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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

フェイトスター☆ファイトクラブ!

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フェイトスター☆ファイトクラブ!

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■地球ブロック 2


 全ての者が優勝を目的としている訳ではない。
 それぞれの想いを胸に戦っている者も多くいた。

 ノエル・アドラスティアもその一人である。

「フェスタ最強になんて興味は無いわ。
 西宮 彩!
 ――……勝負!」

「挑まれた勝負はお受けしますよー」

 開始早々、彩に立ち向かうノエル。
 彩もそれに応え、掃除用モップを振りかざす。

 その攻撃を規格外のバストを揺らしながら、ノエルは一歩後退して避けてみせる。

「彩には負けられない!
 その理由はコレよ!」

 彩のバストをじっと睨みながら、ノエルは自身の自慢のバストを持ち上げて強調する。
 さらにこの勝負を他の誰にも邪魔されたくないのだろう。
 ノエルは敢えて【音曲噺】で理由を皆にアピールしているようだ。

「どういうことでしょうー?」

 そう言いながら、モップを槍に見立てて突くようにノエルを狙う。

「きゃっ……」

 それが肩に掠り、少し顔をしかめるも、ノエルはすかさず体勢を整えると、身体を逸らし、自身の足を掴むとリングの形を作ってみせる。

「――巨乳を売りとするアイドルにとって、フェスタ最『胸』たる彩は、憧れにしていつか超えるべき壁……!」

 そのまま身体を回転させ、自慢のバストを揺らしながら渾身の体当たり、【ウキスラッシャー】を見舞う。

「フェスタ最胸の座……ワタシが貰い受けるから……!!」

「んっ……痛いですねー」

 その攻撃を避けきれず、今度は彩が負傷する。
 けれども彩もすぐに立ち上がり、絶妙な間合いを保ちながら素早い突きを連続で行ってくる。

 それに防戦で応えるも、ふと横で戦う彩と同じPRESENT SMILEのメンバーである泉光凛にノエルの意識が向いてしまったのだ。

「あ、そういえば、よく見てみると――
 ――光凛も決して小さくはないし
 他のメンバーのバスト力もかなりの……」

「隙ありですねー」

「きゃっ」

 その一瞬の隙をつかれてノエルは場外へと突き飛ばされてしまう。

「いたた……」

 そしてふと、観客席の莉緒が目に止まる。

「……莉緒
 ……つ、慎ましやかな佇まいのカノジョも、とてもステキだと思いますコトよ?
 でもいつか、PRESENT SMILEとワタシの所属するe.v.e.のユニット同士でも対決をしたいところね――」

 そこに力を試しに満足した彩が退場し、起き上がろうとするノエルに手を貸す。

「お疲れさまでしたー。
 ユニット対決も良いですねー」

 ノエルのユニット対決には別の意味も込められているようだが、彩とノエルは互いに称え合い、握手を交わして勝負を終えた。



 そんな勝負を終えたノエルたちの横では光凛たちがミュージシャン同士の熱いバトルを繰り広げていた。

「このチッヒが全員木端微塵にしてやるDEATHよ!」

 まず、日向 千尋が【キラーチューン】で映画の劇伴のごとく盛り上げようと、華やかに登場したのだ。

 千尋にとっては記録より記憶に残る戦いをすることが目標。そのため、順調な滑り出しであった。

 しかし、そこに光凛が現れ、殴打用マイクで勝負を仕掛けてきたのだ。

「ふぃー。ミュージシャンとしてなら負けないよっ!」

「邪魔するなら、このヘビーメタルサンダルフォンでぶちのめしてやるデスよ!」

 【エモーショナルプレイ】で場の空気を読み、【爆音ヒット】で攻撃を仕掛ける。

「こっちからも行くよっ!」

 光凛もまた、同じタイミングで【爆音ヒット】での攻撃を仕掛けてきた。

「「うっ……」」

 互いに負傷するも、どちらもまだまだ戦える状態。両者一歩も引かずに、次の攻撃こと演奏が始まる。

「なら、このギターでギッタンギッタンにしてやるデス!」

 今度は【リリックアタック】で戦意を削ごうと、歌詞に訴えかけながら、ヘビーメタルサンダルフォンを弾き、攻撃する。

「次はこれでいくよっ!」

 同じく光凛も【リリックアタック】を仕掛けるも……

「攻撃が効いていないデス!?
 ……わかってるデス! 楽器と演奏で心に訴えられても、別に自分から倒れたりリングを降りてはくれないデス!」

「はぇ?
 でも、そうだよね。最強を決めるんだもん。
 歌詞だけでリタイアなんてしてくれないよねっ!」

 その後も互いに音を使った戦いの一進一退が続き……

「ふぃ―……
 や、やるねっ!」

「あなたも……
 ナイスファイトデス……」

 息をきらしながら、両者決着のつかない状態で見つめ合っていた。

 すると、そんな2人の背後にいつの間にか一浜 遥華ウサミ 先輩が近づいていた。

 ウサミは常に目立たぬように気を払いながら【忍び足】で動いていたようで、すかさず千尋の背後をとったのだ。

「ウサミ神拳は一子相伝の暗殺拳。その恐ろしさを味わうがいい」

「い、いつの間に背後をとったデス!?」

 演奏や音による攻撃を手厚く準備していた千尋――……。咄嗟にウサミの不意打ちに対応できず、【聖式寸勁】を直撃で喰らってしまう。

「う……、相棒……
 どんな時も離さないデス……」

 気絶する直前も、相棒のヘビーメタルサンダルフォンを離すことはなく、そのまま膝をつき、前のめりになりバタリと倒れてしまった。

「まだまだ甘い。精進したまえ」


 一方の遥華はというと、遠距離攻撃に注意しつつ、狙われてはダッシュする、というのを繰り返しながら光凛の背後をとったようだ。

 まずは手始めに背後から【手慣れたパンチ】をする。

「私はるちゃんがどれくらい頑張れるのかってこと、試させてもらうよ」

「ふ、ふぃー……危なかった!」

 それをすれすれで光凛は回避する。
 けれども、それは遥華ももちろん予想済み。

「まぁあんまり気張る必要もないし、適当にゆるく行こうかな」

 そう言いながら遥華はダガーナイフで攻撃をしかける。
 一撃目はなんとか光凛もかわすが、すぐさま二撃目が襲い掛かる。
 それを防御しようと【ウェポンガード】を試みるが、二撃目が当たることはなかった。

「はぇ?」

 先ほどの二撃目はフェイントだ。構えている間に横からダガ―ナイフによる一撃が光凛を掠る。

 遥華は【トリックスラッシュ】を上手く取り入れながら、攻撃を重ねていく。

 そのままフェイントを恐れ動きが鈍くなる光凛。そこに【手慣れたパンチ】や蹴りを折りまぜ、遥華の攻撃は勢いを増していく。

 間合いを詰められ圧倒的に光凛の不利な状況へと追い込まれるが、渾身の力を振り絞って殴打用マイクでダガ―ナイフを弾き返す。

「まだ諦めないもんっ!」

「っと、痛いのはやだし」

 それを察知した遥華も一歩後退し、回避する。その隙に光凛が距離を取り、歌による攻撃を仕掛けようとしたその時、光凛目がけてダガ―ナイフが飛んでくる――……。

「あ、危なかった……って、はぇええ!?」

 飛んできたナイフは遥華の【ウェポン・スロー】によるものであった。
 それをぎりぎりで避けた光凛であったが、回避したその先には距離を詰めた遥華が待ち構えていたのだ。

「くらえ今話題のはるちゃんぱーんち!!!! よっせぇえええええい!!!!」

 光凛に遥華の渾身の【手慣れたパンチ】が炸裂し、勢いよく場外へと吹き飛ばされてしまった。

「いやー気持ちいいね!」


 その様子を見守っていたウサミは【忍び足】でまたも背後を取ろうとするが、その前に満足した遥華はあっさりと退場してしまった。

「私の力試し、終わり! はるちゃんはクールに去るぜ」

 そう言いながら、遥華はこの後、どのような打ち上げことお祭り騒ぎをしようか、胸を躍らせていた。

 一方のウサミもまた次のターゲットを探し、【忍び足】で人混みに紛れていった。
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