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特番を狙え!『アイドルドリブン!』

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特番を狙え!『アイドルドリブン!』

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コスメシリーズ「ARATAMA」CM制作現場より 4

 春人に向かって押し寄せる落ち武者たちをなんとかするため、スタジオ内で動き始める者たちがいた。

「亡霊ごときを春人には近づけさせないでござるよ!
 彼は……いや彼女は全世界のヒロインなのだからな!
 ここを通すわけにはいかないでござる!」
 白川 郷太郎は、ついさっきまで、マネキンのごとく、スタジオのすみに立っていた。
 火花小紋に飾り月光刀と、にっかり青江の二刀差しで、演出用と実戦用の両方を用意していたが、
 今回は実戦のチャンスが来たようである。

 不撓の精神で、一気に敵を迎え撃ち、抜刀残心。
 落ち武者を叩き斬る。

「ヨメ……オレノヨメ……」

「神谷は化粧映えしてるけど、男性だから花嫁にはなれないぞ」
 天海 ハルキが、真顔でツッコミを入れる。

「ベツニカマワナイ……」
「ハルトカワイイ……」
「カワイケレバイイ……」

「それでも断ってる相手に無理強いするのはよくないぞ」
 ハルキの冷静な説得に、落ち武者たちが応じる様子はない。

 やむを得ず、ハルキも太刀を構え、抜刀一閃。
 襲いかかってくる落ち武者を斬る。

 しかし。

(くっ、カメラがたくさんあるから映り込むとまずいな……。
 なるべく目立ちたくないし……)
 ハルキは、目立つことがとても苦手なのであった。

「首級御頂戴でござる」
 郷太郎の天地双閃で、落ち武者の首が飛ぶ。

 生身ではなく、落ち武者の亡霊なので、血しぶきが飛び散ったりはしないのだが、
 それでも、このまま映ったらまずそうなのはたしかである。

 すっぽーん、すっぽーんと首が飛び、落ち武者たちはどんどん戦闘不能になるのだが。
 
「ヨメ……オレノヨメ……」
 頭だけになっても、落ち武者たちは、春人への執念を燃やしていた。

「変わったマネキンね。言葉をしゃべるの?」
 白波 桃葉は、相変わらず勘違いしたままであった。

「そ、そうだ、マネキン! それで押し通せば!」
 ハルキが、落ち武者の頭を抱えておろおろする。
 カメラを向けられて軽くパニックになっていた。

「そうそう! これは『俺の嫁コール』のマネキンなんですよ!
 さあ、皆さんもご一緒にどうぞ!」
 エイリル・プルフーが、桜花招来や酒鬼乱舞によって、幻想的な雰囲気を作り出す。
 スタジオは、すっかり、不思議で、どこかシュールな世界になっていた。

「「「オレノヨメ……オレノヨメ……」」」
 頭だけになった落ち武者たちがコールする。

 夢妖の宴技による二つのドリアディナフラワーを同時に扱う技で、
 エイリルが、春人の魅力を引き立てようとする。

 なんとなく、スタジオ全体が酔っぱらったような雰囲気になってきており、
 「これは演出によるもの」という、ゴリ押しがききそうになってきていた。

 そこに、新たなCM撮影が始まった。
 ウサギの着ぐるみの姿をしたウサミ 先輩が、
 ARATAMAのコスメを着ぐるみの上から使い始めたのである。

「うーん、やっぱりARATAMAは最高だね。
 肌つやもよくなるし、美を極めるにはこれしかない」
 ウサミ先輩が、着ぐるみの顔の上からコスメを使いつつ言う。

 そして、次の瞬間。
 和服&コスメでキメた中の人が、花吹雪をまき散らしつつ登場した。
 大道芸知識によって、着ぐるみから飛び出す花吹雪の演出を用意していたのだった。

「美しさが開花する。」
 カメラ目線で、美しくメイクを施したウサミ先輩の中の人が、クールな表情で言った。

「斬新だわ! 中の人が出てくるのは掟破りのはず!
 しかし、掟を破ることこそが、新しい芸術を生み、文化を育てるのよ!」
 ポールが、拳を握りしめ力説している。

 ウサギの着ぐるみから中の人が飛び出すという、演出があったおかげで、
 落ち武者の頭も、全部マネキンなのだという納得感が増したのであった。

「さあ、まだまだこれから、撮影は続いていきますよ」
 エイリルが引っ張りつつ、花吹雪が舞う中、『アイドルドリブン』の番組そのもののCMに入る。

 その間に、残っている落ち武者たちを倒したり、
 首だけになっている落ち武者を移動させたりということがあったものの、
 なんとかなったのであった。
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