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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

母なる神に捧ぐ舞

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母なる神に捧ぐ舞

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【1-2】

 先ほどまで光に包まれていた黄泉神たち四人の動きを注視していたアルネヴ・シャホールは、ズィキス【陰魄の幻獣】と融合することで更に秘めた力を解放させた。
 【純氷の衣【アレスター・ローブ】】の水色の宝石が煌めいたかと思うと、【クリムゾンラインホーン】を頭に乗せて【天狗の葉団扇】で全身にみなぎる妖力を限界まで高める。

「ボクは悲しみの無い、優しい世界を創りたいんだ。誰かのためとは言わない……ボク自身のために」

 さすがの黄泉神も、魔王のごとくほとばしる妖力を纏ったアルネヴを前に一瞬たじろいだ様子を見せたが、二手に分かれてたちまち彼を取り囲んでしまう。
 慌てることもなく、【武芸:夢妖の宴技】で両手に持った武器を構えたアルネヴは静かに目を伏せた。
 一呼吸置いてから、すぐさま【翠風の光雨】を自分とアーヴェント・ゾネンウンターガングに浴びせる。
 そしてできるだけ近づきすぎないよう距離を保ちながら、黄泉神たちの雷の槍による攻撃を回避していった。
 不意に黄泉神の背後に近づいたのは、【≪Dチップ≫クロックアップ】を装備後の天導寺 紅とユニゾンした天導寺 朱だ。

「戦うよりももっとこう、楽しいことが沢山あるのに……それにずっと母親とべったりだと恋人とか出来ないんじゃない?」

 朱は、アルネヴからわざと気を逸らさせるかのように話しかける。
 おまえに言われる筋合いはない、と黄泉神は朱に襲いかかった。

「──え? 俺? いやあ、実はこの前のクリスマスに好きだった女の子と晴れて恋人同士になれましてねー? いやもう、可愛いのなんのって」

 ノロケる振りを見せてはいるが、相手の位置を確認しながら最初の一刀を繰り出す場所を探っている。

「……見つけたのぜ」

 ニッと笑みを浮かべた朱は、まず挨拶代わりに【ME.絶海の一太刀】を黄泉神に見舞わせてから【U.トレイルウォーター】の水で噴き飛ばす。

「まだまだいくのぜ!!」

 【雹遁術】で防御力を上げ、水の紅の幻影と共に黄泉神の足元を狙って追撃し、その場に氷結させた。
 【灼火鬼灯・影打ち】と【DF.ユニゾンブレード】を【極火二刀】で持ちながら、炎の紅の幻影との連携攻撃が炸裂する。
 黄泉神たちが一歩でも近づけば、朱と紅の【ファングトルーパーズ】による小型ドローン群のブレード攻撃が【無常迅速】でコンボのように襲いかかってくるのだった。

「氷と炎のダブル攻撃なのぜ!!」

 十分に黄泉神たちを引きつけた朱と紅にエールを送りながら、アーヴェントはアルネヴの反対側から【銀紋刀トレーネ】を振り上げて斬りかかり、【神速二刀】で雷を消滅させてしまった。
 だが、その程度で黄泉神たちがひるむはずもなく──変則的な攻撃を仕掛けることで、相手の動きを単純化させようと仕向けるアーヴェント。
 アルネヴがまわりこんだのを見届けてから黄泉神に接近し、【紅葉の目付】で剣筋を欺きつつ【色は匂へど】を用いたフェイク攻撃を仕掛ける。
 黄泉神たちが回避しようとすることで行動を制限し、タイミングと角度をずらした一撃を食らわせた。

「ぐっ──!!」

 思惑どおり、手応えは十分にあったようだ。

「ネヴ!」

 頷いたアルネヴはわずかに攻撃を食らったが、アーヴェントがわずかな隙を作ってくれたおかけで【陰気:炎妖化】による反撃を開始する。

 「貴方達の悲しい憎悪(ねつ)、ボクの愛(ぬくもり)で溶かしてみせる!!」

 黄泉神とアルネヴの撃ち合いはなぜか舞のように美しく、アーヴェントでさえも思わず見とれてしまうほどだった。

「炎は誰かの心に温もりを与え、闇を照らす力。……殺戮の炎じゃ、悲劇しか生まれない」

 アルネヴが押し返した炎が突っ立ち、辺りは朱と金色に包まれていった。

「このままイザナミの目的が果たされても、彼女から憎しみが消えることはないだろう。君達の母がイザナギに永遠に執着したまま、その鎖から逃れられない日々は終わらない。断ち切らせてやりたいと、そう思わないのか!心から笑って欲しいと!」

 アーヴェントの一撃が、再び黄泉神たちに繰り出される。

「お母さんとも、お兄さん達とも仲直りしたいはずだもんね、輝夜さん。キミたちだって、本当はこんなこと望んでないはずだよね……?」

 アルネヴとアーヴェントの思いが通じたのか、黄泉神たちはさほど抵抗することもなくなった。
 何か思うところがあったのだろうか、彼らは攻撃を甘んじて受けることで自分なりの答えを見つけようとしていたのだった。
 
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