全力エスケープ・ナウ!
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黒服男から逃げるには逃げるだけでなく、自分たちから何か抵抗するしかないらしい。
そこで、アイドルの中には積極的に黒服との「バトル」を演じる者たちもいた。
彼らと黒服男たちとの熱い戦いは、画面の向こうの視聴者達を大いに熱狂させたのだった。
「宝石は他の方に任せて……私はとにかく時間を稼がないといけませんね」
半妖の耳と似たカチューシャを付けたエイリル・プルフーは周囲の様子を伺いながら黒服のいない場所を探して逃げた。
やって来たのは新車の販売を行っている屋内の展示ブースだった。
「あまり周囲にお客さんもいませんし、ここなら時間が稼げそうです♪」
エイリルはスポーツカーの横に設置されたキャンペーンガールの等身大看板の後ろに潜り込み、息を潜めた。
しかし、黒服に死角はない。
すぐに2人の黒服が現れ、その後ろをTVの撮影スタッフも追ってきた。
(こんなに早く来るとは……でも、そのまま進んでくれば……そのままです!)
エイリルは息を殺し、黒服の接近を待った。
すると、キャンピングカーと販促用のアウトドア用品の間を通ろうとした黒服が何かに足を引っ掛けて転倒した。
妖しい煌めきを持ったそれは、エイリルが設置した蜘蛛糸の綾取り紐だった。
「ふふっ♪ うまく引っかかりましたね。でも……ちょっとここも危なそうなので、移動しますよ!」
エイリルは看板の後ろから飛び出すと、展示ブースから走り出た。
そして、桜花招来で花びらを呼び出すと、こちらに反応して追ってこようとした黒服に向かってエアリングの衝撃波で思い切り吹き付けてその場から悠々と逃げおおせたのであった。
「お楽しみはこれからですから、まだ捕まりませんよ!」
一方その頃、黒猫の耳をつけた佐藤 七佳はエスカレーターの前でイクスピナ内の案内図を見ていた。
「……ん。この階はない、にゃ。逃げるのは上の階……でも、『あそこ』に逃げるのは最終手段、にゃ?」
ちょうど、七佳の後ろからは撮影スタッフがついてきていた。
ここはアピールして知名度を上げるチャンスである。
「……ん。外のステージに向かうにゃ。向こうでライブの準備をしている人がいれば手伝うの、にゃ」
七佳はそうカメラにアピールすると、下りエスカレーターの方へ向かおうとした。
しかしその時、上の階から黒服が降りてくるのが見えた。
「……ん。予定変更。やっぱりあそこ」
七佳は踵を返し、上りエスカレーターの方へ走った。
そして、追ってきた黒服に対し、胸元のボタンを少し多めに外し、谷間をチラリと見せながら胸を揺らしつつ「にゃ~ん」とネコなポーズでセクシー攻撃を食らわせた。
「……ん。テレビ的にもおいしいハズ、にゃ」
黒服がたじろいでいる間に七佳が向かったのは女子トイレだった。
ほとんどの黒服は男である。
そこに逃げ込んでしまえばもう追ってこられないハズ……だったのだが。
「……ん。これは詰んだかも……にゃ」
女子トイレの前には長い行列ができており、洗面スペースも人でぎっしり。
残念ながら、七佳はどうにか中に入ろうとしている間に黒服にカチューシャを取られてしまったのだった。
黒服男から逃げるには逃げるだけでなく、自分たちから何か抵抗するしかないらしい。
そこで、アイドルの中には積極的に黒服との「バトル」を演じる者たちもいた。
彼らと黒服男たちとの熱い戦いは、画面の向こうの視聴者達を大いに熱狂させたのだった。
「宝石は他の方に任せて……私はとにかく時間を稼がないといけませんね」
半妖の耳と似たカチューシャを付けたエイリル・プルフーは周囲の様子を伺いながら黒服のいない場所を探して逃げた。
やって来たのは新車の販売を行っている屋内の展示ブースだった。
「あまり周囲にお客さんもいませんし、ここなら時間が稼げそうです♪」
エイリルはスポーツカーの横に設置されたキャンペーンガールの等身大看板の後ろに潜り込み、息を潜めた。
しかし、黒服に死角はない。
すぐに2人の黒服が現れ、その後ろをTVの撮影スタッフも追ってきた。
(こんなに早く来るとは……でも、そのまま進んでくれば……そのままです!)
エイリルは息を殺し、黒服の接近を待った。
すると、キャンピングカーと販促用のアウトドア用品の間を通ろうとした黒服が何かに足を引っ掛けて転倒した。
妖しい煌めきを持ったそれは、エイリルが設置した蜘蛛糸の綾取り紐だった。
「ふふっ♪ うまく引っかかりましたね。でも……ちょっとここも危なそうなので、移動しますよ!」
エイリルは看板の後ろから飛び出すと、展示ブースから走り出た。
そして、桜花招来で花びらを呼び出すと、こちらに反応して追ってこようとした黒服に向かってエアリングの衝撃波で思い切り吹き付けてその場から悠々と逃げおおせたのであった。
「お楽しみはこれからですから、まだ捕まりませんよ!」
一方その頃、黒猫の耳をつけた佐藤 七佳はエスカレーターの前でイクスピナ内の案内図を見ていた。
「……ん。この階はない、にゃ。逃げるのは上の階……でも、『あそこ』に逃げるのは最終手段、にゃ?」
ちょうど、七佳の後ろからは撮影スタッフがついてきていた。
ここはアピールして知名度を上げるチャンスである。
「……ん。外のステージに向かうにゃ。向こうでライブの準備をしている人がいれば手伝うの、にゃ」
七佳はそうカメラにアピールすると、下りエスカレーターの方へ向かおうとした。
しかしその時、上の階から黒服が降りてくるのが見えた。
「……ん。予定変更。やっぱりあそこ」
七佳は踵を返し、上りエスカレーターの方へ走った。
そして、追ってきた黒服に対し、胸元のボタンを少し多めに外し、谷間をチラリと見せながら胸を揺らしつつ「にゃ~ん」とネコなポーズでセクシー攻撃を食らわせた。
「……ん。テレビ的にもおいしいハズ、にゃ」
黒服がたじろいでいる間に七佳が向かったのは女子トイレだった。
ほとんどの黒服は男である。
そこに逃げ込んでしまえばもう追ってこられないハズ……だったのだが。
「……ん。これは詰んだかも……にゃ」
女子トイレの前には長い行列ができており、洗面スペースも人でぎっしり。
残念ながら、七佳はどうにか中に入ろうとしている間に黒服にカチューシャを取られてしまったのだった。