全力エスケープ・ナウ!
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追手の黒服達をヘトヘトにする手勢は他にもいた。
黒服の頭の上からコン、と落ちてきたのは麻雀の牌。
落としたのは天地 和だった。
「やあやあ、わたしこそは未来のカリスマ麻雀アイドル、天地 和! わたしと勝負しようって者がいれば、いざ尋常に勝負! かかっておいで!」
狐耳を付けた和は2階のおもちゃ売り場の窓から乗り出し、黒服を煽った。
手には麻雀の牌があった。
「わたしはそう簡単には捕まらないよ! ここまでおいでー!」
和はテラスの屋根の上に飛び降りると、視線誘導で黒服を引きつけた。
その通った後には点々と牌が散らばっていた。
しかし、それは黒服をミスリードするための仕掛けだった。
「そっちじゃないよ、ほらほら! コンコーン♪」
牌を辿っていった黒服とは反対の方向から和がハイジャンプする。
こうして、黒服は全員ステージから離されたかと思われた。
しかし、木戸 一晴は集団から離れて単独でステージへ接近する1人の黒服を見逃さなかった。
彼は大勢のエキストラをかき分け、ステージ下へと迫っていた。
「アーヴィ、瑠亜、出番だぜ!」
一春の声で飛び出したのは、夢月 瑠亜とアーヴェント・ゾネンウンターガングだった。
狼耳を付けたアーヴェントは舞台袖に飛び上がると、「来い」と言って瑠亜に手を広げる。
すると、猫耳カチューシャを瑠亜が「大好き!」と叫び、アーヴェントの胸に飛び込んだ。
「あーくん、見てみて! ステージ! 私達、映っちゃってます♪」
「うわっ?! カメラまで来ていたのか!」
思いがけないことに、黒服と一緒にTVの撮影スタッフが2人の姿を追っていたらしい。
アーヴェントは思わず赤面したが、瑠亜が構わず彼に顔を近づけた。
「恥ずかしがらないでください……だって私達、ラブラブなんですから」
「そ……そうだな。黒服にもそれは伝わっているようだ……大成功だな」
仲睦まじい様子を演じる2人の姿に、黒服は完全に「石」になってしまっていた。
このまま黒服をステージに近づけず、最後までライブを。
そのために、2人は「ラブラブ」をアピールし続けた。
「ふふ……大好きですよ、あーくん」
「自分は大好きではないな」
「えっ、ひ、ひどいです!」
「大好きではない、愛している」
「やーん♪ 嬉しいです♪(ちゅ)」
アーヴェントの頬にキスする瑠亜。
すると、ステージ下から一晴が2人の周囲を、スパークマネージの火花できらきら彩り、引き立てるように演出した。
沸き返る慣習と、画面いっぱいに広がる視聴者からのメッセージ。
アーヴェントは真っ赤になった。
「お、おいおい! 流石にそれは……!」
「ほっぺにキスくらいで照れないくださいよあーくん? これは海外風の親愛のし・る・し♪ です♪」
「そ、そうか……納得だ。ドイツではやらないから少し驚いたよ……」
「じゃあ、そろそろライブも終盤ですから、私たちはそろそろ行きましょう? あーくん、行きますよ!」
宴も酣。
瑠亜はステージに仕掛けておいたアクションワイヤーを操作すると、アーヴェントを抱えて飛び上がった。
「それでは皆さん、最後まで楽しんでくださいね♪」
「ああ……キッドの視線が痛いな。後でフォローしておこう……」
2人は観客の上を飛び越え、リングドロップをばらまきながらフェードアウト。
先程の黒服はハッと正気に戻り、2人を追った。
しかしその前に、一晴が立ちはだかる。
「っと……。狙うなら俺にしとけよ。あんま野暮はするもんじゃないだろ?」
一晴はフェスタ流護身術で身に付けた動きで相手とつかず離れずの距離を保ちながら、オークロッドを手に相手を牽制した。
黒服は一晴に攻撃する様子はないものの、引く様子もなく、一晴のロッドを警戒しながら、隙きあらば飛びかかる、という態度を崩さなかった。
「仕方ないな……なら、コレでどうだ!」
一晴はエアリングから風を飛ばし、黒服をはね除けた。
その間にアーヴェントと瑠亜も安全な場所に逃げ、ライブはラストのサビへ。
曲が終わり、客席から嵐のような拍手と歓声が沸き起こった。
追手の黒服達をヘトヘトにする手勢は他にもいた。
黒服の頭の上からコン、と落ちてきたのは麻雀の牌。
落としたのは天地 和だった。
「やあやあ、わたしこそは未来のカリスマ麻雀アイドル、天地 和! わたしと勝負しようって者がいれば、いざ尋常に勝負! かかっておいで!」
狐耳を付けた和は2階のおもちゃ売り場の窓から乗り出し、黒服を煽った。
手には麻雀の牌があった。
「わたしはそう簡単には捕まらないよ! ここまでおいでー!」
和はテラスの屋根の上に飛び降りると、視線誘導で黒服を引きつけた。
その通った後には点々と牌が散らばっていた。
しかし、それは黒服をミスリードするための仕掛けだった。
「そっちじゃないよ、ほらほら! コンコーン♪」
牌を辿っていった黒服とは反対の方向から和がハイジャンプする。
こうして、黒服は全員ステージから離されたかと思われた。
しかし、木戸 一晴は集団から離れて単独でステージへ接近する1人の黒服を見逃さなかった。
彼は大勢のエキストラをかき分け、ステージ下へと迫っていた。
「アーヴィ、瑠亜、出番だぜ!」
一春の声で飛び出したのは、夢月 瑠亜とアーヴェント・ゾネンウンターガングだった。
狼耳を付けたアーヴェントは舞台袖に飛び上がると、「来い」と言って瑠亜に手を広げる。
すると、猫耳カチューシャを瑠亜が「大好き!」と叫び、アーヴェントの胸に飛び込んだ。
「あーくん、見てみて! ステージ! 私達、映っちゃってます♪」
「うわっ?! カメラまで来ていたのか!」
思いがけないことに、黒服と一緒にTVの撮影スタッフが2人の姿を追っていたらしい。
アーヴェントは思わず赤面したが、瑠亜が構わず彼に顔を近づけた。
「恥ずかしがらないでください……だって私達、ラブラブなんですから」
「そ……そうだな。黒服にもそれは伝わっているようだ……大成功だな」
仲睦まじい様子を演じる2人の姿に、黒服は完全に「石」になってしまっていた。
このまま黒服をステージに近づけず、最後までライブを。
そのために、2人は「ラブラブ」をアピールし続けた。
「ふふ……大好きですよ、あーくん」
「自分は大好きではないな」
「えっ、ひ、ひどいです!」
「大好きではない、愛している」
「やーん♪ 嬉しいです♪(ちゅ)」
アーヴェントの頬にキスする瑠亜。
すると、ステージ下から一晴が2人の周囲を、スパークマネージの火花できらきら彩り、引き立てるように演出した。
沸き返る慣習と、画面いっぱいに広がる視聴者からのメッセージ。
アーヴェントは真っ赤になった。
「お、おいおい! 流石にそれは……!」
「ほっぺにキスくらいで照れないくださいよあーくん? これは海外風の親愛のし・る・し♪ です♪」
「そ、そうか……納得だ。ドイツではやらないから少し驚いたよ……」
「じゃあ、そろそろライブも終盤ですから、私たちはそろそろ行きましょう? あーくん、行きますよ!」
宴も酣。
瑠亜はステージに仕掛けておいたアクションワイヤーを操作すると、アーヴェントを抱えて飛び上がった。
「それでは皆さん、最後まで楽しんでくださいね♪」
「ああ……キッドの視線が痛いな。後でフォローしておこう……」
2人は観客の上を飛び越え、リングドロップをばらまきながらフェードアウト。
先程の黒服はハッと正気に戻り、2人を追った。
しかしその前に、一晴が立ちはだかる。
「っと……。狙うなら俺にしとけよ。あんま野暮はするもんじゃないだろ?」
一晴はフェスタ流護身術で身に付けた動きで相手とつかず離れずの距離を保ちながら、オークロッドを手に相手を牽制した。
黒服は一晴に攻撃する様子はないものの、引く様子もなく、一晴のロッドを警戒しながら、隙きあらば飛びかかる、という態度を崩さなかった。
「仕方ないな……なら、コレでどうだ!」
一晴はエアリングから風を飛ばし、黒服をはね除けた。
その間にアーヴェントと瑠亜も安全な場所に逃げ、ライブはラストのサビへ。
曲が終わり、客席から嵐のような拍手と歓声が沸き起こった。