【陰陽アイドル大戦】大幕・葦原華乱舞!
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■立ちはだかる脅威たち3
入り口ではライブバトルが続いている。
ルミマルたちの中には、その勢いにのまれナオヤに軍配を挙げているものもいた。
青色に光りナオヤの方がアツいパフォーマンスをしていると告げるルミマルを見て、当人は勝ち誇った笑い声を上げる。
その姿を見て、渋谷 柚姫は嘆息した。
「ふぅ、全く。ナオヤくんもバカだね」
「何い!?」
すごむナオヤに臆さず、柚姫は指摘を続ける。
「西宮さんをさらわなくっても、いつでもライブバトルは受けたのに……穢ノ神だからって、立派な舞芸者になれないわけじゃない。君の低音のしゃがれ声も魅力的だなって思うし、何より、力ずくのほうが強いのにライブバトルで解決したいっていうのが、君が真剣に舞芸者を目指してる証拠だと思う」
ナオヤの実力を褒めつつも、そのやり方が間違っていると指摘した。
柚姫の指摘に空染 水花も同意見であった。
「あのなぁ、真面目に考えてみろ。いい人は人さらわねーから」
「あくまで、僕が思っている舞芸者の姿ってことだけど……ナオヤくんに「真の舞芸者」の姿ってものを見せてあげようと思う」
「じゃあ見せてもらおうか!」
ナオヤの挑発を受け、今度は柚姫のパフォーマンスタイムとなった。
「オッケー! とびっきり楽しい歌と舞をご覧あれ!」
満面の笑顔をルミマルたちに向けると、柚姫は【ネイティブ・コラール】を発動させる。
アイドルは自分のためだけではなくて、見ている皆を幸せにするために歌うもの。
柚姫は自分なりに見つけたその答えをナオヤに示すべく唄い、
「ほら、皆も歌って! 踊って!」
ルミマルたちを煽り、ライブへの参加を促した。
ピョンピョンとリズムに合わせて跳ねまわり、コールを入れるルミマル。
葦原の雰囲気漂うステージの上で、観客たちのコールを聞きながら柚姫は【大桜の舞】を踊る。
ナオヤは柚姫の楽しさを全面に出したパフォーマンスに呆然としていた。
しかし、雰囲気にのまれまいと激しく頭をふる。
「楽しさか……周囲を煽るのがお前のやり方なら、俺様は……!」
再び自分のターンになると、ナオヤはマイクを強く握り、
「観客たちよ! 俺様の歌に耳を貸しな!」
こちらのやり方は観客を引っ張るんだとばかりに荒々しい歌を唄う。
大地をも震えさせるナオヤのシャウトに、リーニャ・クラフレットと水花は耳を抑えた。
「パワーはあるけど、優しさを感じないの……!」
「見た目通りに力だけでねじ伏せるタイプの様だね……」
続いてはリーニャたちのターン。
2人が行うのは劇。題目は、花咲か爺さんならぬ花咲か天使。
「さあ、笑顔の花を、咲かせよう」
語り部として、水花も遺跡の奥に捉えられている彩にも届かせるべく、熱を込めて演出する。
「今は昔。和の国にとある天使がいた。名をリーニャ。異国からきた強き天使であった。リーニャはそのお茶目さから、人々から愛され、自分の娘のように可愛がられていたのだった。ある日リーニャが道を歩いていると、暴漢に絡まれている娘がいました」
ナレーションを入れながら、水花は【ライティング指示】を行い、リーニャにスポットライトを当てた。
「まぁ、なんということでしょう。黒い変た……暴漢達は、娘に嫌がらせをしていたのです。それだけではありません。暴漢達は、ナオヤという助っ人を呼び、娘を逃げられないようにしていたのです!」
「俺様も出でてくるのか?」
「ナオヤのばーかばー……あ。ゴホン」
ナレーターをする合間に、水花は敢えてナオヤを煽る。
当のナオヤから睨まれたが、水花は知らぬ顔。
「天使は怒りました! おこです!! ナオヤは天使に芸の対決を挑んだところから、始まり始まり!!」
ここで花さか天使役のリーニャが演技を始める。
「へんた……じゃなかった、教団の人達が彩ちゃんに何をするのかわからないけど、怪しい儀式に巻き込もうとしてるなら、おこなんだよ! 天使がライブで浄化してやるの!」
セリフが終わると同時に、水花は【翠風の光雨】を降らせる。
降り注ぐ朧げな光に合わせ、リーニャは祈りをささげる。
「女神様女神様、私に力を貸してくださいな、大きな植物を芽吹かせてくださいな……!」
【祈祷:大地母神】により、うっすらと植物の幻影が浮かび上がる。
予定では水花は木の上に乗る筈であったが、効果が弱く乗ることは叶わなかった。
「ま……雰囲気は出ているから良いか」
水花は考えを切り替え、植物の影で『雨流雅笛『友草』【天狗の狛笛】』を吹く。
妖しさの中に不思議な魅力の篭った笛の音を響かせる。
笛の音色を耳にしながらリーニャは芝居を続ける。
「あなたは神様と一緒にお花と炎で浄化なの!」
彼女のセリフが終わった直後、水花は【氷花招来】して、氷の桜をリーニャの方向に向かって飛ばした。
横から流れてきた氷の花に合わせて、リーニャも【桜花招来】を使い桜の花びらをまわせる。
2種類の花びらに包まれながら踊るリーニャ。
水花は演出の仕上げとして【飛炎】で花を燃やし始めた。
「私の目に狂いはないな。炎の中で舞踊る天使……やはり儚いものだ」
そして、リーニャが【蛍火舞い】を踊りラストを飾る。
アイドルとしてどうあるべきか迷っていた彩を蛍が導いてくれるように、そしてナオヤが人に迷惑をかけずにライブを楽しみ、トップアイドルを真っ当に目指してくれることを願いながら、花咲か天使は踊る。
これまでのナオヤのパフォーマンスを見て、やり方そのものは迷惑きわまりなくとも、彼が純粋にライブを楽しんでいるとリーニャは気づいていたのだ。
願いを込めた舞いが終わり、演目も終盤。
リーニャは『擬神鏡ヒノガタ』から上に向かって【神武降霊・天討穿矢】を放った。同時に植物の幻影が消え、全ての演出が終わる。
ルミマルたちに深く礼をするリーニャと水花を見ながら、ナオヤは吼える。
「足元でチョロチョロした位で俺様のパフォーマンスに適うか!」
「高さが欲しいってワケ? だったら、これはどうかしら!」
その発言を聞いたノエル・アドラスティアは自分たちの番だと、パフォーマンスの準備に入った。
「曲、借りるわよ」
ここにいない彩たち『PRESENT SMILE』のメンバーへ向けて言葉をかけ、
事前に莉緒に言っていた通り、ノエルは『PRESENT SMILE』の曲、『ある意味ラブストーリーかも』を唄い始めた。
沙羅科 瑠璃羽が放った【翠風の光雨】によるおぼろげな光が降り注ぐ中、ノエルの【ピクシートーン】を使った歌声が響き渡る。
瑠璃羽も【みるきーしゃうと】による粗くも熱意の篭った歌唱をみせた。
加宮 深冬の【トリッキーフェイク】による歌声も加わり、3人は異なる世界の歌声を表現する。
3種類の歌声が奏でるハーモニーを聞くナオヤとルミマルたち。
この曲を唄うのは、ライブに勝利しナオヤに道を開けてもらうという狙いもあるが、この奥にいる彩へ向けたメッセージである。
ノエルたち『e.v.e.』という他人に、自分の歌を唄われてしまう悔しさ、そして自分よりも良いものにされてしまう悔しさを覚えて欲しい。
(そう思えるなら……彩にとって『PRESENT SMILE』が大切なモノであるナニよりの証拠となるものだから!)
アプローチの仕方はリーニャたちとは異なる、ノエルなりの彩へのエールであった。
サビに入る前に、深冬は【字走り花火】を発動させ、メロディに合わせ光の文字で『ある意味ラブストーリーかも』の歌詞を宙へ描き出した。
ルミマルたちが描かれた文字を注視する。
(みんな見てる……歌詞って、ただ聴いているだけでは聴き逃したりして、正確なものを把握するのは案外大変だもね)
深冬のお膳立てが済んだところで、ノエルは瑠璃羽へアイコンタクトをした。唄いながらノエルは、【陽気:妖翼】を発動させ瑠璃羽を抱えて上昇し、それに合わせて深冬は2人の真下へと移動した。
(予定より低いけど……これ位なら……!)
想定していたよりも高さは出ていないが、この高さでも見栄えはする筈。
そう判断したノエルは合図を出すと瑠璃羽を離し、【浮遊身転】を踊り始めた。
一方の瑠璃羽は【天津舞い】を発動させ、空中で歌唱力の不足をカバーする様に踊る。
ナオヤの喉元くらいの高さにいるノエル。
地上で【大桜の舞】を披露する深冬。
2人の間くらいで踊る瑠璃羽。
縦に並んだ3人の、歌に合わせた楽しさを表現する踊りはルミマルたちの注目を集めた。
(アイドルと観客のシンクロ……それはライブにおいて重要なこと……!)
深冬は、以前からナオヤのライブスタイルには自らの歌を押し付けるような印象を抱いていた。
故に自分たちは観客であるルミマルに楽しんでもらうことを優先してパフォーマンスし、ナオヤと差を付ける算段であった。
ほんの数秒という短い時間であったが、珍しいパフォーマンスに場が湧く。
瑠璃羽は地面に着地し、今度は【大火の舞】を踊る。
「ーーっ♪」
『ある意味ラブストーリーかも』の歌唱が終わり、ノエルたちは決めポーズを取った。
ルミマルたちから歓声が上がり、赤色に発光していく。青色の方が多かった当初とは異なり、赤、青、オレンジが入り乱れている。
どちらの陣営が盛り上がっているか、ルミマルたちの判定が揺れている証左であった。
アイドルたちはナオヤの圧倒するような歌と体を使ったパフォーマンスにも諦めず、それぞれの歌、劇を披露している。
「こいつら……」
あっという間に自分の方に軍配が上がり、パフォーマンスする気すら失せるだろうと踏んでいたナオヤ。
絶対的な自信を持っていた彼に僅かながら動揺が走った。
入り口ではライブバトルが続いている。
ルミマルたちの中には、その勢いにのまれナオヤに軍配を挙げているものもいた。
青色に光りナオヤの方がアツいパフォーマンスをしていると告げるルミマルを見て、当人は勝ち誇った笑い声を上げる。
その姿を見て、渋谷 柚姫は嘆息した。
「ふぅ、全く。ナオヤくんもバカだね」
「何い!?」
すごむナオヤに臆さず、柚姫は指摘を続ける。
「西宮さんをさらわなくっても、いつでもライブバトルは受けたのに……穢ノ神だからって、立派な舞芸者になれないわけじゃない。君の低音のしゃがれ声も魅力的だなって思うし、何より、力ずくのほうが強いのにライブバトルで解決したいっていうのが、君が真剣に舞芸者を目指してる証拠だと思う」
ナオヤの実力を褒めつつも、そのやり方が間違っていると指摘した。
柚姫の指摘に空染 水花も同意見であった。
「あのなぁ、真面目に考えてみろ。いい人は人さらわねーから」
「あくまで、僕が思っている舞芸者の姿ってことだけど……ナオヤくんに「真の舞芸者」の姿ってものを見せてあげようと思う」
「じゃあ見せてもらおうか!」
ナオヤの挑発を受け、今度は柚姫のパフォーマンスタイムとなった。
「オッケー! とびっきり楽しい歌と舞をご覧あれ!」
満面の笑顔をルミマルたちに向けると、柚姫は【ネイティブ・コラール】を発動させる。
アイドルは自分のためだけではなくて、見ている皆を幸せにするために歌うもの。
柚姫は自分なりに見つけたその答えをナオヤに示すべく唄い、
「ほら、皆も歌って! 踊って!」
ルミマルたちを煽り、ライブへの参加を促した。
ピョンピョンとリズムに合わせて跳ねまわり、コールを入れるルミマル。
葦原の雰囲気漂うステージの上で、観客たちのコールを聞きながら柚姫は【大桜の舞】を踊る。
ナオヤは柚姫の楽しさを全面に出したパフォーマンスに呆然としていた。
しかし、雰囲気にのまれまいと激しく頭をふる。
「楽しさか……周囲を煽るのがお前のやり方なら、俺様は……!」
再び自分のターンになると、ナオヤはマイクを強く握り、
「観客たちよ! 俺様の歌に耳を貸しな!」
こちらのやり方は観客を引っ張るんだとばかりに荒々しい歌を唄う。
大地をも震えさせるナオヤのシャウトに、リーニャ・クラフレットと水花は耳を抑えた。
「パワーはあるけど、優しさを感じないの……!」
「見た目通りに力だけでねじ伏せるタイプの様だね……」
続いてはリーニャたちのターン。
2人が行うのは劇。題目は、花咲か爺さんならぬ花咲か天使。
「さあ、笑顔の花を、咲かせよう」
語り部として、水花も遺跡の奥に捉えられている彩にも届かせるべく、熱を込めて演出する。
「今は昔。和の国にとある天使がいた。名をリーニャ。異国からきた強き天使であった。リーニャはそのお茶目さから、人々から愛され、自分の娘のように可愛がられていたのだった。ある日リーニャが道を歩いていると、暴漢に絡まれている娘がいました」
ナレーションを入れながら、水花は【ライティング指示】を行い、リーニャにスポットライトを当てた。
「まぁ、なんということでしょう。黒い変た……暴漢達は、娘に嫌がらせをしていたのです。それだけではありません。暴漢達は、ナオヤという助っ人を呼び、娘を逃げられないようにしていたのです!」
「俺様も出でてくるのか?」
「ナオヤのばーかばー……あ。ゴホン」
ナレーターをする合間に、水花は敢えてナオヤを煽る。
当のナオヤから睨まれたが、水花は知らぬ顔。
「天使は怒りました! おこです!! ナオヤは天使に芸の対決を挑んだところから、始まり始まり!!」
ここで花さか天使役のリーニャが演技を始める。
「へんた……じゃなかった、教団の人達が彩ちゃんに何をするのかわからないけど、怪しい儀式に巻き込もうとしてるなら、おこなんだよ! 天使がライブで浄化してやるの!」
セリフが終わると同時に、水花は【翠風の光雨】を降らせる。
降り注ぐ朧げな光に合わせ、リーニャは祈りをささげる。
「女神様女神様、私に力を貸してくださいな、大きな植物を芽吹かせてくださいな……!」
【祈祷:大地母神】により、うっすらと植物の幻影が浮かび上がる。
予定では水花は木の上に乗る筈であったが、効果が弱く乗ることは叶わなかった。
「ま……雰囲気は出ているから良いか」
水花は考えを切り替え、植物の影で『雨流雅笛『友草』【天狗の狛笛】』を吹く。
妖しさの中に不思議な魅力の篭った笛の音を響かせる。
笛の音色を耳にしながらリーニャは芝居を続ける。
「あなたは神様と一緒にお花と炎で浄化なの!」
彼女のセリフが終わった直後、水花は【氷花招来】して、氷の桜をリーニャの方向に向かって飛ばした。
横から流れてきた氷の花に合わせて、リーニャも【桜花招来】を使い桜の花びらをまわせる。
2種類の花びらに包まれながら踊るリーニャ。
水花は演出の仕上げとして【飛炎】で花を燃やし始めた。
「私の目に狂いはないな。炎の中で舞踊る天使……やはり儚いものだ」
そして、リーニャが【蛍火舞い】を踊りラストを飾る。
アイドルとしてどうあるべきか迷っていた彩を蛍が導いてくれるように、そしてナオヤが人に迷惑をかけずにライブを楽しみ、トップアイドルを真っ当に目指してくれることを願いながら、花咲か天使は踊る。
これまでのナオヤのパフォーマンスを見て、やり方そのものは迷惑きわまりなくとも、彼が純粋にライブを楽しんでいるとリーニャは気づいていたのだ。
願いを込めた舞いが終わり、演目も終盤。
リーニャは『擬神鏡ヒノガタ』から上に向かって【神武降霊・天討穿矢】を放った。同時に植物の幻影が消え、全ての演出が終わる。
ルミマルたちに深く礼をするリーニャと水花を見ながら、ナオヤは吼える。
「足元でチョロチョロした位で俺様のパフォーマンスに適うか!」
「高さが欲しいってワケ? だったら、これはどうかしら!」
その発言を聞いたノエル・アドラスティアは自分たちの番だと、パフォーマンスの準備に入った。
「曲、借りるわよ」
ここにいない彩たち『PRESENT SMILE』のメンバーへ向けて言葉をかけ、
事前に莉緒に言っていた通り、ノエルは『PRESENT SMILE』の曲、『ある意味ラブストーリーかも』を唄い始めた。
沙羅科 瑠璃羽が放った【翠風の光雨】によるおぼろげな光が降り注ぐ中、ノエルの【ピクシートーン】を使った歌声が響き渡る。
瑠璃羽も【みるきーしゃうと】による粗くも熱意の篭った歌唱をみせた。
加宮 深冬の【トリッキーフェイク】による歌声も加わり、3人は異なる世界の歌声を表現する。
3種類の歌声が奏でるハーモニーを聞くナオヤとルミマルたち。
この曲を唄うのは、ライブに勝利しナオヤに道を開けてもらうという狙いもあるが、この奥にいる彩へ向けたメッセージである。
ノエルたち『e.v.e.』という他人に、自分の歌を唄われてしまう悔しさ、そして自分よりも良いものにされてしまう悔しさを覚えて欲しい。
(そう思えるなら……彩にとって『PRESENT SMILE』が大切なモノであるナニよりの証拠となるものだから!)
アプローチの仕方はリーニャたちとは異なる、ノエルなりの彩へのエールであった。
サビに入る前に、深冬は【字走り花火】を発動させ、メロディに合わせ光の文字で『ある意味ラブストーリーかも』の歌詞を宙へ描き出した。
ルミマルたちが描かれた文字を注視する。
(みんな見てる……歌詞って、ただ聴いているだけでは聴き逃したりして、正確なものを把握するのは案外大変だもね)
深冬のお膳立てが済んだところで、ノエルは瑠璃羽へアイコンタクトをした。唄いながらノエルは、【陽気:妖翼】を発動させ瑠璃羽を抱えて上昇し、それに合わせて深冬は2人の真下へと移動した。
(予定より低いけど……これ位なら……!)
想定していたよりも高さは出ていないが、この高さでも見栄えはする筈。
そう判断したノエルは合図を出すと瑠璃羽を離し、【浮遊身転】を踊り始めた。
一方の瑠璃羽は【天津舞い】を発動させ、空中で歌唱力の不足をカバーする様に踊る。
ナオヤの喉元くらいの高さにいるノエル。
地上で【大桜の舞】を披露する深冬。
2人の間くらいで踊る瑠璃羽。
縦に並んだ3人の、歌に合わせた楽しさを表現する踊りはルミマルたちの注目を集めた。
(アイドルと観客のシンクロ……それはライブにおいて重要なこと……!)
深冬は、以前からナオヤのライブスタイルには自らの歌を押し付けるような印象を抱いていた。
故に自分たちは観客であるルミマルに楽しんでもらうことを優先してパフォーマンスし、ナオヤと差を付ける算段であった。
ほんの数秒という短い時間であったが、珍しいパフォーマンスに場が湧く。
瑠璃羽は地面に着地し、今度は【大火の舞】を踊る。
「ーーっ♪」
『ある意味ラブストーリーかも』の歌唱が終わり、ノエルたちは決めポーズを取った。
ルミマルたちから歓声が上がり、赤色に発光していく。青色の方が多かった当初とは異なり、赤、青、オレンジが入り乱れている。
どちらの陣営が盛り上がっているか、ルミマルたちの判定が揺れている証左であった。
アイドルたちはナオヤの圧倒するような歌と体を使ったパフォーマンスにも諦めず、それぞれの歌、劇を披露している。
「こいつら……」
あっという間に自分の方に軍配が上がり、パフォーマンスする気すら失せるだろうと踏んでいたナオヤ。
絶対的な自信を持っていた彼に僅かながら動揺が走った。


