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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

母なる神に捧ぐ舞

リアクション公開中!
母なる神に捧ぐ舞

リアクション

■エピローグ

 黄泉の暗闇の中で、イザナミはぐったりと玉座に肘を預けていた。
 取り巻きの黄泉醜女たちや、子供の黄泉神たちもまた同じような様子だ。

「疲れた……舞芸なぞ観たのは何千年ぶりであろうな」

 だが、イザナミはどこか吹っ切れた風があった。
 永きにわたる怨憎は、いつのまにやら解けている。
 どんなフィットネスでも、どれほどハードなトレーニングでも、あらゆるセラピーをもってしても決して拭われなかったものが。
 今、数千年ぶりの舞芸で得た感激の前に、ほどけていくのを、彼女は感じていた。

「……じゃが、楽しかった。
 おぬしらの舞芸、心ゆくまで楽しませてもらった」

「母上……」

「ナミちゃん……」

「我が子ら、我が友らよ。心配をかけた。
 そして――長い長いあいだ、わらわの我儘に付き合わせてしまった」

 輝夜の兄、黄泉神や黄泉醜女たちが、玉座で微笑むイザナミを見上げる。
 葦原が生まれてから、いかほどぶりの笑みであったことだろう。
 世界を作り、多くの子供を成し、神の母となって――そしてどれほどの間、心からの笑みを忘れていたのか、もはやイザナミにすらわからない。
 それほどに、底抜けの破顔であった。

「わらわは、勘違いをしておったようじゃ。
 イザナギ憎さに、我を忘れて……葦原の子らに手をかけてよいわけがなかったな」

「そりゃそうよ。こいつらだってこいつらなりに、ケンカしたり仲直りしたり、がんばってんだから」

 言って、輝夜真蛇の方を見やった。
 ――葦原に生きるものたちを。

「だからママも、ママなりに生きてけばいいのよ。
 あたしたちは大丈夫だから。ママはもう、“イザナミ”として生きていいのよ」

「……ならば、わらわは……腹を括らねばならんな」

 イザナミはすっと立ち上がり、玉座を下って歩き始めた。
 そのモデルさながらのキャットウォークに、誰もが“カリスマ”を感じ取る。

「わらわとイザナギに“新築マイワールドで二人っきりとか幸せそうでしょ?”と言ったあやつ……アンラ・マンユといったか。
 本当は、我らの力を恐れておったのじゃろうて。
 浮足立って気づかなんだが、アレは長いこと、多くの芸能神を外の世界へ放り出しておったからのう」

 黄泉のはるか向こうで起こっていることを、彼女ははっきりと感じ取っていた。
 芸能界に危機が訪れていること。
 ――そして遠からず、恐ろしいことが起きようとしていることを。

「イザナギのやつと手を組むのは癪じゃが――遠からず我らの“天地創造”の権能が必要になるときが来よう。
 その時に備えて、わらわは高天原に直談判にゆく。
 あやつも、おそらくはこの世界の揺らぎを感じておるじゃろうて」

 この世界の外のことだ、無論彼女は一人で行くつもりだったが――
 彼女の周りの黄泉神と黄泉醜女たちもそれについていくつもりのようだ。
 芸能神イザナミの“カリスマ”は、歳を重ねてなお輝きを失ってはいないようだった。

「クックック……老いぼれジジイめ、隣に並べてみじめな思いをさせるゆえ、覚悟しておれ」

「……動機がちょっと邪悪だけど、ママがほんとうにしたいことなら、それでいいか。
 あたしもあたしで頑張るから、ママもファイト!」

◆ ◇ ◆


 ――華乱葦原
 桜稜郭の桜の丸から、此花が空を見上げていた。

「……なんか、いい天気ね」

 傍らの妹咲夜はそんな姉を見てはあ、とため息をついた。

「お姉ちゃんってばのんきだなぁ……地球がすごいことになってるの、知らないの?」

「知らないわよ。あなたみたいに遠くへ行ける“才能”は、私にはないんだから」

 雲の流れる穏やかな青空に、式神の鳥が舞う。
 銀狐が、陰陽術の練習をしているのだ。

「それに……私は、桜稜郭が好きなの。だから、いいのよ」

「……そっか」

 天下泰平、世はなべて事もなし。
 華乱葦原の平穏は、かくして舞芸者と神々、葦原に生きるものの手によって守られたのであった。

担当マスター:ヒロイックソングス!運営チーム

担当マスターより
『ヒロイックソングス!』運営チームです。
スペシャルシナリオ「母なる神に捧ぐ舞」のリアクションをお届けいたします。

スペシャルシナリオは、アクションを投稿しているか、
アクションを投稿していなくても「・アクション投稿しなくても登場を希望」の項目にチェックを入れた場合、基本的にリアクションに登場しています。
基本的にPCは1シーンに登場していますが、シーン分割の関係で数ページに渡って名前がある場合もございますので、リアクションを読み進めてご確認頂ければと思います。

称号やマスターからのコメントがある場合、最終ページ下にお知らせが表示されますので、併せてご確認下さい。

今回のリアクションを受け、【芸格】が昇段した方につきましては、
以下の名簿のほか、個別にコメントにてご案内させていただいております。

今回のリアクションの結果を反映し、芸格所持者一覧の更新を行います。
【1月30日(水)15時】時点で、芸格アイテムをポケットかライブアイテムに装備している方が対象となりますので、
一覧掲載をご希望の方は芸格アイテムの装備をお忘れなく!


【今回昇段されたプレイヤー様】

【序ノ口→二ツ目】
近衛 詩歌(HSM0005727)様

【相中→上分】
世良 延寿(HSM0001290)様

【上分→名題前】
橘 樹(HSM0000836)様

【看板→千両】
シャーロット・フルール(HSM0002441)様

【名題越→千両】
黒瀬 心美(HSM0001329)様
狛込 めじろ(HSL0005015)様


また、今回のリアクションの結果を含め、芸格が【千両】となった方には、
特別なアイテムまたはスキルのオーダー権が与えられます!
※こちらは近日中に別途ご案内させていただきます。

それでは最後に、今回担当したマスターからのコメントをお送りいたします。

担当:れちる
「母なる神に捧ぐ舞」に参加してくださった皆様、お疲れ様でした。
全パートを担当させていただきましたGMのれちるです。

いつにも増して濃い内容のアクションが多く、私が楽しませていただいてしまいました。
色んな方々との絡みを全体的に入れたリアクションになったかなと思います。
楽しんでいただけましたら幸いです。

「ヒロイックソングス!」は、ライブシーンを書くのが本当に面白くって、皆様からいただいた
アクションを見て、こんな表現の仕方があるんだな~と色々勉強させていただきました。
それは自分を高めるものであったり、誰かと協力するものであったり、どちらもの要素も大切で、
どちらもシナリオを成立させるために欠かせないものでした。
また機会がありましたら、ぜひ皆様とご一緒させてください。

どうもありがとうございました^^

■2019年1月29日 追記
 【今回昇段されたプレイヤー様】の項目を一部修正いたしました。
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