新世界を拓け! ヒロイック・クラリティ・プレリュード!
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■パラダイスシアターライブ 夜の部【2】夜明けの旋律
氷堂 藤、千夏 水希、火澄 悠は楽屋でライブの様子をテレビで見ていた。
「今のところ、フェスタ生が優勢だね」
「そうだな」
藤の言葉に、悠がうなずく。
すると、ドアがノックされ、スタッフからスタンバイするよう言われる。
「行くか」
水希が立ち上がる。
「あぁ」
藤と悠も水希に続く。
「やるからにはヘタなもんは見せられないぜ、お二人さん?」
「それはオマエもだ、ヒズミン。私も徹底的に引き立ててやる」
「やるからには全力で。会場ぜんぶ、赤に染めてやるから」
各々の決意を口に、楽屋を出る。
新しい物を見たがっている観客を自分たちのライブで盛り上げてやるという共通の思いを持って――
3人はステージ上で、それぞれの立ち位置につく。
藤はセンター、悠は藤から見て左後ろに、水希は2人の影に立ち、観客席からは背中と横顔しか見えないような位置にいる。
立ち位置につけたところで、ライブがスタートする。
まず、悠が【スターリースフィア】で夜色の煙の幻影を出し、3人の周囲を薄暗くして、夜の訪れを思わせるようにする。
悠の演出に合わせて、藤が歌い出す。
辺りが薄暗くなっていくと、彼女は【エモーショナルプレイ】でギター演奏を開始する。
水希は悠のほうをチラリと見る。
彼女からのアイコンタクトを受けた悠は、【ゴーストダンサーズ】を呼び出し
ゴーストと共にコミカルなダンスをキレのある動きで踊る。
悠が踊り始めたところで水希は、【トワイライトソング】に移る。
明確な歌詞がないコーラスは、藤の歌とゴーストに絡みつく。
ステージ上の夜の訪れに、観客たちはどこか切なさを覚えながらも、彼らのパフォーマンスを見つめる。
曲が最高潮に盛り上がるサビの直前に、悠は煙に加えて【カットライト】で自分たちを照らしていたライトを遮断する。
その間、3人は衣装チェンジを始める。
藤と悠は着ていた黒の(ウインドブレーカー)を脱ぐ。
藤は【チェック&パーカー】、悠は【ユニカジのパーカー】姿になる。
水希も夜色の【ブリ―ストローブ】を脱ぎ、【チェック&パーカー】姿に着替えた。
脱いだ服は、水希がステージ端まで蹴り飛ばす。
(ああ、勘弁してください……めっちゃ明るい色合い……)
なんて思いながら、水希は大きな赤いリボンで髪型をポニーテールにする。
準備が完了したところで、悠と水希の同時演出に入る。
悠は歌唱中の藤が際立つように【爆発】を、水希は合図を出し照明で爆発時の光を作る。
そして悠はすかさず【スターリースフィア】で炎の幻影を飛ばす。
おかげで、夜明けをイメージさせる演出はばっちり決まった。
光が射したところで、曲はサビに突入する。
悠は吹きつける風とともに、剣を振り、煙を吹き飛ばして夜明けらしい爽快感を出す。
藤は【オープニングナンバー】夜明けの旋律を歌う。
水希は【アンプコーラス】や【トリッキーフェイク】でのギター重奏や藤の声に重ねて歌ったりする。
彼女の声が加わったことで、軽めでノリのある歌が深く重く響く。
突然の変調に、観客たちは驚きながらもルミマルを振って、盛り上がる。
最後に藤の【キャッチーフレーズ】で決め、ライブは終了した。
3人は観客席を見渡すと、会場は真っ赤に染まっていた。
彼らが最後だったため、結果はフェスタ生の完全勝利となる。
藤の宣言通り会場を真っ赤にした3人は満足した表情を浮かべ、ステージを降りた。
楽屋に戻る最中、悠がふっ、と笑いだす。
「どうしたの?」
「楽しかったなと思ってな」
「確かにそうだな」
3人はライブ中に感じた高揚を思い出しながら、話す。
「……機会があれば、またやってもいい」
水希の表情が緩む。
彼女の様子に、悠は小さく笑う。
「……どこがおかしい」
「いや、別に……」
「怒らないから話してみろ」
「何でもないって」
「……そうか。だったら」
楽屋に到着すると、水希は中に入り、壁に立てかけてあったシルフィンロッドを手に取る。
「言わないなら、吐かせるまでだ。覚悟しろ、ヒズミン」
水希の好戦的な目に、悠も楽屋に置いてある魔法剣と導きの風を持つ。
「オレだって魔法剣と導きの風があるんだぜ? 意味わかるよな、ミズキ?」
悪友同士の間に火花が散る。
藤は、楽屋の隅っこで2人の様子をじっと観察していたのだった。
氷堂 藤、千夏 水希、火澄 悠は楽屋でライブの様子をテレビで見ていた。
「今のところ、フェスタ生が優勢だね」
「そうだな」
藤の言葉に、悠がうなずく。
すると、ドアがノックされ、スタッフからスタンバイするよう言われる。
「行くか」
水希が立ち上がる。
「あぁ」
藤と悠も水希に続く。
「やるからにはヘタなもんは見せられないぜ、お二人さん?」
「それはオマエもだ、ヒズミン。私も徹底的に引き立ててやる」
「やるからには全力で。会場ぜんぶ、赤に染めてやるから」
各々の決意を口に、楽屋を出る。
新しい物を見たがっている観客を自分たちのライブで盛り上げてやるという共通の思いを持って――
3人はステージ上で、それぞれの立ち位置につく。
藤はセンター、悠は藤から見て左後ろに、水希は2人の影に立ち、観客席からは背中と横顔しか見えないような位置にいる。
立ち位置につけたところで、ライブがスタートする。
まず、悠が【スターリースフィア】で夜色の煙の幻影を出し、3人の周囲を薄暗くして、夜の訪れを思わせるようにする。
悠の演出に合わせて、藤が歌い出す。
辺りが薄暗くなっていくと、彼女は【エモーショナルプレイ】でギター演奏を開始する。
水希は悠のほうをチラリと見る。
彼女からのアイコンタクトを受けた悠は、【ゴーストダンサーズ】を呼び出し
ゴーストと共にコミカルなダンスをキレのある動きで踊る。
悠が踊り始めたところで水希は、【トワイライトソング】に移る。
明確な歌詞がないコーラスは、藤の歌とゴーストに絡みつく。
ステージ上の夜の訪れに、観客たちはどこか切なさを覚えながらも、彼らのパフォーマンスを見つめる。
曲が最高潮に盛り上がるサビの直前に、悠は煙に加えて【カットライト】で自分たちを照らしていたライトを遮断する。
その間、3人は衣装チェンジを始める。
藤と悠は着ていた黒の(ウインドブレーカー)を脱ぐ。
藤は【チェック&パーカー】、悠は【ユニカジのパーカー】姿になる。
水希も夜色の【ブリ―ストローブ】を脱ぎ、【チェック&パーカー】姿に着替えた。
脱いだ服は、水希がステージ端まで蹴り飛ばす。
(ああ、勘弁してください……めっちゃ明るい色合い……)
なんて思いながら、水希は大きな赤いリボンで髪型をポニーテールにする。
準備が完了したところで、悠と水希の同時演出に入る。
悠は歌唱中の藤が際立つように【爆発】を、水希は合図を出し照明で爆発時の光を作る。
そして悠はすかさず【スターリースフィア】で炎の幻影を飛ばす。
おかげで、夜明けをイメージさせる演出はばっちり決まった。
光が射したところで、曲はサビに突入する。
悠は吹きつける風とともに、剣を振り、煙を吹き飛ばして夜明けらしい爽快感を出す。
藤は【オープニングナンバー】夜明けの旋律を歌う。
水希は【アンプコーラス】や【トリッキーフェイク】でのギター重奏や藤の声に重ねて歌ったりする。
彼女の声が加わったことで、軽めでノリのある歌が深く重く響く。
突然の変調に、観客たちは驚きながらもルミマルを振って、盛り上がる。
最後に藤の【キャッチーフレーズ】で決め、ライブは終了した。
3人は観客席を見渡すと、会場は真っ赤に染まっていた。
彼らが最後だったため、結果はフェスタ生の完全勝利となる。
藤の宣言通り会場を真っ赤にした3人は満足した表情を浮かべ、ステージを降りた。
楽屋に戻る最中、悠がふっ、と笑いだす。
「どうしたの?」
「楽しかったなと思ってな」
「確かにそうだな」
3人はライブ中に感じた高揚を思い出しながら、話す。
「……機会があれば、またやってもいい」
水希の表情が緩む。
彼女の様子に、悠は小さく笑う。
「……どこがおかしい」
「いや、別に……」
「怒らないから話してみろ」
「何でもないって」
「……そうか。だったら」
楽屋に到着すると、水希は中に入り、壁に立てかけてあったシルフィンロッドを手に取る。
「言わないなら、吐かせるまでだ。覚悟しろ、ヒズミン」
水希の好戦的な目に、悠も楽屋に置いてある魔法剣と導きの風を持つ。
「オレだって魔法剣と導きの風があるんだぜ? 意味わかるよな、ミズキ?」
悪友同士の間に火花が散る。
藤は、楽屋の隅っこで2人の様子をじっと観察していたのだった。