新世界を拓け! ヒロイック・クラリティ・プレリュード!
リアクション公開中!
リアクション
■パラダイスシアターライブ 昼の部【1】新たな可能性は私の中に
マリパラマスコットの鮪鱗ちゃんが、観客たちにアナウンスする中、クロティア・ライハはステージ裏で
ゲームの譜面暗記と【イメージトレーニング】をしていた。
彼女が今回披露するのは、【ギター型ゲーム機】を使ったライブゲームだ。
(トップバッターですから、しっかりしないと……)
その気持ちが彼女の次の行動に現れる。
【イメージトレーニング】を続けながら、機械に入力した音を確認したあと
舞台袖に移動して、足で入力する音ゲー用十字コントローラーがちゃんとあることを確かめる。これがないと安心しないのだ。
すると、スタッフがクロティアにスタンバイするよう告げる。
クロティアは静かにうなずき、自分の出番を待った。
アナウンスと共に、クロティアは【グッドスマイル】でアピールしながら【ギター型ゲーム機】をじゃーんと掲げ、登場する。
そして、軽くゲーム機のレバーを弾いて繋がれているスピーカーから音を鳴らし
観客たちに【ギター型ゲーム機】で演奏することを強調した。
ステージ上で少し離れた先には、マルベルと椛音の姿。そのときだった。
マルベルが椛音の耳元で何か言うと、彼女は舞台袖へと消える。どうやら、ギター対決を展開するようだ。
マルベルがステージから降りたところで曲が始まり、2人は音をぶつけあう。2つの音に観客たちは鳥肌が立った。
椛音の演奏は雷のように力強く、クロティアは難易度の高いゲーム系のアップテンポな明るい曲を響かせ
時折入るドラムやエレクトーンの音に合わせながら正確にリズムを刻んでいく。
その音は心音を早めさせ、会場のテンションを引っ張り上げる。
(すごく楽しいわ!)
ゲーム系の音楽、それに合わせてルミマルを振る観客たち、そして椛音の演奏――
この状況が、クロティアの気分を高揚させる。このとき、彼女は足でステップを刻むべきか考えた。
だが足元に集中してしまうと、コードを踏んでしまったり、手元が狂う可能性があった。
演奏が進むにつれ、この雰囲気を壊したくない気持ちが強くなっていく。
彼女は演奏が終わるまでステップは踏まず、短い時間を観客たちと楽しんだ。
◆ ◆ ◆
(桐島先輩、いらっしゃるかしら?)
ライブ衣装である【ナチュラルセクシー】を着た弥久 風花は
ダメもとで彼と一緒に即興ライブが出来ないか聞いてみようと思い、泰河の楽屋へ足を運んでいた。
彼とライブする理由は、1人でのライブ対決は到底勝ち目がないと思っているからである。
行く途中、彼の特徴であるはねた髪が、楽屋の方へ曲がって行くのが見えた。
(いらっしゃったわ!)
風花は駆け出す。そして彼の名前を呼ぼうとした瞬間、びっくりするような光景が広がっていた。
「泰河さん、オレとライブしてくださいっ!」
「私もお願いします!」
出演する他のフェスタ生たちが、泰河を見るなりたちまち周りを囲う。彼らも風花と同じ考えのようだ。
泰河は嫌な顔をせず、1人1人対応していく。
その状況を見た彼女は泰河に気付かれないようにそっとその場を離れた。
(お忙しそうだし、私1人でやるしかないわ……!
今回のライブはパラダイスゲージの上昇が一番の目的。
私の出来るライブを精一杯やるだけよ!)
風花は自分の目的を改めて再認識し、ステージへと向かった。
出番になり、風花は(ウェイクアップシンバル)を持って登場する。ステージの真ん中に立ち、深呼吸で緊張をほぐす。
(行くわよ! 吹雪の中の炎、真昼のゴースト、普段見れないライブを見せてあげる!)
そして(ウェイクアップシンバル)で大きな音を鳴らして、荒々しいライブが始まった。
シンバルの音を合図に、灼熱の光球と鋭い氷柱、さらに吹雪が3次元立体映像で空中に放たれる。
そこに【ゴーストダンサーズ】も加わり、盛り上がりに磨きがかかる。
観客たちは普段見れない風景に目を奪われながらも、リズムに合わせて軽くジャンプする。
一方マルベルたちは、自分たちに近い観客だけでも盛り上げようと、バトンを回すなどの演出をしていた。
サビに近づいてきたところで、観客たちの心に語りかけるように歌い、彼らの興奮を抑える。
ここで親近感のあるメロディに切り替えるためだ。
観客たちを落ち着かせたあと、【メロディリウム】でプラネタリウムのような幻想的空間を周囲に出現させながら
【ディアマイフレンド】でサビを歌う。
最後は彼女のライブが終わることを告げるかのように、しんみりとした雰囲気の中、終了したのだった。
◆ ◆ ◆
他のフェスタ生がライブを繰り広げているのを舞台袖で見ながら
白波 桃葉は仲間がいることの大切さを実感していた。
いつもはユニット仲間と一緒にライブをしていたが、今回は皆都合が悪く、1人だ。
1人になった今、仲間がいたからこそ安心してライブが出来ていたことが身に染みる。
(皆はいないけど、今日は……)
振り向けば、泰河が桃葉作詞の曲『Colorful』を、イヤホンで一所懸命聞いている。
断られる覚悟でライブしようと誘ったところ、彼は快く引き受けてくれた。
泰河は桃葉の視線に気づいたのか、顔をこちらに向ける。
「桃葉、どうかしたのか?」
「ううん、何でもないわ!」
桃葉は慌てて視線をステージに戻す。すると、泰河が隣に歩み寄ってきた。
「緊張するよな。1人だし、初めて自分で作詞した曲がみんなに受け入れてもらえるかどうかとか……」
「うん……でも私が楽しまないと他の人も楽しめないと思うの」
桃葉がそう言うと、ステージに立っているフェスタ生のライブが終わった。
2人はヘッドセットマイクを装着する。
「その意気、大事にしような! 行こう!」
泰河は太陽のような眩しい笑顔を向けながら、桃葉に手を差し伸べる。
「うん!」
その笑顔で勇気づけられた桃葉は、彼の手を勢いよく取った。
ステージに上がって、すぐ最初のポーズをとる。
シンとした空気の中、『Colorful』のイントロが流れ出す。
2人は【ビートフュージョン】で、リズムを的確に捉え、【ダンスの知識】と【振り付けの基礎】を生かして
明るく元気なダンスを披露する。
Aメロに入るところで、桃葉が歌い始める。
『真っ直ぐ前へ 進んだアナタ
私はただ その後ろ姿を見つめていた
手を振り解き 離れたアナタ
私の声かき消され 涙が零れていた
大切な人、手を伸ばし 続くように……
モノトーンじゃ 勿体ない
そう未来は Colorful』
桃葉の歌に、観客たちは曲に合わせてルミマルを振る。
中にはライトの色を青から赤へ変更する人もチラホラ見えた。
桃葉が歌い終わると、今度は泰河が歌い出す。
『足りない勇気 ほんの少し
「頑張ろう」と 気合い入れ直して 深呼吸
昔、人生バラ色って 聞いたけど
1色じゃ 勿体ない
そう未来は Colorful』
最後は2人で声を揃える。
『もうすぐ、絶対 アナタに追いつく
だから ついていく私に気付いて!
今もきっと 虹色の夢が見つかる
モノトーンじゃ勿体ない
そう未来は Colorful』
最後のポーズが決まると、観客たちは歓声を上げて応えてくれた。
2人のライブは大成功となり、笑顔でステージを降りたのだった。
マリパラマスコットの鮪鱗ちゃんが、観客たちにアナウンスする中、クロティア・ライハはステージ裏で
ゲームの譜面暗記と【イメージトレーニング】をしていた。
彼女が今回披露するのは、【ギター型ゲーム機】を使ったライブゲームだ。
(トップバッターですから、しっかりしないと……)
その気持ちが彼女の次の行動に現れる。
【イメージトレーニング】を続けながら、機械に入力した音を確認したあと
舞台袖に移動して、足で入力する音ゲー用十字コントローラーがちゃんとあることを確かめる。これがないと安心しないのだ。
すると、スタッフがクロティアにスタンバイするよう告げる。
クロティアは静かにうなずき、自分の出番を待った。
アナウンスと共に、クロティアは【グッドスマイル】でアピールしながら【ギター型ゲーム機】をじゃーんと掲げ、登場する。
そして、軽くゲーム機のレバーを弾いて繋がれているスピーカーから音を鳴らし
観客たちに【ギター型ゲーム機】で演奏することを強調した。
ステージ上で少し離れた先には、マルベルと椛音の姿。そのときだった。
マルベルが椛音の耳元で何か言うと、彼女は舞台袖へと消える。どうやら、ギター対決を展開するようだ。
マルベルがステージから降りたところで曲が始まり、2人は音をぶつけあう。2つの音に観客たちは鳥肌が立った。
椛音の演奏は雷のように力強く、クロティアは難易度の高いゲーム系のアップテンポな明るい曲を響かせ
時折入るドラムやエレクトーンの音に合わせながら正確にリズムを刻んでいく。
その音は心音を早めさせ、会場のテンションを引っ張り上げる。
(すごく楽しいわ!)
ゲーム系の音楽、それに合わせてルミマルを振る観客たち、そして椛音の演奏――
この状況が、クロティアの気分を高揚させる。このとき、彼女は足でステップを刻むべきか考えた。
だが足元に集中してしまうと、コードを踏んでしまったり、手元が狂う可能性があった。
演奏が進むにつれ、この雰囲気を壊したくない気持ちが強くなっていく。
彼女は演奏が終わるまでステップは踏まず、短い時間を観客たちと楽しんだ。
◆ ◆ ◆
(桐島先輩、いらっしゃるかしら?)
ライブ衣装である【ナチュラルセクシー】を着た弥久 風花は
ダメもとで彼と一緒に即興ライブが出来ないか聞いてみようと思い、泰河の楽屋へ足を運んでいた。
彼とライブする理由は、1人でのライブ対決は到底勝ち目がないと思っているからである。
行く途中、彼の特徴であるはねた髪が、楽屋の方へ曲がって行くのが見えた。
(いらっしゃったわ!)
風花は駆け出す。そして彼の名前を呼ぼうとした瞬間、びっくりするような光景が広がっていた。
「泰河さん、オレとライブしてくださいっ!」
「私もお願いします!」
出演する他のフェスタ生たちが、泰河を見るなりたちまち周りを囲う。彼らも風花と同じ考えのようだ。
泰河は嫌な顔をせず、1人1人対応していく。
その状況を見た彼女は泰河に気付かれないようにそっとその場を離れた。
(お忙しそうだし、私1人でやるしかないわ……!
今回のライブはパラダイスゲージの上昇が一番の目的。
私の出来るライブを精一杯やるだけよ!)
風花は自分の目的を改めて再認識し、ステージへと向かった。
出番になり、風花は(ウェイクアップシンバル)を持って登場する。ステージの真ん中に立ち、深呼吸で緊張をほぐす。
(行くわよ! 吹雪の中の炎、真昼のゴースト、普段見れないライブを見せてあげる!)
そして(ウェイクアップシンバル)で大きな音を鳴らして、荒々しいライブが始まった。
シンバルの音を合図に、灼熱の光球と鋭い氷柱、さらに吹雪が3次元立体映像で空中に放たれる。
そこに【ゴーストダンサーズ】も加わり、盛り上がりに磨きがかかる。
観客たちは普段見れない風景に目を奪われながらも、リズムに合わせて軽くジャンプする。
一方マルベルたちは、自分たちに近い観客だけでも盛り上げようと、バトンを回すなどの演出をしていた。
サビに近づいてきたところで、観客たちの心に語りかけるように歌い、彼らの興奮を抑える。
ここで親近感のあるメロディに切り替えるためだ。
観客たちを落ち着かせたあと、【メロディリウム】でプラネタリウムのような幻想的空間を周囲に出現させながら
【ディアマイフレンド】でサビを歌う。
最後は彼女のライブが終わることを告げるかのように、しんみりとした雰囲気の中、終了したのだった。
◆ ◆ ◆
他のフェスタ生がライブを繰り広げているのを舞台袖で見ながら
白波 桃葉は仲間がいることの大切さを実感していた。
いつもはユニット仲間と一緒にライブをしていたが、今回は皆都合が悪く、1人だ。
1人になった今、仲間がいたからこそ安心してライブが出来ていたことが身に染みる。
(皆はいないけど、今日は……)
振り向けば、泰河が桃葉作詞の曲『Colorful』を、イヤホンで一所懸命聞いている。
断られる覚悟でライブしようと誘ったところ、彼は快く引き受けてくれた。
泰河は桃葉の視線に気づいたのか、顔をこちらに向ける。
「桃葉、どうかしたのか?」
「ううん、何でもないわ!」
桃葉は慌てて視線をステージに戻す。すると、泰河が隣に歩み寄ってきた。
「緊張するよな。1人だし、初めて自分で作詞した曲がみんなに受け入れてもらえるかどうかとか……」
「うん……でも私が楽しまないと他の人も楽しめないと思うの」
桃葉がそう言うと、ステージに立っているフェスタ生のライブが終わった。
2人はヘッドセットマイクを装着する。
「その意気、大事にしような! 行こう!」
泰河は太陽のような眩しい笑顔を向けながら、桃葉に手を差し伸べる。
「うん!」
その笑顔で勇気づけられた桃葉は、彼の手を勢いよく取った。
ステージに上がって、すぐ最初のポーズをとる。
シンとした空気の中、『Colorful』のイントロが流れ出す。
2人は【ビートフュージョン】で、リズムを的確に捉え、【ダンスの知識】と【振り付けの基礎】を生かして
明るく元気なダンスを披露する。
Aメロに入るところで、桃葉が歌い始める。
『真っ直ぐ前へ 進んだアナタ
私はただ その後ろ姿を見つめていた
手を振り解き 離れたアナタ
私の声かき消され 涙が零れていた
大切な人、手を伸ばし 続くように……
モノトーンじゃ 勿体ない
そう未来は Colorful』
桃葉の歌に、観客たちは曲に合わせてルミマルを振る。
中にはライトの色を青から赤へ変更する人もチラホラ見えた。
桃葉が歌い終わると、今度は泰河が歌い出す。
『足りない勇気 ほんの少し
「頑張ろう」と 気合い入れ直して 深呼吸
昔、人生バラ色って 聞いたけど
1色じゃ 勿体ない
そう未来は Colorful』
最後は2人で声を揃える。
『もうすぐ、絶対 アナタに追いつく
だから ついていく私に気付いて!
今もきっと 虹色の夢が見つかる
モノトーンじゃ勿体ない
そう未来は Colorful』
最後のポーズが決まると、観客たちは歓声を上げて応えてくれた。
2人のライブは大成功となり、笑顔でステージを降りたのだった。