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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

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■セブンスフォールブロック 6



「よろしく頼むよ」

「あと少し!」

 顔を合わすや否や、心美とアーヴェントは戦闘を開始する。

 先手は攻めが主体のアーヴェントだ。ヘルト・エアツェールングにて【エクセキューショナーズセンス】で急所を狙って攻撃をしかける。

 もちろん、守りが主体の心美は【ブロッキング】でそれを受け流すように防いでいく。

 さらに心美がその【ブロッキング】と織り交ぜてパイクシールドで防御しつつ、隙をみてシールドバッシュで反撃する。

 一方のアーヴェントはそれを【アーマーブレイク】で押し切り、再び急所を狙って斬りかかる。

「っつ……」

 その一撃が心美の関節部を掠る。

 そして、まだまだアーヴェントの攻撃の手は緩まない。心美が痛みで一瞬隙が出来たところにさらにもう一振り、追撃を見舞うのだ。

 それを咄嗟に一歩引き、またも掠るが何とか被害を最小限にとどめる。

 引き続きアーヴェントがヘルト・エアツェールングで襲い掛かる。それをひたすら【ブロッキング】で受け止める心美。
 けれども、今度は少しずつ、受けるポイントをズラシながら、身体を傾けつつ防御していく。

「よし、今!」

 そして、アーヴェントの攻撃が深く入った隙を見て、【ブロッキング】で受け止めたまま身体を横にズラし、抜けるようにしてアーヴェントの背後をとり、【ジャッジメントハック】を見舞う。

 決まった――……心美はそう確信していた。けれども、アーヴェントは多少のダメージは覚悟の上で、その攻撃をソードブレイカーで受け止めつつ、もう片方の手でヘルト・エアツェールングを【ウェポン・スロー】で投げ放ったのだ。

 間一髪、心美の峰打ちが食い込むより先に、アーヴェントのヘルト・エアツェールングが心美の剣を握る腕を掠り、衝撃で剣を落としてしまう。

 すると、受け止めた方向に流れるように身体を回転させ、そのままアーヴェントは振り向きざまにソードブレイカーで急所にもう一度斬りつける。

「うっ……」

 そのまま心美は膝をつき、気絶してしまった。

「ありがとう、あの一撃は危なかった。
 参考になる試合だった」





 そして、アーヴェントたちが戦っていたすぐ横でも、雲人と風花が火花を散らしていた。

「このブロックは激戦区ね、でも負けないわよ!」

 早速猛攻を仕掛けたのは風花だ。レッドブレイドで斬りかかりにいく。

 それを雲人もナイトメイルの盾で受け止めつつ、反撃に出ようとする。けれども、今度はアイシクルブレイドが雲人を襲い掛かる。
 【ベスティアリ】の戦闘術で雲人に反撃する間を与えないくらいに攻撃を繰り返す。手数が多い分、防ぎきれなかった切り傷が少しずつ蓄積していく。

 しかしながら雲人もまた、ただ攻撃を受け止めている訳ではなかった。実は【コアチェック】で風花の弱点を探っていたのだ。

 先ほどから攻めに力を入れている風花。しかしながら防御はどうなのだろうか。

 そこをついて雲人が反撃に乗り出す。

 風花は手数こそ多いが、二刀流のためその一撃への重みがない。

 そこをついて、一歩深めにこちらに攻撃を入れさせ、それを勢い良く弾き返す。

 すると、やはり、力強く飛ばされ、一歩後退して風花が着地する。

 その隙を狙って雲人が【レイジオブビースト】で強力な斬撃を見舞う。

 その斬撃を何とかすれすれで回避すると、風花は思わぬ行動にでる。

 追撃の衝撃波を構うことなく、チェストガードのわずかながらの防御で突き進み、逆にこちらに向かってきたのだ。

「つっ……でもまだまだ!」

 風花の戦闘スタイルはひたすら攻撃をすること。どんな状況に置かれてもそれは変わらない。
 さらには負傷も覚悟の上。

 今度は風花から【ソードフレア】で攻撃を仕掛けていく。
 もちろんのこと、雲人もその攻撃を盾で受け止める。

 しかし、その追撃の爆散までは避けきれなかった。

「くっ」

 雲人はダメージを受けつつ、一歩後退。
 この爆炎に紛れて体勢を立て直そうとしたその時――……

「爆炎なんて無視して攻撃攻撃攻撃あるのみ!!」

 爆炎の中突っ込んできた風花が威勢の良い一振りを見舞う。

「うっ」

 よろけたのが最後、そのまま何度も何度も風花は押し出すように攻撃を繰り返す。

 そして、最後はレッドブレイドを納め、アイシクルブレイドをしっかりと両手で握り、力いっぱい斬りに行く。

 先ほどまでの猛攻でリンク端ギリギリまで押し出されていた雲人は最後の一撃でバランスを崩し、そのまま場外へと弾き出され、場外アウトとなってしまった。



 その戦いが終わるとほぼ同時に、アーヴェントが飛び掛かって来る。

 残るはアーヴェントと風花のみだ。

「目指すは優勝! 自分に恥じない戦いをしてみせる」

「フェスタ最強の座は私の物よ! まずはここを斬り抜けてみせる!」

 アーヴェントと風花の剣が大きな音をたててぶつかり合う。

 互いに剣を交えたまま睨み合い、一歩下がる。

 さらに踏み込んで、もう一撃。再び金属音が鳴り響き、両者一歩も譲らない。

 アーヴェントも風花も攻めて攻めて攻めまくるタイプ。一進一退を繰り返しながら、互いに隙を探り合う。

 先に動いたのは風花だ。残りのMPも僅か。ブロック突破への道を掴むべく、手数での猛攻を試みるようだ。

 一歩後退したその時に、レッドブレイドで風花は斬りかかりにいく。それをアーヴェントもソードブレイカーで受け止め、反撃しようとする。

 しかし、風花はそれよりも速く今度はアイシクルブレイドによる斬撃を見舞う。巧みな【ベスティアリ】の戦闘術を展開していく。

「つっ……」

 アーヴェントはそれを防がずに、今度はこちらから仕掛けていく。多少の傷を気に留める気はなさそうだ。リング・フェーニクスことブレス・フェニックスの力を借りつつ、無理やりにでも身体を動かす。

 そして、ヘルト・エアツェールングにて【エクセキューショナーズセンス】で感じた急所に切り込んでいく。

「うっ……」

 その一撃が関節部を掠り、機動力を割かれる。
 けれども、風花もまた多少の傷は気にせず、今度はレッドブレイドを両手持ちし、力いっぱい踏み込んで斬りにかかる。

「「攻撃こそ最大の防御」」

 奇遇にも、2人とも同じ信念を持ち、攻めかかる――……。

 アーヴェントは【アーマーブレイク】で風花の反撃を顧みず、怒涛の攻撃を見舞う。

「つうっ……」

 それを受けつつ、負けじと風花もレッドブレイドを振り切る。

「くっ……」

 アーヴェントもまた、その反撃を受けながらも何とか耐え抜く。そして、すかさず風花の背後に回り、ヘルト・エアツェールングを振りかざす。

 それを受け止めようとレッドブレイドを風花も強く握り直す。

「なっ!?」

 が、しかし、風花の関節に鈍い痛みが走り、がくりと膝をつく。

 気が付けば最初に切り込まれた急所にソードブレイカーが刺さっている。

 アーヴェントは背後に回る瞬間、【ウェポンスロー】でソードブレイカーを投げていたのだ。
 先ほどの振りかざしたヘルト・エアツェールングはそれを欺くためのフェイクであった。

「ありがとう、君と戦えてよかった」

 今度こそ本当にヘルト・エアツェールングを振りかざし、【エクセキューショナーズセンス】に感じたまま急所に斬撃を食らわす。
「う…ん……」

 そのまま風花はバタリと倒れ、気絶してしまった。

 こうして、アーヴェント・ゾネンウンターガングが勝利を収め、セブンスフォールブロックを生き残った。
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