フェイトスター☆ファイトクラブ!
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■華乱葦原ブロック 2
その一方で、春瀬 那智は早見 迅に手合わせを申し出ていた。
迅の繰り出す攻撃は力が乗っておらず、引き気味の間合いから繰り出されている。
繰り返しブロッキングするが、その剣戟には手ごたえが感じられない。
そのため、防戦に徹していた那智とは読み合い、腹の探り合いが起こっていた。
「つまんねー戦い方だな……!」
「そっちだって、攻めてこないでしょ?」
互いに、挑発に乗る気配はない。
相手をいかに噛みつかせず懐へ容れるか、いかにして隙を生むかの熾烈なせめぎ合いは、しかし、那智が迅の攻撃を受け流して迅の背後へ抜けたことで均衡を崩した。
「ッ――!」
「へえ、そういう」
そして那智は身を翻し、返す刀で反撃に転じようとする。
だがその時、自分の軸足が、迅によって踏みつけられていることに気づいた。
「な、ず、ずりぃぞ!」
「搦め手と言ってほしいね」
軸を移して足を退いたことで、刀にかけられる力は減った――だが、まだ打ち込める。
迅の方も、踏みつけるものをなくした足に体重をかけ、強力な一撃を打ち込もうとする。
彼はそのままの体勢から、腰のひねりと片腕の力で、迅に斬りかかった。
「……!」
互いに寸止め。彼らの剣は、勝敗を決するに十分な威力を持っていたからだ。
「次は、負けねーからな?」
「俺のほうこそ」
そして刀を収めた二人は、連れ立って、闘技場を降りたのだった。
その一方で、春瀬 那智は早見 迅に手合わせを申し出ていた。
迅の繰り出す攻撃は力が乗っておらず、引き気味の間合いから繰り出されている。
繰り返しブロッキングするが、その剣戟には手ごたえが感じられない。
そのため、防戦に徹していた那智とは読み合い、腹の探り合いが起こっていた。
「つまんねー戦い方だな……!」
「そっちだって、攻めてこないでしょ?」
互いに、挑発に乗る気配はない。
相手をいかに噛みつかせず懐へ容れるか、いかにして隙を生むかの熾烈なせめぎ合いは、しかし、那智が迅の攻撃を受け流して迅の背後へ抜けたことで均衡を崩した。
「ッ――!」
「へえ、そういう」
そして那智は身を翻し、返す刀で反撃に転じようとする。
だがその時、自分の軸足が、迅によって踏みつけられていることに気づいた。
「な、ず、ずりぃぞ!」
「搦め手と言ってほしいね」
軸を移して足を退いたことで、刀にかけられる力は減った――だが、まだ打ち込める。
迅の方も、踏みつけるものをなくした足に体重をかけ、強力な一撃を打ち込もうとする。
彼はそのままの体勢から、腰のひねりと片腕の力で、迅に斬りかかった。
「……!」
互いに寸止め。彼らの剣は、勝敗を決するに十分な威力を持っていたからだ。
「次は、負けねーからな?」
「俺のほうこそ」
そして刀を収めた二人は、連れ立って、闘技場を降りたのだった。