新世界を拓け! ヒロイック・クラリティ・プレリュード!
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リアクション
■エピローグ
――華乱葦原、天津神宮。
舞芸者たちがすべての演目を終えてなお、会場は活気に満ち満ちている。
「ありがとー!」
「最高だったぜ!」
「もっと見せてくれぇ!」
さまざまな歓声が響きわたるなか、ステージ上にある“朔ノ鏡”が不意にカッと光を放った。
光とともに温かな風が吹き、神宮全体に広がっていく。
そのあまりのまばゆさに、その場の全員が目を伏せた。
「こ、これ……!」
しばらくしてあたりを見回すと、ボロボロに破壊されていた天津神宮が、ゆっくりと降りてくる光の粒によって修復され始めていた。
観客たち、そして舞芸者たちでさえ、その光景に知らず感嘆の溜息をもらしていた。
そして、一安心といった様子で、神宮の巫たちは舞芸者に厚く礼を言った。
「ありがとう。みんなの働きで、天津神宮は無事に修復される」
「こちらこそ、こんなすごいものを見せてもらってるし……。
それに、立派な舞芸者になった銀狐も見られたしね」
「な、何を言う……!
本職が軽々しく、そういうことを口に出すものじゃない」
先ほどまで調子よく式神芸を披露していた銀狐は、しかし舞芸者という言葉に照れて首を振る。
「……おや?」
「どうしたの?」
ふと、ひとりの巫があたりを眺めて訝しげに首をかしげた。
それを認めた迅は気遣わしげに声をかけたが、巫のほうは首を横に振るばかりだった。
「いや……神宮の風景が、以前と少し違うような気がしたのです。
しかし天津神の作った朔ノ鏡は、めったなことで異常をきたしはしません――おそらく、私の思い過ごしでしょう」
「それならいいんだけど……」
もとのようにたおやかに笑って、巫は去っていった。
そして、思索する間もなく、迅を含む舞芸者たちは、多くの観客にやいのやいのと寄ってたかって称えられ始めた。
かくして、天津神宮は無事修復される運びとなった。
しかし魔剣ヒラサカは依然として輝夜の手にあり、“夜刀”の脅威も残されたままだ。
いまだ、葦原の行く末は、アイドルたちに託されている。
◆◇◆
――ところ変わって、セブンスフォール。
古代遺跡シアターアークで行われた大儀式は、いよいよ終わろうとしていた。
「――――♪」
アイドルたちによるライブで、大興奮の少女王リンアレルは、儀式の仕上げに空を飛びながら美しい声を披露していた。
クリスタルから展開された何重もの魔法陣はいわく“楽譜”であるとのことで、それにしたがって彼女は高らかに“ウタ”を歌っているらしかった。
古の神秘的な音色と、あたりに充溢する強い魔力を受けて、観客たちは感動に息を漏らす。
「……これが、門の封印を解く“ウタ”……」
「リンアレルちゃん――すごくきれいな声」
エンシェント……“翼ある人”となったリンアレルの“ウタ”に応じて、クリスタルは徐々に輝きを増し始めた。
そして光の筋がクリスタルから伸びていき――ディオライセの遺跡の方へと延びていった。
どうやら、遺跡の入り口の封印が説かれたようだ。
「……みなさん、ありがとうございました!」
儀式を終えたリンアレルが、舞台に降りて民衆に手を振る。
カンタレーヴェの民である観客たちはそれに、万雷の拍手と割れんばかりの声援でもってこたえた。
「さあ、これから忙しくなるのう」
「はい。私たちもお供します!」
いよいよ、ディオライセの向こう側への冒険が始まる。
莉緒と、そしてエルフの魔術師ファラムートもまた、これから始まる冒険を思い浮かべ、相貌を崩すのであった。
◆◇◆
――ところ変わって、地球。
東京湾上の大ホール、パラダイスシアター。
「みんな、ありがとなー!」
観客含め全員で歌うグランドフィナーレを終えた、ビッグイベント“ヒロイック・クラリティ・プレリュード”。
会場の盛り上がりを示すパラダイスゲージが最大値に達し、マリンパラダイス中では花火が上がっている。
さらにその裏では、盛り上がりのエナジーが異世界に向けて放たれ、異世界と地球の間に太い“繋がり”が作られていた。
巨大な装置がガタガタと揺れながら輝き、新たにつながった異世界に向けて強力なエネルギーが放射されている。
ノイズの波の到達まで、もう少し時間はあるものの、これだけの強い“つながり”があれば、ノイズの波にも立ち向かうことができるだろう。
聖歌庁の白陽 秋太郎は、それを見ながら地球の無事を安堵して息をついた。
しかし装置に据えられたモニターが不意に、ザラザラとした砂嵐と混ざり合って、何かを映し出しはじめた。
「……これは、異世界の映像か?」
映像は、二重になっているのか、あるいは交互に映されているのか……とにかく、二つの情景をおぼろげに見て取ることができた。
ひとつは夜空の下に広がるおもちゃの町並みのような風景。
そしてもうひとつは、猥雑なネオンと高層ビルの並び立つ風景である。
どうやら、地球は今回のイベントによって、新たに二つの世界とつながったようだった。
「だが……ノイズの波がどこから放たれたかは、観測できないか」
ディメンションシフトをはじめ、高度な技術力を持つ聖歌庁だったが、今回のノイズの波については発生源をつかみかねているようだった。
世界を狂わせるノイズは、“悪しきイドラ”から放たれるものだ。
それはつまり、これまでとは全く異質かつ強大なイドラが、この事件の背後にいる可能性があるということである。
襟を締め直した秋太郎は、異世界と今回の事件の、さらなる調査に向けてその場を立ち去ったのであった。
――華乱葦原、天津神宮。
舞芸者たちがすべての演目を終えてなお、会場は活気に満ち満ちている。
「ありがとー!」
「最高だったぜ!」
「もっと見せてくれぇ!」
さまざまな歓声が響きわたるなか、ステージ上にある“朔ノ鏡”が不意にカッと光を放った。
光とともに温かな風が吹き、神宮全体に広がっていく。
そのあまりのまばゆさに、その場の全員が目を伏せた。
「こ、これ……!」
しばらくしてあたりを見回すと、ボロボロに破壊されていた天津神宮が、ゆっくりと降りてくる光の粒によって修復され始めていた。
観客たち、そして舞芸者たちでさえ、その光景に知らず感嘆の溜息をもらしていた。
そして、一安心といった様子で、神宮の巫たちは舞芸者に厚く礼を言った。
「ありがとう。みんなの働きで、天津神宮は無事に修復される」
「こちらこそ、こんなすごいものを見せてもらってるし……。
それに、立派な舞芸者になった銀狐も見られたしね」
「な、何を言う……!
本職が軽々しく、そういうことを口に出すものじゃない」
先ほどまで調子よく式神芸を披露していた銀狐は、しかし舞芸者という言葉に照れて首を振る。
「……おや?」
「どうしたの?」
ふと、ひとりの巫があたりを眺めて訝しげに首をかしげた。
それを認めた迅は気遣わしげに声をかけたが、巫のほうは首を横に振るばかりだった。
「いや……神宮の風景が、以前と少し違うような気がしたのです。
しかし天津神の作った朔ノ鏡は、めったなことで異常をきたしはしません――おそらく、私の思い過ごしでしょう」
「それならいいんだけど……」
もとのようにたおやかに笑って、巫は去っていった。
そして、思索する間もなく、迅を含む舞芸者たちは、多くの観客にやいのやいのと寄ってたかって称えられ始めた。
かくして、天津神宮は無事修復される運びとなった。
しかし魔剣ヒラサカは依然として輝夜の手にあり、“夜刀”の脅威も残されたままだ。
いまだ、葦原の行く末は、アイドルたちに託されている。
◆◇◆
――ところ変わって、セブンスフォール。
古代遺跡シアターアークで行われた大儀式は、いよいよ終わろうとしていた。
「――――♪」
アイドルたちによるライブで、大興奮の少女王リンアレルは、儀式の仕上げに空を飛びながら美しい声を披露していた。
クリスタルから展開された何重もの魔法陣はいわく“楽譜”であるとのことで、それにしたがって彼女は高らかに“ウタ”を歌っているらしかった。
古の神秘的な音色と、あたりに充溢する強い魔力を受けて、観客たちは感動に息を漏らす。
「……これが、門の封印を解く“ウタ”……」
「リンアレルちゃん――すごくきれいな声」
エンシェント……“翼ある人”となったリンアレルの“ウタ”に応じて、クリスタルは徐々に輝きを増し始めた。
そして光の筋がクリスタルから伸びていき――ディオライセの遺跡の方へと延びていった。
どうやら、遺跡の入り口の封印が説かれたようだ。
「……みなさん、ありがとうございました!」
儀式を終えたリンアレルが、舞台に降りて民衆に手を振る。
カンタレーヴェの民である観客たちはそれに、万雷の拍手と割れんばかりの声援でもってこたえた。
「さあ、これから忙しくなるのう」
「はい。私たちもお供します!」
いよいよ、ディオライセの向こう側への冒険が始まる。
莉緒と、そしてエルフの魔術師ファラムートもまた、これから始まる冒険を思い浮かべ、相貌を崩すのであった。
◆◇◆
――ところ変わって、地球。
東京湾上の大ホール、パラダイスシアター。
「みんな、ありがとなー!」
観客含め全員で歌うグランドフィナーレを終えた、ビッグイベント“ヒロイック・クラリティ・プレリュード”。
会場の盛り上がりを示すパラダイスゲージが最大値に達し、マリンパラダイス中では花火が上がっている。
さらにその裏では、盛り上がりのエナジーが異世界に向けて放たれ、異世界と地球の間に太い“繋がり”が作られていた。
巨大な装置がガタガタと揺れながら輝き、新たにつながった異世界に向けて強力なエネルギーが放射されている。
ノイズの波の到達まで、もう少し時間はあるものの、これだけの強い“つながり”があれば、ノイズの波にも立ち向かうことができるだろう。
聖歌庁の白陽 秋太郎は、それを見ながら地球の無事を安堵して息をついた。
しかし装置に据えられたモニターが不意に、ザラザラとした砂嵐と混ざり合って、何かを映し出しはじめた。
「……これは、異世界の映像か?」
映像は、二重になっているのか、あるいは交互に映されているのか……とにかく、二つの情景をおぼろげに見て取ることができた。
ひとつは夜空の下に広がるおもちゃの町並みのような風景。
そしてもうひとつは、猥雑なネオンと高層ビルの並び立つ風景である。
どうやら、地球は今回のイベントによって、新たに二つの世界とつながったようだった。
「だが……ノイズの波がどこから放たれたかは、観測できないか」
ディメンションシフトをはじめ、高度な技術力を持つ聖歌庁だったが、今回のノイズの波については発生源をつかみかねているようだった。
世界を狂わせるノイズは、“悪しきイドラ”から放たれるものだ。
それはつまり、これまでとは全く異質かつ強大なイドラが、この事件の背後にいる可能性があるということである。
襟を締め直した秋太郎は、異世界と今回の事件の、さらなる調査に向けてその場を立ち去ったのであった。
担当マスター:ヒロイックソングス!運営チーム
担当マスターより
『ヒロイックソングス!』運営チームです。
「新世界を拓け! ヒロイック・クラリティ・プレリュード!」のリアクションをお届けいたします。
スペシャルシナリオは、アクションを投稿しているか、
アクションを投稿していなくても「・アクション投稿しなくても登場を希望」の項目にチェックを入れた場合、基本的にリアクションに登場しています。
基本的にPCは1シーンに登場していますが、シーン分割の関係で数ページに渡って名前がある場合もございますので、リアクションを読み進めてご確認頂ければと思います。
また、今回のリアクションの結果を受け、【11/15(水)】に
セブンスフォールのトリガーシナリオが公開予定です!
お楽しみに!
また、称号やマスターからのコメントがある場合、最終ページ下にお知らせが表示されますので、併せてご確認下さい。
今回のリアクションを受け、【芸格】が昇段した方につきましては、
以下の名簿のほか、個別にコメントにてご案内させていただいております。
【今回昇段されたプレイヤー様】
・前座→序ノ口
クロティア・ライハ(HSM0000043)様
空染 水花(HSM0003785)様
・序ノ口→二ツ目
アーヴェント・ゾネンウンターガング(HSM0001901)様
日下部 穂波(HSM0000148)様
・二ツ目→三段目
凍鶴 緋桜(HSM0000041)様
・三段目→下立
合歓季 風華(HSM0002545)様
藍屋 あみか(HSM0000643)様
・下立→相中
天地 和(HSM0001323)様
・相中→上分
芹沢 葉月(HSL0005971)様
・上分→名題前
ウサミ 先輩(HSM0001493)様
麦倉 淳(HSL0004295)様
・名題前→名題越
桐山 撫子(HSM0000170)様
空花 凛菜(HSM0001977)様
シャーロット・フルール(HSM0002441)様
【1】パラダイスシアターでライブする!
担当:黒羽 冴
本シナリオにご参加いただき、ありがとうございました。【1】を担当させていただきました、黒羽冴です。
今回、新しさをテーマにしたライブを観客たちは期待しているということでしたが
皆さまのアクションを拝読して、「新しさ」の解釈がそれぞれあって面白かったです。
今回、スペシャルシナリオが初めてなので、私にとっても「新しい」挑戦でした!
執筆期間中は、自分にとってとても刺激的なことが多く、いろんなことを学べました。
皆さまには感謝しています。本当にありがとうございました!
【2】シアターアークでライブする!
【3】天津神宮でライブする!
担当:夜月天音
参加者の皆様大変ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
様々なライブの披露や交流をして頂きありがとうございました。
ほんの僅かでも楽しんで頂ければ幸いです。
「新世界を拓け! ヒロイック・クラリティ・プレリュード!」のリアクションをお届けいたします。
スペシャルシナリオは、アクションを投稿しているか、
アクションを投稿していなくても「・アクション投稿しなくても登場を希望」の項目にチェックを入れた場合、基本的にリアクションに登場しています。
基本的にPCは1シーンに登場していますが、シーン分割の関係で数ページに渡って名前がある場合もございますので、リアクションを読み進めてご確認頂ければと思います。
また、今回のリアクションの結果を受け、【11/15(水)】に
セブンスフォールのトリガーシナリオが公開予定です!
お楽しみに!
また、称号やマスターからのコメントがある場合、最終ページ下にお知らせが表示されますので、併せてご確認下さい。
今回のリアクションを受け、【芸格】が昇段した方につきましては、
以下の名簿のほか、個別にコメントにてご案内させていただいております。
【今回昇段されたプレイヤー様】
・前座→序ノ口
クロティア・ライハ(HSM0000043)様
空染 水花(HSM0003785)様
・序ノ口→二ツ目
アーヴェント・ゾネンウンターガング(HSM0001901)様
日下部 穂波(HSM0000148)様
・二ツ目→三段目
凍鶴 緋桜(HSM0000041)様
・三段目→下立
合歓季 風華(HSM0002545)様
藍屋 あみか(HSM0000643)様
・下立→相中
天地 和(HSM0001323)様
・相中→上分
芹沢 葉月(HSL0005971)様
・上分→名題前
ウサミ 先輩(HSM0001493)様
麦倉 淳(HSL0004295)様
・名題前→名題越
桐山 撫子(HSM0000170)様
空花 凛菜(HSM0001977)様
シャーロット・フルール(HSM0002441)様
【1】パラダイスシアターでライブする!
担当:黒羽 冴
本シナリオにご参加いただき、ありがとうございました。【1】を担当させていただきました、黒羽冴です。
今回、新しさをテーマにしたライブを観客たちは期待しているということでしたが
皆さまのアクションを拝読して、「新しさ」の解釈がそれぞれあって面白かったです。
今回、スペシャルシナリオが初めてなので、私にとっても「新しい」挑戦でした!
執筆期間中は、自分にとってとても刺激的なことが多く、いろんなことを学べました。
皆さまには感謝しています。本当にありがとうございました!
【2】シアターアークでライブする!
【3】天津神宮でライブする!
担当:夜月天音
参加者の皆様大変ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
様々なライブの披露や交流をして頂きありがとうございました。
ほんの僅かでも楽しんで頂ければ幸いです。