母なる神に捧ぐ舞
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リアクション
【1-3】
「──【陰気:氷妖化】!!」
再び燃え盛る炎を鎮めるべく、加賀 ノイが妖の血の力を解放した。
凍てつく霰が黄泉神たちの周囲に噴き放たれ、炎はたちまち勢いを失っていく。
そのタイミングを見計らっていたのか、ノイは足元を狙って蛇を地面に這いつくばらせるような攻撃を食らわせた。
「ありがとノイ!!」
続いて界塚 ツカサが【無常迅速】で追い打ちをかける。
背負っていた【風魔手裏剣・朧】に手を添え、独楽のように体をくるくると回転させてから黄泉神たちに向かって投げつけた。
遠心力と風の力を含んだ手裏剣は一体の黄泉神の蛇の足を鋭く捉え、地面に突き刺さってその動きを制する。
ノイが【神命天羽々斬】による遠距離からの攻撃を食らわせると、黄泉神との間合いを詰めながら、黒瀬 心美が携えた水の神刀【神涙刀サワメ】をゆっくりと構える。
彼らの蛇のような動きはなかなか先の動きを予測することができないため、迂闊な行動をとればすぐさま死に繋がるだろう。
黄泉神たちは攻撃を回避し始める。
「キミたちの思い通りになんて、ならないからね……っ!!」
攻撃中に危険を察知したのか、ツカサが【木遁人形】を身代わりにして咄嗟に体を入れ替えた。
【木遁人形】はぱっと燃え上がり、跡形もなく崩れてしまう。
黄泉神たちがほんの少し本気を出せば、このくらいの攻撃を不意打ちで仕掛けることなどいともたやすいだろう。
ノイが攻撃を食らったが、【転瞬の拒絶】で流した血の魔力を薄く脆い盾状にし、衝撃を受け止めた。
「母親を慕うのは良い事ですが、言いなりになって他人に迷惑を掛ける行為は悪です」
ノイに言われて図星だったのか、黄泉神は再び襲いかかってくる。
「【誰何心眼】!!」
ノイから気を逸らそうと、ツカサが命中率を重視した攻撃を仕掛けている合間に、心美は【祈祷:山之神】で山に住まう神々に祈りを捧げ、自分の周囲に光の網をめぐらせた。
息を潜めて意識を集中させてから、相手の隙を伺う。
「──そこだ!!」
黄泉神の動きを見切った心美は、その攻撃をツカサと二人で【神命天羽々斬】にて迎え撃つ。
「ったく、どこまで他人に迷惑かけるんだか! 家族の喧嘩は、自分たちで解決してよね!!」
ツカサが呆れたように大きな声で言い放った。
「全くです。──今のところ、母親の意見しか聞けていないんですよね。父親の言い分を聞いた上で許せないのなら、その父親と喧嘩してきなさい。居ないからって八つ当たりで滅ぼされてはかないません」
と、ため息をつくノイ。
「なっ、何……!?」
目を凝らして見ると、心美とツカサの一刀を受けた黄泉神たちはかすかな笑みを浮かべている。
まるで自ら望んで攻撃を受けているかのようにも見えた心美は一瞬、攻撃の手がひるみそうになったが【神威ワダツミ】にて、勝負を賭ける。
そして【麒麟】を呼び覚ますと、その背に乗って天を駆け上がった。
「アンタ達が本当にイザナミの事を想うのならば、剣を引いてくれ! この世界で生まれ、この世界と共に生きる神なら……人間の行く末を、見守ってくれ!!」
天津神々の形を借りて、比類なき水の力をこめた心美の聖なる水の力は、黄泉神のみならず黄泉の国の穢れをも流し去ってしまうほどの勢いがこめられていた。
「恨みや憎しみなんて感情は振り払って……神の誇りを、威厳を取り戻せ!!」
まばゆい光が辺り一面を包み込む。
目を開けられていられなくなったイザナミは、思わず顔を覆った。
「──【陰気:氷妖化】!!」
再び燃え盛る炎を鎮めるべく、加賀 ノイが妖の血の力を解放した。
凍てつく霰が黄泉神たちの周囲に噴き放たれ、炎はたちまち勢いを失っていく。
そのタイミングを見計らっていたのか、ノイは足元を狙って蛇を地面に這いつくばらせるような攻撃を食らわせた。
「ありがとノイ!!」
続いて界塚 ツカサが【無常迅速】で追い打ちをかける。
背負っていた【風魔手裏剣・朧】に手を添え、独楽のように体をくるくると回転させてから黄泉神たちに向かって投げつけた。
遠心力と風の力を含んだ手裏剣は一体の黄泉神の蛇の足を鋭く捉え、地面に突き刺さってその動きを制する。
ノイが【神命天羽々斬】による遠距離からの攻撃を食らわせると、黄泉神との間合いを詰めながら、黒瀬 心美が携えた水の神刀【神涙刀サワメ】をゆっくりと構える。
彼らの蛇のような動きはなかなか先の動きを予測することができないため、迂闊な行動をとればすぐさま死に繋がるだろう。
黄泉神たちは攻撃を回避し始める。
「キミたちの思い通りになんて、ならないからね……っ!!」
攻撃中に危険を察知したのか、ツカサが【木遁人形】を身代わりにして咄嗟に体を入れ替えた。
【木遁人形】はぱっと燃え上がり、跡形もなく崩れてしまう。
黄泉神たちがほんの少し本気を出せば、このくらいの攻撃を不意打ちで仕掛けることなどいともたやすいだろう。
ノイが攻撃を食らったが、【転瞬の拒絶】で流した血の魔力を薄く脆い盾状にし、衝撃を受け止めた。
「母親を慕うのは良い事ですが、言いなりになって他人に迷惑を掛ける行為は悪です」
ノイに言われて図星だったのか、黄泉神は再び襲いかかってくる。
「【誰何心眼】!!」
ノイから気を逸らそうと、ツカサが命中率を重視した攻撃を仕掛けている合間に、心美は【祈祷:山之神】で山に住まう神々に祈りを捧げ、自分の周囲に光の網をめぐらせた。
息を潜めて意識を集中させてから、相手の隙を伺う。
「──そこだ!!」
黄泉神の動きを見切った心美は、その攻撃をツカサと二人で【神命天羽々斬】にて迎え撃つ。
「ったく、どこまで他人に迷惑かけるんだか! 家族の喧嘩は、自分たちで解決してよね!!」
ツカサが呆れたように大きな声で言い放った。
「全くです。──今のところ、母親の意見しか聞けていないんですよね。父親の言い分を聞いた上で許せないのなら、その父親と喧嘩してきなさい。居ないからって八つ当たりで滅ぼされてはかないません」
と、ため息をつくノイ。
「なっ、何……!?」
目を凝らして見ると、心美とツカサの一刀を受けた黄泉神たちはかすかな笑みを浮かべている。
まるで自ら望んで攻撃を受けているかのようにも見えた心美は一瞬、攻撃の手がひるみそうになったが【神威ワダツミ】にて、勝負を賭ける。
そして【麒麟】を呼び覚ますと、その背に乗って天を駆け上がった。
「アンタ達が本当にイザナミの事を想うのならば、剣を引いてくれ! この世界で生まれ、この世界と共に生きる神なら……人間の行く末を、見守ってくれ!!」
天津神々の形を借りて、比類なき水の力をこめた心美の聖なる水の力は、黄泉神のみならず黄泉の国の穢れをも流し去ってしまうほどの勢いがこめられていた。
「恨みや憎しみなんて感情は振り払って……神の誇りを、威厳を取り戻せ!!」
まばゆい光が辺り一面を包み込む。
目を開けられていられなくなったイザナミは、思わず顔を覆った。