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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

【陰陽アイドル大戦】大幕・葦原華乱舞!

リアクション公開中!
【陰陽アイドル大戦】大幕・葦原華乱舞!

リアクション

■立ちはだかる脅威たち4

 ライブバトルも終局。
「ま、負けねぇ! トップになるのはこの俺様だ!」
 ルミマルたちを音圧でねじ伏せる様にナオヤは吠える。だが、その様子がどこか焦っているように見えた。
 ルミマルたちは、フェスタ側がアツい、ナオヤ側がアツい、いや両方アツいと各々判定を下しており、アイドルたちの奮戦で勝負は拮抗している状態であった。
「あと少し。ここが勝負どころか……?」
 出番が回って来た堀田 小十郎は身構えると、口の端を少しつり上げ微笑んだ。
「トップアイドルを目指す穢ノ神、ナオヤか……上を目指すその姿勢……私は嫌いじゃないよ」
 このライブ対決を経て更なる高みへ至るべく、小十郎は睡蓮寺 陽介睡蓮寺 小夜と共にライブバトルの最終ラウンドに武芸者として臨む。
「後はお前たちか、どんな手で来ようが、俺様のパフォーマンスに敵うものかよ!」
 自分を鼓舞する様に啖呵をきるナオヤ。
 対する小十郎は人差し指を立て、
「これだけは言わせてもらおう。踏み台になるつもりはない。死力を尽くそう……互いにな」
 小十郎の宣言に陽介と小夜が続く。
「魅せてやるよ……俺達の幻想演武をな……!」
「想いを込めて、歌おう……!」
 2人の言葉が終わると同時に、小十郎が『朧芸者の符』をかざした。幻の舞芸者を呼び出した。
「君に示そう……我々の紡ぐ、幻想演武を……!」
 その言葉を合図に演武が始まる。
 まずは小夜の【アンプ・コーラス】が入り、その歌声をバックに小十郎が『飾り散雪刀』を振りかざし、陽介は『妖蝶の大扇』を開いた。
 【舞神召喚】により小十郎が神々を呼び出すと、
(睡蓮寺陽介の大奇術をご覧あれ、ってな!)
 不敵な笑みを浮かべ、陽介は【舞忍の踊踏】を発動させる。
 召還された神たちが『飾り散雪刀』を回避するように舞う中、小十郎へとリズミカルに近づく陽介。
 小十郎は陽介との距離を確認すると【大殺陣回し】を始めた。小十郎が刀を水平になぐように素早く動かすと、陽介は跳び上がり、空中で前転するように回避した。そうした2人の動きに併せて、刀と扇から光の粒が散る。
 着地した陽介は【≪式神≫舞芸:火輪】を使い、演武をより苛烈に演出する。炎の車輪が走り、辺り一面に炎が広がる。
 周囲が燃えさかる中、自身の背後に回った陽介へ、小十郎は振り向きざまに袈裟切りを放つ。陽介は大きく仰け反ってそれを回避した。
 その避けた反動を利用して陽介は体を捻りながら後方へと跳ぶ。
 ここで小夜が【奉歌高唱】を披露し始めた。
(みんなの演武が、ナオヤさんが……みんなで彩るように……)
 小十郎と陽介の演舞、そしてナオヤの歌にも敬意を払うように心を込めて歌う小夜。
 光の粒となり宙を漂う小夜の伸びやかな歌声に合わせて、今度は陽介が扇を大きく翻しながら小十郎へ跳躍した。
 小十郎は先ほど自分がやられたように仰け反って陽介の扇を避けた。
 3人から発せられる光が交差し、より輝きを強める。
 更に、これまでナオヤの力強いビートを聞いてきた小十郎は、彼の歌声が持つ力強さを表現する様に刀を振るうスピード・パワーを強めていく。
「更なる高みへ……共に到ろう、ナオヤ……!」
 ナオヤと試合が出きることへの感謝を込めて、小十郎は【幸魂霊舞】を発動させた。小十郎の霊力がほとばしり、指先と足元に光の軌跡が走る。
 その合図を受け取り、陽介もフィナーレを演出する。陽介の周囲に彩雲が発生し彼の姿を隠した。【忍法彩雲隠れ】である。
 雲の中で陽介は『神通天幕』を広げ宙に浮く。その瞬間、周囲の風景が雲の漂う空へと変化した。
 陽介の姿を探すルミマルたち。
 その雲の一つから陽介が現れ、小十郎に飛びかかった。
「ハァッ!」
 気合いを込めた一撃を見舞い、小十郎は斬撃を放ち、陽介は地面へ着地すると扇を振るいながらゆっくりと回転し、バッタリと倒れ伏した。
 小夜の歌が終わり、小十郎が刀をしまった所で演舞は終了となった。
 全てのアイドルパフォーマンスが終わり、ルミマルたちは最終判定を下す。
 全体を見ると、赤色が多くフェスタ側の勝利となった。
「俺様が……敗れたのか……」
 深く息を吐くナオヤに向かって小十郎は頭を下げた。
「次があるならこのような事件ではなく、正式な形で勝負をしたいものだ」
「……今回は退くとしよう。だが、次は負けない!」
 ナオヤは小十郎たちを遺跡の内部へと通した。

 同じ頃――。
「いい加減に……っ!」
 険しい表情の弥久 風花が『擬神刀クサナギ』による【抜刀薙ぎ払い】でナメクジたちを一気に薙ぎ払った。
 クサナギを構えたまま大きく身を翻し、風花は地面に着地した。
 前を見れば未だに健在なナメクジの大群。風花の表情は苛立ちを隠さない。複雑でナメクジだらけな通路は、進入してから今に至るまで風花や平平たちの進攻を阻んでいた。
 一刻も早く彩を助けに行かなければならないのに、救出作業は遅々として進まない。
 先へ進むにつれてナメクジの数が増えてきている事から、着実に教団のいるエリアへと近づいている事は分かる。
 それでも、ワラワラと湧いてくるこの邪魔者たちは鬱陶しいことこの上ない。
 連戦により風花の体は粘液にまみれベトベトになっているが、怯んでいる余裕は無い。
 確認する余裕も無いが、進入してから確実に時間は経過している。
 この間も彩は奥で怯え苦しんでいることだろう。
 こんなおぞましい遺跡に誘拐された上、何かの儀式に参加させられたのではたまらないだろう。
 羽織っている『薄手の羽織』もナメクジの粘液、体液で汚れてしまっている。彩の体を暖めるため、彼女に着せる予定だったが、これでは台無しである。
 食べてもらう予定の『バチバチキャンディー 【はじけキャンディー】』が汚染されていないことを願いつつ、怒りをクサナギの刃に乗せ、切り裂く。
 同行している平 平平も同じ気持ちであった。
「風花! 上でござる!」
 天井からナメクジが降って来た。平平は新手にいら立ちを隠さず、
「ええい、鬱陶しい! そこを退けい!」
 怒りを込めた『風魔手裏剣・朧』を投げつける。
 風の気により高速回転する刃が、ナメクジの頭部に突き刺さった。
 粘液を吹き出しながら動きを止めた怪物から手裏剣を引き抜くと、平平は行く手を阻む敵たちを睨みつけた。
「イドラ教団め、先輩に何かあったら根絶やしにしてくれる……!」
 実は『present smile』の隠れファンな平平。
 彩がさらわれたとあって、忍を意識した普段の演技が崩れるほど、頭に血が上っている。
 鍛え上げた忍びとしての力をフルに活かし、跳躍して突進を回避すると、がら空きになった背中に手裏剣を食らわせた。
 風花も深呼吸をすると、【神色自若】で己を落ち着けた。平常心を失わず、怯まず確実かつ迅速に敵を処理していく。
 風花と平平が攻撃する度に、遺跡の壁にナメクジたちの体液が飛び散っていく。
 『擬神刀クサナギ』を振るい細切れにしていくと、風花の視界が開け、先がようやく見えた。
 なにやら明かりも見える。おそらくあそこが儀式の場だろう。
「先に行って!」
 そう推測した風花は足止め役として留まり、平平に指示を出す。
「承知!」
「罠があるかもしれないから、気をつけてよね!」
「どんな罠が仕掛けられていようが知った事か!!」
 平平は跳躍し、生き残っているナメクジを飛び越えた。
「うおおおお! 西宮先輩! いま行くで御座る!!」
 着地した先で待ち受ける別のナメクジたちに目がけて手裏剣を使い瞬殺すると、先へ進む。
 すると、奥から何者かの声を聞き届けた。
(おおっ。やはりこの先か……っ!)
 声を上げそうになったが、それを飲み込むと平平は鬼の様な形相で近づいていった。
 一方、足止め役として風花の元に、他のアイドルたちも追いついた。
 風花に迫っていたナメクジたちを殲滅すると、再び合流した救出班も平平の後を追い奥へと進んでいった。
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