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「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

新世界を拓け! ヒロイック・クラリティ・プレリュード!

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■パラダイスシアターライブ 夕方の部【2】SKYRIUM

 出番前、空染 水花は、泰河への挨拶を前提に、あることを確認するため、彼を呼び出していた。

「忙しい中ありがとう。よろしくな」

「よろしくな、水花!」

 簡単な挨拶が済んだところで、水花は一呼吸置いて話し始める。

「なぁ……。泰河は、私のことを“化け物”とは、言わないか?」

 この質問をする理由。
 それは彼女が自分の体質にコンプレックスを抱いていたからであった。

「そんなの気にしないよ!」

 泰河は笑顔でそう答える。
 水花は心の中で安堵した、そのときだった。

「話は聞かせて貰ったぜ!/ですの!」

 物陰から男女2人がスライディングで真っ先に飛び出す。
 その2人は藤原 陽花山院 夢卯である。

「花山院夢卯ですの。聞いてしまって申し訳ありませんの……」

「お前ら……。盗み聞きとは趣味悪いな?」

 先ほど話していたトーンより、一段階ほど水花の声が低くなる。
 
「って怒んな、怒んなよ……詫びと言っちゃなんだが、オレと夢卯も手伝うぜ?」

「ええ、私も初舞台ではありますけれど、お供致しますわ!」

 2人の意思を聞いて、水花は口を開く。

「……なんとか吹っ切れた。よし。……このメンバーで最高潮まで高めるぞ」

 水花に了承されたところで、2人は泰河に挨拶する。

「泰河も、今日はよろしく頼むぜ?」

「よろしくな!」

 陽は手を差し出し、泰河と握手する。

「桐島様、空染様、よろしくお願いいたしますわ!」

 夢卯も2人にお辞儀して、挨拶を交わす。
 挨拶が済んだところで、スタッフから声がかかる。
 簡単な打ち合わせをして、水花たちは深呼吸し、気持ちを落ち着けてステージへと上がった。

 ステージに上がったところで、水花がマイクを取る。

『空染水花だ。普段はプロデューサーの私が新しいことに挑戦しようと作った新曲、聞いてくれるか?』

 水花の問いかけに、会場は大きな歓声で答えた。

『今日はゲストが共に歌ってくれる! 1人目は桐島泰河!』

 泰河は両手を大きく振り、笑顔で挨拶する。

『2人目は藤原陽!』

 陽は適当で華やかな速弾きで【ブルームミュージック】を披露する。
 今のムードに合った香りと真っ赤な花びらを自分の周りに舞わせて、観客たちの感心を引く。

『3人目は花山院夢卯!』

 夢卯は、丁寧にお辞儀をして、水花の紹介を受ける。

『いくぞ! 【call out】!』

 ロック調の音楽が流れ、水花は軽く息を吸い、歌い出す。

『call out!call out! まだ見ぬ未来信じて
 call out!call out! 夜明けに向かって走れ!』

 水花と泰河が歌唱中、陽は自分の声を最大に生かした【ブリリアントグルーヴ】で彼女をサポートする。
 一方、夢卯は【猛牛四絃琴】を手に、【ベーシックリズム】でビートをしっかり刻んでいく。
 水花が作ったこの曲は、寂しい人に手を差し伸べられる歌にしたいという気持ちが込められている。
 そのため、彼女は空を見たり、観客たちと目を合わせながら歌う。
 ときに、【振り付けの基礎】を生かしたダンスを踊ったり、泰河たちと肩を寄せたりして、フェスタ生の仲の良さをアピールする。
『だから 君も僕の名前を叫んでほしい
 共に先へ(みらいへ) 進もう
 call out! call out!』

 ラストのサビに入った瞬間、【ライティング指示】と【ステージクラッカー】の演出が飛び出す。
 観客たちがそれに一瞬気を取られている間に、陽は【クライマックスモード】で、朱雀をイメージした豪快な衣装に着替えた。
 そして、一緒になって『call out!』と叫ぶ。
 夢卯は、【猛牛四絃琴】を置き、大きく腕を振って【ARANAMI☆舵燻】することをアピールしたあと、観客席へとダイブする。
 彼女が飛び込むと、観客たちは夢卯を落とさないように、会場の奥へと運ぶ。

『まだ見ぬ未来信じて
 call out! call out!
 夜明けに向かって走れ!』

 曲が終わるまで、観客たちは『call out!』と叫んでいた。
 最後の音が消え、水花はお礼の言葉を伝える。

『今日来てくれた皆と、手伝ってくれた泰河達に最大の感謝を! ありがとな!』

 すると次の瞬間、陽は【ヴォルカニックレオ】で音を奏でる。
 それを合図にステージから炎が空に向かって放出され、彼らのライブは終了する。
 ここまでの結果は赤:8、青:2となっていて、完全勝利が狙える状況となっていた。
 
 ステージを降りたあと、水花は泰河たちに【虹色キャンディ】を配る。

「……今日はありがとう。また頼むな」

 水花は柔らかく目を細め、笑顔で泰河たちにお礼を言う。
 その表情は幸せで満たされていた。
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