――地球。
　洋上の巨大ライブ施設、東京湾マリンパラダイスは、今や興奮のるつぼと化していた。

　点在する野外ステージには大きなスクリーンで異世界……華乱葦原とセブンスフォールの様子が映し出され、
　それぞれには非常に手の込んだセットだと思っている観客たちが詰めかけている。

　マリパラ中心部にあるもっとも大きなホール、パラダイスシアターには
　新たなアイドルプロジェクトの到来を待ちかまえた観客たちが詰めかけていた。
　ステージ上にある大型モニターには、異世界、そしてこの会場の興奮を示すパラダイスゲージが映されている。

　さらにその後ろ――観客から見えない位置には、パイプやコイルが複雑に絡み合った大きな機械が据えられていた。
　三つの世界の興奮を一挙に集め、そしていまだ不安定な、新世界との“道”に向けて発射するための装置である。

「頼んだぞ、アイドル諸君――」

　聖歌庁の白陽秋太郎が、その装置を見つめてそう呟いた。
　そして機械には観客たちの興奮が少しずつ溜まり始め、“ヒロイック・クラリティ・プレリュード！”の開演を告げるのであった――。

■目次■

1ページ　プロローグ・目次

2ページ　パラダイスシアターライブ　昼の部【1】新たな可能性は私の中に
3ページ　パラダイスシアターライブ　昼の部【2】初期衝動
4ページ　パラダイスシアターライブ　夕方の部【1】観客へのアプローチ
5ページ　パラダイスシアターライブ　夕方の部【2】SKYRIUM
6ページ　パラダイスシアターライブ　夜の部【1】パフォーマンスは派手に、面白く！
7ページ　パラダイスシアターライブ　夜の部【2】夜明けの旋律

8ページ　ライブｉｎシアターアーク・１
9ページ　ライブｉｎシアターアーク・２
10ページ　ライブｉｎシアターアーク・３
11ページ　ライブｉｎシアターアーク・４
12ページ　ライブｉｎシアターアーク・５

13ページ　ライブｉｎ天津神宮・１
14ページ　ライブｉｎ天津神宮・２
15ページ　ライブｉｎ天津神宮・３
16ページ　ライブｉｎ天津神宮・４

17ページ　エピローグ