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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

フェイトスター☆ファイトクラブ!

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■セブンスフォールブロック 4



 そして、このブロックの参加者は開幕攻撃以外にも気を付けなければならないことがあった。

 それは桐島 泰河と橘 駿である。

「駿、いくぞっ! 手加減はなしだ」

「いいだろう、全力で行こうじゃないか」

 周りを見ることなく、激しく戦闘を始めたからだ。

 その余波に巻き込まれないように、その辺りを避けつつ、皆動き回っていた。

 すると、いきなり勝負を挑むどころか周りに声をかけ始めた者がいる。鳴水立 輝海だ。

「残しとくと多対一になってヤバイよ? 先にあっち潰さない?」

 輝海の目線の先は2人以上で戦っているものばかりだ。

 けれども、皆警戒し、目の前の敵に夢中で輝海に耳を貸すものはいなかった。

 そんな中、輝海と目が合ったのは横からの攻撃に警戒しつつ、周りと距離をとっていたリリィ・エーベルヴァインであった。

「キミ、他の人らが倒れるまで俺らは休戦しとかない?」

 その提案にリリィは肯定も否定もせず、立ち去ってしまった。リリィもまた他の人を利用しながら勝ち残ろうと考えていたものの、いきなり信用してよいかは分からなかったからだ。

 仕方なく、輝海も自身の獲物となる敵を探し始めた。

 さらに忘れてはならないことがひとつ。

「お前達! 調子はどうだーー!
 もっと自分たちの力を引き出すんだぁぁぁああ!!」

 そう、北郷 瑞己先生の存在だ。
 積極的に生徒へと挑んでくる。

 そして運悪く最初に目が留まったのは雲人のようだ。

「今日は戦闘日和だなぁ!」

 すかさず、軽いフットワークで殴りにかかってくる北郷先生。それに対してナイトメイルで防御しつつ、巨剣ソウルバンカーことジャイアントソードで斬りかかる。
 もちろん、それを北郷先生も得意の【フェスタ流護身術】でかわしてくる。

「はっはっはっ、良い攻撃だ!」

 と、そこに駿に弾き飛ばされた泰河が飛んでくる。

「くっそっ! 今度はこっちからいくぜ!」

「桐島、いいぞ! その意気だ!!」

 泰河は素早く身体を起こし、得意の【ラン&スラッシュ】で今度は先手を仕掛けていく。

 そして、その隙に雲人はやっかいな先生から素早く脱してみせた。

「ん? まぁいいか! 次の生徒を見に行くか!」




 さらに、そのすぐ近くではウィリアム・ヘルツハフトが慌てふためいていた。

「ウィルさんウィルさーん! わたしも一緒に参加するよー!」

「……む? おい歌音、なぜお前がここにいる? お前は確か応援ライブをすると言っていたはずだが……」

 というのも、ウィリアムの認識ではいる筈のない虹村 歌音の姿があったからだ。

 歌音は他のメンバーに応援ライブをしようと声をかけたものの、大会に参加する者が多く、急遽自身も大会に出てウィリアムの手伝いをすることにしたらしい。

「……どうやら状況が変わったようだ。
 この場はいわば、歌音を狙う悪漢共に取り囲まれた状況に近い。歌い手を守る『王国騎士』の訓練の場としては最適だな」

 そう言いながらウィリアムは歌音の敵と成りかねぬ者がいないかを警戒し始めた。

 そんなウィリアムの目に止まったのはすぐ傍にいたリリィだ。

 リリィはその危機を脱しようと、まず歌音に【エアブロウ】を放ち、ウィリアムへとぶつからせようとする。

「わたしだって守られてばっかりじゃない。ちゃんとウィルさんの力になれるってところ、見せてあげるんだから!」

 しかし、歌音は【神獣覚醒】で大きくした幼生神獣のアルカに飛び乗り、 飛行して回避してみせる。

 さらにもう一発【エアブロウ】を放つと、それをウィリアムが【ハートオブナイト】で間に入って阻害してみせる。

「全力で駆逐させてもらうとしようか」

 そこにウィリアムがトドメをさしにかかろうとした所で、歌音を狙った無数の氷の刃が飛んでくる。

「きゃっ」

 咄嗟にピクシーローブの結界で防ぐも、避けきれなかったものが神獣のアルカに掠ったようだ。

 ぐらりと飛行している歌音が揺れる。

「歌音!」

 その背後から現れたのは輝海であった。先ほどの攻撃は輝海による【氷刃乱舞】だ。

「やっぱり俺たちは休戦しとかない?」

「わかった。少しでも人が減る方がいいし」

 助けられたことにより、リリィも信じることにしたようで、2人で一時的に休戦して戦い始めた。

 すかさず、バランスを崩した歌音に向けてリリィが【ダークネス】を放つ。

「ぐっ」

 すると、そこにウィリアムが急ぎ割り込み、その攻撃を喰らってしまう。
 けれども、ナイトメイルで咄嗟に防御したこともあり、致命傷には至っていないようだ。

 しかし、すぐさま背後から輝海がスリーピングダガ―で斬りにかかる。

「くっ」

 このまま一方的に輝海たちの勝利となるかと思われたが、体勢を立て直した歌音が【スカイハイ】を見舞う。

「ウィルさん!!」

 広範囲に広がる光の波動を回避するべく、2人して反対方向へと動き、ギリギリでかわして見せる。

 けれども、その衝撃が大きく、輝海とリリィは体勢を崩し転んでしまったようだ。

 すると、その輝海が回避した先に回り込み、ウィリアムが【レイジオブビースト】を見舞う。

「なっ……!」

 しかし、その攻撃の瞬間に合わせて、ウィリアムの足元にリリィが【エアブロウ】を放つ。

 それにより、ウィリアムの強力な斬撃が横へと逸れた。

 続いてくる衝撃波には体勢を立て直し、なんとかかわしてみせる。

 さらにはその攻撃後にできる隙をついて、輝海からスリーピングダガ―で斬りにかかり、攻撃していく。
 時間がたち、上手くいけば眠ってくれるかもしれない。

「くっ」

 どんどんとウィリアムに傷が蓄積していく。けれどもそこに【ニンブル・ブレス】を施そうと歌音がやってくる。

「流石に疲れる、早く終わらせよう」

 と、そこにリリィが再び【ダークネス】を放つ。

 それに気づいた歌音が回避しようとしたその先に、すかさず輝海が【氷刃乱舞】を飛ばす。
 これにより、避けきれなくなってしまった歌音。

 直撃する、思わず目を瞑ったその時、歌音と【ダークネス】の間にウィリアムが飛びこむ。

「うっ」

 そして、そのまま歌音を守り切ってウィリアムは気絶してしまった。

「ウィルさん!!」

 その様子をみて、一瞬固まる歌音であったが、その仇を討つべく、再び【スカイハイ】を見舞う。
 さすがの輝海とリリィも2発目は避けられないだろう。

「これはまずいかもね。お互い生き残ったらまた後で」

 リリィと輝海は散るようにして解散し、可能な限り走り回避に専念する。けれども、完全には避けきれず、かなり負傷してしまったようだ。

「はぁはぁ。後、どの位残ってる?」

 そして、疲弊しながらも、リリィは残りの敵を確認していた。

 すると、そこに木戸 一晴が現れる。

 リリィにはもうほぼ魔力は残っていない。先手を取るため【ツインスラッシュ】でミヅキ作・魔法剣による二連撃を見舞う。

 一方の一晴は【マナエグザート】でマナを活性化させ、魔法攻撃力を上げた上でアーククリスタルで防御。その追撃の衝撃波を跳んで回避してみせる。

 そのまま一定の距離を保とうと一歩後退すると、リリィは【エアブロウ】を放ち、少し離れた位置から攻撃してくる。

 それを再びアーククリスタルで防ぎつつ、焦らずに少しずつ間合いを詰めていく。

 そして今度は一晴からserpenteことスウェールヴァイパーにて【アーリーアタック】で布石を残しながら攻撃を仕掛けていく。

 リリィもそれを回避するも、その回避した位置に合わせて鎖を引き、一晴がserpenteを自身の手元に戻す。もちろん、ダガーを掴まれないように細心の注意も払っている。

「いたっ……」

「己の戦いを試したいんだ」

 鎖を引いたときに風の刃リリィを襲い、切り傷が出来る。さらにそれにより反応が遅れたことを見逃さず、先ほど切り傷が出来た箇所に一晴が斬りかかる。

「うっ」

 ウィリアムたちとの戦闘の疲れもあり、リリィは痛みに耐えかね、気絶してしまった。


 すると、そこにシャーロットが【トリッキーラッシュ】で人混みに紛れて一晴に斬りかかりに来る。

 それを一歩後退してかわしつつ、アーククリスタルで防御する。
 そのまま立ち去ろうとするシャーロットだが、すかさず背後からserpenteを投げつける。それに合わせて見えない風の刃がシャーロットを襲い掛かる。

「いった!」

 マン・ゴーシュで受け流そうとするも、それが掠ってしまう。狙ったのは脚だ。
 シャーロットは脚を負傷し、痛そうにしている。
 すると、そこにすかさず一晴が【アーリーアタック】で攻撃し、次の一手に備える。
 シャーロットもまた今度はしっかりと回避してみせるも、これは見えない刃。近接戦は少しシャーロットには分が悪いようだ。
 けれども、それもしっかりと対策をしている。

 シャーロットはスフィリカルブリザードを発動させ、凍てつく突風で氷柱の刃を一晴に向かって撒き散らす。

「くっ」

 これにより、攻撃していた一晴は防御が遅れ、何本かの氷柱の刃が突き刺さってしまう。

 さらにこの突風に紛れてスリーピングダガ―で斬りかかりに行くも、一晴はくるりと向きを変え、アーククリスタルで防御。

 さらにシャーロットが次の攻撃に出ようとすると……

「ううっ」

 バタリと倒れて気絶してしまった。

 なんと、その背後には戦闘に集中している者を狙ったジュレップ・ガーリースカイがいた。シャーロットに対してはレッドラビットことレッドブレイドとホワイトラビットことアイシクルブレイド を用いて【ベスティアリ】で同じ個所を2回ほど狙って斬りかかったようだ。

「一晴ちゃんには見つかっちゃったね。でもこのままいっくよー!」

 どうやら本来は一晴とシャーロットの両方を狙っての攻撃であったらしい。
 しかしながら、一晴は事前に複数の敵に同時に攻撃された際の事を想定して動いていたようだ。
 ジュレップの攻撃の射線にシャーロットが重なるように咄嗟に動いたらしく、結果としてシャーロットが気絶してしまった。

 ジュレップはそのまま【エクセキューショナーズセンス】で一晴の急所目がけて斬りかかり、攻め続ける。

 一方の一晴はじっとアーククリスタルで防戦をしている。

 すると、隙をみて、ジュレップの剣を強く弾き返し、一歩後退して距離をとりつつ【アーリーアタック】で一晴から布石となる攻撃を仕掛ける。

 その一撃をジュレップもまたフェザーアーマーを上手く活かしつつ、横に逸らして回避してみせる。けれども、その一撃に気をとられた瞬間を見計らって、crudeleことスフィリカルブリザードを発動。

「きゃっ」

 ジュレップに凍てつく突風と氷柱の刃が襲い掛かる。もちろん、咄嗟に回避は試みたものの、避けきれるはずもなく、かなりのダメージを喰らってしまったようだ。

 しかし、ジュレップは負傷しながらもすぐに反撃にでる。
 再び【エクセキューショナーズセンス】で急所目がけて斬りにかかりにいく。それを一晴もガードしてくる。
 けれども、このガードに合わせてジュレップが【ソードフレア】で攻撃。それに合わせて爆発が起こる。

「視界がっ」

 その攻撃自体は何とかアーククリスタルで防いでみるも、爆風で視界が奪われてしまった。

「負けないよー!」

 と、その隙に背後に回ったジュレップが再び急所を狙って切り込み、一晴もまた気絶してしまった。

 負傷こそしてしまったものの、ジュレップの気持ちはまだ前向きなようだ。次の敵に警戒しながら、外側をぐるりと回り始めた。
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