるびーむが発射される。十の筋がシャーロットに迫るのを、シャーロットは展開させていた十字架のうち十個を砲台にしてビームを撃ち、相殺する。
「びーむにはびーむ、そして剣には剣っ!」
神様もそれで決着がつくとは思っていなかったのだろう、光の剣を出現させて近接戦に突入する。互いの剣と剣がぶつかる度に振動が生まれ、空間を震わせていった。
「お前たち、邪魔するな!」
「へっ、邪魔するなって言ったって聞けないね! どうしても行きたきゃ俺を倒してからにしな!」
神様と戦うシャーロットを襲おうとしたドラキュラ女伯爵が、片手剣と盾を構えたスタイルのアレクスに激しい突風を受けて阻まれる。本人は姫を守る騎士気取りだが、リーニャがクスッ、と笑ってツッコミを入れる。
「ツン髪くんはナイト、っていうよりどっかのイタズラこぞーがお似合いなの! 騎士が似合うのはウィリアムさん!」
「あぁん? 言うじゃねぇか白いの。ま、ウィリアムが騎士なのは否定しねぇけどな。
お兄さんが守ってやろうかオチビちゃん? けけけ♪」
「むかーーーっ!! ツン髪くんうるさい!! ツン髪くんも巻き込んで縮めちゃうんだよ!?」
遠くで剣戟を繰り広げていたシャーロットと神様だが、シャーロットが若干上回り神様をリーニャの効果範囲へと吹き飛ばす。そこへリーニャが球体空間に包み込み、超重力で押し潰そうとする。
「うおっ!? 俺まで巻き込もうとすんじゃねぇぇ!?」
「ツン髪くんがおとーとでしょ!! それにさっきの突風でドラキュラさんの服脱げてたの!! このむっつりスケベ!!」
「どうしてそこで白いのが怒るんだよ、スケベでもねぇし服が脱げるのは不可抗力だ! いい加減にしねぇとてめぇだけ回復してやらねぇぞ!?」
「むー……回復なしはやなの……しょうがないの。ツン髪くん巻き込むのはやめとくの」
渋々といった体で、リーニャが球体の維持に精神を集中させる。それでも神様が「本気だよ」と言ったのは嘘ではなかったようで、瞬く間に球体にヒビが入り、脱出されそうになる。
「させん!」
そこにウィリアムが純白の光の十字架を生み出し、球体ごと神様を地面に突き刺す。そしていち早く駆け寄り、神をも殺すという聖具に怒れる神の代行である雷を纏わせ、上空に戻ろうとしていた神様に斬りかかる。
「ちょっと痛いかもだけど、ごめんなさいっ!」
背後からリーニャが急降下で、巨大な黒い刃を持つ大鎌を神様の羽目掛けて振り下ろす。これで一時的にせよ、神様に自由な飛行をさせなくすることができた。
「そして登場、シャロちゃんクロスカウンター!!」
最後に降りてきたシャーロットが拳に十字架の烙印を浮かばせ、聖なる力でもって殴りつける。だが神様も反応を返し、互いの拳が互いの頬を捉える。
「シャ、シャロ!?」
慌てて駆け寄ったアレクスの目の前で、シャーロットと神様が揃って崩れ落ちた――。
「……う、うーん」
「おい、起きろ! 起きろってば!」
ゆっくりと目を開けたシャーロットの焦点がゆっくりと定まっていき、心配した様子のアレクスを捉える。
「アレクちゃん……? ……あーそっか、ボク、相打ちで――いちち」
最期の時を思い出したシャーロットが、首と頬の辺りを抑えながら苦笑いする。あれだけ追い込まれてもなお、シャーロットを一撃で瀕死まで持っていくだけの威力を出せるのだから、やっぱり本気の神様は強かった。
「神さま強いにゃ~。アレクちゃん、手当ありがと。えへへ……♪」
「まったく、心配させんじゃねぇっつうの」
「むふふ~、心配してくれたんだ、嬉しいな~」
「ばっ! ち、ちげえっての!」
スリスリと近寄ろうとするシャーロットを、アレクスが本気で――いや、本気を出すとまた怪我をさせそうなのでギリギリ本気じゃない力で遠ざけようとする。
「うーん、お腹いっぱい。めでたしめでたし、っと」
「……歌音、わざとやっているのか? 神様の呪いはまだ解けていないぞ」
「あっ! ……だ、大丈夫だよウィルさん、忘れてなんかいないよ?」
ウィリアムからの疑惑の眼差しに冷や汗をかきつつ、歌音がライブを始める。手始めに神様が横たわっている地面にカラフルな木々や花を芽吹かせ、ちょっとした森のような空間を演出する。
「なんか、埋葬してるみてぇだな」
「しっ! そういうこと言っちゃダメなの!」
続けて、かつてネヴァーランドでアイドルたちが活躍した様を民謡にした歌を歌いながら、そこに呪文を混ぜることで飛び出してきた楽器を持った魔物に、一緒に踊ってもらう。
「わ~楽しそう~。ボクも混ざっていい?」
「やめておけ、いま下手に動けば首が落ちるぞ」
辺りは草花の歌声と魔物たちのダンスで満ち溢れ、実にネヴァーランドらしい、賑やかで楽しく、平和な様が作られた。
「ねぇ神様。あなたが頑張って作り上げたこの世界は、とっても平和で楽しい世界だよ。草花たちも、魔物のみんなも、こんなに楽しそうに歌って踊ってる。
神様だって、この世界の皆のこと大好きだよね。だから、変な呪いなんかに負けないで!
神様がどれだけこの世界を愛しているのか、みんなに見せつけてあげようよ!」