全力エスケープ・ナウ!
リアクション公開中!
リアクション
【残り 1:37】
「黒服行った……よね? よし、行こう!」
黒服は参加者を捕まえるため、イクスピナ中を走り回っている。
その姿がなくなったのを見計らい、バニーガール衣装にウサ耳カチューシャを付けた黒瀬 心美はオーバーエレキギターをかき鳴らしながら舞台の上に飛び出した。
エキストラは暫く次の演者が出ずに解散ムードだったが、心美の姿を見ると、皆一斉に戻ってきた。
そして、ステージは一気に盛り上がった。
「ありがとうみんな! ホントはそこのカフェでやろうと思ったんだけど、店長さんがステージ空いてるから行っておいでって言うから来ちゃったよー!」
心美が手を振ると、カフェの店長が手を振り返した。
撮影スタッフも駆け付け、画面いっぱいに心美の姿が映る。
「いいか黒服! アタシのカチューシャ、そう簡単にくれてやるワケにはいかないねぇ! その代わり……身も心も熱くさせてやるよ。消し炭になる覚悟はあるかい? さぁみんなオープニングナンバー行くよ! ついておいで!」
心美は手拍子で観客を誘うと、一気に場を盛り上げた。
その姿を見ていたのが、ステージ前のカフェでウェイターをしていた紫月 悠里だった。
「あれ、さっき来た人……だよね? このギター最高! 店長、私も、行ってきます!」
悠里はヴィオラレイヴンを手にすると、いてもたってもいられず店を飛び出した。
店では店員達が騒いでいたが、悠里にはもう聞こえていない。
ギターボーカルでパフォーマンスする心美のほうへ向かって走っていくと、店の制服のまま舞台に飛び上がった。
突然加わったベースに心美は少し驚いた顔をしたが、悠里のエモーショナルプレイは心美の奏でるナンバーに不思議と合っていた。
「いやぁ、私ロックが大好きで上手い人のギター演奏に目がないんですよ。我慢出来なくなって、来ちゃいました!」
「OK! じゃあもう、カチューシャとかどうでもいいよね! 次はアタシの十八番『紅の誓い』! 行くよ!!」
心美は青春シャウトで情熱のロックを熱く歌い上げた。
悠里も額に汗しながらヴィオラレイヴンでパワフルな音をかき鳴らす。
いつしか、カフェの店員たちもステージの周りに集まってきていた。
しかしその盛り上がりは黒服をも呼んでしまったようだ。
観客から盛大なブーイングが響く中、心美のカチューシャは没収された。
「すごく良かったです、心美さん。これ、持っていってください」
「ありがとう悠里! みんなもありがとう! またね!」
拍手はいつまでも鳴り止まず、たくさんのハートの宝石が心美のもとに届けられた。
悠里の飛び入りでの活躍もあり、宝石は4個集まった。
こうして新たに、1箇所の待機所を封鎖することに成功したのである。
すると、イクスピナ内にこんなアナウンスが流れた。
『ピーンポーンパーンポーン♪ 全力エスケープ・ナウ! に参加中の皆様にお知らせします。只今、宝石が8つ集まったので、2箇所の待機場所が封鎖されました! 残りは1箇所です!』
アナウンスはまた、あの若い男の声だった。
『次の残り1時間半、残り1時間での黒服開放はありませんが、このままラスト30分で新たに5人の黒服が開放されます!』
残り1箇所。
その声に、イクスピナで逃げ回る参加者たちがざわつく。
放送の男はその状況を楽しんでいるようだった。
『さぁ、あと宝石4個だよ? みんな、頑張ってね~♪』
「黒服行った……よね? よし、行こう!」
黒服は参加者を捕まえるため、イクスピナ中を走り回っている。
その姿がなくなったのを見計らい、バニーガール衣装にウサ耳カチューシャを付けた黒瀬 心美はオーバーエレキギターをかき鳴らしながら舞台の上に飛び出した。
エキストラは暫く次の演者が出ずに解散ムードだったが、心美の姿を見ると、皆一斉に戻ってきた。
そして、ステージは一気に盛り上がった。
「ありがとうみんな! ホントはそこのカフェでやろうと思ったんだけど、店長さんがステージ空いてるから行っておいでって言うから来ちゃったよー!」
心美が手を振ると、カフェの店長が手を振り返した。
撮影スタッフも駆け付け、画面いっぱいに心美の姿が映る。
「いいか黒服! アタシのカチューシャ、そう簡単にくれてやるワケにはいかないねぇ! その代わり……身も心も熱くさせてやるよ。消し炭になる覚悟はあるかい? さぁみんなオープニングナンバー行くよ! ついておいで!」
心美は手拍子で観客を誘うと、一気に場を盛り上げた。
その姿を見ていたのが、ステージ前のカフェでウェイターをしていた紫月 悠里だった。
「あれ、さっき来た人……だよね? このギター最高! 店長、私も、行ってきます!」
悠里はヴィオラレイヴンを手にすると、いてもたってもいられず店を飛び出した。
店では店員達が騒いでいたが、悠里にはもう聞こえていない。
ギターボーカルでパフォーマンスする心美のほうへ向かって走っていくと、店の制服のまま舞台に飛び上がった。
突然加わったベースに心美は少し驚いた顔をしたが、悠里のエモーショナルプレイは心美の奏でるナンバーに不思議と合っていた。
「いやぁ、私ロックが大好きで上手い人のギター演奏に目がないんですよ。我慢出来なくなって、来ちゃいました!」
「OK! じゃあもう、カチューシャとかどうでもいいよね! 次はアタシの十八番『紅の誓い』! 行くよ!!」
心美は青春シャウトで情熱のロックを熱く歌い上げた。
悠里も額に汗しながらヴィオラレイヴンでパワフルな音をかき鳴らす。
いつしか、カフェの店員たちもステージの周りに集まってきていた。
しかしその盛り上がりは黒服をも呼んでしまったようだ。
観客から盛大なブーイングが響く中、心美のカチューシャは没収された。
「すごく良かったです、心美さん。これ、持っていってください」
「ありがとう悠里! みんなもありがとう! またね!」
拍手はいつまでも鳴り止まず、たくさんのハートの宝石が心美のもとに届けられた。
悠里の飛び入りでの活躍もあり、宝石は4個集まった。
こうして新たに、1箇所の待機所を封鎖することに成功したのである。
すると、イクスピナ内にこんなアナウンスが流れた。
『ピーンポーンパーンポーン♪ 全力エスケープ・ナウ! に参加中の皆様にお知らせします。只今、宝石が8つ集まったので、2箇所の待機場所が封鎖されました! 残りは1箇所です!』
アナウンスはまた、あの若い男の声だった。
『次の残り1時間半、残り1時間での黒服開放はありませんが、このままラスト30分で新たに5人の黒服が開放されます!』
残り1箇所。
その声に、イクスピナで逃げ回る参加者たちがざわつく。
放送の男はその状況を楽しんでいるようだった。
『さぁ、あと宝石4個だよ? みんな、頑張ってね~♪』