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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

新世界を拓け! ヒロイック・クラリティ・プレリュード!

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新世界を拓け! ヒロイック・クラリティ・プレリュード!

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■パラダイスシアターライブ 夜の部【1】パフォーマンスは派手に、面白く!

 夜になり、パラダイスシアターの天井が開く。
 夜空には星があちこちに散らばり、それぞれ輝きを放つ。
 ステージには、バトントワラーの衣装を着た世良 延寿の姿があった。
 マルベルは彼女を見るなりマイクを取り、話しかける。

「ちょっと、アンタとアタシ似てなイ?」

 観客たちは2人を交互に見る。
 延寿は、焦げ茶のツインテールに青い瞳、手には【キラキラバトン】。
 マルベルは、金髪ツインテールに黄色の目、そしてバトンを持っている。
 観客たちは彼女に同意した。

「やっぱりそうだワ。だったらバトン対決になるネ。負けるつもりなんてないヨ」

「私だって負けないよ、マルベル! 聖歌庁からの任務もすごく大事だけど、でも今いちばん大事なのは
 やっぱりお客さんに楽しんでもらうことだよね!」

 2人の言葉に、静かな闘志が燃えているのを感じ取った観客たちは、大きな歓声を上げて彼女たちを応援する。
 会場が静かになったところで、お互い最初のポーズを取る。
 そして曲が流れ始めた。延寿は超がつくほどのアップテンポなBGM、マルベルも似たような音楽で対抗し、バトンを高く飛ばす。
 延寿はまず【ビートフュージョン】で、BGMに合わせて踊りながら、【キラキラバトン】で輝くバトントワリングを披露する。
 彼女のバトン捌きとダンスは、見る者たちを圧倒し、視線を攫って行く。
 マルベルだって負けていない。サーカスの元花形ということもあり、足の下や背中でバトンを回してキャッチする。
 パフォーマンスがクライマックスを迎えようとしているときだった。
 延寿は、【キラキラバトン】を空に届きそうなくらい高く投げる。
 それに合わせて【字走り花火】が、バトンの動きに合わせて夜空に文字を描く。
 彼女の手元にバトンが戻ったとき、「GO NEXT WORLD!」の文字が浮かんでいた。

 2人のパフォーマンスが終わり、結果は赤が優勢を保っていた。
 どんなにアピールしても変わらない状況に、マルベルは歯を食いしばることしかできなかった。

◆ ◆ ◆

 次に登場したのは、兎の着ぐるみが特徴のウサミ 先輩だ。
 今日のライブは、この日のために練習してきたストーリー性のある芸を披露する。
 まずウサミは【鉄板トーク】で温める。

『やあ皆、ウサミ先輩だよ! 今日はひとつ、皆に兎についてお話を聞かせてあげよう』

 観客たちはルミマルを下げ、ウサミの話に耳を傾ける。

『伝説によると、かつて兎は飢えて力尽きた、老いた旅人を助けるために、自ら炎の中に身を投げたと云う。
 実は神様だった旅人は兎の献身に感激し、その行ないを後世に伝えるために、兎を月に昇らせた。
 月に兎がいるというのは、この伝説が元になっているのさ。皆は知っていたかな?』

 ウサミの問いかけに、観客たちは「知らない」「そんな伝説があったんだ」など、思い思いに感想を口にする。
 その言葉を聞いたウサミは

『その伝説を、今ここに再現してみせよう!』

 と高らかに宣言する。
 次の瞬間、【アクロバーニング】でステージ上に炎が出現した。
 突然の炎に観客たちは驚きの声を上げる。
 ウサミはここで【トワイライトバックスピン】を使用する。
 最初の宙返りで炎の中に飛び込み、一度姿を隠す。
 会場にいる人たちはキョロキョロしながら、消えたウサミを探す。
 ウサミはその後、二度目の宙返りで空高く跳んだ。
 たまたま今日は満月だったため、月とウサミが重なり、先ほど話した伝説がリアルに再現される。
 その宙返り以降、ウサミは姿を現さなかった。
 観客たちの心には、名前のつけようがない感情が残る。
 彼らはウサミの芸に拍手を送った。

◆ ◆ ◆

「コント、魔法少女!」

 暗転したステージが、永見 音萌香の一言で明転する。
 セットも無いステージで、コントが始まった。音萌香にとって今日は、ピンになって初めての大舞台だ。
 【ファストアクト】で、音萌香は一気に役に入る。

『わたしは永見音萌香。実は、この世界を守る魔法少女でもあるの!』

 ここで本人はしゃべらず、街を歩いている素振りを見せる。
 この声、実は事前に敵の声やナレーションを【ボイスアクト】で音萌香が演技し、それを録音・加工して流している。

『はーっはっは! 今日も元気に破壊活動に勤しむぞ!』

 戦隊シリーズものに出てきそうな敵の声に、彼女は勢いよく振り向く。

「そんなことさせない! 変身よ!」

 音萌香は【まじかる☆まいく】を掲げ、変身ポーズを決める。

「まじかるぴかる☆きるぜむおーる!」

 変身の呪文と共に、ステージが暗転する。そして明転すると……

「ひっく、うぃ~♪」

 芋ジャージに、千鳥足。
 誰がどう見ても酔っぱらいである。
 彼女は【酔っぱらいの極意】で、完璧に演じる。
 ちなみに、音萌香は18歳だ。
 観客たちは、彼女の演技に笑ったり、関心を示す。

『魔法少女が酔っぱらいでいいんかーい!』

「ひっく。ええんやで~♪」

 酔っぱらいながらも、敵のツッコミに対してちゃんとボケる。
 重ねて説明するが、これは演技である。

「んと、気を取り直して! まじかるぴかる☆きるぜむおーる!」

 再び変身の呪文を唱え、ステージは暗くなる。
 そしてライトがステージを照らすと……

『乙女の胸筋爆発、ネモ・リィィィィィン!』

 巻き舌気味のリングアナウンスが流れ、【ネモ・リーンの衣装】を着た音萌香が現れる。

「この白いジャングルに、今日も私が舞い降りる! ネモ・リーン、ただいま参上!」

『魔法少女ちゃうんかい!』

 ファイティングポーズを決め、敵がツッコんだところでステージが暗転し、ネタが終了する。
 観客たちは、目尻に涙を浮かべながら、音萌香に拍手を届ける。
 ちなみに、目尻に涙を浮かべているのは、笑いすぎてそうなったと解釈してもらいたい。
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