レジェンドハーモニクス!
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リアクション
■Mr.ウィンターのもう一つの企みを阻止せよ!
『ノイズでできた人形――ノイズパペッツと呼ばせてもらおう、彼らがアルカディアドライバーの基底部を攻撃している。彼らはディーヴァの力を持っているようだ。どうせ彼らはボクらのライブなんて耳にする気はないだろう、存分に壊してしまってくれ!
場所はボクの方で追跡できている、情報を得られるようにしておくから、よろしく頼んだよ!』
ドクタークルークの言葉通り、騒がしいほどのノイズを伴った黒い二頭身の人形――ノイズパペッツ――がアルカディアドライバーの基底部を削り取るように攻撃していた。
『あれですマスター! ……やはりこちらの呼びかけに反応しませんね。
ためらう必要はありませんマスター、こんな危険物、破壊してしまいましょう!』
ノイズパペッツの特徴をナレッジ・ディアより伝えられたクロティア・ライハがわかったわ、と頷いて、脚にハルモニアの光を集める。
「結構強そうだし、戦闘なんて苦手だけど……この上にはみんながいるからね!」
脚に取り付けた武装楽器が準備完了の合図を放ち、クロティアが脚を一閃して拳大の球状に固められたハルモニアを発射、破壊活動を行っていたノイズパペッツの下半身を砕く。
『――――!!』
攻撃されていると判断したノイズパペッツが奇声――とすら呼んでいいのかわからないほど耳障りな音を響かせ、一斉にクロティアへ振り向いた。
「……確かに、壊すのにためらいはないわね」
とても愛でたいとは思えない、可愛さの欠片もない人形の、主に下半身を狙ってクロティアが攻撃を繰り出す。
『ナレッジも支援します! マスターばかりに苦労はさせませんよ!』
ナレッジもブレードを装着したドローン群を操作し、クロティアの支援を行う。ノイズパペッツもただやられるばかりではなく、自身に纏わせたディスコードで防いだり、つむじ風を起こして反撃を行ってきた。そして下半身を破壊されても、上半身だけになっても行動を続け、なおもアルカディアドライバーにダメージを与え続けていた。
『護衛対象の耐久値、いまも減少中です!』
「完全にトドメを刺すまで攻撃しろってことですね!」
ならばと、クロティアが地面を蹴って空中に飛び上がる。そこに多数のディスコードが放たれるが、ナレッジがハルモニアをクロティアの周囲に張り巡らせることでそれらを防ぎ切る。
「メテオスタンプ!」
壁を蹴り、上半身だけになったノイズパペッツへ落下の勢いを乗せた攻撃を放つ。
「追撃のダンシングスタンプ!」
そこからの連続攻撃で、文字通りバラバラになったノイズパペッツはようやく、動きを止めた。
『マスター、お見事です! ハイスコアですね!』
「全く……ハルモニアやユニゾンで身体強化してなかったら足が壊れるわよ、こんな荒業……」
ナレッジの称賛を受けつつ、反撃を受ける前に離脱する。
「ハッ!」
緑青 木賊が拳を突き出す仕草に応じて、ハルモニアの燐光を纏った拳のマシンパーツがノイズパペッツを殴りつける。横合いから殴られる形になったノイズパペッツの首がもげ、しかしなおアルカディアドライバーへの破壊行動は止まらない。
「ならば、これで!」
マシンパーツを自身に引き戻しつつ、木賊は踏み込みからの拳――ハルモニアを纏う鉤爪がついたマシンパーツを突き出し、胴体に穴を開ける。これでようやく活動を停止したノイズパペッツが地面に崩れ落ちるのを見遣り、木賊がふぅ、と息を吐いた。
「しかし……あの時折てれびでお見かけした壮年のおのこが、大人の恋だとかあばん……何であったか。
もしや、あのような振る舞いや言い回しがおのこらしさの一つであられる……!?」
ここに来る前に見かけた、Mr.ウィンターの姿を思い返しつつ、木賊がうんうん、と悩み抜いていると、新たなノイズパペッツがディスコードを伴って現れた。
「ハッ!」
しかしそんな状況であっても、木賊は抜かることなく拳のマシンパーツを射出して迎撃する。
「いや、精神破壊――でーぶい? 的な行いはおのこらしくない。父上もあのような発言をしておる所を見たことがない。
……うむむ、難しい」
マシンパーツを引き戻し、再度放つ。するとノイズパペッツは、自身に纏わせたディスコードでそれを防いできた。
「むっ、武闘派がおるな。ひとまず先送りにせねば」
機会があったら確認はしておこう、と思いつつ、木賊はディスコードを放出するノイズパペッツに接近する――。
虎の姿をしたDフレームの背中から、ハルモニアの弾がばらまかれる。それらに撃ち抜かれたノイズパペッツがあるものは腕を、あるものは脚を失い地面に崩れ落ちる。
「行動は阻害できるけど、一発で破壊までは持っていけない感じかな。それでもこれだけの数だ、十分効果はあるはず――」
『もー、ライブじゃなくてバトル、私の方に旨味がないじゃないですかー! 歌わせてくださいよ樹さんっ。
前々から思ってたんですけど樹さん、推し以外の扱いがあまりにも雑すぎると思いますよっ! 待遇改善を求めますっ』
戦果を確認していた橘 樹の思考に割り込むように、芹沢 葉月の声が響く。
「ごめんごめん、でも歌はちょっと……。
あっ、でもこんな話を聞いたことがあるよ。芹沢さんがユニゾンした虎があまりに可愛いので何かに目覚めそうだって。そういうジャンルもあるみたいだし、これもアイドル活動ってことで」
『……なるほど、それは一理ありますね。仕方ありませんね、協力してあげましょう!』
ふふん、と得意げに胸を逸らしながら言ってそうな様子で、葉月がユニゾンした虎を操り、ノイズパペッツに猛攻を加える。時折可愛げな仕草を混ぜるのは樹を苦笑させたが、それ以外は満足の行く動きをしてくれていた。
「広範囲への対処は芹沢さんに任せて、僕は――」
視線をぐるり、と巡らせ、いままさにアルカディアドライバーへ攻撃をしようとしているノイズパペッツを探し出す。
「――見つけた!」
数多のノイズパペッツの残骸に紛れる形で、身体の一部分を失いながらも行動を続けるノイズパペッツが、アルカディアドライバーへの攻撃を行おうとしていた。そのノイズパペッツに狙いを定め、樹が麻痺性を伴ったハルモニアを射出する。
『!―― ――――』
ハルモニアがノイズパペッツに届き、ビクン、と一瞬身体を震わせたノイズパペッツがそのまま動かなくなる。そして樹の行動に気付いた葉月がトドメを刺し、完全に動かなくなった。
『撃ち漏らしがあったみたいですね。すみません樹さん』
「ああいや、気にしないで芹沢さん。芹沢さんはそのまま、広範囲への対処を続けてていいよ」
ぺこり、と頭を下げていそうな葉月に頭を振って、労いの言葉をかける。数が数だけに、どうしたって一体二体は撃ち漏らしが生じる状況であり、葉月が前線を担当してくれるからこそ、樹が集中してその撃ち漏らしを見つけることができていた。
「みんなのライブが成功するように、こっちはこっちで頑張ろう。事が済んだら、芹沢さんもライブできるんじゃないかな?」
『本当ですか!? 私覚えましたからね、絶対ですよ!』
葉月の食いつきに、うっかり口を滑らせたかなと樹は苦笑いしつつ、なんとか時間を作ってもらえるように掛け合ってみようか、と思うのであった。
『ノイズでできた人形――ノイズパペッツと呼ばせてもらおう、彼らがアルカディアドライバーの基底部を攻撃している。彼らはディーヴァの力を持っているようだ。どうせ彼らはボクらのライブなんて耳にする気はないだろう、存分に壊してしまってくれ!
場所はボクの方で追跡できている、情報を得られるようにしておくから、よろしく頼んだよ!』
ドクタークルークの言葉通り、騒がしいほどのノイズを伴った黒い二頭身の人形――ノイズパペッツ――がアルカディアドライバーの基底部を削り取るように攻撃していた。
『あれですマスター! ……やはりこちらの呼びかけに反応しませんね。
ためらう必要はありませんマスター、こんな危険物、破壊してしまいましょう!』
ノイズパペッツの特徴をナレッジ・ディアより伝えられたクロティア・ライハがわかったわ、と頷いて、脚にハルモニアの光を集める。
「結構強そうだし、戦闘なんて苦手だけど……この上にはみんながいるからね!」
脚に取り付けた武装楽器が準備完了の合図を放ち、クロティアが脚を一閃して拳大の球状に固められたハルモニアを発射、破壊活動を行っていたノイズパペッツの下半身を砕く。
『――――!!』
攻撃されていると判断したノイズパペッツが奇声――とすら呼んでいいのかわからないほど耳障りな音を響かせ、一斉にクロティアへ振り向いた。
「……確かに、壊すのにためらいはないわね」
とても愛でたいとは思えない、可愛さの欠片もない人形の、主に下半身を狙ってクロティアが攻撃を繰り出す。
『ナレッジも支援します! マスターばかりに苦労はさせませんよ!』
ナレッジもブレードを装着したドローン群を操作し、クロティアの支援を行う。ノイズパペッツもただやられるばかりではなく、自身に纏わせたディスコードで防いだり、つむじ風を起こして反撃を行ってきた。そして下半身を破壊されても、上半身だけになっても行動を続け、なおもアルカディアドライバーにダメージを与え続けていた。
『護衛対象の耐久値、いまも減少中です!』
「完全にトドメを刺すまで攻撃しろってことですね!」
ならばと、クロティアが地面を蹴って空中に飛び上がる。そこに多数のディスコードが放たれるが、ナレッジがハルモニアをクロティアの周囲に張り巡らせることでそれらを防ぎ切る。
「メテオスタンプ!」
壁を蹴り、上半身だけになったノイズパペッツへ落下の勢いを乗せた攻撃を放つ。
「追撃のダンシングスタンプ!」
そこからの連続攻撃で、文字通りバラバラになったノイズパペッツはようやく、動きを止めた。
『マスター、お見事です! ハイスコアですね!』
「全く……ハルモニアやユニゾンで身体強化してなかったら足が壊れるわよ、こんな荒業……」
ナレッジの称賛を受けつつ、反撃を受ける前に離脱する。
「ハッ!」
緑青 木賊が拳を突き出す仕草に応じて、ハルモニアの燐光を纏った拳のマシンパーツがノイズパペッツを殴りつける。横合いから殴られる形になったノイズパペッツの首がもげ、しかしなおアルカディアドライバーへの破壊行動は止まらない。
「ならば、これで!」
マシンパーツを自身に引き戻しつつ、木賊は踏み込みからの拳――ハルモニアを纏う鉤爪がついたマシンパーツを突き出し、胴体に穴を開ける。これでようやく活動を停止したノイズパペッツが地面に崩れ落ちるのを見遣り、木賊がふぅ、と息を吐いた。
「しかし……あの時折てれびでお見かけした壮年のおのこが、大人の恋だとかあばん……何であったか。
もしや、あのような振る舞いや言い回しがおのこらしさの一つであられる……!?」
ここに来る前に見かけた、Mr.ウィンターの姿を思い返しつつ、木賊がうんうん、と悩み抜いていると、新たなノイズパペッツがディスコードを伴って現れた。
「ハッ!」
しかしそんな状況であっても、木賊は抜かることなく拳のマシンパーツを射出して迎撃する。
「いや、精神破壊――でーぶい? 的な行いはおのこらしくない。父上もあのような発言をしておる所を見たことがない。
……うむむ、難しい」
マシンパーツを引き戻し、再度放つ。するとノイズパペッツは、自身に纏わせたディスコードでそれを防いできた。
「むっ、武闘派がおるな。ひとまず先送りにせねば」
機会があったら確認はしておこう、と思いつつ、木賊はディスコードを放出するノイズパペッツに接近する――。
虎の姿をしたDフレームの背中から、ハルモニアの弾がばらまかれる。それらに撃ち抜かれたノイズパペッツがあるものは腕を、あるものは脚を失い地面に崩れ落ちる。
「行動は阻害できるけど、一発で破壊までは持っていけない感じかな。それでもこれだけの数だ、十分効果はあるはず――」
『もー、ライブじゃなくてバトル、私の方に旨味がないじゃないですかー! 歌わせてくださいよ樹さんっ。
前々から思ってたんですけど樹さん、推し以外の扱いがあまりにも雑すぎると思いますよっ! 待遇改善を求めますっ』
戦果を確認していた橘 樹の思考に割り込むように、芹沢 葉月の声が響く。
「ごめんごめん、でも歌はちょっと……。
あっ、でもこんな話を聞いたことがあるよ。芹沢さんがユニゾンした虎があまりに可愛いので何かに目覚めそうだって。そういうジャンルもあるみたいだし、これもアイドル活動ってことで」
『……なるほど、それは一理ありますね。仕方ありませんね、協力してあげましょう!』
ふふん、と得意げに胸を逸らしながら言ってそうな様子で、葉月がユニゾンした虎を操り、ノイズパペッツに猛攻を加える。時折可愛げな仕草を混ぜるのは樹を苦笑させたが、それ以外は満足の行く動きをしてくれていた。
「広範囲への対処は芹沢さんに任せて、僕は――」
視線をぐるり、と巡らせ、いままさにアルカディアドライバーへ攻撃をしようとしているノイズパペッツを探し出す。
「――見つけた!」
数多のノイズパペッツの残骸に紛れる形で、身体の一部分を失いながらも行動を続けるノイズパペッツが、アルカディアドライバーへの攻撃を行おうとしていた。そのノイズパペッツに狙いを定め、樹が麻痺性を伴ったハルモニアを射出する。
『!―― ――――』
ハルモニアがノイズパペッツに届き、ビクン、と一瞬身体を震わせたノイズパペッツがそのまま動かなくなる。そして樹の行動に気付いた葉月がトドメを刺し、完全に動かなくなった。
『撃ち漏らしがあったみたいですね。すみません樹さん』
「ああいや、気にしないで芹沢さん。芹沢さんはそのまま、広範囲への対処を続けてていいよ」
ぺこり、と頭を下げていそうな葉月に頭を振って、労いの言葉をかける。数が数だけに、どうしたって一体二体は撃ち漏らしが生じる状況であり、葉月が前線を担当してくれるからこそ、樹が集中してその撃ち漏らしを見つけることができていた。
「みんなのライブが成功するように、こっちはこっちで頑張ろう。事が済んだら、芹沢さんもライブできるんじゃないかな?」
『本当ですか!? 私覚えましたからね、絶対ですよ!』
葉月の食いつきに、うっかり口を滑らせたかなと樹は苦笑いしつつ、なんとか時間を作ってもらえるように掛け合ってみようか、と思うのであった。