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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

フェイトスター☆ファイトクラブ!

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■決勝戦

 厳かな音楽と歓声を背中に、決勝ブロック進出者が、闘技場へと足を踏み出した。

 セブンスフォールブロック勝者、アーヴェント・ゾネンウンターガング。
 華乱葦原ブロック勝者、エイリル・プルフー。
 地球ブロック勝者、火澄 悠。

 彼らは今、フェスタ最強の一歩手前にいる。
 その闘志で、今や会場は今にも燃え上がりそうなほどだった。

「まずはここまでの健闘を称えよう。だが、ここがお前たちの正念場だ!
 それぞれ、悔いの無いように戦ってくれ!」

 北郷先生がいつになく力のある視線で、三人に激励を飛ばす。
 そして、三人は等間隔に離れたバミへと足を運び、戦いの準備を整えた。
 予選をともにしたものたちの想いを背負い、闘いの火蓋が切って落とされた。

「よろしくな、騎士様ッ!」
「望むところだ!」

 一手め、まず誰よりも早く、悠はキンコンダッシュでアーヴェントめがけて距離を詰めた。
 稲妻のごとき素早さで悠の雷震が振るわれるも、アーヴェントはこれをソードブレイカーでいなしていく。
 対してアーヴェントもヘルト・エアツェールングを小振りに仕掛けるが、悠はパームカウンターを用いて危うく防ぐ。

 両者とも攻めあぐね、一進一退の様相を呈していたその時。
 地面から巨大な拳を生やして、エイリルが不意打ちをかけてきた。

「そこです――!」

 戦いながらも様子をうかがっていた悠はそれを危うく回避。
 アーヴェントは持ち前の膂力とソードブレイカーを突き出して受ける。
 引いた拳の向こう側、エイリルは覚悟を決めて古錆びた妖刀を構え、間合いを詰めた。

 この状況で二人に不意打ちをするということはつまり、目をつけられるということでもある。
 無論エイリルもそれを承知の上で、氷丸招来を悠めがけて打ち込んでいく。

「撃ち負けません……!」
「不意打ちにはッ!」

 体勢を立て直したアーヴェントが構えるよりも早く、悠はキンコンダッシュでエイリルとの距離を急激に縮めた。

 エイリルの闘鬼の拳を半身に受けながらも、悠は動きを乱さずエイリルへと突撃。
 そして雷震の間合いにエイリルをとらえると、強烈な拳の一撃をエイリルにお見舞いした。
 雷震――ショックグローブの電撃がエイリルの身体に走る。

「……素晴らしい打ち込みでした」
「そっちも、手ごわかったぜ」

 悠の雷震による痛烈なダメージに、昏倒するエイリル。
 だが、さらにアーヴェントもこちらへ向かってくる。

「やられは、しない――!!」
「オレにも、ゆずれねーもんはあるんだッ……!」

 振られる剣を決死の覚悟でかわし、傷を受けながらも悠は反撃を繰り出していく。
 傷を受けながら、しかしアーヴェントは鬼神のごとく剣を振る。
 満身の力を込めた一撃が続き、さしもの悠もパームカウンターでは受けきれない。
 そしてかわしきれなくなった悠は、すさまじい連撃の餌食となった。

「は――さすがだな」
「……ありがとう、いい試合だった」

 短いやり取りを残して、悠はバッタリと倒れこむ。
 そして、最後まで立っていたアーヴェントが残心を終えると、会場が割れんばかりの歓声に包まれた。

 今ここに、フェスタ最強の座が決したのだ。
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