フェイトスター☆ファイトクラブ!
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リアクション
■地球ブロック 3
開始直後から他の参加者たちと一定の距離を取り、じっと観察していたのは風渡 翼だ。
戦いの余波に巻き込まれないようにしながら、回避を優先に逃げ回っている。
バトルロイヤル形式、戦わないのもまた戦い方ということだろう。
さらに翼はプロデューサー。このような戦いの場は、それぞれの個性が十分に発揮される場合が多い。
そんなアクションを多数みることもまた、次回の舞台演出に役立てることができるかもしれない。
「しっかり勉強させてもらおう」
そんな想いで立ち回っていたのだが、ここは最強を目指して集まってきたものばかり。
逃げるばかりで残り切るのは難しいというもの。
「一般生徒でどこまで行けるかを試す。
オレも負ける気はないぜ……」
そんな翼に挑んでいったのは火澄 悠である。
敵を油断させようと【スローライフ】で平凡さを出していたのだが、内心は勝ち残るという強い決意で満ち溢れていた。
ステージに立つ際の【素人魂】のような感覚で。
まず翼の姿を確認すると素早くエアーハンドガンを取り出し、【クイックドロー】による2連撃を見舞う。
翼はそれを何とかピルムによる【ブロッキング】で防いでみせる。
その間に距離を詰められそうになり、逃げ切る為に服のポケットに入れていた缶ジュースをそっと足元に転がす。
「一般生徒だからとなめられるかもしれないが……
それでもオレはまだ自分を枠にはめたくねーんだよ」
缶ジュースは転倒を狙ったものだが、悠はそれを見逃してはいなかった。
その缶ジュースを飛び越え、立ち向かってくる。
今度は翼が【ツインスラッシュ】で二連撃を行う。
その二連撃を【パームカウンター】で悠は受け流し、掌底にて反撃する。
もちろん、それを翼も【ブロッキング】で再度防御。このまま攻防を繰り返し、長期戦に持ち込もうとしていた。
けれども、その掌底による攻撃は物理的なものだけではなかった。
突如、そこから電気が流れ込む。
「な、電気!?」
そう、一見、エアーハンドガンに目が行きがちだが、悠の武器はそれだけではなかったのだ。
その手に嵌めているグローブは雷震ことショックグローブであった。
予想外の電気による攻撃。ピルムに電気が伝い、思わず翼は武器を落としてしまう。
「オレはまだ何にでもなれるし、なんだってやれる、何処へだっていける……!」
この一瞬の隙に先ほどの掌底で攻撃した反対側の方から力一杯の拳を見舞う。
「うっ」
その拳が腹に食い込むと共に、わずかながらも電気が流れ全身に痺れが走る。
その一瞬の痺れが自由を奪い踏ん張ることが出来ず、翼は吹き飛ばされて場外アウトになってしまった。
そして、仄から逃げ切った兵一郎もまた、徹と戦っていた。
序盤はなんとか防戦で耐え忍んでいたものの、人数が減るにつれ、難しくなってきたのだ。
まず攻撃を仕掛けたのは徹である。
その付近に【アイスフィールド】を用いて地面を凍らせてみようとしたものの、演出用の氷では地面を凍らすことは難しかったようだ。
そこで素早く切り替え、兵一郎が距離を詰め切る前に【エアブロウ】を放つ。
一方の兵一郎はその衝撃波をフォールディングシールドを展開して受け止めたのだ。
その隙に今度は徹から間合いを詰め、エンシェントコインを握りしめてしっかりと拳を作り、【手慣れたパンチ】を見舞う。
「受けてたつぜェ!」
それを【パームカウンター】で受け流し、さらに兵一郎から一歩踏み込んで反撃の掌低を腹辺りへと喰らわす。
「ぐっ……だが、体力には自信があるのでな」
衝撃が身体を襲い、少しよろけるも、踏ん張り切った徹は再度【手慣れたパンチ】を見舞う。
一方の兵一郎もまだまだ動けるようだ。
可憐な【ハイジャンプ】でかっこよく振舞うことも取り入れながら、兵一郎は徹の拳を回避してみせる。
けれども、回避されるのも徹の計算通りなのだろう。
兵一郎が回避した先では徹が手足を振り回し【コズミックストラグル】の体勢に入っていた。
「素人魂、なめるなよ」
徹はライブの時の【素人魂】のような、悔いのないようにどんな敵にも食らいついていきたいという強い決意をもってスペースカバディ部の秘技を出す。
「ちっ、天笠もやるなァ」
兵一郎は再びフォールディングシールドで防御してみせるも、完全には防御しきれず、衝撃で弾き飛ばされて膝をついてしまう。
その膝をついた所にすかさず追撃をするため徹が【手慣れたパンチ】をしようとするが――……
それよりも前に、兵一郎が突然起き上がり、足を突き出して軽やかに【アクロバットキック】を見舞う。
「っと、危なかった。兵一郎さんも流石だな」
そのキックをすれすれで徹もまた回避。
けれども、着地するや否や、兵一郎が素早くトンファーバトンを取り出し【クイックドロー】で二連撃する。
「ぐあっ……」
一撃目、二撃目と押されるようにその足元に攻撃をくらい、その衝撃で徹はよろけてしまう。
「天笠、悪いなァ!」
「……しまった」
そこにすかさずトンファーバトンで叩きつけ、徹は場外へと落ちてしまった。
気が付けば残りは後3人となっていた。兵一郎に果敢に悠が攻め込もうとする。
そして、その様子を影で伺っていたのはウサミだ。
ウサミは2人を上手く潰しあわせようと、【忍法猫騙し】の要領で動いてみる。
けれども、ライブとは環境が違うこと、また人数も少なくなっていることもあり、上手くいかなかったようだ。
仕方なく目立たぬように【忍び足】で動き、不意打ちを狙いにかかる。
兵一郎と悠は互いに【パームカウンター】で攻撃を受け流しては掌底による反撃を行い、一進一退が続いていた。
そのまま【忍び足】で背後に近づき、ウサミが【聖式寸勁】で襲いにかかるも――……
それに気づいた悠が【キンコンダッシュ】で逃げ切って見せる。悠に避けられたことにより、そのままウサミも攻撃対象を兵一郎へと切り替える。
しかしながら兵一郎もフォールディングシールドを展開しながら一歩後退し、なんとかかわして見せた。
そのまま警戒し、睨み合うウサミと兵一郎。
すると、先ほど【キンコンダッシュ】で逃げ切った悠がウサミの背後に回っており、【クイックドロー】による二連撃を見舞う。
「やる気なく見えるだろーが、オレにもゆずれねーもんはあんだよ」
「かかって来るがいい」
もちろんウサミも簡単にはやられない。悠の攻撃に対して【パームカウンター】で受け流し、反撃を行う。
「うっし、俺もいるぜェ?」
けれどもその掌底が悠に食い込むより先に、今度は兵一郎がウサミの足元を掬うように【アクロバットキック】する。
「いい動きだ、後輩たち」
そのままウサミが体勢を崩したところにすかさず悠がエアーハンドガンを撃ちつけ、端へと追い込みながら動きを制限する。
それにより、体勢を立て直すことが出来なくなったウサミ。
さらにそこに兵一郎が【アクロバットキック】を再び見舞う。
「くっ……」
その衝撃でウサミの身体が一瞬浮き、そこに念には念を入れて、悠が【クイックドロー】の2連続攻撃を撃ち込む。
「君たちはウサミ先輩を超えた。健闘を祈ろう」
自分の強さに確固とした自信を持っていたウサミ。けれどもその反面、自分を超える後輩が現れる事も期待していたのだ。
複雑な先輩心を持ち合わせながらも、越えるべき壁として立ちはだかったウサミは成長過程にある後輩たちの咄嗟の連携に感心しながら場外アウトとなった。
そのウサミを場外へと飛ばした足で、今度は悠に向かって兵一郎が【アクロバットキック】をする。
一方の悠も警戒していたのだろう。【キンコンダッシュ】で一旦逃げ切って距離をとり、体勢を整える。
睨み合う悠と兵一郎。
「ここまできたんだ、やるからには勝つぜェ!」
「オレも負ける気はないぜ……!」
まずは兵一郎がルミマル水風船を投げつける。
「秘密兵器使わせてもらうぜェ?」
目くらましの為に投げつけたのだろう。けれども、悠も警戒していた為に上手くかわされてしまう。
同じく悠もフラッドブラスタープラスで兵一郎に水をかけようとしてみるも、こちらもまた警戒しており、難なくかわしてみせ、床が濡れていく。
互いに隙のないことを悟った2人は一気に動き出す。
兵一郎が【クイックドロー】で二連撃を仕掛け、それを悠が【パームカウンター】で受け流し、反撃。
しかし、それを予想していた兵一郎は咄嗟に屈み回避した上で、至近距離で【アクロバットキック】を見舞おうとする。
けれども、それを【キンコンダッシュ】でかわし、今度は悠から【クイックドロー】を仕掛けていく。
もちろんのこと、兵一郎もそれを【パームカウンター】で受け流し、反撃する。
この攻防を繰り返すうちに、少しずつ、悠の息があがってくる。
どちらの体力が先にきれるのか……誰もが長期戦になることを覚悟した。
そして何度目かの【パームカウンター】での兵一郎の反撃が悠に直撃する。
「くっ……」
先に体力が切れたのは悠だったのか、誰もがそう思った。兵一郎がそのまま一気に畳みかけようとすると……
「なんてな。疲れてるようにみえたか? もらったぜ……!」
悠はその掌底が直撃した腕を掴み、兵一郎の動きを封じる。悠はあえて疲れているフリを偽装していたのだ。
兵一郎の鳩尾に拳を見舞い、抑え込んでいる手を放すと同時に雷震ことショックグローブの電極を流す。
わずかながらに兵一郎の拳を喰らった箇所に電流が流れ、ピリピリとした痛みが走る。
この不意打ちに平一郎は一瞬判断が遅れたのか、ここで悠が一気に畳みかける。
そのまま何度かショックグローブの電流つきの拳を見舞い、兵一郎がよろけた所で拳を受けた同じ個所に【クイックドロー】による二連撃を見舞う。
「ぐあっ……」
最後に猛攻を受け、兵一郎は気絶してしまった。
「オレのゆずれねー思い、本選でも貫くぜ……」
こうして地球ブロックでの戦いは悠が勝ち残った。
開始直後から他の参加者たちと一定の距離を取り、じっと観察していたのは風渡 翼だ。
戦いの余波に巻き込まれないようにしながら、回避を優先に逃げ回っている。
バトルロイヤル形式、戦わないのもまた戦い方ということだろう。
さらに翼はプロデューサー。このような戦いの場は、それぞれの個性が十分に発揮される場合が多い。
そんなアクションを多数みることもまた、次回の舞台演出に役立てることができるかもしれない。
「しっかり勉強させてもらおう」
そんな想いで立ち回っていたのだが、ここは最強を目指して集まってきたものばかり。
逃げるばかりで残り切るのは難しいというもの。
「一般生徒でどこまで行けるかを試す。
オレも負ける気はないぜ……」
そんな翼に挑んでいったのは火澄 悠である。
敵を油断させようと【スローライフ】で平凡さを出していたのだが、内心は勝ち残るという強い決意で満ち溢れていた。
ステージに立つ際の【素人魂】のような感覚で。
まず翼の姿を確認すると素早くエアーハンドガンを取り出し、【クイックドロー】による2連撃を見舞う。
翼はそれを何とかピルムによる【ブロッキング】で防いでみせる。
その間に距離を詰められそうになり、逃げ切る為に服のポケットに入れていた缶ジュースをそっと足元に転がす。
「一般生徒だからとなめられるかもしれないが……
それでもオレはまだ自分を枠にはめたくねーんだよ」
缶ジュースは転倒を狙ったものだが、悠はそれを見逃してはいなかった。
その缶ジュースを飛び越え、立ち向かってくる。
今度は翼が【ツインスラッシュ】で二連撃を行う。
その二連撃を【パームカウンター】で悠は受け流し、掌底にて反撃する。
もちろん、それを翼も【ブロッキング】で再度防御。このまま攻防を繰り返し、長期戦に持ち込もうとしていた。
けれども、その掌底による攻撃は物理的なものだけではなかった。
突如、そこから電気が流れ込む。
「な、電気!?」
そう、一見、エアーハンドガンに目が行きがちだが、悠の武器はそれだけではなかったのだ。
その手に嵌めているグローブは雷震ことショックグローブであった。
予想外の電気による攻撃。ピルムに電気が伝い、思わず翼は武器を落としてしまう。
「オレはまだ何にでもなれるし、なんだってやれる、何処へだっていける……!」
この一瞬の隙に先ほどの掌底で攻撃した反対側の方から力一杯の拳を見舞う。
「うっ」
その拳が腹に食い込むと共に、わずかながらも電気が流れ全身に痺れが走る。
その一瞬の痺れが自由を奪い踏ん張ることが出来ず、翼は吹き飛ばされて場外アウトになってしまった。
そして、仄から逃げ切った兵一郎もまた、徹と戦っていた。
序盤はなんとか防戦で耐え忍んでいたものの、人数が減るにつれ、難しくなってきたのだ。
まず攻撃を仕掛けたのは徹である。
その付近に【アイスフィールド】を用いて地面を凍らせてみようとしたものの、演出用の氷では地面を凍らすことは難しかったようだ。
そこで素早く切り替え、兵一郎が距離を詰め切る前に【エアブロウ】を放つ。
一方の兵一郎はその衝撃波をフォールディングシールドを展開して受け止めたのだ。
その隙に今度は徹から間合いを詰め、エンシェントコインを握りしめてしっかりと拳を作り、【手慣れたパンチ】を見舞う。
「受けてたつぜェ!」
それを【パームカウンター】で受け流し、さらに兵一郎から一歩踏み込んで反撃の掌低を腹辺りへと喰らわす。
「ぐっ……だが、体力には自信があるのでな」
衝撃が身体を襲い、少しよろけるも、踏ん張り切った徹は再度【手慣れたパンチ】を見舞う。
一方の兵一郎もまだまだ動けるようだ。
可憐な【ハイジャンプ】でかっこよく振舞うことも取り入れながら、兵一郎は徹の拳を回避してみせる。
けれども、回避されるのも徹の計算通りなのだろう。
兵一郎が回避した先では徹が手足を振り回し【コズミックストラグル】の体勢に入っていた。
「素人魂、なめるなよ」
徹はライブの時の【素人魂】のような、悔いのないようにどんな敵にも食らいついていきたいという強い決意をもってスペースカバディ部の秘技を出す。
「ちっ、天笠もやるなァ」
兵一郎は再びフォールディングシールドで防御してみせるも、完全には防御しきれず、衝撃で弾き飛ばされて膝をついてしまう。
その膝をついた所にすかさず追撃をするため徹が【手慣れたパンチ】をしようとするが――……
それよりも前に、兵一郎が突然起き上がり、足を突き出して軽やかに【アクロバットキック】を見舞う。
「っと、危なかった。兵一郎さんも流石だな」
そのキックをすれすれで徹もまた回避。
けれども、着地するや否や、兵一郎が素早くトンファーバトンを取り出し【クイックドロー】で二連撃する。
「ぐあっ……」
一撃目、二撃目と押されるようにその足元に攻撃をくらい、その衝撃で徹はよろけてしまう。
「天笠、悪いなァ!」
「……しまった」
そこにすかさずトンファーバトンで叩きつけ、徹は場外へと落ちてしまった。
気が付けば残りは後3人となっていた。兵一郎に果敢に悠が攻め込もうとする。
そして、その様子を影で伺っていたのはウサミだ。
ウサミは2人を上手く潰しあわせようと、【忍法猫騙し】の要領で動いてみる。
けれども、ライブとは環境が違うこと、また人数も少なくなっていることもあり、上手くいかなかったようだ。
仕方なく目立たぬように【忍び足】で動き、不意打ちを狙いにかかる。
兵一郎と悠は互いに【パームカウンター】で攻撃を受け流しては掌底による反撃を行い、一進一退が続いていた。
そのまま【忍び足】で背後に近づき、ウサミが【聖式寸勁】で襲いにかかるも――……
それに気づいた悠が【キンコンダッシュ】で逃げ切って見せる。悠に避けられたことにより、そのままウサミも攻撃対象を兵一郎へと切り替える。
しかしながら兵一郎もフォールディングシールドを展開しながら一歩後退し、なんとかかわして見せた。
そのまま警戒し、睨み合うウサミと兵一郎。
すると、先ほど【キンコンダッシュ】で逃げ切った悠がウサミの背後に回っており、【クイックドロー】による二連撃を見舞う。
「やる気なく見えるだろーが、オレにもゆずれねーもんはあんだよ」
「かかって来るがいい」
もちろんウサミも簡単にはやられない。悠の攻撃に対して【パームカウンター】で受け流し、反撃を行う。
「うっし、俺もいるぜェ?」
けれどもその掌底が悠に食い込むより先に、今度は兵一郎がウサミの足元を掬うように【アクロバットキック】する。
「いい動きだ、後輩たち」
そのままウサミが体勢を崩したところにすかさず悠がエアーハンドガンを撃ちつけ、端へと追い込みながら動きを制限する。
それにより、体勢を立て直すことが出来なくなったウサミ。
さらにそこに兵一郎が【アクロバットキック】を再び見舞う。
「くっ……」
その衝撃でウサミの身体が一瞬浮き、そこに念には念を入れて、悠が【クイックドロー】の2連続攻撃を撃ち込む。
「君たちはウサミ先輩を超えた。健闘を祈ろう」
自分の強さに確固とした自信を持っていたウサミ。けれどもその反面、自分を超える後輩が現れる事も期待していたのだ。
複雑な先輩心を持ち合わせながらも、越えるべき壁として立ちはだかったウサミは成長過程にある後輩たちの咄嗟の連携に感心しながら場外アウトとなった。
そのウサミを場外へと飛ばした足で、今度は悠に向かって兵一郎が【アクロバットキック】をする。
一方の悠も警戒していたのだろう。【キンコンダッシュ】で一旦逃げ切って距離をとり、体勢を整える。
睨み合う悠と兵一郎。
「ここまできたんだ、やるからには勝つぜェ!」
「オレも負ける気はないぜ……!」
まずは兵一郎がルミマル水風船を投げつける。
「秘密兵器使わせてもらうぜェ?」
目くらましの為に投げつけたのだろう。けれども、悠も警戒していた為に上手くかわされてしまう。
同じく悠もフラッドブラスタープラスで兵一郎に水をかけようとしてみるも、こちらもまた警戒しており、難なくかわしてみせ、床が濡れていく。
互いに隙のないことを悟った2人は一気に動き出す。
兵一郎が【クイックドロー】で二連撃を仕掛け、それを悠が【パームカウンター】で受け流し、反撃。
しかし、それを予想していた兵一郎は咄嗟に屈み回避した上で、至近距離で【アクロバットキック】を見舞おうとする。
けれども、それを【キンコンダッシュ】でかわし、今度は悠から【クイックドロー】を仕掛けていく。
もちろんのこと、兵一郎もそれを【パームカウンター】で受け流し、反撃する。
この攻防を繰り返すうちに、少しずつ、悠の息があがってくる。
どちらの体力が先にきれるのか……誰もが長期戦になることを覚悟した。
そして何度目かの【パームカウンター】での兵一郎の反撃が悠に直撃する。
「くっ……」
先に体力が切れたのは悠だったのか、誰もがそう思った。兵一郎がそのまま一気に畳みかけようとすると……
「なんてな。疲れてるようにみえたか? もらったぜ……!」
悠はその掌底が直撃した腕を掴み、兵一郎の動きを封じる。悠はあえて疲れているフリを偽装していたのだ。
兵一郎の鳩尾に拳を見舞い、抑え込んでいる手を放すと同時に雷震ことショックグローブの電極を流す。
わずかながらに兵一郎の拳を喰らった箇所に電流が流れ、ピリピリとした痛みが走る。
この不意打ちに平一郎は一瞬判断が遅れたのか、ここで悠が一気に畳みかける。
そのまま何度かショックグローブの電流つきの拳を見舞い、兵一郎がよろけた所で拳を受けた同じ個所に【クイックドロー】による二連撃を見舞う。
「ぐあっ……」
最後に猛攻を受け、兵一郎は気絶してしまった。
「オレのゆずれねー思い、本選でも貫くぜ……」
こうして地球ブロックでの戦いは悠が勝ち残った。